COVID-19関連追加(2021226日)

Oxford-AstraZenecaワクチンについてその2

当院HP関連ファイル:

202129

ChAdOx1 nCoV-19AZD1222)ワクチンの単回投与とブースター投与のタイミングが免疫原性および有効性に及ぼす影響: 4つの無作為化試験のプール解析】

Voysey M, et al. Single-dose administration and the influence of the timing of the booster dose on immunogenicity and efficacy of ChAdOx1 nCoV-19 (AZD1222) vaccine: a pooled analysis of four randomised trials. Lancet. Feb 19, 2021.

https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)00432-3.

Background

ChAdOx1 nCoV-19AZD1222)ワクチンは,英国の規制当局である医薬品・医療製品規制庁(Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)により,緊急時の使用が承認された.英国での計画的なロールアウトでは,リスクの高いカテゴリーの人々に1回目の接種を直ちに行い,12週間後に2回目の接種を行うことになる.我々は,プライミングとブースター投与の間隔を延長した場合の免疫原性と有効性への影響について,ChAdOx1 nCoV-19臨床試験の事前指定された(prespecified)プール解析および探索的解析を行ったさらに,ブースター投与を行う前の最初の投与で得られる免疫原性と防御について示す

Methods

英国で実施された第1/2相試験(COV001),英国で実施された第2/3相試験(COV002),ブラジルで実施された第3相試験(COV003)の3つの単盲検無作為化比較試験,および南アフリカで実施された第1/2相二重盲検試験(COV005)のデータを紹介する.以前に報告されたように,18歳以上の患者が1:1で無作為に割り付けられ,ChAdOx1 nCoV-195×1010個のウイルス粒子)を2回標準接種するか,対照ワクチンまたは生理食塩水プラセボを接種された.英国の試験では,参加者のサブセットは、初回接種時に低用量ChAdOx1 nCoV-192.2×1010個のウイルス粒子)を投与された.主要評価項目は,2回目の接種後14日以上経過した時点における,少なくとも1つの症状(37.8℃以上の発熱,咳,息切れ,または嗅覚消失あるいは味覚消失)を認め,核酸増幅検査(NAAT: nucleic acid amplification test)陽性で定義された症候性COVID-19とした副次有効性解析では,1回目の接種後22日以上経過した症例を対象としたまた,immunoassayおよびpseudovirus neutralisationによる抗体反応探索的評価項目としたNAAT陽性スワブを有する全COVID-19症例は,盲目化された独立エンドポイント審査委員会によって解析に含めるかどうか判断された.主要解析には,ベースライン時にSARS-CoV-2Nタンパク質が血清陰性であった参加者,2回目の接種後に少なくとも14日間の追跡調査が行われた参加者,NAATスワブで過去のSARS-CoV-2感染の証拠がない参加者すべてが含まれた.安全性は,少なくとも1回接種されたすべての参加者で評価された4つの試験はISRCTN89951424COV003)とClinicalTrials.govNCT04324606COV001),NCT04400838COV002),NCT04444674COV005)で登録されている.

Results

2020423日〜126日において,4つの試験で24422人の参加者が募集され,そのうち17178人が本研究の主要有効性解析に含まれた(ChAdOx1 nCoV-19接種群8597人,対照ワクチンを接種群8581人).8948人は英国試験から,6753人はブラジル試験から,1477人は南アフリカ試験からであった(appendix p2).ここでは,初回接種後の追跡期間100958人月(person-months)と2回接種後の追跡期間49945人月の安全性データを提供する.ベースラインの特徴はワクチン群と対照群で同様であった(appendix p3).追跡期間はプライム/ブースト間隔によって異なっていた(appendix p4).この報告に含まれる症例のデータカットオフ日は2020127日であった.

ブースター接種後14日以上経過してからの原発性症候性COVID-19症例は332人,ChAdOx1 nCoV-198597人では84人(1.0%),対照群8581人では248人(2.9%)であり,全体の有効率は66.7%95%CI 57.4-74.0; Table 1)であった標準2回接種の参加者では,ChAdOx1 nCoV-197201人に74人(1.0%),対照群7179人に197人(2.7%)が発症し,ワクチン有効率は63.1%51.8-71.7)であった低用量+標準用量の接種を受けた参加者では61人が発症し,ChAdOx1 nCoV-191396人では10人(0.7%),対照群1402人では51人(3.6%)であり,ワクチン有効率は80.7%(62.1-90.2)であった

 

 

Table 1: Efficacy of ChAdOx1 nCoV-19 more than 14 days after a second dose.

