COVID-19関連追加(2021129日)T型インターフェロン活性障害について

 

【重症COVID-19患者におけるT型インターフェロン活性障害について】

Hadjadj J, et al. Impaired type I interferon activity and inflammatory responses in severe COVID-19 patients. Science  07 Aug 2020: Vol. 369, Issue 6504, pp. 718-724.

https://doi.org/10.1126/science.abc6027.

インターフェロン(IFNs抗ウイルス免疫の中心的存在である.ウイルスの認識はIFN産生を誘発し,様々な抗ウイルス機能に関与するIFN刺激遺伝子(ISGs: IFN-stimulated genes)の転写を順番に誘発する.I型IFNIFN-αおよびIFN-β)は広く発現しており,ウイルス感染の間に免疫病理(immunopathology)をもたらしうる.対照的に,IIIIFNIFN-λ)応答は,主に粘膜表面に限定されており,有害な炎症誘発性応答を駆動することなく抗ウイルス保護を付与すると考えられている.したがって,IFN-λは,COVID-19および他のウイルス性呼吸器疾患の治療薬として提案されている(Grajales-ReyesColonnaによるPerspectiveを参照のこと).Broggiらは,COVID-19患者のmorbidityが肺におけるI型およびIIIIFNの高発現と相関していることを報告している.さらに,合成ウイルスRNAsynthetic viral RNA)に曝露されたマウス肺の樹状細胞によって分泌されるIFN-λは,肺上皮に傷害を与え,これは致死的な細菌の重複感染に対する感受性を増加させる.同様に,インフルエンザ感染のマウスモデルを用いて,Majorらは,IFNシグナル伝達(特にIFN-λ)がp53を誘導し,上皮の増殖と分化を阻害することで,肺の修復を阻害することを発見した.Hadjadjらは、重症そして重篤COVID-19患者における末梢血免疫細胞はIIFNを減少させ、炎症誘発性インターロイキン-6IL-6)およびTNF-α(tumor necrosis factor–α)を促進していることを観察し,この状況を複雑にしている.これは,局所的な産生とは対照的に,全身的なIFNsの産生が有益である可能性を示唆している.この研究結果は,IFN曝露の部位,場所,タイミング,および期間が,ウイルス性呼吸器感染症の治療法の成否を左右する重要なパラメータであることを示唆している.

Science, this issue p. 706, p. 712, p. 718; see also p. 626

Abstract

COVID-19は,多様な宿主免疫応答を示唆する疾患進行の明確なパターンを特徴としている.我々は,様々な疾患重症度を有するCOVID-19患者50人のコホートを対象に,統合的な免疫解析を行った.その結果,重症および重篤患者では,T型インターフェロン(IFN)応答の高度障害(IFN-βがなく,IFN-αの産生/活性が低いことが特徴)からなる明瞭な表現型が観察され,これは血中ウイルス量の持続炎症反応の増悪が関連していた炎症は部分的に転写因子NF-κBnuclear factor–κB)によって駆動され,TNF-αおよびIL-6の産生およびシグナル伝達の増加を特徴とした.これらのデータは,血液中のI型IFN欠乏が重症COVID-19の特徴でありうることを示唆し、併用治療アプローチの根拠を提供する.

 

 

Main

ウイルス性の高炎症(hyperinflammation)が重症化につながるという仮説を検証するために,我々は,軽症〜重症まで様々な重症度のCOVID-19患者50人のグループについて,臨床および生物学的データ,免疫細胞の詳細な表現型解析,標準化された全血トランスクリプトーム解析,およびサイトカイン測定に基づく統合的なアプローチを用いた.

COVID-19患者(n= 50)と健常対照(n= 18)が含まれた.患者の特徴はsupplementary materialsに詳細が記載されており,Table S1およびFigure S1に示されている.患者は,疾患発症後,中央値で10日間(IQR, 9-11日)の期間を経て解析された.入院時に,COVID-19の重症度を,軽度〜中等度(n= 15),重症(n= 17),重症(n= 18)に分類した.

