COVID-19関連追加(20201025日)

 

【大学病院におけるCOVID-19院内アウトブレイク】

Harada S, et al. Control of a Nosocomial Outbreak of COVID-19 in a University Hospital. Open Forum Infectious Diseases, ofaa512, Oct 22, 2020.

https://doi.org/10.1093/ofid/ofaa512.

INTORODUCTION

COVID-19パンデミックにより,世界中で病院は院内感染(NI: nosocomial infection)のリスクにさらされている.いくつかの国では,医療従事者(HCW: Health care workers)がCOVID-19症例の46%を占めている1)-3).日本では,NIは全COVID-19症例の9.4%以上と報告されている4).基礎疾患を持つ人の罹患率と死亡率が著しく高く5),東京の病院で最初に発生した院内アウトブレイクでは,患者109人のうち,43日以内に38人が死亡した 6).このため,重篤な合併症や死亡者を減らすだけでなく,すべての患者に適切なケアを提供するための病院機能を維持するための予防対策が急務である.

324,東京にある慶應義塾大学医学部附属病院で,初めての院内確定症例が認められた.この日の首都圏におけるCOVID-19累積確定症例数は172人,累積死亡者数は5人と報告されていた7).翌月にはそれぞれ3,742人(東京都の人口1000人当たり0.27人),93人(1000人当たり0.007人)に増加した(424日現在).政府による行政検査は重度の症状を認めた患者や4日以上症状が続いた患者に限定されており8),感染者の多くは軽症または無症状であることを考えると9)-11),確定症例数は過小評価される危険性があった.感染伝播の約40%は前症状症例から発生する可能性がある12)13); したがって,地域全体で感染が拡大すると,HCWsや入院前の患者において前症状感染が増加し,NIsアウトブレイクにつながる可能性がある.

NIsの同定はCOVID-19では特に困難である.SARS-CoV-2は潜伏期間に感染伝播しうるので14),感染者に気づかずに接触する可能性がある.中国の文献レビューと症例報告では,院内感染伝播は確定症例の40%以上で起こっていたことが報告されている15)16),一方でイギリスとイタリアの多施設国際コホート研究では、NI症例の割合は12.5%と推定されている17).この数字はNIの定義や市中感染(CAI: community-acquired infection)の入院数によって異なる可能性があり,施設が患者集団当たりのNIs数が多いか少ないかを議論することは難しい.NIsを減らす必要があることに異論はないが,NIsを減らすための対策として,患者数,感染動態,予防策を注意深く可視化することが必要である.

COVID-19の院内感染および施設内感染の制御は大きな課題である 11)18); しかしながら,大型急性期病院でのアウトブレイクを軽減するための対策はほとんど報告されていない.それゆえ,我々は,COVID-19アウトブレイクを制御するための院内PCR検査システムと接触者追跡による厳格かつ迅速な隔離措置について報告する.

 

METHODS

SETTING:

319COVID-19症状のない患者が下肢虚血の治療のため他院(A病院)から,東京都心部の三次医療機関である慶應大学病院(病床960床、入院病棟26棟,HCWs2700人を擁する)に転院してきた323,感染制御部メンバーは,A病院でCOVID-19アウトブレイクが発生したとの連絡を受けた転院患者はCOVID-19陽性反応を示し,324時点で,この患者が前発症状態である最初のCOVID-19症例と推定された.感染管理対策と接触者追跡により,当院では複数のNIsクラスターが存在することが判明した.感染症専門医,熟練した感染制御担当者,疫学者を含む感染制御チームが厳正に行動し,感染状況の評価とコントロールを行った.

CASE DEFINITION AND CONTACT TRACING:

Persons under investigationPUI)は,202031日〜424日までに入院した患者,または同期間に慶應大学病院に勤務していたHCWsと定義した.症状の有無にかかわらず,SARS-CoV2 PCR検査が陽性であったPUIを確定症例と定義した.発熱または呼吸器症状から臨床的に感染が疑われたすべての患者およびHCWsに対して院内PCR検査を実施した.症状の状態にかかわらず,徹底的な接触者追跡に基づいて,すべての高リスクの接触者に対しても PCR 検査を実施した.患者に関しては,感染したHCWsの診察または看護を受けた患者,感染した患者と同じ病室に入院した患者,または院内アウトブレイクが発生した病棟に入院した患者を高リスク接触者と定義した.HCWsに関しては,感染した患者に曝露したことがある(曝露グレードA-C, supplementary Table 1),感染者との会話の距離が近く、どちらかがマスクを着用していない状態で,2-3分以上接触した場合(例えば,休憩時間や食事中),またはHCWの間で複数の症例が確認された部署や病棟に所属している場合は,高リスク接触者と定義された.46日から,入院前の患者に対する全例PCR検査(universal PCR testing)が実施された.各症例は,検査陽性が確認されてから202058日までの最低2週間経過観察された.