 

ワクチン接種当日から,ChAdOx1 nCoV-19群で2人がCOVID-19で入院し4) 0日目と10日目),そして対照群22人のうち3人は重症COVID-19と考えられた初回接種22日後から入院を必要とするCOVID-19に対するワクチン有効性は100%ChAdOx1 nCoV-190 vs 対照群15人)であり,片側97.5%CIの下限は72.2%であった(appendix p5

ブースター投与後14日以上経過した無症候性感染は130人であり(COV002英国コホートのみ),有効性は22.2%であった(95%CI 9.9-45.0; Table 1標準用量を2回接種した参加者では,ワクチン有効性は2.0%(−50.7-36.2; ChAdOx1 nCoV-1941 vs 対照群42人)であり,防御の証拠は認められなかった低用量+標準用量を投与されたコホートでは,症例は47人で,ワクチン有効率は49.3%であった(7.4-72.2; 16 vs 31人).任意のNAAT陽性感染に対する有効率は54.1%44.7-61.9)であり,感染伝播を減少させる可能性を示していた

ChAdOx1 nCoV-19群の参加者12282人のうち108人(0.9%),対照群の参加者11962人のうち127人(1.1%)に重篤な有害事象が認められた(appendix p14).最も多かった重篤な有害事象は感染(infections)と蔓延(infestations)であり,ChAdOx1 nCoV-19群では23人(0.2%),対照群では41人(0.3%)に認められた.有害事象のプロファイルはワクチン群間で類似していた.ChAdOx1 nCoV-1912282人のうち211人(1.7%)にグレード3の有害事象が認められたのに対し,対照群11962人のうち164人(1.4%)にグレード3の有害事象が認められた.グレード4の有害事象は,ChAdOx1 nCoV-1948人(0.4%)と対照群34人(0.3%)と記録された(appendix p19).ワクチン接種とは無関係と考えられる死亡が7人(ChAdOx1 nCov-19群で2人,対照群で5人)であり,対照群の参加者1人にCOVID-19関連死亡が1件含まれていた.

原発性症候性COVID-19に対するワクチン効果の変化をモデル化した探索的解析(2回目接種後14日目から)では,2ヶ月間のプライム/ブースト間隔後に効果が高く,より長い接種間隔で効果が持続することが示された(Figure 1A, 1B低用量+標準用量コホートでは,プライム/ブースト間隔のばらつきが少なく,初回接種から2回目接種までの期間が約3ヶ月で多くのデータが得られ,この期間において高い有効性が維持されていたFigure 1C標準用量2回接種後のワクチン有効率は,間隔が6週間未満で55.1%95%CI 33.0-69.9),12週間以上の間隔では81.3%60.3-91.2)であったTable 1

 

 

Figure 1: Exploratory analysis of vaccine efficacy against primary symptomatic COVID-19 more than 14 days after a booster dose, by prime-boost interval.

 

 

英国における無症候性感染に対する有効性は,接種間隔が長くなるにつれて有効性推定値(efficacy estimates)が増加する同様のパターンを示していた; しかし,各解析で利用できる症例数は各接種間隔の範囲内で少なかったため,信頼区間が広かった(Table 1, appendix p7).

単回の標準用量のワクチン接種による原発性症候性COVID-19に対する防御は,初回接種からの期間に対してモデル化された.結果は,ワクチン接種後の最初の3ヶ月間では防御が減弱したという証拠を示さなかった(Figure 2A標準用量のワクチン単回接種は,最初の90日間の原発性症候性COVID-19に対する防御効果は76.0%95%CI 59.3-85.9)であったが,同期間の無症候性感染に対しては有効ではなかった(ワクチン有効率= 17.2%[248.6-60.6]; Table 2NAAT陽性感染に対する標準用量の単回接種の有効率は,22日間〜90日間までは63.9%46.0-75.9)であり,これらの結果は探索的でありさらなる調査が必要ではあるが,感染伝播の大幅な減少の可能性を示唆している

Figure 2: Exploratory analysis of vaccine efficacy over time from 22 days after a single standard dose ChAdOx1 nCoV-19 (A) and persistence of anti-SARS-CoV-2 spike IgG by standardised ELISA antibody after a single dose of either standard-dose or low-dose vaccine (B).