先行研究(1,2,8)で報告されているように,リンパ球減少は,疾患の重症度と相関している(Figure 1A).これをさらに特徴づけるために,我々はマスサイトメトリーを使用して,viSNEvisualization of t-distributed stochastic neighbor embedding)の可視化(9)を行い,疾患重症度に応じて細胞集団の密度を比較した(Figure 1B).(※viSNEは,散布図に似た視覚的方式で個別の細胞をプロットしながら,高次元におけるすべての対の距離を用いて各細胞のプロット中での位置を決定する.)viSNE表現と分化細胞数は,ナチュラルキラー(NK)細胞とCD3+ T細胞の密度の低下を示し,それはすべてのT細胞サブセットを含むが,CD8+ T細胞ではより顕著であった.この表現型は,B細胞と単球の密度の増加とは対照的に,重症および重篤患者でより顕著であった(Figure 1, C-F).CD4+およびCD8+ T細胞のnaïve/memoryサブセットでは,大きな不均衡は観察されなかった(Figure S2).T細胞の分極化(polarization)および他のマイナーなT細胞サブセットに関するデータを,Figure 1に示す.B細胞の活性化とplasmablastsの分化に関連する遺伝子(IL4R, TNFSF13B, XBP1など(Figure S4))の増加に裏付けられるように,すべての感染患者においてplasmablastsは豊富であった(Figure 1F)が,血清免疫グロブリン濃度の有意な増加は見られなかった(Figure S5).

 

 

Figure 1: Phenotyping of peripheral blood leukocytes in patients with SARS-CoV-2 infection.

 

次に,活性化マーカー[CD25, CD38, およびヒトリンパ球抗原(HLA-DR]および枯渇マーカー[programmed cell death 1 (PD-1) , およびTim-3]を用いて、特定のT細胞サブセットおよびNK細胞の機能状態を評価した(Figure S6A).CD4+およびCD8+ T細胞集団は,すべての感染患者において,疾患の重症度に伴って中等度に増加したPD-1発現を伴って,CD38+ HLA-DR+活性化T細胞の増加が特徴であった(Figure 1G, Figure S6B).活性化NK細胞の同様の増加は,すべての感染患者者、特に重症患者において認められ,NK細胞はTim-3発現の有意な増加を示した(Figure 1G).さらに,BATFIRF4およびCD274のような枯渇関連遺伝子の発現は,疾患の重症度に応じて有意に増加した(Figure S6C).重症および重篤患者の血液中の高レベルのannexin-V発現(フローサイトメトリーによる)およびアポトーシス関連遺伝子の上昇は,リンパ球減少がT細胞のアポトーシスの悪化によって部分的に説明できるという考えを支持した(Figure S7).

疾患の重症度を特徴づける免疫学的転写シグネチャー(immunological transcriptional signatures)を調べるために,末梢白血球における免疫関連遺伝子の発現を定量化した(Figure 2A).その結果,重症度の関数として異なる発現を示す遺伝子を同定した(Figure 2B).教師なし主成分分析(unsupervised PCA: principal component analysis)によって,炎症性および自然免疫応答をコードする遺伝子によって駆動されるPC1principal component 1)で,疾患の重症度が高い患者が分離された(GSEA: Gene Set Enrichment Analysisによるenrichment score q value <0.2)(Figure 2C).PC2は,I型およびII型インターフェロン(IFN)応答に関与するタンパク質をコードする遺伝子に富むPC2は,軽度から中等度の患者を他の群と区別した.これらのデータをまとめると,自然および炎症経路(innate and inflammatory pathways)の活性化における重症度に依存した増加が示唆された; 対照的に,IFN応答は軽度から中等度の患者では高かったが,より重症の患者では減少していた.

 

 

Figure 2: Immunological transcriptional signature of SARS-CoV-2 infection.

