COVID-19関連追加(2020112-2

 

COVID-19の感染伝播−まだ決まっていない,いや空気中にありup in the air

EDITORIAL. The Lancet Respiratory Medicine. COVID-19up in the air.

The Lancet Respiratory Medicine. Published: October 29, 2020.

https://doi.org/10.1016/S2213-2600(20)30514-2.

https://marlin-prod.literatumonline.com/cms/attachment/5024e59b-c6a4-470c-ae9b-827b1cb707a7/fx1_lrg.jpg

SARS-CoV-2がどのようにして感染伝播するのかについては,現在も議論が続いている.呼吸器ウイルスは主に3つの方法で伝播する; @感染者と直接接触する,あるいは汚染された表面に触れて感染する接触感染.A感染者の近くにいる場合に起こる,ウイルスを含む大小の呼吸飛沫による飛沫感染.B飛沫感染よりも長い距離および長時間,空気に懸濁された小さな飛沫や粒子による空気感染.

パンデミック初期では,表面からの感染が懸念されていた.しかし,最新の研究では,SARS-CoV-2は無生物の表面上で数日間持続する可能性があるにもかかわらず,これらの表面からウイルスを培養する試みは失敗に終わり,これが主要な感染経路になる可能性は低いことが示唆されている

感染管理ガイドラインによると,呼吸器ウイルスの感染は,咳,くしゃみ、呼吸などで発生する大きな感染性飛沫から感染することがほとんどであるとされている.この理解により,ソーシャルディスタンスを置くことが公衆衛生上の基本となっているが,感染を減らすために必要な安全なフィジカルディスタンスは,WHO1mを推奨,CDCNHS2mとしており,混乱が生じている.効果的なソーシャルディスタンスのためには,感染性呼吸粒子(infective respiratory particles)が地面に落下するか,感染を起こさないために感染源から2m離れたところでは十分に低濃度でなければならない.研究やガイドラインでは,歴史的に粒子の大きさを5μmの閾値を用いて区別してきたが,現在,研究者たちは,100μmの閾値の方が粒子の空気力学的挙動をよりよく区別できることを示唆しており,2m以内に地面に落下する粒子は60100μmのサイズである可能性が高いとしているまた研究者たちは,感染性エアロゾルの粒子径を測定し,病原体は,空気を介して呼吸可能な小粒子エアロゾル(small particle aerosols)(< 5μm)に最もよく認められる(most commonlyことを示している

当初,SARS-CoV-2の空気感染は起こりにくいと考えられていたが,感染性微小飛沫(infective microdroplets)は十分に小さいため,空気中に懸濁し続け,感染者から2mを超える距離でも曝露することが明らかになってきたこの知見は,直接接触がなかった,あるいは間接的に接触した人同士でも感染が広がったという調査からも支持されており,これは空気感染が最も可能性の高い伝播経路であることが示唆されている7月には,200人以上の科学者が,現在の勧告を遵守しても人が十分に感染防御できないことを懸念し,国際機関に対してCOVID-19の空気感染の可能性を認識するよう求める声明を発表した.

2020105日,CDCCOVID-19のウェブページを更新し,特定の状況下では空気を介したウイルス曝露からCOVID-19感染が発生することを示す証拠が増えていると述べている2mを超えて離れている人からの感染が発生しているが,それは換気の悪い閉鎖空間で,典型的には30分を超える長時間の感染者への曝露で発生しているCDCは,ほとんどの感染は密接な接触によって広がり,空気感染が主な感染経路ではないことを明確に指摘している.

飛沫感染と空気感染のどちらが主な感染経路であっても,換気が良い屋外では感染リスクははるかに低いことが知られている.北半球では冬が近づくにつれ,屋外で交流や運動を行うことが難しくなり,COVID-19の感染リスクが高まることが懸念されている.公衆衛生上のガイダンスでは,屋内環境でのリスクをどのようにナビゲートするかを人々に助言する必要があり,多くの国では公共交通機関での移動,屋内での買い物,集会において,フェイスマスクの着用が義務化されているフェイスマスクとシールドは,より大きな飛沫からの保護を提供するが、空気感染に対する有効性はあまり確かではない室内で過ごす際の助言として,換気の改善,そして混雑した空間を避けることにも焦点を当てるべきである

2021年が近づくにつれ,人々はパンデミックがもたらした生活の混乱に嫌気がさし始め,厳格なルールやロックダウンを遵守する気持ちが薄れていくかもしれない.COVID-19症例が世界的に増加しているため,私たちは感染経路をより完全に理解する必要がある.パンデミックに関する疲労(fatigue)に直面しても,より明確で効果的な感染制御ガイダンスを提供できるようにするために新しい研究を受け入れ,古いデータに基づいた勧告に頼らないことが極めて重要である