COVID-19関連追加(2020711日)

 

COVID-19の後遺症について】

Carfì A, et al. Persistent Symptoms in Patients After Acute COVID-19. JAMA. July 9, 2020. doi:10.1001/jama.2020.12603.

Background

イタリアにおいて,COVID-19患者の多くが症状を呈している(202063日時点で,確定症例31845人の71.4%). 一般的な症状は,咳,発熱,呼吸困難,筋骨格系症状(筋肉痛,関節痛,疲労感),消化器症状,嗅覚消失/味覚低下である.しかし,回復後に持続する症状についての情報は少ない.COVID-19から回復した退院患者の持続する症状を評価した.

Methods

2020421日からイタリアのローマにあるthe Fondazione Policlinico Universitario Agostino Gemelli IRCCSは,COVID-19から回復して退院した人を対象としたポストアキュート外来(postacute outpatient serviceを設置した.世界保健機関(WHO)の隔離中止基準,すなわち3日間連続して発熱を認めず,その他の症状の改善している.そして,SARS-CoV-2検査が24時間を空けて2回陰性,を満たし,エントリー時にRT-PCR検査が陰性であった患者を追跡調査した.

患者に対して詳細な病歴問診とphysical examinationを伴う包括的な医学的評価を行った.既往歴および治療歴,生活習慣因子,ワクチン接種状況,身体測定を含むすべての臨床的特徴に関するデータを電子データに構造化した.COVID-19ポストアキュート外来は現在稼働中であり,患者評価プロトコルについての詳細は別の場所に保管されている.

COVID-19に関連する特定の症状に関するデータ収集は,エントリー時に実施された標準化された質問票を用いた(COVID-19の急性期における症状の有無,および各症状が受診時に持続していたかどうか).The EuroQol visual analog scaleを用いて,COVID-19発症前とポストアキュート外来受診時のQOL0点(想像できる最悪の健康状態)から100点(想像できる最高の健康状態)の範囲でスコア化した10点の差があればQOLが悪化したと定義した

Results

2020421日〜529日まで,患者179人がポストアキュートケア評価の対象となる可能性があったが,14人(8%)が参加を拒否し,22人の検査結果が陽性であったため除外された.したがって患者143人の患者が対象となった.年齢は平均56.5歳(SD, 14.6; range, 19-84歳)で,53人(37%)が女性であった.入院中,参加者の72.7%に間質性肺炎が認められた.平均在院日数13.5SD, 9.7)であった21人(15%)が非侵襲的人工呼吸管理を受け,7人(5%)が侵襲的人工呼吸管理を受けていた(Table).酸素投与は約54%,人工呼吸管理は約20%

 

Table: Demographic and Clinical Characteristics of the Study Sample (N= 143).

 

COVID-19の最初の症状が発現してから平均60.3日後SD, 13.6)に評価された;評価の時点で,COVID-19に関連した症状が全くなかったのは18人(12.6%)のみであり,32%には12つの症状,55%には3つ以上の症状が認められた87%に何らかの症状.いずれの患者にも発熱や急性期の症状は認められなかった.QOLの悪化は患者の44.1%の患者で認められた倦怠感(53.1%)呼吸困難(43.4%)関節痛(27.3%)胸痛(21.7%)を報告している患者の割合が高かった(Figure

 

Figure: COVID-19-Related Symptoms.

Discussion

COVID-19から回復した患者では,87.4%が少なくとも1つの症状,特に倦怠感呼吸困難の持続を報告していた.この研究のlimitationは,COVID-19発症前の症状歴に関する情報が不足していること,症状の重症度に関する詳細が不足していること,対象となる患者数が相対的に少ないこと,他の理由で退院した患者の対照群がない単施設研究であること,である.市中肺炎の患者でも症状が持続することがあり,これらの所見はCOVID-19に限ったものではない可能性もある.

臨床医や研究者はCOVID-19の急性期に焦点を当ててきたが,長期にわたって持続する症状を把握するためには退院後も継続的なモニタリングが必要である