症例は,観察された最大重症度に従って分類された: 無症状,軽症,重症,致死性(重篤)19).軽症例は,発熱と呼吸器症状(咳,痰,喉の痛み)を呈していた症例,重症例は,室内気でSpO293%以下で,酸素投与を必要とする症例,致死例(重篤例)は,機械的換気を必要とする呼吸不全を有する症例と定義した.

確定症例は、状態(患者/HCWs)およびウイルス感染場所(市中感染伝播/院内感染伝播)により,4つのグループのいずれかに分類された患者は、COVID-19の潜伏期間の中央値である入院5日目以降20)21)に症状が発現,そして検体が採取された場合にNIと定義した.残りの症例は,2週間以内に入院歴のある症例(未分類症例)を除き,すべて市中感染症例(CAIsと定義した.HCWsは、上記で定義したように高リスクの接触者であればNI,当院以外の陽性症例との濃厚接触者であればCAIと定義した.関連が不明な場合,またはHCWsNICAIどちらも存在する可能性がある場合は,分類不能と定義した.感染源の特定は,質問票(Supplementary Table 2)または必要に応じて陽性判明日の1ヶ月前までさかのぼっての電話によるインタビューを用いた徹底した接触者追跡から収集した情報に基づいた.ある症例が院内感染伝播連鎖の始まりと疑われた場合には,その症例を一次症例とみなし,それらのNI症例の集積をクラスターと定義した.

推定感染源は,感染時の症状に基づいて,有症状前症状無症状(never-symptomaticに分類された無症状の感染源は,接触後2週間以内に症状が発現した場合には前症状と分類され,接触後2週間以内に症状が出なかった場合は,無症状と分類された症状を伴う感染源を含め,NIsで複数の感染源が考えられる場合は,有症状の感染源と定義した.陽性患者の症状に関する情報はカルテおよび医師との電話インタビューから収集し,陽性HCWsの症状に関する情報は毎日の健康観察および接触者追跡に基づいて収集した.

RESPONSE MEASURES:

季節性インフルエンザの感染対策として,1月初旬より全HCWsに,3月末より全患者・来院者にユニバーサルマスクを実施していた.217日以降,全HCWsは発熱(37.5℃以上)や呼吸器症状を所属長および慶應大学保健センターに報告した後,自宅で自己隔離することになった.復職には保健所の許可が必要だった.48日からは,PCR陰性の確認が必要になった.46日からは,入院前の患者の全例PCR検査が実施された.また,すべての緊急入院患者にはルーチンで27日間の隔離が行われ,臨床経過や病状に応じて緩和された.324日以降,COVID-19クラスターが確認された場合,直ちにindex caseを隔離し,接触者追跡を徹底した.具体的には,確定症例と接触したすべてのHCWsについて,当社の曝露グレード(Supplementary Table 1)に基づいて曝露レベルを評価した.エアロゾル発生手技中にフェイスシールドを着用していない者については,PCR検査の結果にかかわらず14日間の勤務制限を設けた.病棟内での感染伝播が疑われる場合は,直ちに病棟を閉鎖して消毒し,病棟に配属されたすべての患者およびHCWsを対象にPCR検査を実施した後,PCR検査の結果にかかわらずHCWs14日間隔離した.330日からは,厳格なソーシャルディスタンスが実施された(HCWsは一人で食事をするなど).

DATA COLLECTION AND ANALYSIS:

324日から院内感染対策プログラムの一環として,接触者追跡を含めたデータを前後両方向(ambidirectionally)から収集した.人口統計学的および臨床情報は医療カルテから収集した。我々は,このアウトブレイクについて記述分析を行った.一次症例から直接発生した二次症例数は,より厳格な安全対策が実施された331日以前/以降の両方で算出した.研修医(resident physicians)を独立した母集団と仮定し,この母集団における1例によって直接発生する症例数の予想値としての基本再生産数(R0)をsusceptible-expose- infectious- recoveredSEIR)モデル24)を用いて推定した.

