COVID-19関連追加(202117日)

★当院HP関連ファイル(フライト関連):

202081

2020919

SARS-CoV-2遺伝子解析によって証明された

出国前検査にもかかわらず飛行機内感染伝播した事例報告】

Swadi T, Geoghegan JL, Devine T, McElnay C, Sherwood J, Shoemack P, et al. Genomic evidence of in-flight transmission of SARS-CoV-2 despite predeparture testing. Emerg Infect Dis. 2021 Mar [date cited]. https://doi.org/10.3201/eid2703.204714.

COVID-19の輸入に伴う国際的なリスクの高まりを受けて,2020320日,ニュージーランドは,ニュージーランド国民,永住者,免除者を除くすべての者に対して国境を閉鎖した(1)202049日、ニュージーランドは輸入リスクをより適切に管理するために,国境での管理隔離検疫(MIQ: managed isolation and quarantine)システムを導入した.ニュージーランドに到着した者は,ニュージーランドの地域に入る前に,政府が指定したMIQ施設に少なくとも14日間滞在することが義務付けられた.20206月には,ニュージーランドに帰国しMIQ施設に滞在する人の検査制度が導入された; 隔離期間の3日目と12日目頃に鼻咽頭スワブを採取した.また,症状が発現した者あるいはSARS-CoV-2陽性者の濃厚接触者からも鼻咽頭スワブを採取した.

2020929日,アラブ首長国連邦(UAE)のドバイを出発し,マレーシアのクアラルンプールに寄港したEK448便は,ニュージーランドのオークランドに着陸した.14日間のMIQ期間中に,同便に搭乗した7人の乗客がSARS-CoV-2検査で陽性反応を示した.7人の乗客はドバイでの乗り継ぎ(layover)前に5ヶ国からの旅行を始めていたが,出発前のSARS-CoV-2検査結果は5人とも陰性であったFigure 1この7人の乗客はドバイからオークランドまでの18時間のフライト中4列以内の席に座っていた.最近の研究では,飛行機内感染に関連するリスクに関する相反する知見が報告されているため(2-4),これらの旅行者の可能性のある感染源を特定するために包括的な調査を行った.

 

 

Figure 1: 2020929日にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイからニュージーランドのオークランドへの同一便(EK448)(マレーシアのクアラルンプールで給油を行った)に搭乗した後,SARS-CoV-2陽性と判定された7人の乗客の渡航先の国.アスタリスクは,他の6つの遺伝的に同一のゲノムが報告されている場所を示す(5)

Countries of travel origins for 7 passengers who tested positive for severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 infection after traveling on the same flight (EK448) from Dubai, United Arab Emirates, to Auckland, New Zealand, with a refueling stop in Kuala Lumpur, Malaysia, on September 29, 2020. Asterisks indicate where 6 other genetically identical genomes have been reported (5).

 

Methods

Case Details and Consent:

ニュージーランドでは,COVID-19は届出される疾患であり,すべての陽性例は国のサーベイランスシステムに報告され,さらなる公衆衛生調査が可能となる.この記事に記載されているすべてのCOVID-19患者に連絡を取り,データがこの報告で使用されることに書面または口頭で同意を得た.症例データは保健省の伝染病サーベイランス契約に基づいて収集されたものである.COVID-19を有する7人を,ここでは乗客A-Gと表記した(Table 1, 2).

 

 

Table 1: Detailed information for 7 passengers with SARS-CoV-2 infection detected after being on flight EK448, Dubai, United Arab Emirates, to Auckland, New Zealand, September 29, 2020*.

 

Clinical Data and Sample Collection:

症例の詳細は,全国の告知可能疾患データベースである EpiSurv https://surv.esr.cri.nz/episurv/index.php.) から入手した.MIQでは,乗客86人全員が3日目にリアルタイム逆転写PCRrRT-PCR)によるSARS-CoV-2診断検査を受け,この回の検査結果が陰性の場合は12日目に再度検査を受けた.客室乗務員はニュージーランド到着後すぐに出発したため,検査を受けていない.調査には、Cepheid GeneXpert https://www.cepheid.com. )と BD Max https://www.bd.com.)を用いた rRT-PCR 検査の情報を用いた.ボーイング777-300ER型機のフライトマニフェストを参照して座席計画を同定し,乗客に実際にどこに座ったかを尋ねるアンケートを実施して確認した.

Genome Sequencing:

最初にSARS-CoV-2rRT-PCRによって検出された7つの呼吸器陽性サンプルから,環境科学研究所(ニュージーランド,ポリルア)により独立したウイルス抽出物を調製した.SARS-CoV-2陽性サンプルからRNAを抽出し,1,200-bp amplicon protocol(6)およびOxford Nanopore Rapid barcoding R9.0 sequencing(7)に従って全ゲノム配列解析を行った.ゲノムデータはGISAID(5)に掲載されている(Table 1).

