COVID-19関連追加(2020911日)

 

【有症状COVID-19患者におけるコミュニティおよび濃厚接触曝露】

Kiva A, et al. Community and Close Contact Exposures Associated with COVID-19 Among Symptomatic Adults18 Years in 11 Outpatient Health Care Facilities-United States, July 2020. July 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2020;69:1258–1264.

http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm6936a5.

Background

コミュニティと濃厚接触による曝露はCOVID-19パンデミックを牽引し続けている.CDCおよび他の公衆衛生当局は,COVID-19を引き起こすウイルスであるSARS-CoV-2の感染を減らすためのコミュニティ緩和戦略を推奨している.広範な感染伝播が発生している場合,特に本質的に密接に絡み合うコミュニティ内の無症状者からのコミュニティ曝露の評価は困難である.COVID-19感染者と濃厚接触者の曝露の可能性は,主にCOVID-19症例間で評価されており,COVID-19以外の比較群は存在していない.COVID-19に関連したコミュニティおよび濃厚接触曝露を評価するために,症例患者154人から報告された感染曝露対照群160人から報告された感染曝露と比較した.症例患者はRT-PCR検査によってSARS-CoV-2感染を診断され,症状のある成人(18歳以上)であった.対照群は,同一医療機関におけるSARS-CoV-2 検査は陰性であった成人外来患者であった.他のCOVID-19 感染者との濃厚接触は,対照群(14%)よりも症例患者(42%)の方が多く報告されていた.症例患者は,発症前2週間レストラン(屋内,パティオ(テラス),屋外の席を含む,レストランで指定されたすべての場所)で食事をしたと報告した可能性が対照群よりも高かった(調整オッズ比 adjusted odds ratio: aOR= 2.4; 95% CI= 1.5-3.8COVID-19感染者と濃厚接触がないと考えられる対象者に分析を限定すると,症例患者は対照群に比べて,レストランでの食事(aOR= 2.895% CI= 1.9-4.3,またはバー/喫茶店に行く(aOR= 3.995% CI= 1.5-10.1と報告した可能性が高かった.現地で飲食を提供する場所に行くことを含め,マスク着用やソーシャルディスタンスを維持することが困難な曝露や活動は,COVID-19感染の重要な危険因子であるかもしれない.コミュニティの再開に伴い,客,従業員,そしてコミュニティを守るために,飲食を提供する場所での曝露の可能性を減らす対策が考慮されるべきである

Methods

本調査は,202071日〜29日に,重症患者に対するInfluenza Vaccine EffectivenessIVY)ネットワークの11医療機関のいずれかの外来検査センターまたは医療センターでSARS-CoV-2感染症の初回検査を受けた18歳以上の成人を対象とした.COVID-19症例は,呼吸器検体のSARS-CoV-2 RNART-PCR検査により確認された.アッセイは施設間でばらつきがあった.各医療機関では,研究期間内に検査結果別に検査を受けた成人のリストを作成した; 検査室でCOVID-19が確認された成人を症例患者としてランダムサンプリングで選択した.各症例患者に対して,SARS-CoV-2RT-PCR検査結果が陰性の成人2人を対照患者として無作為に選び,年齢,性,研究場所でマッチングを行った.無作為化とマッチングの後,候補である症例患者候補615人と対照群1212人を同定し,SARS-CoV-2検査を受けた日から1423日後に連絡を取った.対象となる成人を特定するためにスクリーニングの質問を行った.この研究の対象となる成人は,最初のSARS-CoV-2検査を受けた時点で症状があった.最終的な解析サンプル314人は,症例患者154人(SARS-CoV-2検査陽性)対象患者160人(SARS-CoV-2検査陰性)であった

収集されたデータは,人口統計学的特徴,自己評価による臨床情報(慢性基礎疾患,症状,回復),COVID-19感染者との濃厚接触(15分以上6フィート以内),職場での曝露,マスクの着用,および発症14日前までのコミュニティにおける活動であった.対象者は,マスクの着用およびコミュニティにおける曝露の可能性のある活動(例えば,10人以上の家庭内での集まり,買い物,レストランでの食事,オフィス,サロン,ジム,バー/喫茶店,教会/宗教集会,公共交通機関の利用など)について,「一度もない」から「11回以上」または「常に」までの5段階のリッカート尺度によって質問された; 分析では,コミュニティ活動の回答は,発症前14日間に「一度もない」または「1回以上」と二分化されていた.報告されたそれぞれの活動について,対象者は,何らかの種類のフェイスマスクの着用や,その場所での他の人とのソーシャルディスタンスの取り方などの推奨事項の遵守度における定量化を求められ,回答の選択肢は「なし」から「ほとんどすべて」までの範囲であった.症例患者と対照群を比較において,人口統計学的特徴,コミュニティへの曝露,濃厚接触の違いを評価するために,記述統計分析が行われた.はじめは,症例患者と対照群とを1:2の比率で一致させるよう調節されたが,すべての可能性のある対象者が選択基準を満たしていたわけではなく,インタビューを完了していたわけでもなかったため,一致させない分析が行われた.年齢,性別,人種/民族,1つ以上の慢性基礎疾患の有無を調整した上で,症例患者と対照群におけるコミュニティ曝露の違いを評価するために,場所ごとのクラスターに対する標準誤差を推定して補正した交換可能な相関構造を持つ(exchangeable correlation structure)推定式を用いた無条件ロジスティック回帰モデル(unconditional logistic regression)が用いられた.各モデルでは,SARS-CoV-2検査結果(陽性または陰性)を結果変数(outcome variableとし,各コミュニティの曝露活動を予測変数(predictor variableとした.最初のモデルでは,分析対象の全サンプル(314人)が含まれていた.第2のモデルは,COVID-19感染者との濃厚接触を報告しなかった対象者に限定した(症例患者89人,対照患者136人).統計解析はSASソフトウェア(バージョン9.4; SAS Institute)を用いた.

