COVID-19関連追加(2021316日)

mRNAワクチンについてその4(無症候性感染への効果,年齢依存性免疫応答,既感染者における初回接種後の反応について),

以上について3.

【無症候性感染に対するCOVID-19ワクチンの効果】

Tande AJ, et al. Impact of the COVID-19 Vaccine on Asymptomatic Infection Among Patients Undergoing Pre-Procedural COVID-19 Molecular Screening. Clinical Infectious Diseases, ciab229, Mar 10, 2021.

https://doi.org/10.1093/cid/ciab229.

Abstract

Background

現在,米国ではいくつかのワクチンが緊急使用許可を得て臨床利用されており,症候性COVID-19に対する有効性が実証されている.無症候性SARS-CoV-2感染に対するワクチンの影響はほとんど知られていない

Methods

20201217日〜202128日に48,333件の術前SARS-CoV-2分子スクリーニング検査(SARSCoV-2 laboratory-developed real-time PCR [10], the APTIMA SARS-CoV-2 transcriptionmediated amplification assay (Hologic, Marlborough, MA), and the Abbott RealTime SARSCoV-2 real-time PCR method [11])を受けた,米国の大規模医療システム内の連続した無症候性成人患者(n= 39,156)を対象に,レトロスペクティブコホート研究を実施した対象となる主要な曝露は、mRNA COVID-19ワクチンを少なくとも1回接種したことであった主要評価項目は,ワクチンを少なくとも1回接種した無症候性の人がSARS-CoV-2分子検査で陽性となる相対リスクを,同期間にワクチンを接種していない人と比較した.相対リスクは,mixed effects log-binomial regressionを用いて,年齢,性別,人種/民族,病院に関連する患者の居住地(local vs non-local),医療システム地域(healthcare system regions),患者の繰り返しのスクリーニング,について調整した.

Results

研究期間中,39,156人の患者に対して48,333件の分子スクリーニング検査が行われた.平均(SD)年齢は54.219.7)歳,女性は25,364人(52.5%)であった.また,分子スクリーニング検査を受ける前にワクチンを接種していた人は,3,006人(6.2%)であった(Table 1).ワクチンを接種した人は,接種していない人に比べて,若年層や女性の割合が高く,医療従事者へのワクチン接種に早くから焦点を当てていたことを反映している.また,人種,居住地,HRRHealth Referral Region)内の居住地にも違いが認められた.ワクチン接種群では,初回接種から分子検査までの期間の中央値(IQR)は16日(7, 27日)で,2回目の接種を受けた人においては707件(23.5%)の分子検査が行われていた.

 

Table 1:

 

 

COVID-19症状のないワクチン未接種者を対象に実施した45,327件のスクリーニング分子検査のうち,1,436件(3.2%; 95%CI: 3.0%-3.3%)が陽性であったまた,COVID-19症状がなく,スクリーニング検査の前に少なくとも1回のワクチン接種を受けていた人を対象とした3,006件のスクリーニング分子検査のうち42件(1.4%; 95%CI: 1.0%-1.8%)が陽性であったワクチン1回接種者 vs 2回接種者の初回接種から6週間後の累積陽性率は,それぞれ2.9%1.3%であったFigure 1

Figure 1: Survival analysis by time-to-pre-procedure positive COVID-19 test after receiving first dose of vaccination, by total doses received.

 

主要解析では,無症候性の術前スクリーニングで陽性となった場合,ワクチン接種者と未接種者を比較した調整前相対リスク(RR)は0.4495%CI: 0.33-0.60; p< 0.0001; Table 2)であったまた,ワクチン未接種に対して,1回接種後>10日経過では検査陽性のRR0.2895%CI: 0.16-0.49; p< 0.0001),2回接種後>0日経過では検査陽性のRR0.2795%CI: 0.12-0.60; p= 0.001)であった投与回数の解析では,ワクチン未接種に対して,1回接種では検査陽性のRR0.4995%CI: 0.36-0.69; p< 0.0001),2回接種では検査陽性のRR0.2795%CI: 0.12-0.60; p= 0.001)であった

