COVID-19関連追加(202081日)

 

【飛行機内および電車内におけるSARS-CoV-2感染伝播の可能性】

(1)Chen J, et al. Potential transmission of SARS-CoV-2 on a flight from Singapore to Hangzhou, China: An epidemiological investigation. Travel Medicine and Infectious Disease. July 6, 2020.

https://doi.org/10.1016/j.tmaid.2020.101816.

Introduction

正確な評価は困難であるが,限定された換気,大きな乗員密度,および長時間の曝露により,航空機による移動中に呼吸器系病原体が乗客に容易に感染する可能性がある.SARS,麻疹,結核,インフルエンザなどの呼吸器疾患の複数のアウトブレイクが航空旅行に関連して報告されている.しかし,現時点で,航空機による移動中のSARS-CoV-2感染伝播の報告はない.

2020124日,シンガポール発,中国杭州行きのフライトでは,搭乗していた約100人の乗客が武漢を訪れていたため,着陸後に厳重な管理が行われた.空港内の検疫検査の結果,数名の乗客に発熱や上気道感染症状が認められた.彼らは,125日早朝にSARS-CoV-2感染が確認された.閉鎖あるいは半閉鎖空間において,SARS-CoV-2感染伝播は,機内での人と人との直接接触や汚染されたfomites表面の接触によって促進される.そのため,少なくとも14日間,すべての乗客は医学的に観察される必要があった.202028日の観察期間終了時までに,合計16人の乗客にSARS-CoV-2感染が確認された.

我々は,この便に搭乗した乗客にCOVID-19が発生したことを調査し,曝露させた感染源を同定し,フライト中に感染が広がったかどうかを評価した.

Methods

Flight:

この便は2020124日にシンガポール・チャンギ空港を出発し,わずか数時間後に中国の杭州蕭山空港に着陸した.航空機はボーイング787-9型機であった.同便の総座席占有率は89%335/375)だった.機体にはエアハンドリングシステムが搭載されていた

搭乗時刻は現地時間1630分,出発時刻は1650分,着陸時刻は2140分だった.乗客335人,乗務員11人の計346人が搭乗した.乗務員は全員シンガポール人だった.出国記録をもとに,乗客を2つのグループに分けた.グループA2020119日に武漢からシンガポールに出発した者,グループBは武漢を出発しておらず,武漢への渡航歴がない者で構成されていた.

Epidemiological investigations:

すべての乗客を対象に,標準化された質問票を用いて対面または電話でインタビューを行った.旅行者背景,健康状態,症状(発熱,乾性咳嗽,悪寒戦慄,喀痰,頭痛など),フライト前中後のマスク着用状況や座席の位置,フライト中の活動状況に関する情報を収集した.すべての乗客は,出発前に体温を測る必要があった.

Case definition:

感染した乗客は有症状と無症状に分類した.無症状症例は,RT-PCR検査の陽性結果に基づいて診断したが,COVID-19の症状は認められなかった.RT-PCR検査結果が陽性であった日を無症状症例の発症日とした.

Medical isolation and observation:

武漢発の乗客が多く,乗客2人が発熱と上気道感染症状を呈していたため,124日に出発した後14日間は,すべての乗客を濃厚接触者とみなし,医学的な隔離と観察が必要となった.杭州到着後,Aグループの乗客は杭州蕭山国際空港近くのホテルAに,Bグループの乗客は杭州市中心部のホテルBに収容し,既に症状が出ていた乗客(グループに関わらず)は杭州市内のCOVID-19治療指定感染症病院に搬送された.隔離・観察期間中は、12回の検温と上気道感染症状が出た場合の健康状態の報告が義務付けられた.ホテルAまたはホテルBに隔離された乗客が発症した場合は,直ちに指定の病院に搬送することとした.

乗務員は全員ホテルBに隔離され,2020126日にシンガポールに帰国した.浙江省の外交部からのメッセージによると,これらの乗務員はいずれもSARS-CoV-2に感染していなかったという.

Results

2020124日〜215日に,症状のある乗客10人と無症状の乗客6人の計16人が感染した乗客の全体の発病率(attack rate)は4.8%(16/335人)であった

Temporal distribution:

感染した乗客は全員,2020119日にシンガポールに向けて出発した(Figure 1).症状のあった10人の乗客のうち,2人(症例1,症例7)は搭乗前に症状が出ており1人(症例2)は杭州に着陸した後,124日に症状が出ていた.医学的な隔離・観察期間中,乗客2人(症例5,症例6)が,それぞれ126日,127日に発症した.126日に乗客全員を初めて検査したところ,無症状感染者6人(症例3,症例1115)が診断された.

飛行機が着陸してから1週間後の22日に,さらに2名の乗客(症例10,症例16)が発熱した.26日に全乗客を対象に2回目の検査を行ったが,新たな症例は認められなかった.その上,22日以降の報告はなかった.武漢を出発しなかった乗客は28日に医学的な隔離・観察を終了した.そして,その後に武漢を出発した乗客は1週間後の215日に医学的隔離・観察を終了した(Figure 1).