 

 

RESULTS

RESULTS OF PCR TESTING OF PATIENTS AND HEALTHCARE WORKERS:

2020324日〜424日に検査を受けた患者562人のうち,27人(4.8%)が陽性と確認された(Figure 1NIs5人(18.5%),CAIs19人(70.4%),分類不能は残りの3人(11.1%)であったNI患者は入院後9-86日目に陽性が確認され,症状が発現したのは入院後8-82日目であった.検査を受けたHCWs697人のうち52人(7.5%)が陽性と確認された.NIs40人(76.9%),CAIs9人(17.3%),分類不能は残りの3人(5.8%)であった

推定感染源をTable 1に示す.推定感染源が特定された患者とHCWsを含む44人の感染伝播のうち,42人(95.5%)は無症状の感染源からの感染伝播であった; そのうち19人は研修医クラスター内の感染伝播であった; 2人(4.5%)は有症状だがその時点で陽性が確認されていない感染源からの感染伝播であった.集団感染のため,研修医の感染伝播は明確に区別することはできなかったが,無症状感染伝播のほとんどは,前症状性であった.すべてのHCWsは患者ケア中にサージカルマスクを着用していたが,9人はまだ陽性が確認されていない感染患者からウイルスに感染した可能性が高かった.合計31人のHCWsが,共同の診察室での勤務職員食堂での食事など,スタッフ間の感染伝播を介していた可能性があった

Figure 2に,PCR確認日(2a)と有症状症例の発症日(2b)による確定症例の流行曲線(epicurve)を示した.PCR確認日を時系列で見ると,41日をピークに症例数は減少し,415日から58日まではNIsは認められなかった

すべてのNIsの患者は複数の合併症を有していた患者死亡が3,繰り返し行ったPCR検査が陰性と判明した後に基礎疾患の急性増悪2人,呼吸状態は改善傾向であったが重篤な消化管出血1人であった致死例1人は人工呼吸管理を継続していたが,繰り返し行ったPCR検査は陰性であったNIsHCWsには重症例も致死例も認めなかった.確認された症例の臨床的特徴をSupplementary Table 3にまとめた.

3月,4月,5月の入院患者数,平均在院日数,ベッド稼働率は,3月が25,523人,11.4日,88.3%; 4月が13,471人,18.3日,48.2%; 5月が12,085人,15.9日,41.8%であった.

DESCRIPTION OF INFECTION FOR EACH CLUSTER:

4つの大きなクラスターADが認められた

@クラスターA:

最初に可視化されたクラスター(クラスターA)は,A病院から下肢虚血の治療のために当院に転院してきたindex caseに由来するものであり,同じ病室の患者3人がPCR陽性であった.その後,病棟の入院患者44人とHCWs100人全員を対象にPCR検査を行い,続いて患者1人とHCWs3人の陽性が判明した.潜伏期間は一次感染者においてより長く,二次感染者においてより短かったが,同室の二次感染者は発症する44日以上前に入院していた; そして感染の広がりを考えるとCOVID-19が発生したA病院からの転院患者が一次感染者である可能性が高かった.病棟内でNIsが蔓延している疑いがあり,閉鎖することにした.フロア全体の消毒を徹底した後,HCWsは全員他病棟の職員に交代した.1週間後,まだ入院していた患者に再PCR検査を行った.このクラスターは12人であった.

AクラスターB:

次に,慶應大学病院とA病院に勤務する医師の間で発生したクラスターを同定した(クラスターB).327日から99人の医師全員を隔離した.感染が確認されたのは5人で,無症状の感染源の1人(無症状never-symptomatic)から二次症例2人が発生していた.

BクラスターC:

もう1つのクラスターは,前症状の小児科外来患者から発生した(クラスターC).HCWs4人が一次症例から感染した; しかし,それ以上の感染拡大は認めなかった.

CクラスターD:

同時に起こった,発熱を認めた研修医から判明した研修医クラスター(クラスターD).99人の研修医全員を隔離した; 初回PCR検査が陰性であった研修医には1週間後に再検査を行い,20人が陽性であったことが確認された.詳細な接触者追跡調査の結果,過去1ヶ月間に当院でCOVID-19が確認された,または疑われた患者と接触した研修医はいなかった.感染伝播は研修医休憩室(resident lounge)での曝露によるものと考えられた.また,一次症例の可能性のある感染者を除く15人が326日の食事会に参加していた.一次症例から直接発生した二次症例数は,クラスターDR0SEIRモデルで4.4と推定されたため,4.4とした.