Table 2:

交絡変数とランダム効果を調整した結果,ワクチン接種者と未接種者を比較した無症候性の術前スクリーニングにおける検査陽性の調整相対リスク(aRR: adjusted Relative Risk)は0.3595%CI: 0.26-0.47; p< 0.0001; Figure 2)であったまた,未接種に対して,1回接種後>10日経過では検査陽性のRR0.2195%CI: 0.12-0.37; p< 0.0001),未接種に対して,2回接種>0日経過では陽性反応のRR0.2095%CI: 0.09-0.44; p< 0.0001)であった.さらにPfizerのみのサブグループ解析を含めて,調整後も有意であるままであった(Figure 2).

Figure 2: Adjusted Relative Risk (with 95% Confidence Intervals) comparing pre-procedure COVID-19 molecular screening percent positive by vaccination status and timing.

 

ワクチン接種群42件中38件(90.5%),未接種群1,436件中1,116件(77.7%)の陽性スクリーニング分子検査からCt値またはRLUrelative light unit)値が得られた(Supplemental Material, Table S1およびTable S2).これらの患者には複数の異なる検査方法が用いられていたため,ワクチン接種群と未接種群の比較は,同じ方法で検査された患者のみに限定された.興味深いことに,アリゾナ州の拠点におけるワクチン接種者の陽性のCt値は,ワクチン未接種者に比べて有意に低かった(p <0.01が,その他の有意差はなかったアリゾナ州の陽性者のうち,ワクチン接種後のタイミングで分析すると,Ct値に有意な差は認めなかった(Supplemental Material, Table S2

Discussion

本研究では,mRNA COVID-19ワクチン接種が,術前スクリーニング分子検査を受けた人における無症候性SARS-CoV-2感染率の低下と関連していることを確認した.これは,mRNAワクチン接種後の症候性感染の予防を評価した臨床試験[3, 4]で観察された結果と,時期的にも規模的にも一致しており,無症候性感染の有意な減少が観察された.術前検査の>10日前にワクチンを1回接種した人では,スクリーニング分子検査の陽性リスクが72%減少することが確認された.また,2回接種した人に限定すると,接種していない人に比べて,スクリーニング分子検査陽性のリスクが73%減少することが確認された.複数の潜在的交絡因子を調整した結果,2回接種者のスクリーニング分子検査陽性のリスクが80%減少することが確認された.

無症候性感染に対するワクチン接種の有効性については,発表された臨床試験データが混在している.mRNA-1273ワクチン(Moderna)を承認するための臨床試験では,1回目の接種から28日後,2回目の接種の直前に無症候性の人を対象にSARS-CoV-2 PCRが行われた[3].この研究では,ワクチン群(14,550人のうち14人,0.10%)は,プラセボ群(14,598人のうち39人,0.27%)と比較して,無症候性感染のリスクが62%減少することが確認された.我々の研究では,大多数(94%)の患者がBNT162b2 mRNAワクチン(Pfizer)を接種しており,mRNA-1273ワクチンを接種した患者はそれよりも少なかった(5.9%).BNT162b2 mRNAワクチンの1回目の接種から10日を超えて経過した患者を対象としたサブグループ解析では,潜在的な交絡因子を調整した後,検査陽性のリスクが79%減少することが確認された.主としてBNT162b2 mRNAワクチンの1回目接種後10日を超えて経過した人でも,同様のリスクの減少が認められたことから,どちらのmRNAワクチンも最初の接種後すぐに無症候性感染を早期に減少させることが示唆された.また,BNT162b2ワクチンを2回接種した人では,潜在的な交絡因子を調整した後,ワクチンを接種していない人と比較して,分子検査陽性のリスクが80%減少したことが確認された.BNT162b2ワクチンおよびmRNA-1273ワクチンの臨床試験結果[3, 5]と比較すると,この有効性の低下は,2回目接種後の検査の36%2回目接種から7日未満で行われていることを考えると,予想外ではない.