Phylogenetic Analysis of SARS-CoV-2 Genomes:

7人の乗客から得られたゲノムの系統は,pangolin version 2.0.8 https://pangolin.cog-uk.io.)を用いて決定し,GISAIDで入手可能な同系統のゲノムと比較した(5).ゲノムのアラインメントは,MAFFT version 7 (8)を用い,FFT-NS-2 progressive alignment algorithmを用いて行った.IQ-TREE version 1.6.8(9),位置間の確率変動にガンマ分布を用いた(Hasegawa-Kishino-Yano nucleotide substitution model(10))(HKY+Γ),ModelFinder(11)で決定したベストフィットモデル,ultrafast bootstrap method(12)を用いたbranch support assessmentなどを用いて,最尤系統樹を推定した.

Analysis of Disease Transmission Data:

ここで報告されたすべての時間と日付は,ニュージーランドの夏時間(グリニッジ平均時間+13時間)に換算した(Table 2平均潜伏期間は,推定感染日から報告された症状の発症までの期間として定義され,5-6日(range, 1-14日)と報告されている(13)乗客ABDEFGの潜伏期間は5日間,乗客Cの潜伏期間は3日間と仮定した

前症状感染性期間の中央値は、PCR 陰性の結果がなければ < 1-4 日未満とした(14)

 

 

Table 2: Travel times for 7 passengers with SARS-CoV-2 infection detected after being on flight EK448, Dubai, United Arab Emirates, to Auckland, New Zealand, September 29, 2020.

 

Results

The Flight:

UAEのドバイからニュージーランドのオークランドに向かうEK448便は,ボーイング777-300ER型機で18時間2分のフライトであった.2020928日午後529にドバイを出発し,929日午前011分に給油のためクアラルンプールに到着し,929日午前23分にクアラルンプールを出発したクアラルンプールでの2時間の給油期間中,乗客の出入りはなかったフライトは929日午前1131分にオークランドに到着したフライト中およびドバイ空港での出発前はマスク着用を義務付けられていなかった; 乗客ABDFGは機内でマスクと手袋を着用していたと自己申告したが,乗客CEは着用していなかった.フライト前の数日間,これらの7人の乗客(2つの旅行グループ以外,このうち1つのグループには乗客AB,そしてもう一方のグループは乗客FGから構成されていた)は,異なる国に滞在していたため,接触の機会がなかった(Figure 1).同様に,ドバイ空港での濃厚接触ありと報告された乗客はいなかった.乗客FG4人の家族旅行グループに属しており,その家族全員がフライト中に彼らの列内において座席を変更したと報告している.

乗客Eを除くすべての乗客は,バスでニュージーランドのロトルアにあるMIQ施設に移動された.乗客全員がバス移動中はマスクを着用していたと報告されている.乗客ABDはバス1に,FGはバス2に乗車していた; 乗客Cは最初にバス1の座席に座っていたが、出発前にバス2に乗り換えていた.どちらのバスもオークランドを午後125分に出発し,ロトルアには午後3時に到着した.乗客Eはバス3でオークランドのMIQ施設に移動した.すべてのバスの座席は可能な限り物理的に離れており,マスク着用が義務付けられていた

Testing and Disease Progression:

5人の乗客が出発前に検査結果が陰性であったと報告した(Table 1ウクライナから旅行した乗客Cは,航空会社の規定により陰性検査結果が義務付けられていた

最初にSARS-CoV-2陽性となった3人の乗客(乗客 ABC)は、ニュージーランドでの隔離期間の3日目に定期的なサーベイランス検査で確認された(Figure 2).乗客ABはスイスから一緒に旅行した乗客であった; 出発国から搭乗する72時間以内の検査結果が陰性であったと報告されていた.彼らはスイスのチューリッヒを出発し,2020928日午前82分にドバイに到着した.乗客A101MIQ滞在中に症状の発現(全身脱力感,筋肉痛)を報告し,乗客B102に症状の発現(鼻漏,全身脱力感,咳,筋肉痛)を報告した.102日に採取した検体の検査結果は両名とも陽性であった.

乗客Cの検査結果もまた,102日に陽性となったが,この乗客は感染中に症状を訴えていなかった.この乗客はウクライナのキエフから渡航し,928日午前559分にドバイに到着した.

搭乗者Dの検査結果は,102日は陰性であったが,ニュージーランド到着後5日目に症状が認められた.症状は徐々に悪化し,107日の検査で陽性となった.報告された症状は,鼻感冒(coryza),頭痛,筋肉痛,全身脱力感,興奮,錯乱,悪寒(head cold)などであった.この乗客はアイルランドのダブリンを出発し,928日午前95分にドバイに到着した.

乗客Eの検査結果は,102日は陰性であったが,飛行機内で濃厚接触した可能性のある乗客として106日に再検査を受けたところ,SARS-CoV-2が陽性であることが判明した.この乗客は他の報告者とニュージーランドの同じMIQ施設におらず(同じ都市でもない),感染中の症状は報告されなかった.この乗客はインドのコーチを出発し,925日午後635分にドバイに到着した.