 

 

Figure 1:

Fig. 1

 

Seating:

Figure 2は,全乗客の座席位置を示したものである.感染者が多く集中したのは2つの座席エリアであった:感染した乗客のうち6人が11列目と12列目に,5人が29列目から31列目に座っていた.残りの感染した乗客は6列目,16列目,18列目,44列目に散らばっていた(Figure 2).

症例16はもともと29B席に座っていた.29B席に近い最初の3列目には感染した乗客はいなかった:武漢を出発した乗客1人だけが前述の場所に座っていた.29B席の後方には広い通路があり,そこにはトイレが設置されていた.しかし,症例16は飛行中に30F席に移動し,1時間ほどそこに座っていた30F席付近の座席には,症例11と症例12が左側に,症例7と症例8が右側に後ろに座っており,4人の感染者がいた(Figure 2

 

 

Fig. 2

 

Characteristics of the case passengers:

感染した乗客16人のうち,年齢はmedian 37歳(range: 26-52)であり,女性は6人であった.16人は4つのツアーグループに所属しており,ツアーグループATGA12人,ツアーグループBTGB1人,ツアーグループCTGC2人,ツアーグループDTGD1人であった.症例2と症例3はカップルであった.

TGAのツアーメンバーは15人で,そのうちSARS-CoV-2感染が確認されたのは12人で,発病率(attack rate80%であった.TGATGBTGCの感染者はすべて武漢を出発していた.一方,TGDに参加していた症例16は杭州に居住しており,杭州を出発した.

武漢を出発した乗客の発病率は13.8%であったのに対し,武漢を出発しなかった乗客の発病率は0.4%であった(p< 0.001.発病率は性別による有意差は認めなかった.2029歳,4059歳の乗客の有病率は,20歳未満,60歳以上の乗客よりも有意に高かった

Exposure:

旅行スケジュールによると,TGATGBTGCはいずれもシンガポールに渡航したが,帰国便に搭乗するまで各グループ間の接触はなかった.すべての感染した乗客はほとんどの時間,マスクを着用していた.そして旅行中は,病院へ来院したり,COVID-19疑い例や確定例と接触した人はいなかった.

症例162020119日に杭州からシンガポールに出発した.彼のツアーグループの旅行者の中に武漢を訪れた者はいなかった.症例16は,病院を訪れておらず、飛行機に搭乗する前にCOVID-19確定例や疑い例と接触していないと報告した.さらに,彼はシンガポール旅行中にマスクを着用していたと話していた.

16人の乗客は全員マスクを着用していた.しかし,機内で夕食を食べたり,提供された水を飲んだりする際にはマスクを外していた飛行中,症例1630F席に約1時間座り,31E席と31F席の妻と息子と会話をしていた会話中,マスクをしっかりと着用しておらず,鼻がマスクの外に出ていたことが報告された

 

Discussion

同じフライトを利用した乗客16人におけるCOVID-19の集団発生について報告した.この調査の目的は,発生源を同定し,感染伝播が航空機内で発生したかどうかを検討することである.その結果,フライト中に感染したと考えられるのはわずか1人(症例16)であった.残りの乗客15人の感染源は複雑で,ツアー前に武漢で感染した可能性や,搭乗前のグループツアー中に感染した可能性がある.

2人(症例1,症例7)は,搭乗前に症状が出ていたため,搭乗前に感染したと考えられる.これまでの研究では,SARS-CoV-2は潜伏期間中に感染することが示唆されている.TGAのメンバーの発病率が高いことから,TGA内でSARS-CoV-2感染伝播が起こっており,ツアー中に濃厚接触があったことが示唆された.また,TGAのメンバーは機内食の際にマスクを外していたものの,それ以外のほとんどの時間はマスクを着用していた.潜伏期間はmedian 4日(IQR: 2-7)と考えると,TGAの残り10人はフライト中ではなく,フライト前に感染したのではないかと考えられる.しかし,武漢で感染したのか,旅行中に感染したのかは判断できなかった.

TGBの症例13TGCの症例14および症例15は無症状であり,126日に初めて診断された.彼らは2020119日に武漢を出発したが,武漢でのSARS-CoV-2のアウトブレイクは彼らの出発前に広まっていたことが示されている.また,フライト中はマスクを着用していた.したがって,フライト中ではなく,武漢で感染した可能性が高いと考えられる.