無症候性SARS-CoV-2感染に対するワクチンの影響は,特定のワクチンの有効性に依存する可能性が高い例えば,ChAdOx1 nCoV-19ワクチン(Astra Zeneca)の標準的な単回投与では,無症候性感染に対する一貫した防御効果は得られなかった[12]最初のワクチン接種から2290日後に行われた分析では,無症候性感染に対する防御効果はなかったしかし,12週間以上の間隔をあけて2回接種した人では,2回目の接種から14日以上経過した時点で,無症候性感染が47%減少していた.また,無症候性感染の減少は,ワクチンの接種時期にも影響を受ける可能性が高い.米国で承認された他のワクチンの現実世界での影響をよりよく理解するためには,今回の研究と同様の分析が必要である.

Limitation: この研究にはいくつかの限界がある.@ワクチン接種群の分子検査陽性率の低下には,測定できない交絡因子があった可能性がある.したがって,ワクチン接種と分子検査陽性率の低下との間には,因果関係(causation)ではなく,相関関係(correlation)があると推測することしかできない.観察期間のほとんどにおいて,ワクチンの接種対象者は医療従事者と長期介護施設の居住者に限定されていたが,これはこれらの人々がCOVID-19に曝露されるリスクが高いためである.しかし,これらの集団の術前スクリーニングで検査陽性率が高くなっても不思議ではない; ワクチン接種を受けたコホートで検査陽性率の低下が認められたことは,ワクチン接種による著明な減少効果を裏付けている.交絡因子を調整するために調整分析を行ったところ,ワクチン接種と検査陽性率の低下との関連性は強まるばかりであった.しかし,測定されていない交絡因子が残っていて,今回の観察結果に影響を与えている可能性もある.本研究は,白人を中心とした65歳未満の非ヒスパニック系集団を対象に実施された.

A術前スクリーニング分子検査を受けた患者が,COVID-19感染の症候性,あるいは前症候性であったかもしれないということである.我々は,既存の臨床的メカニズムに基づいて,症候性患者にオーダーされた検査をこの分析から除外した.診察前の電話や電子アンケートに回答しなかった人や,担当者がすべての質問をしなかった人がいるかもしれない.また,患者さんが正直に答えてくれなかったかもしれない.我々は,これらの患者を長期的に追跡して,その後の発症を評価していない.したがって,今回の結果は,無症候性と軽症患者が混在しているかもしれない.この限界に対処するため,我々は術前スクリーニング分子検査のために実施されたオーダーパネルを介して検査を受けた患者のみを対象とし,また,術前の症状に関する既存の問診プロセスを介して,症候性患者を特定することを試みた.質問票で症候性と判断された患者は,別のプロセスで検査を受け,今回の分析からは除外された.

Bワクチン接種を受けたコホートには医療従事者や長期療養施設の居住者が多く含まれていたため,ワクチン接種を受けた患者が術前検査時に軽度の症状を訴えた割合に影響を与えた可能性があり,その場合は症候性としたプロセスで検査され,本研究では分析されなかった.また,本研究では,分子検査の偽陽性の可能性については検討していない.ワクチン接種後の未調整検査陽性率が,公表されている分子検査の偽陽性率の範囲内であるため,フロア効果によって,両群に影響するものの,ワクチン接種群における無症候性検査陽性者の減少を過小評価する結果となった可能性がある.

Conclusions

過去のmRNACOVID-19ワクチン接種は,未接種と比較して,2回接種した人の無症候性COVID-19リスクの80%減少と関連していた.この結果は,たとえ1回のmRNAワクチン接種でも無症候性感染が減少するという既報のデータと一致している[3]

 

References

1) WHO Coronavirus Disease (COVID-19) Dashboard. World Health Organization.

https://covid19.who.int/. Accessed February 12, 2021.

2) Johansson, M.A., et al., SARS-CoV-2 Transmission From People Without COVID-19 Symptoms. JAMA Netw Open, 2021. 4(1): p. e2035057.

3) Baden, L.R., et al., Efficacy and Safety of the mRNA-1273 SARS-CoV-2 Vaccine. N Engl J Med, 2021. 384(5): p. 403-416.

4) Polack, F.P., et al., Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine. N Engl J Med, 2020. 383(27): p. 2603-2615.

