COVID-19関連追加(20201022日)

 

COVID-19感染者への短時間曝露の蓄積による矯正施設(刑務所)職員の感染】

Pringle JC, Leikauskas J, Ransom-Kelley S, et al. COVID-19 in a Correctional Facility Employee Following Multiple Brief Exposures to Persons with COVID-19 — Vermont, July–August 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 21 October 2020. DOI: http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm6943e1.

2020811日,20歳の男性矯正施設職員(矯正官)COVID-19確定症例がバーモント州保健省(VDH:Vermont Department of Health )に報告された.728矯正官は、SARS-CoV-2の検査結果が保留されていた監禁者または拘留者(IDP:  incarcerated or detained persons*6人と”複数回”の”短時間の接触”を経験した728,無症状IDPs6人は州外の矯正施設から到着し,隔離施設に収容されていた.州刑務所に関するバーモント州更生局(VDOC: Vermont Department of Corrections)の方針に従い,IDPs6人から到着日に鼻咽頭スワブを採取し,バーモント州保健研究所でリアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によるSARS-CoV-2検査を行った.7296人ともPCR陽性が判明したVDHVDOCは接触追跡調査†を行い,ビデオ監視映像を使用した結果,この矯正官はVDHの定義する濃厚接触(すなわち,感染者から6フィート以内で15分以上連続して接触していること)§§,¶を満たしていないと判断され,勤務は継続した84の勤務時間終了時に,彼は嗅覚および味覚消失,筋肉痛,鼻水,咳,息切れ,頭痛,食欲不振,胃腸症状を認めた85に行った鼻咽頭スワブによるRT-PCR検査の結果,811日に陽性と判明した; 矯正官は,業務外で接触者2人が確認されたが,いずれもCOVID-19を発症していなかった.発症7日前の728日に,矯正官はIDPs6人と複数回にわたって短時間,接触していたが,この6人は後にSARS-CoV-2陽性反応を示した; 利用可能なデータでは,無症状IDPsのうち少なくとも1人が,短時間の接触の間にSARS-CoV-2を感染伝播させたことが示唆されている.

その後,VDHと施設スタッフは,728日のビデオ監視映像と標準的な矯正官の勤務時間を検討し,勤務時間中の矯正官と感染力のあるIDPsとの接触頻度および接触時間を概算した(Table矯正官が感染者の6フィート以内に15分間連続して接触したことはなかったが,累積15分を超える複数回の短時間(約1分)接触が発生していた728日の勤務時間8時間に,矯正官は,独房のドアが開いている間に,感染力のあるIDPs6フィート以内推定22合計17分間の累積曝露があったと推定されるIDPsは,独房外で矯正官と接触していたほとんどの間,マイクロファイバー製の布製マスクを着用していた; しかし,独房の出入り口やレクリエーションルームでの接触においては,IDPsはマスクを着用していなかったすべての接触において,矯正官はマイクロファイバー製の布製のマスク,ガウン,目の保護具(ゴーグル)を着用していた矯正官は,ほとんどの接触の間,手袋を着用していた.矯正官の累積曝露時間は情報に基づく推定値であり,今回の調査では見落とされた接触が発生していた可能性はある.

矯正官は,発症前14日間はバーモント州外への移動はなく,仕事以外でCOVID-19患者に接触したことはなかった.彼の居住郡および矯正施設のある地域におけるCOVID-19の累積発生率は調査時には比較的低く(10万人あたり20人),彼の最も可能性の高い曝露は,後にSARS-CoV-2検査結果が陽性となったIDPsとの複数回にわたる短時間の接触(当初はVDHの濃厚接触曝露の定義を満たしていないと考えられていた)による矯正施設内での曝露であったことが示唆されている.

VDHの濃厚接触の定義を満たしていた感染力のあるIDPsに曝露した職員7人のうち,1人が陽性であった接触追跡中にVDHの濃厚接触の定義を満たしていない感染力のあるIDPsに曝露した職員13人(この担当矯正官を含む)のうち,担当矯正官のみがSARS-CoV-2検査陽性であった

”濃厚接触”を正確に定義するためのデータは限られているが,多くの環境では,”15分間”の濃厚接触が接触追跡調査の運用上の定義として使用されている.濃厚接触を定義する際に考慮すべきその他の要因としては,近接,曝露時間,感染者に症状があるかどうか,感染者が呼吸エアロゾルを発生させる可能性があったかどうか,換気の適切さや人混みなどの環境要因が挙げられる.接触追跡の主な目的は,感染リスクの高い曝露者を特定することであり,それにより感染症を発症する可能性が高くなるため,隔離や業務制限を決定することができる.当初の評価では,矯正官が接触暴露を受けたことが示唆されていなかったが,ビデオ監視映像の詳細な検討により,累積曝露時間が15分を超えていることが確認された.矯正施設では,IDPsと施設職員の間に6フィート以内の距離で接触することが頻繁にあるため,公衆衛生当局者は,そのような環境での累積曝露時間が感染リスクに与える影響を考慮すべきである.

 

 

Table: Description, frequency, and duration of close (within 6 ft) interactions between the ill correctional facility employee and six infectious incarcerated or detained persons (IDPs) while their SARS-CoV-2 test results were pending — Vermont, July 28, 2020*

 

 

→“CDC updated Oct 21, 2020

Close Contact Definition:

Someone who was within 6 feet of an infected person for a cumulative total of 15 minutes or more over a 24-hour period* starting from 2 days before illness onset (or, for asymptomatic patients, 2 days prior to test specimen collection) until the time the patient is isolated.