症例16については,シンガポールでの搭乗前に武漢へ渡航歴,COVID-19疑い例や確定例との接触歴もなく,シンガポールでの移動中はマスクを着用していた.搭乗後,症例7,症例8,症例11,症例12の座席に近い29B席から30F席に移動した.さらに,マスクを緩めた状態で妻(31E席)と息子(31F席)に話しかけていた.着陸後はすぐに隔離されており,他の感染源と接触することはなかった.飛行中の着陸から発症までの時間は,周知されている114日間のCOVID-19潜伏期間の範囲であった.したがって,フライト中にSARS-CoV-2に感染したと考えられる

今回のCOVID-19フライトにおけるアウトブレイクでは,フライト中の感染による二次感染が相対的に少なかったのは,集団集会での呼吸器疾患の感染伝播を防御するのに効果的であることが示されているマスクの着用に起因していた可能性がある.フライト中の発病率の低さは,航空機の設計や設備にも起因していたかもしれない効率性の高い微粒子フィルター装置(High efficiency particulate air filter: HEPA filter気流の層流性を備えた空気再循環システムが、ウイルスの感染を効果的に防止または限定していた可能性がある.また,着陸後は全乗客を指定された場所に移動させ,隔離・観察を全乗客の厳重な管理により,旅行に関連したCOVID-19の大規模な発生を回避することができた.

COVID-19の非定型的な症状の発症と潜伏期間中のSARS-CoV-2の感染性は,航空機内でのSARS-CoV-2感染の予防を困難にしている.空の旅では,乗客は限られた空間の中で何時間も互いに接触する.アームレスト,トレイテーブル,座席の操作部など,多数のfomites接触面がSARS-CoV-2の潜在的な感染源となる可能性がある .これらの潜在的なリスクと我々の調査によって示されたリスクを考慮して,適切な予防・管理策を開発しなければならない.

Limitation: @インタビューと電話で情報を収集しており,リコールバイアスを排除することはできない.また,搭乗前の各症例の詳細かつ正確な軌跡を得ることができなかった.したがって,症例16と他の症例との間で,搭乗前に売店やトイレ,空港ラウンジなどで感染伝播が発生した可能性は否定できない.A飛行中にウイルス感染伝播が発生したかどうかの証拠となりうるウイルス分離およびゲノムシーケンスを行っていない.B航空機内での表面スワブや空気サンプルの採取を行っていないため,飛行中に感染伝播が発生したことを示す直接的な証拠は得られていない.

Conclusion

フライトに関連した COVID-19 のアウトブレイクが調査された.時間的,空間的,暴露の証拠から,SARS-CoV-2 の感染伝播がフライト中に発生した可能性があることが示唆された.しかし,感染した乗客16人の大部分は,飛行中の感染に起因するものではなかった.武漢での感染,または同じツアーグループ内での感染が大部分を占めていた.今回の調査から,フライトにおけるSARS-CoV-2の感染を減らすためには,マスクの着用,検温,接触者の隔離などの対策が重要であることが示唆された.

 

 

私見: 飛行機内での感染伝播は少ないと考えられる.しかし,以下のCO2濃度をみると,室外循環であるが,離陸前は“換気不良空間”である

 

 

(2)Hu M, et al. The risk of COVID-19 transmission in train passengers: an epidemiological and modelling study. Clinical Infectious Diseases. July 29, 2020.

https://doi.org/10.1093/cid/ciaa1057.

Background

電車は世界中で一般的な公共交通機関であるが,COVID-19が個々の列車の乗客間で感染伝播するリスクは依然として不明である.

Methods

中国における20191219日〜202036日までに,08時間の同乗移動時間(co-travel time)があったindex cases 2334人と濃厚接触者72093人のデータを用いて,高速鉄道(G-train)乗客におけるCOVID-19の感染リスクを定量化した.乗客におけるCOVID-19感染の空間的・時間的分布を分析し,感染,空間的距離,共同移動時間の関連を解析した.

Results

Overall attack rate:

同乗移動時間は0.1313.8時間で,平均2.1時間(SD 1.8)で変動し,99.2%8時間未満であった.Index casesと密接に接触した列車乗客におけるCOVID-19全体的な発病率(attack rate0.32%234/72093, 95% CI 0.29%-0.37%)であったFigure 1に示した各列のA~Fの座席ごとの乗客のうち,同乗移動時間が8時間未満の乗客の平均発病率は以下の通りであった: A(窓側座席), 0.28%41/14394, 95% CI 0.21%-0.39%; B(中間座席), 0.41%51/12496, 95% CI 0.31%-0.54%; C(通路側座席), 0.34%48/14147, 95% CI 0.26%-0.45%; D(通路側座席), 0.34%48/14147, 95% CI 0.26%-0.45%; F(窓側座席), 0.27%43/16135, 95% CI 0.20%-0.36%)であった.しかし,これらの間には有意差は認められなかった(p= 0.26

列車内の空間距離と同乗移動時間を考慮すると,発病率は010.3%8/78, 95% CI 5.3%-19.0%)と有意に変動した(Figure 2.同乗時間1時間以内の発病率の空間分布のMoranI指数は0.25p= 0.003)であり,同乗時間が3時間未満では0.13p= 0.053)まで低下した。さらには7時間で,MoranI指数は急激に上昇し,0.38p= 0.003)の最大値に達した.列番号と1時間ごとの同乗移動時間を層別化の単位として,q指数は0.89p= 0.001)であった.