5) Voysey, M., et al., Safety and efficacy of the ChAdOx1 nCoV-19 vaccine (AZD1222) against SARS-CoV-2: an interim analysis of four randomised controlled trials in Brazil, South Africa, and the UK. Lancet, 2021. 397(10269): p. 99-111.

6) Amit, S., et al., Post-Vaccination COVID-19 among Healthcare Workers, Israel. Emerg Infect Dis, 2021. 27(4).

7) Storino, C.B., et al., Revamping Outpatient Care for Patients Without COVID-19. Mayo Clin Proc, 2020. 95(9S): p. S44-S46.

8) Shah, A.S., et al., Diagnostic Stewardship: An Essential Element in a Rapidly Evolving COVID-19 Pandemic. Mayo Clin Proc, 2020. 95(9S): p. S17-S19.

9) Pollock, B.D., et al., Deployment of an Interdisciplinary Predictive Analytics Task Force to Inform Hospital Operational Decision-Making During the COVID-19 Pandemic. Mayo Clinic Proceedings, 2020.

10) Rodino, K.G., et al., Evaluation of Saline, Phosphate-Buffered Saline, and Minimum Essential Medium as Potential Alternatives to Viral Transport Media for SARS-CoV-2 Testing. J Clin Microbiol, 2020. 58(6).

11) Challener, D.W., et al., Low Utility of Repeat Real-Time PCR Testing for SARS-CoV-2 in Clinical Specimens. Mayo Clin Proc, 2020. 95(9): p. 1942-1945.

12) Voysey, M., et al., Single Dose Administration, And The Influence Of The Timing Of The Booster Dose On Immunogenicity and Efficacy Of ChAdOx1 nCoV-19 (AZD1222)

Vaccine. Preprint available at SSRN:

https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3777268

 

 

 

 

 

 

Biontech/Pfizer社製BNT162b2 COVID-19ワクチン接種に対する

年齢依存性免疫応答】

Müller L, et al. Age-dependent immune response to the Biontech/Pfizer BNT162b2 COVID-19 vaccination. MedRxiv.

https://doi.org/10.1101/2021.03.03.21251066.

Key findings

高齢者(> 80歳)と若年者(< 60歳)の大多数が,SARS-CoV-2スパイクタンパクに対する特異的IgG抗体価を産生した.

>80歳では力価がより低い; 2回目接種以降の力価上昇は>80歳でより大きかったものの,絶対的な平均力価は<60歳の成人よりも低いままであったFigure 1

Figure 1: <60歳と>80歳の成人における2回目のワクチン接種後17-19日目の抗体価.箱はIQR,箱内の線は中央値,ヒゲは2.5%97.5%パーセンタイルを示す.結果は,25.6 binding antibody units/milliliterBAU/ml)未満を陰性,25.6以上35.6以下を不定(indeterminate),>35.6 BAU/mlを陽性としている.検出限界以下の抗体価は1.0とした.

Chart, box and whisker chart showing antibodies after second vaccination

 

 

IgG抗体価と症状の存在との間に相関関係は認めなかった

2回目接種後,高齢者の31.3%,若年者の2.2%に中和抗体が検出されなかった(Figure 2

Figure 2: 2回目接種後に特異的中和抗体価を有する<60歳および>80歳の成人の頻度CC-BY-NC-ND 4.0でライセンスされている.

Chart showing adults with antibodies after second vaccination dose

Methods

BNT162b2ワクチンを接種した<60歳(n= 91)および>80歳(n= 85)のドイツ人成人176人を対象としたコホート研究.1回目接種から17-19日後および2回目接種から17日後に,SARS-CoV-2スパイク特異的IgGおよびSARS-CoV-2中和抗体の力価を測定した.ワクチン接種後の症状(発熱,悪寒,注射部位の痛み,頭や手足の痛み,倦怠感,嘔気)の自己申告数を集計した.Limitation: 60-80歳代のデータは含まれていない.

