COVID-19関連追加(2020514日)

 

BCG接種はSARS-CoV-2感染に対する防御効果をもたない報告(JAMA),

ネコへの感染の報告(NEJM)の2編】

(1)Hamiel U, et al. SARS-CoV-2 Rates in BCG-Vaccinated and Unvaccinated Young Adults. JAMA. Published online May 13, 2020. doi: 10.1001/jama.2020.8189.

イスラエルにおける解析.小児期にBCGを接種していた群(1979-1981年生まれ)と非接種群(1983-1985年生まれ)のSARS-CoV-2陽性者数はそれぞれ3064例(この時期に生まれた集団の1.02%;男性49.2%;平均40歳)のうち361例(11.7%),2869例(この時期に生まれた集団の0.96%;男性50.8%;平均35歳)のうち299例(10.4%)であり有意差は認めなかった(差1.3%95% CI, -0.3% to 2.9%P= 0.09.人口10万人当たりの陽性率はBCG接種群121人,非接種群100人であり,差は21/10万人と有意差を認めなかった(95% CI-10 to 50 per 10万人;P= 0.15).両群で各1例,人工呼吸器管理を要する重症例を認めたが,死亡例は認めなかった.

結論:我々は小児期のBCGワクチン接種は成人のCOVID-19に対する防御効果を有するという仮説を支持しない

 

BCG

Twitterによるとイスラエルで当時使用されていたのはGlaxoで,Danish株と同じDU2-Vから派生しており,Tokyo 172とは遠縁になるようだ

 

 

 

(2)Halfmann PJ, et al. Transmission of SARS-CoV-2 in Domestic Cats. New Engl J Med. May 13, 2020. doi: 10.1056/NEJMc2013400.

SARS-CoV-2を感染させたネコと感染のないネコを濃厚接触させた.接触したネコの鼻腔スワブでは5日後までには全例PCR検査でウイルスが検出され,少なくとも4-5日はウイルスが排出された(Figure 1.いずれも直腸スワブからはウイルスは検出されなかった.また発熱,体重減少,結膜炎といった症状は認めなかった感染後24日で,いずれのネコもIgG抗体が認められた

この研究で家庭内のネコの間では簡単に感染伝播が生じることが示されたSARS-CoV-2がヒトからネコに感染した報告1),動物園のトラ,ライオンに感染した報告2)があり,2016年にはニューヨーク市の“cat shelter”内でH7N2鳥インフルエンザウイルスのネコ-ヒト感染のアウトブレイクが報告されている3).さらにこの研究におけるネコはいずれも症状を呈さず,飼い主に認識されない可能性がある.

米国CDCSARS-CoV-2に関するペットの飼い主に対するガイドラインを発行している(www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/daily-life-coping/animals.htmlSARS-CoV-2のネコ-ヒト感染は明らかではないが,ヒトへの感染にネコが何らかの役割を果たしている可能性があることを認識する必要がある.

※ウィスコンシン大学マディソン校,国立感染症研究所,国立国際医療研究センターからの報告.

1) 2 Cats in NY become the first US pets to test positive for virus. AP News. April 22, 2020.

2) United States Department of Agriculture, Animal and Plant Health Inspection Service. USDA statement on the confirmation of COVID-19 in a tiger in New York. April 6, 2020.

3) Marinova-Petkova A, et al. Avian influenza A (H7N2) virus in human exposed to sick cats, New York, USA, 2016. Emerg Infect Dis 2017; 23: 2046-9.

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