NUMBER OF SECONDARY CASES GENERATED BY A SINGLE PRIMARY CASE:

Figure 4にまとめたように,院内の一次症例1人から直接発生した平均二次症例数は17.4/28= 0.62であった.これは,大規模な隔離と厳格なソーシャルディスタンス措置が実施された331日以前/以後の両方で算出したものである.331日以前は17.4/10= 1.7441日以降は0であったクラスターDを除く二次症例13人では,接触推定日からPCR陽性判明日までの期間の中央値は6日であった

DISCUSSION

東京都の大型急性期病院におけるCOVID-19の院内感染アウトブレイクについて報告した.このアウトブレイクでは,検査を受けた患者562人中27人が陽性であり,そのうち5人(18.5%)がNIsを疑われたHCWsについては,ユニバーサルマスキングと健康状態スクリーニングにもかかわらず,HCWs697人中52人が陽性となり,そのうち40人(76.9%)がNIsと考えられたNIの割合は以前の報告15)-17)よりもはるかに高かった.この高い割合は,2つの理由によるだろう: 病院機能の一時的な低下により新規COVID-19患者の受け入れが限られていたことと,日本での市中感染率が他の報告に比べてかなり低かったこと.また,HCWsは診療中ユニバーサルマスクや手指衛生,標準予防を遵守していたが,休憩室の利用や他の職員との食事など,診療外での感染が多かったかもしれない.14日間の病院スタッフの自己隔離,ユニバーサルマスク,面会制限,ソーシャルディスタンスの実施は以前にも報告されているが25)26)今回のように大規模な院内感染が発生した場合には,病棟閉鎖などのより重大な決断が必要となる可能性がある.封じ込め対策を迅速かつ厳格に実施した結果,ウイルス感染伝播の制御に成功した.

広範囲に感染が拡散させた症例の特徴の一つは,前症状あるいは無症状であったことであり,すべての感染は診断前に発生していた.病院では,症状のある患者は直ちに隔離され,慎重に管理されていたため,有症状感染者からの感染は起こりにくく,感染の大部分は無症状感染者からのものであった.加えて,無症状性感染伝播42人のうち19人が単一クラスターに観察されており,これも無症状性感染伝播数の増加に寄与していたCOVID-19の報告では,前症状症例の割合が高いことが示されており9)-11),前症状性キャリアが他の人に感染していることが確認されている11)12)27)クラスターが発見された場合には,積極的な接触者追跡、PCR検査結果や症状の有無にかかわらず徹底した隔離,曝露リスクが高い人への検査を行うことで,さらなる感染を抑制することができる特にクラスターAについては,病棟内の全職員を隔離し,一時的に別の職員と入れ替えたクラスターBDについては,医師約200人を一度に隔離した効果があったのではないかと考えられる.院内感染が認められた時点で速やかに病棟を閉鎖し,大規模な職員の自己隔離を実施した点において我々の対策は新しい対策であった; COVID-19の感染伝播は無症状期に発生するため,症例数が増加した場合にはフォローアップ対策や接触者追跡のみでは不十分な場合がある.そのような場合においては,我々が行ったような大規模な対策が,都市で行われたロックダウンと同じくらいの効果があったかもしれないHCWsを隔離することで、一時的に人手不足に陥り,患者へのケアが不十分になる可能性がある.しかし,PCR検査結果や症状の有無にかかわらず,アウトブレイクの兆候が出た時点で大規模に積極的な業務制限を実施することが必要であり,特にCOVID-19については,前症状感染者から感染伝播が拡大する可能性があるので注意が必要である.

一次症例から直接発生した二次症例NI例の平均数は0.62と算出された331日以前は1.74であったが,41日以降はより積極的な対策がとられて0となった.この1.74という値は、従来の標準予防対策であるユニバーサルマスクや有症状職員への隔離を行っていたときの再生産数を反映していると考えられる.院内感染と市中感染の区別が困難であったため,この数値には誤差が含まれている可能性があり,誤分類が発生したかもしれない.この数値は慎重に解釈する必要があるが,当院の対策により再生産数が低下し,NIsが抑制されたことは明らかである.また,発熱や症状のある患者および職員に対する包括的なサーベイランスを実施しても,58日までに新たな感染伝播連鎖は確認されなかった.