Results

対照群では,症例患者と比較して,非ヒスパニック系白人(p< 0.01大卒以上(p< 0.01,および少なくとも1つの慢性基礎疾患(p= 0.01を報告している可能性が高かった(Table発症前14日間に,症例患者の71%および対照群の74%が,公共の場では常に布製のフェイスマスクやその他のマスクを使用していると報告していたCOVID-19患者1人以上との濃厚接触を症例患者の42%が報告しており(対照群は14%p< 0.01)),ほとんど(51%)は家族との接触であった

全対象者の約半数が,症状発症前14日間のうち1日以上,買い物や家庭内で他人との接触(10人以下)を報告していた.二変量解析(bivariate analysis)では,症例患者と対照群において,買い物,10人以下の家庭内での集まり,オフィスに行く,サロンに行く,10人以上の家庭内での集まり,ジムに行く,公共交通機関を利用する,バーや喫茶店に行く,または教会や宗教集会に参加することについて有意差は認められなかった.しかし,症例患者は,発症前2週間にレストランで食事をしたと報告している可能性が、対照群に比べて高かった(aOR= 2.495% CI= 1.5-3.8Figure.さらに,解析をCOVID-19感染者との最近の濃厚接触を報告しなかった225人に限定した場合,症例患者は対照群に比べて,レストランでの食事(aOR= 2.895% CI= 1.9-4.3)またはバー/喫茶店に行く(aOR= 3.9, 95% CI= 1.5-10.1)を報告している可能性が高かったレストランでの食事を報告した107人とバー/喫茶店に行くことを報告した21人においては,症例患者は,マスクの着用やソーシャルディスタンスを置くことなどの推奨事項を遵守しているレストランで多くの常連客を観察したと報告する可能性が低かった(それぞれ、p= 0.03およびp= 0.01

Figure:

 

 

Table:

Discussion

この調査では,COVID-19が確認された対象者と確認されていない対象者では,その場で飲食できる場所に行くことを除いて,ほぼ同様のコミュニティへの曝露が報告された.COVID-19が確認された成人(症例患者)では,発症前14日間にレストランでの食事を報告した可能性が対照者の約2倍であったレストランでの食事に加えて,症例患者はバーや喫茶店へ行くことを報告する可能性が高かったが,発症前にCOVID-19感染者と濃厚接触していない人に分析を限定した場合のみであった.中華レストランでの曝露の報告は,空気の循環に関連している.現在のガイダンスに従ってソーシャルディスタンス対策やマスクの着用が実施されていたとしても,気流の方向,換気、強さはウイルスの感染に影響を与える可能性がある.飲食中にマスクを効果的に着用することはできないが,買い物やその他多くの屋内活動ではマスクの使用は可能である.

成人COVID-19感染者の42%が,COVID-19感染者と濃厚接触したと報告しており,これは以前に報告されたものと同様であった.濃厚接触曝露のほとんどは家族に対してであり,SARS-CoV-2の家庭内感染伝播と一致していたSARS-CoV-2検査が陰性であった人のうち,COVID-19感染者との濃厚接触を報告した人は、より少ない(14%SARS-CoV-2感染拡大を遅らせるためには,COVID-19感染者と接触した場合には,頻繁な手洗い,マスクの着用,ソーシャルディスタンスを置くことの推奨に加えて,一度COVID-19 感染者に接触しならば,自宅で待機するように予防策を講じる必要がある.家族又は他の濃厚接触者の調子が悪い場合には,既知のCOVID-19の有無にかかわらず,家庭内の清掃及び消毒,共有の食事及び物品をなくすこと,手袋の着用及びマスクの着用等の感染を減少させるために,追加の予防措置を講じることができよう.

Limitation:

@SARS-CoV-2検査が陰性の有症状者は,他の呼吸器ウイルスに感染していた可能性があり,同様の暴露を受けていた可能性がある.回答しなかった人や参加を拒否した人は,本調査のためにインタビューを受けた人とは系統的に異なる可能性がある.A測定されていない交絡因子の可能性がある.曝露の可能性のある活動への同時参加など.注意すべきこととして,レストランでの食事を評価する質問では屋内と屋外を区別しなかったし,バーや喫茶店についての質問では,場所やサービスの提供方法を区別しなかったため,異なる曝露を表している可能性がある.B対象は一般化していない可能性がある.C対象者はSARS-CoV-2検査結果を認識しており,コミュニティへの曝露や濃厚接触についての質問に対する回答に影響を与えた可能性がある.DPCR検査による感度,特異度のため症例患者や対照群の分類は不完全であった可能性がある.

Conclusions

この調査では,SARS-CoV-2 検査が陽性者あるいは陰性者において,コミュニティでの曝露と濃厚接触による曝露の違いが明らかになった.コミュニティ,学校,職場の再開に伴い,さまざまなタイプの活動および曝露の継続的な評価が重要である.マスクの使用やソーシャルディスタンスを維持することが困難な活動(その場で飲食ができる場所に行くことを含む)は,SARS-CoV-2感染の重要な危険因子である可能性がある飲食の際SARS-CoV-2への曝露を減らすための安全な対策を実施することは,客,従業員,コミュニティを保護するために検討されるべきである