ニュージーランドにおいて102日に行われた乗客FG(家族4人で旅行していたグループのメンバー)の検査結果は陰性であった.乗客F102日に軽度の症状(鼻感冒と咳)を認め,南アフリカを出発する前に検査結果が陰性だったと自己申告していた.検査陽性であった乗客にフライト中濃厚接触があったためそのグループは再検査を受け,108日に乗客FGの検査結果が陽性と判明した.乗客G109日に鼻感冒と咽頭痛を報告した.この家族4人のグループは,南アフリカのヨハネスブルグを出発し,928日午前1145分にドバイに到着した.家族4人は24列目の隣り合う4座席に座っていたが,列内で席が入れ替わっており,乗客ごとに特定の席を特定することはできない(Figure 2).検査結果は家族4人のうち2人だけが陽性となり,陽性結果を受けた後,MIQ施設で隔離された.

Figure 2: Timeline of likely incubation and infectious periods, indicating testing dates, for 7 passengers who tested positive for severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 infection after traveling on the same flight (EK448) from Dubai, United Arab Emirates, to Auckland, New Zealand, with a refueling stop in Kuala Lumpur, Malaysia, on September 29, 2020.

 

 

Timeline of Transmission Events:

最初に症状が出たのは101日で乗客Aであり,2日前のEK448便で感染性を有していたと考えられるFigure 3102日に症状が発現した2人目は乗客Aの同伴者である乗客Bであったが,これは感染源である乗客Aへ曝露している可能性があり,乗客Bの感染は機内感染伝播ではないと考えられる乗客Cは無症状で,3日目に検査結果が陽性となった乗客DEFの発症日と陽性検査結果の日付はすべて機内感染伝播と一致していた乗客Gは乗客Fの同伴者であり,MIQ施設では同室であり,発症日はMIQ施設での滞在中の感染と一致したそのため,乗客Gの感染は機内感染伝播の結果ではないと考えられた

出国前検査陰性日時/発症日時:

乗客A: 924日陰性.101日発症(102日陽性).

乗客B: 924日陰性.102日発症(102日陽性).

乗客C: 925日陰性.無症状(102日陽性).

乗客D: 924日陰性.104日発症(107日陽性).

乗客E: 検査せず.無症状(106日陽性).

乗客F: 925日陰性.103日発症(108日陽性).

乗客G: 検査せず.109日発症(108日陽性).

 

 

Figure 3: 2020929日,UAEのドバイ発ニュージーランドのオークランド行きEK448便(マレーシアのクアラルンプールで給油を行う)でSARS-CoV-2感染症の陽性反応が出た乗客7人の座席配置(ボーイング777-300ER).乗客FG24列目で座席を入れ替えていた.オープンサークル印は,管理隔離・検疫中の3日目と12日目にSARS-CoV-2が陰性であった近隣の乗客を示しているその他の席はすべて空席のままであった

Seating arrangement (Boeing 777–300ER) for 7 passengers who tested positive for severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) infection on flight EK448 from Dubai, United Arab Emirates, to Auckland, New Zealand, with a refueling stop in Kuala Lumpur, Malaysia, on September 29, 2020. Passengers F and G interchanged seats within row 24. Open circles represent nearby passengers who were negative for SARS-CoV-2 on days 3 and 12 while in managed isolation and quarantine. All other seats shown remained empty.

 

Viral Genomic Data:

乗客7人から採取したSARS-CoV-2の全サンプルをサーベイランス目的で全ゲノム配列解析を行った.得られた配列はB.1系統に割り当てられ、乗客Dのサンプルの1つの変異を除き,遺伝的に同一であった(Figure 4(15).これら7つのゲノムを国際データベース(GISAID)と比較することで,さらに6つの同一のゲノムを同定した: 92日〜23日に採取されたスイスからの4つと,英国からの2つであった.これらの結果は,乗客AB,またはその両方がスイスから飛行機にウイルスを持ち込んだことと一致している(Figure 5.しかしながら,この発生源を正確に特定するには,世界的なシークエンシングデータのバイアスやギャップが大きいために困難な場合がある(J. Geoghegan, unpub. data, https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.10.28.20221853v1.: したがって,乗客Cを発生源として明らかに除外することができない

 

 

Figure 4: Simplified maximum-likelihood phylogenetic tree of genomes from severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 from 7 passengers who traveled on flight EK448 (Boeing 777–300ER) from Dubai, United Arab Emirates, to Auckland, New Zealand, with a refueling stop in Kuala Lumpur, Malaysia, on September 29, 2020. Tree shows positive cases along with their closest genomic relatives sampled from the global dataset. Black circles illustrate cases obtained from the global dataset that are genetically identical, sampled September 2–23, 2020. Scale bar shows the number of mutations relative to the closest reconstructed ancestor from available global data.