Index casesが使用していた座席にすぐに座った乗客におけるCOVID-19の発病率は0.075%1/1342, 95% CI 0.004%-0.42%)であった.同一路線におけるindex casesが使用した座席と3列(rows)と6行(columns)の距離内の座席をすぐに使用した乗客の平均発病率(0.072%[12/16751], 95% CI 0.04%-0.13%)との間に有意差は認めなかった.

 

Effect of spatial distance on attack rate:

平均発病率は列間で差を認めた(p< 0.001Index casesと同じ列内の座席の乗客の平均発病率は1.5%142/9299, 95% CI 1.3%-1.8%であり,1列と2列離れた席の発病率の約10倍であった(Table 1). しかし,1列と2例間の感染伝播リスクには有意差を認めなかった(p= 0.36).1列あるいは2列離れている座席の感染伝播リスクと比較すると,COVID19感染伝播リスクは,3列離れている座席では約半分のリスクであった(Figure 3Index casesに隣接した座席の乗客の発病率は3.5%92/2605, 95% CI 2.9%-4.3%)と最も高く,2番目の座席(隣の隣)の2倍以上,同じ列内の最小発病率の10倍以上であった他の座席と比較して,患者に隣接する座席は感染リスクが高かった(RR=18.0, 95% CI 13.9-23.4全列の平均発病率は,行間数の増加とともに急速に低下したIndex casesと同じ列内の座席では,行間が4行未満の場合,1行増えるごとに発病率が1.6%p= 0.067, 90% CI 0.5%-2.7%)減少した.全列の平均発病率とindex casesと同じ列内の平均発病率は,index casesからの行数に対して,二次式の関係(quadratic relationshipが認められた.発病率が最も低かったのは,両曲線ともに4行離れた座席であった(Figure 3全列にわたる平均結果については,最小発病率0.12%14/11570, 95% CI 0.07%-0.20%)は、最大発病率(RR 5.6, 95% CI 3.2-9.7)の5分の1未満であったIndex casesと同じ列内の座席とは対照的に,1列離れた座席では,発病率と行数の間に直線的な関係が認められた.平均して,1行ごとに,発病率は0.045%95% CI 0.018%-0.071%, p=  0.009)減少したIndex casesから2列離れた座席では,発病率と行数の間には直線的な関係が認められたが,有意ではなかった(Figure 3).

Effect of co-travel time on attack rate:

全座席において,COVID-19発病率とindex casesとの同乗時間との相関は,二次式の関係(quadratic relationship)が認められた(Figure 4平均発病率は,同乗時間1時間につき0.15%p= 0.005)増加した.二次曲線から,同乗移動時間が4時間を超えると傾きが大きくなった.しかし,座席位置別の発病率においては,同乗移動時間との異なる関係性が認められた.隣接する座席と3列離れている座席では直線的な関係が認められ,それ以外の座席では2次式の関係が認められた.隣接する座席では,index casesとの同乗移動時間が1時間延長すると,発病率において最大1.26%p=  0.008)までの増加が認められ,それはすべての座席の中で最も高い.次いで同じ列の他の座席が0.26%p = 0.004)増加し,123列離れた座席がそれぞれ0.10%p= 0.068),0.09%p=  0.063),0.04%p=  0.039)の増加を示した.

我々は濃厚接触者をindex casesと降車駅が同じかどうかで2群に分けた.1群はindex casesと降車駅が同じ群,同じではない群を第2群とした.

1群のすべての座席の平均発病率(0.92% [194/21008], 95% CI 0.80%-0.11%)は,第2群の発病率(0.06% [33/50816], 95% CI 0.05%-0.09%)よりも有意に高かった(p < 0.011群では,同乗時間の増加に伴って発病率が有意に増加した(p= 0.05)が,第2群ではそうではなかった.また,第2群の発病率は,index casesが使用していた座席をすぐに使用した場合と比べても有意差は認めなかった(p= 0.71).

Discussion

列車の乗客間におけるCOVID-19発病率は,電車内の空間距離同乗移動時間に関係しており,index cases3列以内と5行以内の座席間での発病率分布が不均一であることが明らかになった.また,index casesと同じ列内の座席では,他の列の座席よりも感染リスクが高くなることがわかった

列車の乗客の発病率における不均一性にはいくつかの理由が考えられる.@一緒に旅行した家族や友人が隣の座席にいた可能性があり,彼ら/彼女らの間で感染が広がったかもしれない.A同じ列の乗客は,長い移動の間に飲食やトイレのために座席を離れる傾向があり,簡単にお互いが感染する可能性がある.または車内の移動するために,乗客が窓際や中央の席から離れると,列の他の乗客は彼ら/彼女らを通らせる必要があり,顔と顔の距離が近くなる可能性がある.エアロゾルや飛沫に含まれるウイルスは,近距離で拡散する可能性が高くなる.B列を分けているバックレスト(backrestは,ウイルスを含んだエアロゾルの拡散を遅らせるための良い障壁になるかもしれない.

