COVID-19関連追加(202045日)

BCG接種とCOVID-19との関連仮説】

 

Miller A, et al. Correlation between universal BCG vaccination policy and reduced morbidity and mortality for COVID-19: an epidemiology study. medRxiv 2020.

https://doi.org/10.1101/2020.03.24.20042937.(プレリリースの論文)

US,ニューヨークからの仮説.BCGBacillus Calmette-Guerinワクチンは,ウシ結核菌Mycobacterium bovisから分離された結核に対するワクチンである.BCG接種の政策は国によって異なる.BCG接種とCOVID-19感染者数・死亡者数は関連があるかもしれない.

 

BCG接種政策がある低所得国家および中~高所得国家に比べ,BCG接種政策がない中~高所得国家はCOVID-19の感染者・死亡者数が有意に多い(Figure 1Figure 3

早い時期からBCG接種を行っていた国と近年開始した国の開始年と死亡率は相関がある(Figure 2

・日本は1947年からBCG接種が開始された.

・中国はBCG接種を1950年代から開始されているが,文化大革命(1966-1976)の間,結核予防・治療機関は機能しなかったため,その間に多くの未接種者が生まれた可能性がある.

・イランはBCG接種を1984年から開始しており,36歳以上のイラン国民は接種していない.

・スペインは1965年からBCG接種が開始されたが,1981年で中止された(16年間.39歳以下,55歳以上は接種していない).

・デンマークは1946年から1986年まで接種された(40年間.34歳以下,74歳以上は接種していない).

 

一方で,BCG接種の開始年とCOVID-19感染者数は相関を認めなかった(Figure 4).高齢者に早期にBCG接種を行ったからといって感染が防げるというわけではないかもしれない

 

文化の違い,感染拡大防止への取り組みの違い,医療機関へのアクセス(医療崩壊も含む)など様々な要因があると考えられるが,BCG接種はCOVID-19への防御機構を担っている可能性がある.BCG接種は妊娠女性など免疫低下者には禁忌であることを考慮しつつ,真の効果を確立するためにはランダマイズドトライアル試験が望まれる.

 

【ソーシャルディスタンシングとしての学校閉鎖の弊害】

Bayham J, et al. Impact of school closures for COVID-19 on the US health-care workforce and net mortality: a modelling study. Lancet Public Health 2020 April 3.

https://doi.org/10.1016/s2468-2667(20)30082-7.

USでの研究.13歳以上の未成年や同居人がおらず,3~12歳の子供がいる医療関係者(医師以外)は15%,だいたい7人に1人である.またその6.8%は片親であり,他の職業よりも多い.我々の計算結果では,学校閉鎖の結果として医療関係者が15%減ると,少なくとも2.3%1.8-2.8)死亡率が増加する.子供はインフルエンザに対して脆弱があるため,学校閉鎖はインフルエンザモデルに基づいている1).一方で,子供はCOVID-19に感染しやすい群ではなく,高齢者に比べて脆弱性は低いという報告がある2).インフルエンザと比べて学校閉鎖による感染伝播リスク減少のエビデンスははっきりしないが,COVID-19感染拡大早期の学校閉鎖はさらなる感染増加を防ぐかもしれないし,子供の世話をするために成人が自宅にいるが感染拡大を抑制するかもしれない.しかし,医療関係者の欠如がCOVID-19感染者の死亡率を増加させうることは重要な点だ.

1) Jackson C, et al. School closures and influenza: systematic review of epidemiological studies. BMJ Open 2013; 3: e002149.

2) Anderson RM, et al. How will country-based mitigation measures influence the course of the COVID-19 epidemic? Lancet 2020; 395: 931-934.