 

IIFNは抗ウイルス免疫に不可欠である(10)Multiplex遺伝子発現解析によって,T型IFNシグナル伝達に関与する遺伝子(IFNAR1, JAK1, TYK2など)のアップレギュレーションと,重症SARS-CoV-2患者におけるIFN刺激遺伝子(ISG: IFN-stimulated genes)(MX1, IFITM1, IFIT2など)の顕著なダウンレギュレーションが対照的に示された(Figure 3A).したがって,T型IFNシグネチャー(11)を定義する6つのISGs発現の平均に基づく有効なISGスコアは,軽症〜中等症の感染患者と比較して,重症患者においては有意に減少した(Figure 3B, Figure S8A).IFN-β mRNAは,IFN-βタンパク質(Figure S8C)と同様に,すべての感染患者において検出されなかった(Figure S8B).ISGスコアと一致して,Simoa digital enzyme-linked immunosorbent assayELISA(12)を用いて測定したIFN-α2タンパク質の血漿中濃度は,重症患者では軽症〜中等症患者よりも有意に低く(Figure 3C),ISGと相関していた[coefficient of determinationR2= 0.30; P< 0.0001]Figure S8D).この結果は,検出限界を超えたレベルではあったが,ほとんどの重症患者でIFNA2 mRNAの検出が増加したことと明らかに対照的であった(Figure S8E).全体的なT型IFN活性を評価するために,in vitro cytopathic assayを使用した(13).血清中のIFN活性は,軽症〜中等症患者と比較して,重症または重篤患者において有意に低かった(Figure 3D).機械式換気を必要とする呼吸不全の前に採取された血液のISGスコアおよび血漿IFN-α2レベルから,低IIFN反応が重篤状態への臨床的悪化に先行していることが明らかになった(Figure 3E).さらに,血漿IFN-α2レベルの低さは,重篤状態への移行リスクの増加と有意に関連していた[オッズ比(OR; 95%信頼区間(CI1.21-118; P= 0.03].複数のタイムポイントが利用可能な患者を対象とした解析では,軽症〜中等症患者では高反応の持続,重症患者では高反応だが短い反応,重篤患者では低反応または無反応という,IFN-α産生の明確なパターンが示された(Figure 3F).IFN-αの主な供給源である形質細胞様樹状細胞(pDC: plasmacytoid dendritic cells(14)の割合は,感染患者では健常者と比較して減少しており,これは感染部位への移行(15)によるものと考えられるが,群間での差はなかった(Figure 3G).次に,IFN-α刺激(11)に対する全血球の応答を評価し,IFN-α刺激時のISGスコアの同程度の増加を,群間の重症度を問わず,そして対照群でも観察した(Figure 3H).これは,COVID-19患者において,IIFNに対する応答の可能性は影響を受けていないことを示唆している.IFN-α産生障害の可能性のある結果として,我々はultrasensitive dropletbased digital polymerase chain reaction ddPCR)を使用して,重症および重篤患者では,肺感染が制御されていない可能性を示す代替マーカーである,血漿中のウイルス量が増加していることを発見したが,一方で古典的な逆転写(RT-PCRによる鼻腔スワブのウイルス量は群間で同程度であった(Figure 3I).全体として,これらのデータは,感染患者は検出可能な循環(circulatingIFN-βを有しておらず,IFN-α産生障害が最も重症であるCOVID-19症例を特徴付けていたことを示唆している.

 

 

Figure 3: Impaired type I IFN response in patients with severe SARS-CoV-2 infection.

 

重症COVID-19は,高サイトカイン血症と関連していることが報告されている(8, 16).サイトカインおよびケモカイン関連遺伝子は,本研究コホートにおいて,疾患重症度の関数として発現が増加していることが判明した(Figure 4A, Figure S9A).サイトカイン全血RNAレベルは,必ずしもタンパク質血漿レベルと相関していなかった.COVID-19における悪化した炎症反応のキープレーヤーであるインターロイキン-6(IL-6(17)は,多量のIL-6タンパク質(Figure S9B)とは対照的に,転写レベルでは末梢血中に検出されなかった(Figure 4B).IL-6シグナル伝達経路の活性化を反映して,IL6RSOCS3STAT3などのIL-6誘導遺伝子の発現が有意に増加した(Figure S9B).炎症の主要な推進因子であるTumor necrosis factor–α(TNF-α)は,転写レベルでは中程度の上昇しか認められなかったが(Figure S9C),循環TNF-αは有意に増加していた(Figure 4C).したがって,TNF経路関連遺伝子もまた,TNFFSF10を含めてアップレギュレートされており(Figure S9, D, E),TNF-αが炎症の誘導に重要な役割を果たしていることが示唆された.RNA定量とタンパク質測定との間の不一致は,TNF-αおよびIL-6の細胞源(cellular sources)が,傷害を受けた肺および/また内皮細胞である可能性を示唆している.逆に,IL-1B転写産物が有意にアップレギュレートされたのに対し(Figure S9F),IL-1βタンパク質の活性型は低かった(Figure 4D).これは,pro-IL-1βが不完全に切断されて分泌されたことを示唆しているが,肺での局所的な産生は除外できない(15).循環IL-1αも検出されなかった(Figure S9F).これらの所見は,多量の循環IL-1受容体アンタゴニスト(IL-1RA: IL-1 receptor antagonist)の検出およびIL1R1転写産物のアップレギュレーションと対照的であり,重篤患者におけるIL-1の活動的な拮抗(active antagonism)を示唆している(Figure S9F).また,重症または重篤患者において,IL10転写産物およびIL-10タンパク質を検出した(Figure 4E, Figure S9G).IFN-γは,軽症〜中等症患者では増加し,重症患者ではより少ない程度であったが,重篤患者では増加しなかった.対照的に,IL-17A量の増加は,すべての感染患者群において検出されなかった(Figure S10).