2つの群の発病率の違いは,第1群の乗客の方が感染者との接触が多かったかもしれない.同じ職場や出身地でのエピソードを共有していたかもしれない.対照的に,第2群の乗客は,このような可能性は低く,感染リスクが減少していたかもしれない.さらに,座席の再利用する間隔を制限したり,座席を消毒したり,手指消毒を行うことは感染リスク低減に役立つかもしれない.

それ故,ソーシャルディスタンスは,公共交通機関において感染リスクを減少させるために最も重要な方法である列車内の乗客の座席配置は,感染リスクを低減するために慎重に検討されるべきであるIndex caseと同じ列の座席に座っている乗客の発病率を推定すると,同乗時間1時間以内で,安全なソーシャルディスタンスは1m以上になる2時間の接触では,2.5m以下のソーシャルディスタンスでは感染を防ぐには不十分であるCOVID-19アウトブレイクにおいて感染拡大を防ぐために,推奨されるソーシャルディスタンス同じ列内ならば2座席以上離れて同乗移動時間は3時間以内である.また,電車や飛行機,バスなどの限られた空間にいる乗客は,手指の衛生状態に良好に保ち,フェイスマスクの着用などの保護具を使用する必要があることも明らかになった.また、新鮮な空気の換気循環も乗客間の感染リスクを減らすのに役立つだろう.さらに,感染リスクを最小限に抑えるために,乗車前に乗客の体温をチェックすることも必要であろう.

Limitation: @我々の解析における感染伝播の程度は,7列(約6m),つまりindex caseがいる列に加え,後ろ3列,前3列に限定したが,もっと長い距離の感染伝播が発生した可能性がある.ACOVID-19の感染が確認された人は診断後14日以内に列車を利用していたが,乗車後にCOVID-19に感染した乗客は,正確な感染時期が不明であったため,列車内での発病率を過大評価したかもしれない.B乗客や列車の乗務員が列車内を移動した際にウイルスを拡散させた可能性がある.また乗客は途中で座席を変更した可能性もある.しかし,これらの要因を調査に含めることはできなかった.C乗客の家族や友人が旅行前後に,乗客に濃厚接触してウイルスを感染させた可能性もある.乗客の社会的関係や自宅や勤務先に関するデータを得ることができなかったため,列車内での感染リスクを過大評価した可能性がある.加えて,乗客背景,病歴,個人の衛生行動,防護具の着用などは考慮しなかった.これらはすべて発病率に影響を与える可能性があり,今後の研究で検討すべきである.

Conclusions

列車の乗客とその接触者の大規模なデータを用いて,COVID-19発病率の空間的・時間的分布と高速鉄道利用者に関連する危険因子を明示した.

 

私見:

まとめると,

Index casesと同じ列内の座席の乗客の平均発病率は1.5%であり,1列と2列離れた席の発病率の約10倍であった. Index casesに隣接した座席の乗客の発病率は3.5%と最も高く2番目の座席(隣の隣)の2倍以上,同じ列内の最小発病率の10倍以上であった.他の座席と比較して,患者に隣接する座席は感染リスクが高かった(RR=18.0, 95% CI 13.9-23.4.平均発病率は,同乗時間1時間につき0.15%増加した

Index caseと同じ列の座席に座っている乗客の発病率を推定すると,同乗時間1時間以内で,安全なソーシャルディスタンスは1m以上になる推奨されるソーシャルディスタンス同じ列内ならば2座席以上離れて同乗移動時間は3時間以内である.」

 

→列車内の乗客の会話の状況,換気状況,乗客のマスク着用率はわからないが,列車も感染伝播リスクになると考えられる.

 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/2c/CRH380A-2505%40BJX_%2820160112104957%29.jpg/220px-CRH380A-2505%40BJX_%2820160112104957%29.jpg

G-series trains, wikipediaより)

 

 

 

 

COVID-19関連追加(202081日)に820日追記しました

 

【飛行機内における空気を介したSARS-CoV-2感染伝播の可能性】

(3)Hoehl S, et al. Assessment of SARS-CoV-2 Transmission on an International Flight and Among a Tourist Group. JAMA Netw Open. 2020;3(8):e2018044.

doi:10.1001/jamanetworkopen.2020.18044.

Introduction

202039日に発生したイスラエルのテルアビブからドイツのフランクフルトへの民間航空便のアウトブレイクについて検討した.ボーイング737-900型機に搭乗した乗客102人の中には,観光ツアーグループメンバーの24が含まれていた.7日前にグループは,後にCOVID-19と診断されたホテルの支配人と接触していた.グループのメンバーの中にフライト前にCOVID-19を診断されたメンバーはおらず,感染を防ぐための対策(マスクの着用など)はしていなかったフライト時間は4時間40だった

Methods

到着先の空港では,咽頭スワブによるからSARS-CoV-2検査を行うなど,観光ツアーグループの健康チェックを実施した.そして,45週間後に全乗客に電話で問診した.乗客は,COVID-19感染者と接触したかどうか,症状があるかどうか,過去にSARS-CoV-2検査を受けたかどうか,といった内容を質問した.半定量SARS-CoV-2 IgG抗体検査(EUROIMMUNが,index caseから2列目以内の席に座っていた乗客症状があると報告した乗客全員に実施されたIgG検査のボーダーラインと陽性の判定は,plaque reduction neutralization testPRNT)で確認された.