Simplified maximum-likelihood phylogenetic tree of genomes from severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 from 7 passengers who traveled on flight EK448 (Boeing 777–300ER) from Dubai, United Arab Emirates, to Auckland, New Zealand, with a refueling stop in Kuala Lumpur, Malaysia, on September 29, 2020. Tree shows positive cases along with their closest genomic relatives sampled from the global dataset. Black circles illustrate cases obtained from the global dataset that are genetically identical, sampled September 2–23, 2020. Scale bar shows the number of mutations relative to the closest reconstructed ancestor from available global data.

 

 

Figure 5: Network of likely severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) transmission among 7 passengers who traveled on flight EK448 (Boeing 777–300ER) from Dubai, United Arab Emirates, to Auckland, New Zealand, with a refueling stop in Kuala Lumpur, Malaysia, on September 29, 2020. The gray shaded area illustrates likely in-flight virus transmission. Dashed circles represent likely virus transmission between travel companions.

Network of likely severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) transmission among 7 passengers who traveled on flight EK448 (Boeing 777–300ER) from Dubai, United Arab Emirates, to Auckland, New Zealand, with a refueling stop in Kuala Lumpur, Malaysia, on September 29, 2020. The gray shaded area illustrates likely in-flight virus transmission. Dashed circles represent likely virus transmission between travel companions.

 

Discussion

UAEからニュージーランドへのフライトでの機内感染の証拠は,SARS-CoV-2で陽性と判定されたこの旅行者グループ(乗客 AG)の疫学的データ,機内座席配置,症状発症日,およびゲノムデータから強く裏付けられた.乗客7人のうち,2人(AおよびB)はフライト前に感染したと考えられる指標症例であり,4人(CDEおよびF)はフライト中に感染したと考えられ,残りの1人(G)はMIQ滞在中に感染したと考えられた乗客7人はすべて,推定された指標症例の座席から2列以内の通路側の座席であった

これらのデータを総合すると,ドバイからオークランドへの長距離便において,SARS-CoV-2感染伝播が4人以上発生した可能性が高いと考えられるこれらの感染伝播イベントは,機内でマスクと手袋を使用していたと報告されているにもかかわらず発生した.さらに,フライト後にMIQ施設で同乗者間の感染伝播が発生した.

これらの結論は,ゲノム配列同定,機内での座席計画,および発症日からも裏付けられている.これらのデータから,搭乗前のドバイ空港でのウイルス感染伝播(チェックイン中や搭乗列での感染伝播など)など,別の曝露イベントを決定的に除外するものではない.しかし,関連する乗客が機内で近接していることから,機内感染伝播がもっともらしいことが示唆される.

フライト中にSARS-CoV-2が感染伝播したという同様の報告が最近発表されている(3, 4, 16, 17).これらの報告は,我々の所見とともに,SARS-CoV-2が長距離フライトで拡散する可能性を示している.また,EK448便の補助電源装置がクアラルンプールでの2時間の給油停止中に約30分間作動しなかったと報告されており,この間に環境制御システムが作動していなかった可能性があることにも注目しなければならない

3人の乗客が14日間の隔離期間の3日目に検査結果が陽性であったことは、そのような検査様式やタイミングといった”出国前検査の価値”を判断する上での複雑さを示している決定的なものではないが,これらの結果は,たとえ出国前検査を実施し,ソーシャルディスタンスを保ち,機内で個人用保護具を使用していたとしても,ニュージーランドに到着したすべての国際線旅客がSARS-CoV-2に感染している可能性を考えるべきであることを強調する

 

 

Reference

1) Jefferies  S, French  N, Gilkison  C, Graham  G, Hope  V, Marshall  J, et al. COVID-19 in New Zealand and the impact of the national response: a descriptive epidemiological study. Lancet Public Health. 2020;5:e612–23.

2) International Air Transport Association. Low risk of transmission [cited 2020 Nov 1]. https://www.iata.org/en/youandiata/travelers/health/low-risk-transmission.

3) Freedman  DO, Wilder-Smith  A. In-flight transmission of SARS-CoV-2: a review of the attack rates and available data on the efficacy of face masks. J Travel Med. 2020;27:taaa178; Epub ahead of print.

4) Murphy  N, Boland  M, Bambury  N, Fitzgerald  M, Comerford  L, Dever  N, et al. A large national outbreak of COVID-19 linked to air travel, Ireland, summer 2020. Euro Surveill. 2020;25:200162.

5) Elbe  S, Buckland-Merrett  G. Data, disease and diplomacy: GISAID’s innovative contribution to global health. Glob Chall. 2017;1:33–46.

6) Quick  J. nCoV-2019 sequencing protocol V3 [cited 2020 Nov 1].

https://www.protocols.io/view/ncov-2019-sequencing-protocol-v3-locost-bh42j8y.

