COVID-19関連追加(2020101日)

 

【北カリフォルニアの大学キャンパスにおけるCOVID-19多発クラスター】

Wilson E, Donovan CV, Campbell M, et al. Multiple COVID-19 Clusters on a University Campus — North Carolina, August 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 29 September 2020.

http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm6939e3

20208月以前は,教育機関におけるCOVID-19アウトブレイクに関するデータは最小限しか入手できなかった.202083日,ノースカロライナ州の大学Aは,3月に主に遠隔授業に移行して以来,初めてキャンパスを広く開放した.当時のCDCのガイダンスに沿って,キャンパス内でのSARS-CoV-2感染拡大を防ぐための措置がとられた.83日〜25までに,COVID-19確定症例が670確認され,その96%22歳未満であった互いに14日以内に発生し5人以上の症例が疫学的に関連したと定義したクラスター18報告された; 症例の30%がこれらのクラスターに関連していた学内外での学生の集まり集団生活が,大学コミュニティ内でのCOVID-19の急速な感染拡大に寄与したと考えられる.819には,すべての大学Aのクラスがオンラインに移行し,追加の感染緩和策が実施されたこの時点で,大学A関連のCOVID-19症例334が地元の保健局に報告されていた開校から2週間以内に症例が急増していることから,教育機関での感染伝播を減らすためには,一貫したマスクの着用,学生寮の密集の低減,SARS-CoV-2検査の拡充,学生の集まりの制限など,しっかりとした対策が必要であることが示唆されている.

大学Aの学生は202083日〜9日までに学生寮に戻り,810から対面授業が開始された.キャンパス内でのSARS-CoV-2感染拡大を防ぐために取られた緩和措置には,1週間に渡って寮に戻る日程を予約・管理することフィジカルディスタンスを取りやすくするために教室内密度を下げること食堂の最大収容人数を減らしてテイクアウトのオプションを増やすことなどが含まれていた.学生は,毎日の症状チェック屋内のすべての共有スペースと教室でのマスクの使用屋内外の環境でのフィジカルディスタンスを6フィート以上にすること,地域のガイドラインに沿ったグループでの集まりの制限(屋内でのグループは10人以下,屋外でのグループは25人以下)を推奨する地域社会の基準と大学のガイドラインについての確認書に署名する必要があった.学生の約95%が確認書に署名したが,これらの重要な緩和戦略を遵守したかどうかに関するデータは得られなかった再入校時のCOVID-19検査や,キャンパス到着前後の検疫は行われていなかった隔離と検疫のために確保された2つの寮を除いて,学生寮は定員60%85%で開放され,ほとんどの学生が二人部屋になっていたCDCのガイダンスによると,COVID-19による重症化リスクが高い学生は,1人部屋を希望することができた.大学Aの秋学期の学部入学者数は19,690人であった.810日時点で,これらの学生のうち約5,800人(29%)がキャンパス内で生活していた.2019年は,学生の83%がノースカロライナ州の居住者であった.

83日以降に検査が行われ,825日までに,大学Aの学生および教職員においてCOVID-19確定症例670が確認されていた(Figure.症例は,校医(the student health clinic)よって特定,あるいは地域保健所によって大学のクラスターに結びつけられた.検査時に大学が初期情報を収集し,接触者追跡,隔離,検疫を実施した.学外で検査を受けた学生については,地域保健所が症例の追加調査を行った.症例は,Council of State and Territorial Epidemiologists COVID-19 2020 Interim Case Definition4)に従って分類された.校医(the student health clinic)で確認された疑い例12人は,COVID-19確定または可能性の基準を満たすには情報が不十分であったため,分析には含んでいない.産業医(the university employee occupational health clinic)から報告された症例に関する情報は,分析時に確認することができなかった.

83日〜25日に検査で確認された670のうち,患者の年齢中央値は19歳(範囲= 17歳〜50歳)であり,男性293人(47%)であった(47[7]は性別の情報が欠落していた).その中でも643人(96%学生(undergraduate studentに発生したと推定された; これらの学生のうち230人(36%)はキャンパス内の学生寮に居住しており,少なくとも51人(8%)はサークルに属しており,51人(8%)は学生運動選手であった.残りの学生の居住地は入手できなかった.825日時点で,COVID-19患者の入院や死亡例はなく,小児や成人の多系統炎症性症候群(multisystem inflammatory syndrome in children or adults)の症例は報告されていない.学生1人が病院の救急部で長期観察された.心筋炎などの他の臨床症状に関する情報は得られなかった.

83日〜25において,大学Aでは18件のクラスターが確認され,そのうち8件は学生寮5件はサークルに所属する学生間1件は学外のアパート4件はスポーツチームで確認された全体では,201人(30%)がクラスターに関連していた.クラスターの規模は5人〜106人(中央値= 5人)で,最大のクラスターは大学付属アパート(a university-affiliated apartment complex)に関連していた.

819日に,大学A関連症例334人(50%)が保健所に報告されたため,大学Aの授業はすべてオンラインに移行し,学生寮の密集度を下げる取り組みが開始されたSARS-CoV-2検査が,症例が集中している学生寮の居住者すべてに推奨され,校医(the student clinic)および大学病院の検査センターで全学生に実施された.学生寮に住む学生は例外を除き,自宅に帰宅しなければならなかった.そして帰宅したすべての学生は,キャンパスを離れてから14日間は自己隔離を行うように指示された.キャンパス外の検査センターが,地域社会のニーズを満たすためと,複数の症例があるキャンパス外の学生宿舎を対象とするために設置された.

 

 

Figure: Confirmed COVID-19 cases among university A students, faculty, and staff members (N = 670), by earliest illness identification date — North Carolina, August 2020

The figure is a histogram, an epidemiologic curve showing 670 confirmed COVID-19 cases among university A students, faculty, and staff members, by earliest illness identification date, in North Carolina during August 2020.

 

Discussion

COVID-19症例が急増したのは,大学A学生に開放されてから2週間以内であった.暫定的な症例調査によると,キャンパス内外での学生の集まりや集団生活COVID-19のキャンパス内での急速な広がりに寄与していると考えられる.このような環境に特化した追加的な影響緩和策の必要性が示唆される.

Limitation: @大学Aで報告された症例数は過小評価されている可能性が高い.Aサークルに所属していることによって,感染した可能性のある学生数は過小評価されている可能性が高い.公表していない学生や,非公式のイベント・パーティーに参加していた学生もいるかもしれない.B学生寮に住んでいない学生の住居の情報が限られ,社交的な集まりの程度やマスク着用やその他の重要な緩和策の遵守についての情報も得られていない.C臨床的追跡調査が限られているため,長期的な臨床合併症の程度は不明である.D教職員の情報が限られている.