Results

観光ツアーグループ24人のうち、7が到着先の空港で行われた咽頭スワブPCR検査でSARS-CoV-2 RNA陽性と判定された7人のうち4人はフライト中に症状が出たが,2人は前症状,1人は無症状のままであった(Figure 1

フライト中にこのグループに曝露した他の乗客78人のうち,合計71人(91%)の問診が完了した.これらの乗客のうち13人から,フライトから69週間後に血清検体が採取された(Figure 2).1はフライトの4日後にPCR陽性が認められたと報告した.この乗客は症状を覚えていなかった.この乗客は,フライトから7週間後にSARS-CoV-2 IgGが検出され,PRNTの結果も陽性であった.この乗客はフライト前後におけるCOVID-19患者との接触は否定した.

他の乗客7人は,フライト後14日以内にCOVID-19を示唆する症状があったと報告した.1はフライト後5日目から頭痛,筋肉痛,嗄声があったと報告した.この乗客は検査を受けておらず,COVID-19患者との接触を否定した.この乗客はフライトの1日後から14日間隔離されていた.フライトから9週間後に血清検体が採取され,SARS-CoV-2 IgGが検出されたPRNTはボーダーラインの結果であった

また,フライトの69週間後に他の症状のある乗客6人と無症状の乗客5人から血清検体が採取された.SARS-CoV-2 IgG検査ではボーダーラインの結果であったがPRNTでは陰性であった1人を除き,すべて陰性であった.フライト中のSARS-CoV-2感染伝播は、以前にCOVID-19患者と接触したことのある有症状の乗客1人と検査を受けていない無症状の乗客46人においても(可能性は)除外しなかった

Figure 1: Seating of the Index Cases and Other Passengers on the Aircraft (Boeing 737-900).

 

Figure 2: Flowchart of the Tests for Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus (SARS-CoV-2) and of Symptoms of the 71 Passengers Who Were Interviewed.

 

Discussion

このフライトにおいて2人のSARS-CoV-2感染伝播の可能性があり7人のindex casesが確認された.これらの感染はフライト前後にも発生した可能性があるかもしれない.航空機内における飛沫介感染のリスクは,index caseとの近距離や,他の要因,例えば乗客や乗務員の移動,fomitesへの接触,出発ゲートでの乗客間の接触などに依存する.この検討では,機内における感染伝播はindex case2列以内の座席で起こった可能性があった

機内の天井から床,前部座席から後部座席への空気の流れ感染伝播の減少に影響するかもしれない乗客がマスクを着用していれば,もっと感染伝播は減少した可能性が推測された

SARSやインフルエンザでは,2列目周囲を超えた座席の乗客からも感染する可能性があることが観察されている1)2).我々の知見から,飛行機の機内での SARS-CoV-2 の空気感染は除外できない

Limitation: 飛行機の乗務員に関する情報が得られず,そしてすべての乗客と連絡を取ることができなかった.また,すべての乗客に抗体検査を受けてもらうことができなかった.新たな感染伝播が発生し,検出されなかった可能性もある.

References

1) Leitmeyer K, et al. Review article: influenza transmission on aircraft: a systematic literature review.   Epidemiology. 2016;27(5):743-751.

doi:10.1097/EDE.0000000000000438.

2) Olsen SJ, et al. Transmission of the severe acute respiratory syndrome on aircraft.   N Engl J Med. 2003;349(25):2416-2422.

http://dx.doi.org/10.1056/NEJMoa031349.

 

 

 

 

COVID-19関連追加(202081日)に92日追記しました

飛行機内での感染伝播(トイレ?),バス内の空気感染を介したアウトブレイクの2編.

【イタリアから韓国へのチャーター便(evacuation flight)における感染伝播】

Bae SH, et al. Asymptomatic transmission of SARS-CoV-2 on evacuation flight. Emerg Infect Dis. 2020 Nov [date cited].

https://doi.org/10.3201/eid2611.203353.

<要約>

・感染拡大したイタリアから韓国への帰国チャーター便内の感染伝播の報告.

・乗客299人は無症状,搭乗前は各乗客同士2mのフィジカルディスタンスを保っていた.

・機内では全員N95(※記載はないが韓国CDCが推奨してKF94の可能性あり.このフィルター能力はN95と同等だが,フィッティングは劣る.)を着用していたが,食事とトイレの時は外していた.

・韓国到着後14日間隔離された(day 1-14),各乗客にPCR検査を施行(day 1, day 14).

day 16人が陽性であったが,day 14でも無症状であった.

day 14に,「28歳女性」が新たに陽性と判明した.彼女はトイレ以外ではN95を着用していたと記載されている.day 8に咳,鼻水,筋肉痛の症状を認めていた.