 

Table 2: Efficacy of ChAdOx1 nCoV-19 more than 21 days after a single dose.

 

単回投与の解析に含まれた参加者をさらに評価して,ブースター接種を受けた参加者(その時点で解析に打ち切られている)と,ブースター接種を受けなかった参加者(したがって追跡期間が長い)におけるベースラインの特徴の違いを明らかにした.これらの群間における,年齢,性別,医療・福祉従事者かどうか(health or social care worker status),接種用量(低用量+標準用量 vs 2回の標準用量),国,民族、および追跡期間で統計的に有意差を認めた(民族はp= 0.0001,他のすべてはp <0-0001; appendix p6).

ブースター接種を受けた参加者は高齢であり(ブースター接種群: 年齢中央値40[IQR 30-52] vs 非ブースター接種群: 36[28-48]),男性(19150人のうち8471[44.2%] vs 2752人のうち1072[39.0%])および非白人(19150人のうち4615[24.1%] vs 2751人のうち571[20.8%])の割合が高かった.また,ブースター非接種群に比べて,医療・福祉従事者の割合が低かった(19150人のうち11518[60.1%] vs 2752人のうち1809[65.7%]).英国COV002におけるブースター接種を受けた参加者(8676人のうち低用量プライムワクチン接種者は2894[33.4%])は,ブースター接種を受けなかった参加者(1173人のうち480[40.9%])よりも,低用量のプライムワクチン接種を受けた割合が少なかった.ブースター接種時に参加者を打ち切りにしたため予想通り,追跡期間は2群間で異なっていた(ブースター接種群: 中央値20日間[IQR 10.0-58.0] vs ブースター日接種群: 90日間[23.0-157.0]).ベースライン因子の調整はワクチン有効性推定値に影響を与えた(appendix p6).

ワクチン単回投与に対する抗SARS-CoV-2スパイクIgG応答は,標準化されたELISAによって測定され,6ヶ月間にわたって対数直線的に減衰した線形モデルにおいて推定した幾何平均抗体価の減衰は,28日目のピークから90日目までに34%(幾何平均比[GMR: geometric mean ratio] 0.66 [95% CI 0.59-0.74]),180日目までに64%GMR 0.36 [0.27-0.47]; Figure 2B)と減少した

初回ワクチン接種から12週間以上経過してから2回目の標準ワクチンを接種した18-55歳の参加者は,初回ワクチン接種から6週間以内に2回目のワクチンを接種した参加者に比べて抗体価が2倍以上高かった(GMR 2.32 [95%CI 2.01-2.68]; Figure 3; appendix pp9-10同様に,pseudovirusによって測定された中和抗体価は,2回目の接種までの期間がより長い間隔の後に高くなっていた(appendix p11

Figure 3: Anti-SARS-CoV-2 spike IgG responses by multiplex immunoassay at 28 days after the second dose in participants receiving two standard doses or low dose plus standard dose, by prime-boost interval (n=3337).

 

各投与間隔のワクチン有効性に対する抗SARS-CoV-2スパイクIgGをプロットすると,”中和抗体とワクチン有効性”と同様に,”結合抗体とワクチン防御”に関連がある可能性が示され,防御の相関の可能性が示唆された(Figure 4

Figure 4: Relationship between binding and neutralising antibody 28 days after second dose, and vaccine efficacy against primary symptomatic COVID-19.

 

原発性症候性COVID-19Kaplan-Meier累積罹患率は,信頼区間は重ならず,有効性推定値と一致し,ChAdOx1 nCoV-19群と対照群との間に明確な違いが認められた(appendix pp12-13).

 

Discussion

ChAdOx1 nCoV-19ワクチンの2回目の接種から14日以上経過した後,解析対象となった試験参加者17178人のうち症候性COVID-19症例は332人で,有効率は66.7%95%CI 57.4-74.0)というChAdOx1 nCoV-19ワクチンの有効性に関する事前に指定された完全主要解析を報告する(中間解析で報告されたのは131人).今回の更新された解析では,ChAdOx1 nCoV-19ワクチン接種群では,初回接種後21日間以降における追加入院や重症COVID-19症例はなかったが,対照群では15人認められた.これらの新たな解析は,20201230日に英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA: Medicines and Healthcare products Regulatory Agency 14)および2020年末以降の欧州医薬品庁とインド,ネパール,バングラデシュ,アルゼンチン,ブラジル,メキシコの規制当局を含む国際的な規制当局が本ワクチンの緊急使用を承認したことを裏付ける中間データの重要な検証となった.