7) Freed  NE, Vlková  M, Faisal  MB, Silander  OK. Rapid and inexpensive whole-genome sequencing of SARS-CoV-2 using 1200bp tiled amplicons and Oxford Nanopore Rapid Barcoding. Biol Methods Protoc. 2020;5:bpaa014.

8) Katoh  K, Standley  DM. MAFFT multiple sequence alignment software version 7: improvements in performance and usability. Mol Biol Evol. 2013;30:772–80.

9) Nguyen  LT, Schmidt  HA, von Haeseler  A, Minh  BQ. IQ-TREE: a fast and effective stochastic algorithm for estimating maximum-likelihood phylogenies. Mol Biol Evol. 2015;32:268–74.

10) Hasegawa  M, Kishino  H, Yano  T. Dating of the human-ape splitting by a molecular clock of mitochondrial DNA. J Mol Evol. 1985;22:160–74.

11) Kalyaanamoorthy  S, Minh  BQ, Wong  TKF, von Haeseler  A, Jermiin  LS. ModelFinder: fast model selection for accurate phylogenetic estimates. Nat Methods. 2017;14:587–9.

12) Hoang  DT, Chernomor  O, von Haeseler  A, Minh  BQ, Vinh  LS. UFBoot2: improving the ultrafast bootstrap approximation. Mol Biol Evol. 2018;35:518–22.

13) World Health Organization. Novel coronavirus situation report [cited 2020 Nov 1]. https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/situation-reports/20200121-sitrep-1-2019-ncov.pdf.

14) Byrne  AW, McEvoy  D, Collins  AB, Hunt  K, Casey  M, Barber  A, et al. Inferred duration of infectious period of SARS-CoV-2: rapid scoping review and analysis of available evidence for asymptomatic and symptomatic COVID-19 cases. BMJ Open. 2020;10:e039856.

15) Rambaut  A, Holmes  EC, O’Toole  Á, Hill  V, McCrone  JT, Ruis  C, et al. A dynamic nomenclature proposal for SARS-CoV-2 lineages to assist genomic epidemiology. Nat Microbiol. 2020;5:1403–7.

16) Choi  EM, Chu  DKW, Cheng  PKC, Tsang  DNC, Peiris  M, Bausch  DG, et al. In-flight transmission of SARS-CoV-2. Emerg Infect Dis. 2020;26:2713–6.

17) Speake  H, Phillips  A, Chong  T, Sikazwe  C, Levy  A, Lang  J, et al. Flight-associated transmission of severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 corroborated by whole-genome sequencing. Emerg Infect Dis. 2020;26:2872–80.

 

 

 

 

 

 

COVID-19関連追加(202117日)に19日追記しました

 

【バスの感染伝播事例 その2

(1)Luo K, et al. Transmission of SARS-CoV-2 in Public Transportation Vehicles: A Case Study in Hunan Province, China. Open Forum Infect Dis. 2020 Oct; 7(10): ofaa430.

Published online 2020 Sep 13. https://doi.org/10.1093/ofid/ofaa430.

INTRODUCTION

ここでは,中国湖南省の公共交通機関が関与したCOVID-19アウトブレイクイベントに関する接触者追跡調査を報告する.このアウトブレイクでは,バス旅行中のCOVID-19患者1人への曝露に直接関連した感染者が10確認された

一次症例(患者Aは,場所Tで働いており,2020122日に発症し,129日にSARS-CoV-2陽性が判明した.後ろ向き調査によると,彼が発症する5日前と3日前に,同僚(感染源)(114日に発症し,116日に陽性反応)と食事や仕事上の接触があった2020122日,患者Aフェイスマスクを着用せずに公共交通機関を利用して場所Tから場所Vへ移動し,場所Uで乗り換えたツアーバスでの1回目の乗車時間は2時間半,ミニバスでの2回目の乗車時間は約1時間であったCOVID-19が確認された後、患者Aの濃厚接触者243人とその後に確認された感染の追跡,監視を行った.

METHODS

中国国家衛生委員会が発表した「新コロナウイルス肺炎予防管理プログラム(第4版)」のガイドライン [8] によると,患者Aとその後に発症した接触者,および追跡されたすべての濃厚接触者を含む疑われる症例から鼻咽頭スワブを採取した.サンプルにリアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)アッセイを行った [9].また,疑われる症例については疫学調査を実施し,渡航歴や濃厚接触者について調査した.バスの座席配置や全乗客の乗降場に関する詳細は公共交通機関から入手した.

RESULTS

2020122日の患者Aのバス旅行に疫学的に関連したCOVID-19症例のクラスターについて,患者Aに加えて合計243人を調査した.243人のうち12人が陽性と判定され,COVID-19症例であることが確認された.残りの231人の検査陰性者は14日間の隔離期間を経て帰宅した.すべての症例の発症のタイムラインをFigure 1Aに示す.

 

 

Figure 1 : SARS-CoV-2感染伝播連鎖と公共交通機関車内における乗客の座席配置.