・トイレは無症状陽性者近くであり,彼女の座席は彼らから3列離れていた(Figure).

・彼女の生活調査から,感染は機内で起こった可能性が高い.

・機内スタッフに陽性者なし.機内はHEPAフィルターを用いた換気システムであり,空気感染は考えにくいと考察.汚染されたfomites表面に接触,または感染者と搭乗,移動,降りる時に接触した可能性があるが,著者らが一番疑っているのは,機内のトイレであった.

私見: 食事中,トイレではN95を外している.トイレ内は換気されていたかもしれないが,糞便のエアロゾル化による感染伝播の可能性はどうか.

 

 

Figure:

2020331日,イタリア・ミラノから韓国・仁川への避難フライトにおけるSARS-CoV-2感染伝播のコホート研究.赤は隔離day 1202041日)に陽性と判定された無症状陽性者,青は隔離day 142020415日)に陽性と判定された無症状陽性者を示す.A: フライト,乗客隔離,検査のタイムライン.B: フライト中の無症状陽性者6人と後に判明した感染者の座席.C: 避難フライト中に感染したと思われる患者の症例報告.

Cohort study of severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) transmission on evacuation flight from Milan, Italy, to Incheon, South Korea, on March 31, 2020. Red indicates asymptomatic patients who tested positive on quarantine day 1 (April 1, 2020); blue indicates asymptomatic patient who tested positive on quarantine day 14 (April 15, 2020). A) Timeline of flight, passenger quarantine, and testing protocol. B) Location of 6 asymptomatic patients and subsequently infected patien

 

 

 

 

【中国のバス乗客におけるアウトブレイク】

Shen Y, et al. Community Outbreak Investigation of SARS-CoV-2 Transmission Among Bus Riders in Eastern China. JAMA Intern Med. Published online September 1, 2020.

doi:10.1001/jamainternmed.2020.5225.

Abstruct

Importance

COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2がエアロゾル(すなわち空気感染)として感染伝播するかどうかの証拠は,公衆衛生対策に重要な意味をもつ.

Objective

COVID-19アウトブレイクからの疫学的証拠によって,SARS-CoV-2感染の可能性のある感染伝播経路を調査する.

Design, Setting, and Participants

このコホート研究では,浙江省で発生したCOVID-19 のコミュニティアウトブレイクを調査した.2020119日,128人が150分間の礼拝に参加するためにバス二台(バス1の乗客60[46.9%],バス2の乗客68[53.1%])に往復100分間(50分×2)かけて乗車した.index caseはバス2の乗客であった.バス160人)およびバス267 [index caseを除く])に乗車した感染リスクのある者と,礼拝に参加した他のすべての者(172人)間において,SARS-CoV-2感染リスクを比較した.また曝露されたバスの座席を,index caseからの距離に応じて高リスクゾーンと低リスクゾーンに分け,各ゾーンにおけるCOVID-19リスクを比較した.両バスでは,中央空調機(central air conditioners)は室内再循環モード(indoor recirculation modeになっていた

<Main Outcomes and Measures

SARS-CoV-2感染は,RT-PCRにより確認した.SARS-CoV-2感染の発病率(attack rate)をグループ別に算出し,バス2で感染を認めた者の空間分布を求めた.

Results

対象者128人のうち,男性15人(11.7%),女性113人(88.3%),平均年齢58.6歳であった.バス2では,68人中24人(35.3% [index case])が礼拝後にCOVID-19と診断された.一方,バス1の乗客60人は誰も感染していなかった礼拝(屋外で行われた)に参加した他の172人のうち,その後にCOVID-19と診断されたのは7人(4.1%)であったバス2の乗客は,バス1の乗客(0%)と比較してCOVID-19罹患リスクが34.3%95% CI, 24.1%-46.3%)高く,礼拝に参加した他のすべての者と比較してCOVID-19に罹患する可能性が11.4倍(95% CI, 5.1-25.4倍)高かったバス2においては,高リスクゾーンの乗客は,低リスクゾーンの乗客と比較して中程度のCOVID-19のリスクを認めたが,有意ではなかったバス内で,index caseに近い距離の乗客における有意なリスク上昇が見られなかったTableもし飛沫感染が主体ならば,高リスクゾーンの感染者は増加したはずである.したがって,ウイルスの空気を介した感染伝播が,少なくとも部分的には,観察された著明に高い発病率を説明している可能性が示唆された.

※当論文サイトにcommentあり

https://www.nytimes.com/2020/09/01/health/coronavirus-bus-china.html

NYタイムズの記事によると,“礼拝者は誰もマスクをしていなかった.”

“しかし,中国で発表された研究バージョンでは,この64歳女性は,寺院に行く前日118日に,湖北からの客人と食事をし,症状を発症したという.彼女は薬を飲んだが,医者にはかからなかった”,とのことである.