当院のCOVID-19NIsは,すべての症例から同じように発生したわけではない: ほとんどの症例では誰にも感染しておらず,一次症例28人のうち4人のみがクラスターを引き起こした.このことは,たとえ再生産数が高くても,最も感染力の強い感染者を隔離したり,多くの感染をもたらす状況を回避することが,感染拡大を防止している可能性を示唆している.閉鎖空間である病院内における単一の一次症例から発生する二次症例数のばらつきが大きいことは,日本のCAIsで観察された知見と一致している28)

今回の結果から,COVID-19の院内発生を防ぐためには,有症状者のスクリーニングだけでは十分ではないことが示唆された.無症状感染者を検出して分離すること,無症状感染者からのウイルス排出に注意を払うこと,そして医療従事者同士の接触を避けることが,病院や同様の施設でのウイルス拡散を防ぐための鍵となる

46日,当院では入院前の全患者を対象に院内PCR検査を実施し,COVID-19陽性が確認された患者が増加した.入院前に診断されたこれらの確定患者からはNIsは発生しなかった.このことは,医療従事者が無症状性COVID-19患者を認識し,その予防のために十分な注意を払えば,どの患者からもクラスター・アウトブレイクが発生する確率を低下させることができることを示唆している.しかし,PCR検査ではCOVID-19を除外するには十分な感度が得られない場合があり29)-31),無症状感染者でも医療施設内でCOVID-19を除外できるように検査能力を高め,十分な感度のシステムを確立することが急務である.

Limitation:

@本研究は単一施設での記述分析であるため,有効な対策を確立するためにはより多くの症例を収集する必要がある.ANIsと定義された人は,病院外の様々な感染源から感染している可能性があるため,院内感染の数は過大評価されている可能性がある.地域社会で流行が広がっていると,接触者追跡は困難であり,地域社会に感染源がある場合には,感染源を特定することは困難である.B東京では,47日に政府が非常事態宣言を出し,確定症例数は416日にピークを迎えた.CAIsの自然現象が院内感染の収束に寄与した可能性がある.

CONCLUSIONS

当施設における COVID-19 院内感染では,特定の無症状症例からのウイルス排出が大きな役割を果たしていた.アウトブレイクの最初の兆候が見られた時点における,迅速な大規模隔離,接触者追跡,HCWs間の接触制限,および対象に無症状者を含むPCR検査は,COVID-19の院内感染の拡大を防ぐのに有効であった

 

 

Table 1:

 

 

Figure 1: Flowchart of PCR testing for COVID-19 of patients and healthcare workers

between March 24 and April 24 in our hospital.

CAI, community-acquired infection; HCW, healthcare worker; NI, nosocomial infection

 

 

Figure 2: (a) Epicurve of confirmed cases by date of PCR confirmation and (b) symptomatic cases by date of onset for COVID-19 outbreak at Keio University Hospital. (a) Dates of PCR confirmation in chronological order show that the number of cases peaked on April 1, then decreased. (b) Number of onsets in NI cases peaked on March 30, then decreased. CAI, community-acquired infection; HCW, healthcare worker; NI, nosocomial infection.

 

 

Figure 3: Time course for COVID-19 outbreak in each cluster. *: 一次症例, A: 入院, E: 一次症例への曝露, E': 二次症例への曝露, E'': A病院での曝露, O: 発症, P: PCR検査陽性, G: 食事の集まり.

 

 

各クラスターにおけるCOVID-19発生の時間経過。*: 一次症例、A:入院、E:一次症例への曝露、E'. 二次症例への曝露、E''A病院での曝露、O:発症、PPCR検査陽性、G:食事のための集まり。(a) 病棟での感染クラスター.前症状であった一次症例(case 1)が短期間に7人にCOVID-19を感染させた.前症状であった患者(case 5)が1人の確定的な二次感染(case 6)を発生させた.(b)慶應大学病院とA病院の両方に勤務していた医師による感染伝播クラスターcase 1は,症状がないにもかかわらず一緒に食事をしていたHCW2人(case 2, 3)にCOVID-19を感染させた.他の一次症例4人(case 4-7)については二次症例を認めなかった.(c) 小児科外来での感染クラスター.一次症例は短期間にHCWs4人にCOVID-19を感染させた.二次感染は認めなかった.(d) 研修医の感染クラスター330日に研修医5人が発熱していることが判明し,COVID-19陽性が確認された.331日に全研修医を直ちに隔離した.慎重な接触者追跡の結果,他の陽性者との明らかな接触は認められなかった. 一次症例は明らかではなかったが,このクラスターDR0を計算する際には,case 1が一次症例であると仮定した.このクラスターの20人中15人が326日の食事会に参加していた.

 

 

Figure 4: Distribution of the number of secondary cases generated by a single primary case with COVID-19 in the hospital.

一次症例ごとの二次症例数を表示している.331日以前の一次症例は,331日までに発症または陽性と確認された一次症例を示す.41日以降の一次症例は,331日までに発症も陽性と確認されなかった一次症例を示す.クラスターA-Dの一次症例を除き,一次症例から確定的な二次症例は発生していない.

 

 

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