A: 中国湖南省のバスで発生したCOVID-19アウトブレイクの感染伝播連鎖.矢印は感染伝播連鎖と方向性を示す.

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B: ツアーバスで指標患者と同乗した乗客の座席配置.乗客は,指標患者(赤),二次症例(オレンジ),二次症例無症状感染者(黄),未感染者(青)に疾患状態により色分けされている.矢印は乗車と降車の経路を示している.C: ミニバスで指標患者と同乗した乗客の座席配置.乗客は疾患とフェイスマスク着用状況によって色分けされており,指標患者(赤),二次症例(オレンジ),未感染者(マスク着用の場合は緑,未着用の場合は青)となっている.

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ツアーバスは長さ11.3m,幅2.5m,座席数49席で,2.5時間の旅行の間,窓をすべて閉めて換気装置をつけた状態満席になっていた患者Aと同乗した乗客49人(運転手を含む)(Figure 1B)のうち,8人が陽性反応を示し,指標患者を含む8人が発症した(患者B123; 患者C, D, E126; 患者F, G128; 患者H24日)が,1人は無症状感染であった(患者I.患者Cは,異なる日にRT-PCR3回検査し陰性,かつIgMIgGを含む抗体も陰性であったため,最終的に除外された.患者Aは後列から2列目に座り,他の9人の感染者は中列と後列に分散していた.最も近い感染者は,患者Aのすぐ後ろに座った患者E4日後に発症)で,約1m離れていた.最も遠い感染者は患者Aから7列目(4.5m)離れた患者Dと患者Gであり,それぞれ4日後と6日後に発症した.後ろ向き調査の結果,患者AGはバスの異なるドアを通って乗り降りし,移動中に直接接触していなかったことが判明した.バス内の換気システムと考えられる気流の方向をFigure 1Bに示す

場所Uに到着した後,ツアーバスは消毒をせずに30分間駐車し、別の乗客グループを乗せて場所Tに戻ってきた.復路の乗客49人(運転手を除く)のうち、最終の旅行の間,患者Aの座席の近くに座っていたのは患者Jであり,124日に患者J1)発症した

患者Aがミニバスに乗って場所Uから場所Vまでの移動中(Figure 1C),運転手を含む乗客12人のうち2(患者K, L)が,それぞれ124日と131日に発症し,COVID-19と診断されたミニバスは長さ約5.5m,幅約2.5m,座席数18席であり,1時間の旅行の間,窓がすべて閉じられていた.患者Aは患者Lから1列(約1.5m),患者Kから3列(~4.5m)離れた席に座っていた.ミニバス内の換気システムと考えられる気流の方向をFigure 1Cに示す

これらの二次症例10人のうち,いずれも乗車中にフェイスマスクを着用していなかった二次症例である患者BKのいとこである患者MN2人の三次症例も認められた.患者MN122日からいとこと同居しており,131日に症状を発症した.これら12人の二次および三次症例は,いずれも中国のCOVID-19エピセンターである武漢市に渡航しておらず,発症2週間前に他のCOVID-19患者と接触したこともなかった.省のサーベイランスデータによると,湖南省では2020122日以前に局所感染者がほとんど報告されていない; 特に122日以前に報告された局所感染者は,場所IIIIIIが位置する市または郡でそれぞれ7人,2人,0人のみであった(Figure 2.すべての二次感染者および三次感染者の疫学調査によると,武漢や近隣都市への渡航歴のある者はおらず,2020122日までの14日間に職場や地域社会での感染が報告されていないことがわかった.二次症例の潜伏期間は中央値4日(range, 1-13日)であった患者Jを除外し患者A2回のバス旅行のみに着目したところ,バスで2.5時間までの曝露期間中の二次発病率は,9/(48 + 12)= 15.00%95%CI, 6.00%-24.00%)と推定された

 

 

Figure 2: 湖南省のCOVID-19エピカーブと本研究に関連する3つの地域.

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DISCUSSION

今回の公共交通機関におけるアウトブレイクでは,混雑した閉鎖的な環境でのSARS-CoV-2の効率的な感染伝播が強調された.飛沫感染は通常は2m以内の距離に限られているが,二次症例のほとんどは患者Aから2m以上離れた場所に座っていた.一方で,この感染経路はすべての二次症例を説明するものではないと思われる.例えば,患者Gは患者Aと物理的に接近したことはなく,また,移動中に歩いたこともなかった.バスの窓が閉まったまま換気が行われていたことは,エアロゾル感染伝播に理想的な環境を作り出していた可能性がある[10].エアロゾル感染伝播は,病原体が5-10μm未満の大きさの飛沫核に含まれている場合に起こるが,これは空気中に浮遊したままであるため,比較的遠くまで移動することができる[11, 12]ツアーバスでは,換気口(ventilation inlets)が両側の窓の上にあり,排気ファン(exhaust fan)が前方にあるため、ウイルス粒子を含むエアロゾルが後方から車両の中央,前方に運ばれる気流が発生している可能性がある.したがって,エアロゾル感染伝播を否定することはできない.