Figure:

 

 

Table:

Conclusions and Relevance

礼拝に参加するために,COVID-19 患者と一緒にバスに乗った人は,別のバスに乗った人に比べてSARS-CoV-2感染のリスクが高かった.SARS-CoV-2の空気感染が,バスに乗っていた人の感染率の高さに寄与していると考えられる.予防と制御における今後の対策において,ウイルスの空気感染の可能性を考慮しなければならない.

 

補足:

How a Bus Ride Turned Into a Coronavirus Superspreader Event. One-third of passengers aboard a bus were infected by a fellow passenger, scientists reported. (The New York Timesの記事より)

20201月下旬,中国の湖北省から新型コロナウイルスが流行し始めた頃,仏教徒の一団は,流行の中心地である武漢から数百マイル離れた寧波市の寺院で行われた儀式にバスで向かった.

それは穏やかな風と晴れた日であり,屋外のモーニングサービスが開催され,屋内の短い昼食会が続いた.

バスに乗っていた一人の乗客は,最近湖北省から来た友人と食事をしていた.彼女は自分がコロナウイルスに感染していることを知らなかったようだ.数日のうちに,彼女と一緒にバスに乗っていた乗客24人も感染していることが判明した.

火曜日にJAMA Internal Medicine誌に発表された研究によると,そのバスにおいて感染者からどれだけ離れて座っていようが関係なかったたとえバスの最後の列,感染した女性から7列離れていても,ウイルスに感染してしまった

感染リスクを軽減した人で考えられる要素は,開かれた窓の近くやドアの近くに座っていたことくらいである

この事例は,コロナウイルスが空気中に潜む小さな粒子によって感染する可能性があることを示す多くの証拠に加えて,地面にすぐに落ちる大きな呼吸器の飛沫だけでなく,空気中に潜む小さな粒子によっても感染することを示している.

“この研究は,ウイルスが空気を介して伝播することを示している.もしそうでなければ,index caseの近くのみ感染者が発生したはずだしかし,我々はバス全体に広がっていることを確認した.”

バージニア工科大学の土木・環境工学の教授であり,空気感染ウイルスの第一人者であるLinsey Marr氏は言う.

乗客が搭乗していたバス2台には冷房装置(cooling unitがあり,車内の空気を再循環させていた"それは空気中のウイルスを促進させ,バス内に拡散させる.”とMarr博士は言う.2台目のバスに乗っていた乗客60人は誰も感染していなかった

スコットランドのセントアンドリュース大学医学部の感染症・ウイルス学の専門家であるMuge Cevik博士は,今回のアウトブレイクは,長時間の旅,狭い環境,混雑したバス,そして感染の初期段階にあったため,おそらくindex caseの感染力が非常に強かったことなどの要因の組み合わせによって引き起こされた可能性が高いと述べた.

"エアロゾルと飛沫感染の間には二分法はない”とCevik博士は言う.そして,"このような高リスクの感染伝播が起こるには,同時に複数のことが起こっていなければならない.これは悪い場所,悪い時間,悪い集まりが寄与している”と述べている。.

中国疾病管理予防センターの医師であるこの研究の著者は,"予防と制御に関した今後の取り組みとして,COVID-19の空気感染の可能性を考慮すべきである. "と結論付けた.この研究は,以前にオンラインでプレプリントとして発表された.

科学者は,仏教寺院への外出(the outing to the Buddhist)を自然実験と認識していた.寧波ではCOVID-19症例がまだ認められなかった119日に,それは行われた.都合よくバス2台に乗った同様な乗客を比較することができた.

寺院の儀式には約300人が参列したが,バスで50分の旅をしたのは128人にとどまった.1台目のバスには感染者を含む68人,2台目のバスには60人が乗っていた.参拝者の誰一人としてマスクを着用していなかった

JAMA Internal Medicine 誌の論文には,index caseの詳細を記述していないし,彼らは,寺院から戻った後まで症状がなかったという.しかし,中国で公開された研究バージョンによると,index case 64 歳の女性であり,湖北省からの来客と食事をした後の118日に発症した(それは寺院に行く前日).彼女は薬を飲んだが,医者には診てもらっていない.

"中国の論文によると,index caseは,寺院に行く前日に体調を崩しており,症状が出る頃にはウイルス量が相当に高いことがわかっているので,おそらく感染力が強かったのだろう",とCevik博士は述べている.

再循環式エアコンのない広い空間における短い昼食の後寺院の式典は屋外で2時間半に及んだ.参加者はバスに戻ると,それまでと同じ席に座っていた

感染した乗客のほかに,式典に出席した7人が感染した彼らはバスで移動しなかったが,感染した乗客と濃厚接触していたという

”人々が屋内でより多くの時間を過ごすことになる冬の数ヶ月について,閉鎖空間での空気感染の可能性について強い懸念をもつ.”,Marr博士 は言う.

"マスクを着用していない人達がいる混雑した屋内空間を避けよう.”,彼女はそう助言する.