 

 

Figure 4: Immune profiling in patients with severe and critical SARS-CoV-2 infection.

 

次に,この炎症の悪化を促進する可能性のある転写因子の発現を調べたところ,重症あるいは重篤患者で特異的にアップレギュレーションされた遺伝子は,主にNF-κB経路に属することがわかった(Figure 4F, Figure S11, A, B).いくつかのトリガー経路のうち,異常なNF-κB活性化は,pathogen-associated molecular patternsPAMP)(ウイルスRNAなど)および/またはdamage-associated molecular patternsDAMP)(例えば,壊死細胞および組織傷害によって放出される)による過剰な自然免疫センサーの活性化に起因しうる.壊死および細胞損傷のマーカーである乳酸脱水素酵素(LDH: Lactate dehydrogenase)は,疾患の重症度と相関し(Figure S1C),プログラムされた壊死および炎症性細胞死に関与する主要なキナーゼであるreceptor-interacting protein kinase3RIPK-3)もまた,重症または重篤患者において有意に増加し(Figure 4G),LDHと相関していた(R2= 0.47; P< 0.0001).

炎症反応の悪化は,自然免疫細胞(好中球や単球など)の大量流入と関連しており,これが肺傷害を悪化させ,ARDSを促進する可能性がある(15).したがって,我々は,自然免疫細胞の輸送に関与するケモカインとケモカイン受容体の発現を解析した(Figure 4A).好中球ケモカインCXCL2は血清中に検出されたものの群間差はなかったが,その受容体CXCR2は重症および重篤患者で有意に上昇していた(Figure 4H).一貫して,重症患者では好中球増加を伴っていた(Figure 4H).炎症反応パターンは,転写データを好中球数で正規化した後も増加したままであった(Figure S12).Monocyte chemotactic factor chemokineC-C motifligand 2CCL2)は,その受容体CCR2の転写産物と同様に感染者の血液中で増加していた; これは,循環(circulationg)炎症性単球数の減少と関連しており(Figure 4I),炎症を起こした肺への単球遊走(chemoattraction)におけるCCL2/CCR2軸の役割を示唆している.これらの観察は,単球の重要な役割が記述されているCOVID-19患者の気管支肺胞洗浄液を用いた研究と一致している(15).全体として,これらの結果から,IIFN産生障害と高ウイルス量の状況下で進行している炎症性カスケードが,PAMPDAMPの両方によって促進される可能性の枠組みが支持される.