Limitation: @環境サンプルが採取されていないために,fomitesを介した感染伝播を確認することができなかった.A二次発病率は単一の大規模クラスターのみに基づいているため,過大評価されている可能性がある.B情報(座席番号を含む)は後ろ向きに収集されているため,リコールバイアスがある可能性がある.

SARS-CoV-2fomitesおよびエアロゾル感染伝播の可能性を考えると,我々は可能な限り公共交通機関の車両を適時消毒し,「窓を開けたまま(open window」にすることを推奨する.また,呼吸器症状の有無にかかわらず,すべての人が公共交通機関を利用する際には,フェイスマスクの着用と手指の衛生管理を徹底することが重要である.

 

REFERENCES

8) Wallace RM, Stanek D, Griese S, et al.  A large-scale, rapid public health response to rabies in an organ recipient and the previously undiagnosed organ donor. Zoonoses Public Health  2014; 61:560–70.

9) Corman V, Bleicker T, Brünink S, Zambon M. Diagnostic Detection of Wuhan Coronavirus 2019 by Real-Time RT-PCR.  Geneva: World Health Organization; 2020.

10) Smieszek T, Lazzari G, Salathé M. Assessing the dynamics and control of droplet- and aerosol-transmitted influenza using an indoor positioning system. Sci Rep  2019; 9:2185.

11) Seto WH, Conly JM, Pessoa-Silva CL, et al.  Infection prevention and control measures for acute respiratory infections in healthcare settings: an update. East Mediterr Health J  2013; 19(Suppl 1):S39–47.

12) Hall CB. The spread of influenza and other respiratory viruses: complexities and conjectures. Clin Infect Dis  2007; 45:353–9.

 

 

(2)バスツアー関連新型コロナウイルス感染症集団感染事例、202010

(速報掲載日 2020/12/16)

※国立感染症研究所ホームページより引用させていただきました.

202010月中旬に行われた北海道周遊バスツアー(34日)の参加者の中から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症例が複数確認された。当該ツアーでは、バス4台に国内各地からの参加者146人とスタッフ12人が分乗していた。旅行や乗り物に関連したCOVID-19事例の報告は少ないため、その状況と得られた課題について報告する。

 

当該ツアー参加者のうち、202010月に検査で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が検出された人を症例と定義した。最初に探知された症例(以下、「探知症例」)は、ツアー終了後、発熱が続くことから京都府内の医療機関を受診しCOVID-19と診断された。京都府は、探知症例の搭乗していた1号車バス(座席数は補助席を除き49席)の同乗者40人(乗客37人、スタッフ3人)を濃厚接触者とするとともに、濃厚接触者が居住する自治体へ連絡を行った。連絡を受けた各自治体は、濃厚接触者に対して検査を実施するとともに最終曝露(ツアー最終日)から14日間の健康観察を行った。2号車から4号車のバス乗客の健康情報については、旅行会社からも確認が行われた。各自治体と旅行会社から得られたツアー参加者と濃厚接触者の健康情報およびツアー内容に関する情報から、本事例の全体像、感染経路、バスツアーにおける感染管理について、以下のようにまとめた。

 

症例は、7道府県12自治体から届け出られた計19例であった(1113日時点、以下同じ)。女性が10例(53%)で、乗務員の感染者1例を除く18例の年齢は、5080代であった。診断時の症状は14例(74%)が有り、5例(26%)が無しであった。1例が人工呼吸器管理が必要な重症となったが、死亡例は確認されていなかった。探知症例は、ツアー参加者の中で最も早くツアー初日に発症した症例で、微熱等の症状を認めていたが、4日間ツアーを継続していた。症例の発症は、ツアー開始7日後をピークに19日後まで続いた。ツアー中の発症者として、探知症例以外にツアー最終日に発症した1例がいた。ツアー開始19日後に発症した人は、ツアー最終日を最終曝露日とした場合、COVID-19の最大潜伏期間である14日を経て発症したことから、一緒にツアーに参加した同行者をとおしてツアー終了後に感染したことが疑われた。18例(95%)が1号車に搭乗しており(累積罹患率44%、18/41、探知症例を含む)、1例が4号車に搭乗していた(同3%、1/38)。4号車の症例については、他症例との関連は不明であった。探知症例を除く18例(1号車17例、4号車1例)では、発症または検体採取前14日から診断までの間に、バスツアー関係者症例以外で、COVID-19患者との接触歴は確認されなかった。探知症例については、同居家族1人と別居親族2人が探知症例とほぼ同時期にCOVID-19を発症していた。また、バスツアー関連症例からの、ツアー終了後の職場曝露による2次感染と考えられた症例が1例確認された。なお、1号車には、検査で陰性と判定されたが、ツアー後の健康観察期間中に発熱や呼吸器症状を呈していた人が他に2人いた。

