COVID-19関連追加(20201027-2

 

【医療従事者におけるCOVID-19関連入院について】

Kambhampati AK, O’Halloran AC, Whitaker M, et al. COVID-19–Associated Hospitalizations Among Health Care Personnel — COVID-NET, 13 States, March 1–May 31, 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 26 October 2020.

http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm6943e3.

医療従事者(HCP: Health care personnel)は,職場の内外を問わず,COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2に曝露され,感染リスクが高まる可能性がある.202031日〜531日に入院した成人6,760人のうち、COVID-19関連入院サーベイランスネットワーク(COVID-NET: COVID-19Associated Hospitalization Surveillance Network)で状態が判定された5.9%はHCPだったCOVID-19で入院したHCPのうち,看護関連職種が最も多かった(36.3%.入院したHCPの年齢中央値は49歳で,89.8%が少なくとも1つの基礎疾患を有しておりその中で最も多く報告されたのは肥満(72.5%であったCOVID-19を有するHCPのかなりの割合が重症化した: ICU入院が27.5%侵襲的機械換気管理が15.8%入院中の死亡が4.2%HCPCOVID-19重症例となる可能性があり,医療現場における継続的な感染予防と管理、および感染伝播を減らすための地域社会の緩和努力が必要である.

COVID-NETは,1499郡の全年齢層を対象としたCOVID-19関連の入院患者を対象とした集団ベースのサーベイランスを実施している.入院中または入院前14日以内にSARS-CoV-2分子学的検査で陽性が確認された入院患者を対象としている.13州(カリフォルニア州,コロラド州,コネチカット州,ジョージア州,メリーランド州,ミシガン州,ミネソタ州,ニューメキシコ州,ニューヨーク州,オハイオ州,オレゴン州,テネシー州,ユタ州)の98郡を代表する施設で収集されたHCPの状態に関するデータが,この分析に含まれている.

202031日〜531日に,COVID-NETは成人入院患者28,972人の報告を受け,そのうちカルテが完全である8,515人が抽出された(Figure 1).抽出された患者6,760人のうち438人がHCPであり,重み付き推定値は5.9%95% CI= 5.1%-6.8%)であったCOVID-19で入院したHCPの年齢中央値は49歳(IQR= 38-57歳)で,女性が71.9%; 非ヒスパニック系の黒人(Black)が52.0%,非ヒスパニック系の白人(White)が27.4%,ヒスパニック系またはラティーノが8.6%であった(TableCOVID-19で入院したHCP3分の2以上(67.4%)は,患者と直接接触する職種であった; COVID-19に入院したHCPのうち看護関連職種は36.3%であり,内訳は看護師27.8%認定看護助手(CNAs: certified nursing assistants8.5%であったCOVID-19で入院したHCPで次に多かったのは,patient aidesおよびcaregivers 6.6%であった(Figure 2

全体では,COVID-19で入院したHCP89.8%が少なくとも1つの基礎疾患を持っていた(Table).最も多い疾患は,肥満(body mass index ≥30kg/m2)(72.5%,高血圧(40.6%),糖尿病(30.9%)であった.直接接触しないHCPでは,一般的に患者との直接接触するHCPに比べ,肥満(80.9% vs 68.3%),心血管疾患(高血圧を除く)(23.5% vs 8.4%)の有病率が高かった.COVID-19で入院した1849歳の女性HCPのうち,9.6%は入院中に妊娠していた.入院時にCOVID-19に関連する徴候や症状を認めたHCP96.6%であり,息切れ(79.0%),咳(76.6%),発熱または悪寒(73.9%)が最も多く認められた.

COVID-19を有するHCPの入院期間の中央値は4日(IQR= 3-9日)であった.COVID-19で入院したHCP48.2%COVID-19の治験薬(investigational treatments)が投与された.全体では,HCP27.5%ICUに入院し(中央値で6日間(IQR = 320日)),15.8%が侵襲的機械換気管理となったCOVID-19で入院したHCPの最終診断では,肺炎56.7%,急性呼吸不全42.9%であった.COVID-19HCPのうち16人(4.2%)が入院中に死亡した

Figure 1:

The figure is a flow chart showing the selection of cases for analysis of COVID-19–associated hospitalizations among health care personnel (HCP), using data from COVID-NET, in 13 states, during March 1–May 31, 2020.

 

Figure 2:

The figure is a bar chart showing the weighted percentage of personnel types among reported health care personnel (HCP) with COVID-19–associated hospitalizations (N = 438), using data from COVID–NET, in 13 states, during March 1–May 31, 2020.

 

 

Table:

Discussion

・米国の医療従事者において看護関連職種は大きな割合を占め,2019年では,正看護師だけで医療従事者の約3分の1を占めている.

・米国の医療従事者全体の分布と同様に,この報告における入院HCPの大部分は女性であった.しかし,以前に報告されたCOVID-19を持つ米国のHCPの人口統計学的特徴と比較すると,COVID-NETで特定されたHCPは高齢であり,黒人の割合が多かった.COVID-NETは入院患者に特化したサーベイランスを実施していることから,これらの違いは,高齢化と重篤な転帰の関連性,黒人集団における不均衡な影響を反映している可能性がある.

・最近の研究では,肥満以外の基礎疾患を調整した後でも,COVID-19患者において肥満が死亡リスクと強く関連していることが明らかになっている.