Discussion

本研究では,重症そして重篤COVID-19患者において,高血中ウイルス量とTNF-αおよびIL-6の増加に関連した過剰なNF-κB駆動型炎症反応(NF-κBdriven inflammatory response)を伴うIFN応答障害が同定されたToll-like receptorsTLR)およびretinoic acid inducible gene IRIG-I)などの自然免疫センサーは,多様な一連の抗ウイルス遺伝子の発現を介して,ウイルスの複製を感知し,免疫系に注意を喚起することにより,RNAウイルスを制御する上で重要な役割を果たしている(18)IFN-α,IFN-βおよびIFN-ωを含むT型IFNは,それゆえに急速に誘導され,ヤヌスキナーゼ(JAK: janus kinase-シグナル伝達物質および転写活性化因子(STAT: signal transducers and activators of transcription)シグナル伝達経路[JAK-STATシグナル伝達経路]およびISGs発現を介して協調的な抗ウイルスプログラムを編成する(19)我々は,SARS-CoV-2感染は,すべての疾患重症度のCOVID-19患者において,循環IFN-βの欠如によって特徴づけられることを観察したさらに,最も重症のCOVID-19患者は,より低いウイルスクリアランスと関連するIFN-α産生障害を示した.この低いIFNシグネチャーは,重症(しかし軽症ではない)RSウイルス感染症の幼児で観察されたものと類似していた(20)が,in vitro実験ではより強いT型IFN応答で特徴づけられる(21)ヒトパラインフルエンザウイルス3やインフルエンザAウイルスのような他の呼吸器ウイルスによって誘導される転写応答とは著しく異なっていた.我々の研究は縦断的解析を目的としたものではなかったが,血漿IFN-αレベルの低下は臨床症状の悪化およびICU転棟に先行すること,および循環IFN-αのパターンが疾患重症度ごとに異なることが観察されたSARS-CoV-2感染におけるIFN動態を解析するためには,正式な縦断的研究が必要であろう.重症そして重篤COVID-19患者において,この減少したT型IFN産生が感染開始時に存在するかどうか,産生が遅れているかどうか,あるいは初期のピーク後にIFN産生が枯渇しているかどうかを評価することが重要になるだろう.最近のデータによって,SARS-CoV-2がT型およびV型誘導を阻害することが細胞モデルおよび動物モデルで確認されている(21)これらの結果は,SARS-CoV-2が宿主のIFN産生を遮断する効率的なメカニズムを発展させたことを示唆している

逆に宿主側では,感染に対するT型IFN応答の変動性を説明するためのいくつかの仮説が提案されるかもしれない.併存疾患は重症COVID-19のリスク因子であり,IFN産生に悪影響を与え,逆に炎症反応を悪化させる可能性がある(22, 23).遺伝的感受性も疑われうる.なぜなら,それぞれがT型IFN経路に関与している,小児の単一遺伝子障害(24)または成人の感受性変異体(susceptibility variants(25)は生命を脅かすインフルエンザ感染症と関連しているからである.IFN産生は不十分だが,T型IFNに対する細胞応答が保存されている患者を同定することによって,IFN-αまたはIFN-β治療の恩恵を受ける可能性のあるハイリスク集団を定義できる可能性がある.それにもかかわらず,利益とリスク,およびIFN投与の有効性のための最良の時間枠(time window)を考慮する必要がある.あるいは,最近提案されたように(26),受容体が上皮細胞に局在しているため,IFN-λ(V型IFN)を試験することも可能であり,T型IFNによって起こりうる有害事象を回避できるかもしれない.

自然免疫細胞の流入の増加に伴う肺内のウイルス複製は,組織傷害を媒介し,潜在的にNF-κBによって駆動され,その標的となるIL-6(27)TNF-α(28)の産生を含む自己増幅性炎症ループによって促進されるかもしれない.我々の研究によって,TNF-α軸の阻害のためのケースが提供される; TNF-αは肺胞マクロファージで高度に発現しており,抗TNF-αはウイルス感染動物モデルにおいて免疫応答をブロックしない(28)

我々の研究にはいくつかの限界がある.第一に,一部の患者については逐次的なタイムポイントが利用可能であったが,この研究は横断的な分析として設計されている.第二に,提供されたデータは主に血液から得られたものであり,肺内の免疫応答を評価することはできない.この点で,Bostらのデータは,重症COVID-19患者の気管支肺胞洗浄液におけるT型IFNシグネチャーの減少を記述しており,我々の分析の妥当性を支持している(29)

本研究に基づいて,我々は,T型IFN欠乏が重症COVID-19の特徴であり,重症COVID-19患者はIFNを投与することによってIFN欠乏から脱却できる可能性があり,IL-6またはTNF-αを標的とした抗炎症療法により炎症増悪から脱却できる可能性があると推論した.

 

 

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