本報告書では,MHRAや他の規制当局によって承認されている2種類の標準用量のワクチン有効性を示す強力な証拠を提示する.規制当局の承認後,ロールアウトのための最適なアプローチを計画するための政策立案者にとって重要な問題は,最適な投与間隔であり,本報告書では事後探索的解析により評価した.この分野での意思決定に寄与する2つの基準は,2回目の接種後の防御に対するプライム/ブースト接種間隔の影響と,初回接種で効果が低下したり,2回目の接種前に効果が急速に低下したりした場合に,ブースター接種前の期間に接種者が感染リスクにさらされる程度である.

本報告書では,6週間未満から12週間以上までの投与間隔で防御効果が得られること,そして2回目の接種までの3ヶ月間において,より長い間隔にすることによって,防御効果を損なうことなく,ブースター接種後の防御効果がより高くなることを示す探索的解析が示された

探索的解析では,単回のChAdOx1 nCoV-19標準用量は,ワクチン接種後90日以内の防御の有意な減衰は認められず,症候性COVD-19に対する有効率が76.0%95%CI 59.3-85.9であった.追跡調査がここに記載されている期間に限られているため,1回の接種でどのくらいの防御期間が持続するかは明らかではなく,この理由から2回目のワクチン接種が推奨されている

ChAdOx1 nCoV-192回目の接種は,中和抗体レベルの上昇を誘導し10)12),長期的な防御には2回の接種がおそらく必要である.しかし,ワクチン供給量が少ない場合には,より大きなコホートに最初に単回ワクチン接種する方針の方が,短期間に2回のワクチンを接種するよりも,全体的な集団の防御に有用かもしれない.現時点で入手可能なエビデンスでは,長期的な免疫を増強するためには2回の接種が必要であることが想定されている.遅延したブースト効果に関する最近のモデルでは,たとえ初回接種の効果が大幅に減衰していても,2回目の接種を遅らせて,より多くの集団にワクチンを接種するプログラムの方が,即時的に集団全体の防御効果が大きいことが示唆されている15)

本試験では,2回目以降のワクチン有効性は,プライム/ブースト間隔が長いほど高く,投与間隔が12週以上の人では81.3%6週未満では55.1%であった.有効性のポイント推定値は投与間隔が短いほど低くなっていたが,信頼区間が重複しているため不確実性があることに注意が必要である.プライム/ブースト間隔が長いほど血清中の結合抗体価および中和抗体価が高かったことから,液性免疫応答と有効性に関係があると仮定すると,これらの結果は真の所見であり,データのアーチファクトではない可能性が示唆された.プライム/ブースト間隔を長くすると免疫応答が強くなり,より大きな防御効果が得られることは,インフルエンザ,エボラウイルス病,マラリアなどの他のワクチンでも確認されている16)17)18)ここで示されたChAdOx1 nCoV-19ワクチンの知見は,このワクチンの投与間隔を412週間とする各国の政策提言と一致している

有意ではないものの,症候性COVID-19に対するワクチンの有効率がブースター接種後に66.7%とやや低かったことは,単回接種後の有効率76%と比較すると不可解に見える.単回接種の推定に含まれる症例は,2回目接種以降の解析に含まれる症例よりもその年の早い時期に発生しており,流行の強さは国によって異なるため,単回接種と2回接種の推定を直接比較することは困難である.

我々の中間解析では,低用量+標準用量レジメンを受けた人のサブグループ解析において,より高い有効性が確認された4).これらの知見は探索的なものであるが,この知見は本解析の結果に裏付けられている.さらなるデータが得られたことにより,このレジメンによる免疫原性と有効性の向上は,このサブグループの特徴である接種間隔が長くなったことに一因している可能性があることが示され,標準用量2回接種群における接種間隔と有効性の関係の観察をさらに支持するものとなった.標準用量2回接種レジメンは,2回とも同じ用量のワクチンを投与する簡便さ,およびその使用を支持する免疫原性と有効性のデータがより多くあるため,運用上は好ましいと考えられる.

