COVID-19関連追加(2020415日)

 

【アイスランドにおけるSARS-CoV-2感染の広がり】

 

Gudbjartsson DF, et al. Spread of SARS-CoV-2 in the Icelandic Population. New Engl J Med 2020 April 14. doi: 10.1056/NEJMoa2006100.

<背景>

SARS-CoV-2パンデミックの中,アイスランドでは2月下旬にはじめてのCOVID-19患者が確認された.※アイスランドは北欧の島国.

<方法>

我々は3つの方法でPCR検査を行った.

@Targeted test:有症状で感染が疑われる9199人(最近,感染流行国へ旅行をした場合あるいは感染者と濃厚接触がある場合).

AOpen-invitation screening:アイスランド全住民(無症状あるいは軽度の風邪症状あり)呼びかけし,オンラインで登録した10797人.参加者の大部分は首都圏内在住者であった.

BRandom-population screening:人口スクリーニングのサンプリング法を評価するため,20~70歳のアイスランド住人をランダムに選択し,電話でテキストメッセージを送って同意を得た2283人.

さらに陽性者のうち643例のSARS-CoV-2DNAシーケンス分析を行った.

<結果>

44日時点で,Targeted testを行った9199人のうち1221人(13.3%)はPCR陽性だったOpen-invitation screening87例(0.8%),Random-invitation screeningでは13例(0.6%)がPCR陽性だった.以上で全人口の6%をスクリーニングした.

後になってTargeted testを受けた人に比べて,早期にTargeted testを受けたほとんどの人は最近の渡航歴があった.Targeted testを受けPCR陽性だった人の93%COVID-19の症状を認めた.またABのスクリーニングでCOVID-19の症状を認めたのは57%であった.しかしスクリーニングで陰性だった人の29%は症状を認めたが,この検討期間中に有症状者は減少していた(Figure S4).Targeted testを受けた10歳未満の小児は10歳以上の人に比べて陽性者は少なかった(38/5646.7% vs 1183/863513.7%.またスクリーニングでは10歳未満の小児で陽性はゼロ(0/848人),10歳以上の人は0.8%100/12232人)が陽性だった.性別では,Targeted testを受けた人では男性16.7%,女性11.0%が陽性,スクリーニングでは男性0.9%,女性0.6%であった.SARS-CoV-2DNAシークエンスの結果はウイルスの多様性と変化が認められた(Figure S7

<結論>

アイスランドの人口を元にしたこの検討では,10歳未満の小児と女性の罹患率は思春期あるいは成人,男性よりも低かった.スクリーニング期間中の感染者の比率は変化がなかった.これはウイルス封じ込み戦略が有効であると考えられる.

 

ハプロタイプ:アレル(相同染色体上の対になっている遺伝子同士)の組み合わせ.

ABは西アジア,B1aはアウトブレイクが起きたアメリカ西海岸,A2aとその祖先はヨーロッパで見られたもの.後のTargeted testではA1aや他のA2a関連のハプロタイプの比率が上昇している.この変化は,当時は高いリスクを想定していなかった地域(イギリスなど)へ渡航し感染した人達が戻ってきてクラスターになった結果だと想定できる.