COVID-19関連追加(2020423日)

【ニューヨーク中心部におけるCOVID-19患者5700例の臨床像と転帰】

Richardson S, et al. Presenting Characteristics Comorbidities, and Outcomes Among 5700 Patients Hospitalized With COVID-19 in the New York City Area. JAMA 2020 April 22. doi: 10.1001/jama.2020.6775.

 

<目的>USにおけるCOVID-19入院患者の臨床像と転帰を調査する.

<方法>ニューヨーク,ロングアイランド,ウエストチェスター郡,そしてニューヨーク市,ロングアイランドのおよそ1100万人を抱えるノースウェルヘルス医療システムに包括される12の病院に202031日〜44日まで入院したCOVID-19患者のデータを解析し,クリニカルアウトカムを44日まで観察した.入院期間におけるクリニカルアウトカムは侵襲的人工呼吸,人工透析,死亡と設定した.

<結果>対象は5700例(median, 63 years [IQR, 52-75; range, 0-107 years]; 女性は39.7%)であった.初回rt-PCR検査で陽性になったのは5517例(98.1%)であったが,初回は陰性で繰り返しの検査で陽性になったのが13例(1.9%)あった.主たる基礎疾患は高血圧症(3026; 56.6%肥満(1737; 41.7%糖尿病(1808; 33.8%であった.トリアージ時の症状は,発熱30.7%24/分を超える頻呼吸17.3%,酸素投与27.8%であった.他のウイルス感染の合併は2.1%42/1996例)だった.人種別は,Asian473例(8.7%),White2164例(39.8%),African American1230例(22.6%)だった.

※人種による重症度の検討はされてない.

 

 

 

 

 

20歳未満の男女における死亡率は0%0/20例)だった20歳以上の死亡率は女性に比べて男性で多かった

 

 

アウトカムは調査終了時に退院あるいは死亡した2634例で評価した.入院期間中,ICUで治療を受けたのは373例(14.2%median 68 years [IQR, 56-78]; 女性33.5%であり,侵襲的人工呼吸管理を受けたのは320例(12.2%,人工透析を受けたのは81例(3.2%)だった.そして553例が死亡した(21%人工呼吸管理を受けた患者の死亡率は88.1%だった人工呼吸管理を受けた1865歳の死亡率は76.4%,66歳以上の死亡率は97.2%だった18歳未満で死亡は認めなかった.死亡した18歳〜65歳の入院期間は5.5日(IQR, 2.9-8.4),66歳以上の入院期間は4.4日(IQR, 2.1-7.1)だった.退院後の観察期間はmedian 4.4日(IQR, 2.2-9.3)であり,45例(2.2%)が調査期間中に再入院した.再入院までの期間は3日(IQR, 1.0-4.5)だった.

生存退院あるいは死亡した患者において,ICUで治療あるいは侵襲的人工呼吸管理を受けたのは66歳以上群に比べて18歳〜65歳群で多かった.生存退院した患者において,疾患が進行した患者の年齢が高くなるほど入院中の最小リンパ球数は低かった.

死亡した患者において糖尿病がない群に比べて,糖尿病群はより侵襲的人工呼吸管理やICUで治療を受けた例が多かった.また死亡した患者において高血圧症がない群に比べて,高血圧症群は侵襲的人工呼吸管理やICUで治療を受けた例は少なかった.

ACEiあるいはARBが投与されていない高血圧群,ACEiが投与されていた高血圧群,ARBが投与されていた群の死亡率はそれぞれ,26.7%32.7%30.6%だった.このケースシリーズではACEi/ARBの複雑な問題(有益,不利益)は解決しなかった.

Limitation:ニューヨーク中心部のみのpopulationであること,電子データからの解析であること,退院後の観察期間は短く4.4日であったこと,サブグループの記述統計は可能性のある交絡因子で調整していないこと,利用できたクリニカルアウトカムのデータは入院患者の46.2%に過ぎないこと.