さらに重要な問題は,ワクチンが感染伝播を減少させることができるかどうかであり,それゆえフィジカルディスタンス対策と組み合わせることで、ヒトからヒトへのウイルス感染伝播を減少させることができるかどうかである.感染伝播研究は解析には含まれていないが,英国の研究では,感染リスクに対するワクチンの全体的な効果を評価できるように,症状の有無に関係なく毎週ボランティアからスワブが採取された.そして,その結果,今後の感染伝播の可能性のサロゲート(surrogate: 代理)となった.もし無症候性感染(感染の約3分の1)にワクチンの効果がなかった場合,全体のNAAT陽性率は変化せずに,ワクチンの効果によって,重症例を軽症例に,軽症例を無症状に転換すると予想される全体的なNAAT陽性率は,感染の負担が減少しているかどうかを評価するのに適しているワクチンの標準用量の単回接種では,初回接種後22日目から90日目までの間に,症候性および無症候性感染を含むすべてのNAAT陽性感染に対して有効率は63.9%であり,2回目の接種以降は2回の標準用量スケジュールで有効率は49.5%であることが示された.これらのデータは,ChAdOx1 nCoV-19を認可されたスケジュールで接種することで,集団内の感染者数を減少させることで、感染伝播に対して実質的な効果を発揮する可能性があることを示している.特筆すべきは,無症候性感染は英国でしか測定されていないことである.2回目接種後のNAAT陽性感染に対するワクチンの有効性は,単回接種時の有効性よりも低いように思われ,これはおそらく解析対象における英国の症例の割合が多く,それゆえ無症候性感染が多く含まれているために有効性が低いと考えられる

COVID-19ワクチンの防御効果の相関はまだ定義されていない; しかし,今回報告した”抗体レベルと有効性”の関係に関するデータは,液性免疫が関与している可能性を示唆する.対照的に,本研究では,単回接種後の早期に高い防御効果が記録され,これは他のメーカーの他のワクチンでも見られ3),単回接種後に中和抗体レベルがより低下することから,初回接種後早期に他の免疫学的メカニズムが働いている可能性を示唆している.防御の相関に関するさらなる研究は現在進行中である.

この報告の解析にはいくつかの限界がある.この研究は,ワクチンの有効性が接種間隔によって異なるかどうかを確立するために設計されたものではなく,異なる間隔のデータの存在は,パンデミックにおいて大規模な臨床試験を実施する際のロジスティクス(logistics: 物流,またはそれを管理する過程)のために生じたものであるしたがって,これらの解析は,複数のバイアスが存在する可能性のある事後探索的解析であり,事前に指定したものではない.しかし本解析は,パンデミックへの対応におけるChAdOx1 nCoV-19の展開を支持するために現在使用されているアプローチを反映した最新のデータの厳密な査読付き検証を提供するためにここに発表された.前回の中間解析は規制当局や政策立案者によって慎重に検討されたものであり,今回発表された知見と一致している.

我々のデータでは,2回目の接種後の追跡期間は短かったそして早期にブースター接種を受けた人の方が追跡期間は長くなり,したがってプライム/ブースター間隔がより短くなる傾向があるさらに,単回投与の有効性の解析に寄与する参加者は,ブースター接種前にイベントが発生した参加者とブースター接種を受けなかった参加者が混在している.これらの2つのコホートは,いくつかの重要な特徴で異なっている; ブースター接種を受けた参加者は,ブースター接種を受けなかった参加者と比較して,若干若年であり,男性が多く,そして白人が少なかった

データにおけるこれらの個々のばらつきの原因がワクチンの有効性推定値にどのような影響を与えているかは明らかではない.しかし,有効性に見られる同じ傾向は免疫学的データにも見られ,基礎となる生物学的メカニズムが示唆される.

ワクチン接種プログラムは,多規模集団に初回のワクチンを接種し,3ヶ月後に2回目の接種を行うことを目的としているが,これは疾患を減らすための効果的な戦略であり,短期的に供給が不足しているときにパンデミックワクチンをロールアウトするための短いプライム/ブースト接種間隔のプロブラムよりも利点があるかもしれない.ChAdOx1 nCoV-192回接種は,症候性COVID-19の予防に有効であった.これらの結果は,試験の中間解析で見られた結果を裏付けるものである.

 

Conclusions

ChAdOx1 nCoV-192回接種の主要解析の結果は,試験の中間解析の結果と一致しており,ワクチンの有効性を確認した.2回目の接種を受けた後の防御を向上させるためには,接種間隔を短くするプログラムよりも3ヶ月の接種間隔の方が利点はあるかもしれない

 

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