 

乗客は、ツアー中には、バス以外で宿泊施設や休憩所を利用したが、それらの利用時には症例が一堂に接触する機会は乏しかった。車内の座席は日替わりで、ツアー2日目と3日目に症例集積を認めており、特に探知症例と同じ縦列や前後2列に発症者が多いことが疑われた(図)。休憩等をはさみ1回の走行は平均53分、最長で1時間55分走行していた。車内にて乗客、スタッフは常時マスクを着用していた。手指衛生については、乗務員からの呼びかけはあったが、乗降時に全員が毎回、実施していたかどうかの確認までは行われていなかった。バス内は、走行中、窓を閉めた状態エアコンが作動していた車内の空気の流れは、概ね、エアコン部位から外気を取り込み、バス後方から車外へ排出されることになっていた。休憩時は、車内に参加者が残っていることがあり、その間バスはエンジンを切り、窓が開けられていなかったことがあった。車内での飲食は、水分補給は可能だが摂食は控えるよう呼びかけがなされていた。また車内での会話は、特に呼びかけはなされていなかったが、騒がしい状況ではなかったとのことであった。旅行中の乗務員と乗客の健康状態の確認と記録は、旅行会社によりツアー開始時のみ行われていたが、ツアー中には行われていなかった。探知症例はツアー開始時に旅行会社に体調不良を報告していたが、4日間ツアーを継続していた。なお、往路航空機内では、症例は2便に分かれており、症例が座席によって集積している状況は認められなかった。復路航空機内の症例座席については、座席表が作成されておらず、十分な確認ができなかった。

 

本事例では、バスツアーに関連した症例が19例認められ、うち18例が1号車バスに乗車していた。その18例のうち、探知症例とツアー終了後にツアー同行者から感染した可能性が高い1症例を除く16症例では、バスツアー以外に明らかな確定症例との接触歴がなかったこと、ツアー中に過ごす時間としては、バス車中が最も長く、他の活動で確定症例同士が密に接する機会が乏しかったこと、バス座席に確定症例の偏りが認められたことから、車内での感染が最も疑わしいと考えられた。バス車内では飛沫伝播の範囲(1m)を超えて感染が広がっており、探知症例の席を中心に、空気の流れに沿って縦方向に感染者が確認されていた。他に報告されているバス内での感染事例同様1,2)、飛沫伝播に加え接触伝播での感染拡大の可能性があり、さらに密閉密集状況であったことから、マイクロ飛沫による伝播が寄与した可能性も考えられた。なお、本調査の限界として、往復航空機内の濃厚接触者の確認ができず、航空機内での感染が完全に否定できないことが挙げられる。

今回の状況を踏まえ、感染防止対策として、旅行事業者は、参加者とスタッフの健康観察を、現地ならびに本部とでダブルチェックする体制をとり、加えて旅行中の参加者の健康状態の確認と記録、および体調不良の訴えがあった場合の適切な対応を行うことが重要である。また、従来通りの、バス車内でのマスク着用、密な状況をできるだけ短時間にすること、乗降前の手指衛生、という推奨に加え、バスと航空機の参加者座席の記録と保管、休憩時の換気と高頻度接触面を中心とした車内環境表面の清掃消毒、車内での軽食を含めた食事の禁止と健康を維持できる最小限の飲水にすることが望ましいと考えられた。

 

旅行会社のツアーには、COVID-19が重症化しやすい高齢で基礎疾患を有する人の参加も多く、ツアー関連クラスターが疑われた時には、迅速に濃厚接触者を同定し、フォローアップを行うことが求められる。さらに、バスや航空機を利用した旅行では、事例発生時には広域対応が必要となることが多く、地方自治体や保健所だけでは旅行会社や航空会社との迅速な調整が難しい場合がある。観光庁、厚生労働省、および関連省庁の密な連携が重要であり、国は、旅行関連感染症危機事例の広域対応時における、関係省庁と旅行会社との役割分担、対応フローの作成、および関係者への周知と訓練を実施することが望ましい。

 

謝辞:ご協力いただいた自治体関係者、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策本部、観光庁、旅行会社の皆様に感謝いたします。

 

 

参考文献

Shen Y, et al., JAMA Int Med, 2020, ahead of print

Luo K, et al., Open Forum Infect Dis 2020; 710: ofaa430.doi: 10.1093/ofid/ofaa430

 

 

国立感染症研究所薬剤耐性研究センター 山岸拓也

同感染症疫学センター 土橋酉紀 砂川富正 鈴木 基

京都府健康福祉部 糸井利幸 松村淳子

京都市保健所 山田典子

北海道保健福祉部 石井安彦 人見嘉哲 廣島 孝

札幌市感染症対策本部医療対策室 

 山口 亮 斉藤佳代子 川西稔展 東小太郎 田中寿賀子 矢野公一