Implications

SARS-CoV-2ワクチンを接種しても中和抗体反応が得られない高齢者がいることが,感染や疾病からの防御の低下につながるかどうかは明らかではない.スコットランドの観察データによると,BNT162b2またはChAdOx1ワクチンの1回の接種で,高齢者は短期的には入院に対して防御効果があることが示唆されている.高齢者におけるSARS-CoV-2ワクチンの長期的な有効性を確認し,特に80歳を超える高齢者の防御期間を決定し,再接種の必要性と理想的なスケジュールを評価するためには,さらなる研究が必要である.

 

 

 

 

 

 

【血清陽性患者におけるmRNA初回接種後の反応について】

Krammer F, et al. Antibody Responses in Seropositive Persons after a Single Dose of SARS-CoV-2 mRNA Vaccine. N Engl J Med. Mar 10, 2021.

https://doi.org/10.1056/NEJMc2101667.

SARS-CoV-2スパイクメッセンジャーRNAmRNA)ワクチン(BNT162b2[Pfizer]およびmRNA-1273[Moderna])の2回接種による,Covid-19の既往のない人における症候性SARS-CoV-2感染症の予防効果は高いことが示されている.我々は,Covid-19の既往がある人の初回ワクチン接種に対する反応はどうなるのかと考えた.

我々は,現在実施中の機関審査委員会承認のlongitudinal PARISProtection Associated with Rapid Immunity to SARS-CoV-2)研究を利用して,既存のSARS-CoV-2免疫が証明されている、または証明されていない研究参加者110人の抗体反応の限定的なスナップショットを提供した(全体の平均年齢40.0[range, 24-68; 60歳以上, 8%]; 血清陰性者67人(女性64%, 平均年齢41.3; 血清陽性者43人(女性59%, 平均年齢41.4歳)(Table S1 in the Supplementary Appendix, available with the full text of this letter at NEJM.org)(2020年に,88人がPfizer社製ワクチン,22人がModerna社製ワクチンを接種).SARS-CoV-2スパイクIgGは,以前から報告されている2ステップ酵素結合免疫吸着法(two-step enzyme-linked immunosorbent assay)を用いて測定し,area under the curveAUC)で表した4)5)

初回接種後に繰り返しサンプリングを行ったところ,血清陰性参加者の大部分は,接種後912日以内にSARS-CoV-2 IgG反応が変動し,相対的に低レベルの反応を示した(接種前のAUC中央値, 1[67]; 04, 1[12]; 58, 1[22]; 912, 439[13]; 1316, 1016[18]; 1720, 1037[21]; 2127, 1293[19]; そして,2回目接種後, 3316[36])(Figure 1A).一方,初回接種前のベースラインでSARS-CoV-2抗体を持っていた血清陽性参加者は,ワクチン接種後数日のうちに急速に均一で高い抗体価を獲得した(接種前のAUC中央値, 90[43]; 04, 133[7]; 58, 14,208[15]; 912, 20,783[8]; 1316, 25,927[20]; 1720, 11,755[4]; 2127, 19,534[14]; そして,2回目接種後, 22,509[19])(Figure 1A).

既存の免疫があるワクチン接種者の抗体価は,初回ワクチン接種後の同時期において,既存の免疫がないワクチン接種者の抗体価の1045倍(例, 1316日で25倍)であり,2回目ワクチン接種後では,既存の免疫がない参加者の抗体価の中央値を6倍以上上回っていた2回目ワクチン接種後には,既存の免疫がないワクチン接種者の抗体価が3倍に上昇したが,2回目ワクチン接種を受けたCovid-19生存者では抗体価の上昇は認められなかったファイザー社およびModerna社のワクチンの初回接種後の抗体反応の動態には,実質的な違いは見られなかった(Figure S1.今回の解析は便宜的なサンプルであり,追加したすべての時間間隔で(additional time intervals),すべての参加者が抗体分析用の生物試料を提供できたわけではない.継続的な追跡調査により,このような初期の免疫反応の違いが長期にわたって維持されるかどうかが明らかになるだろう.

Figure 1: Immunogenicity and Reactogenicity of SARS-CoV-2 RNA Vaccines.

パネルAは,参加者110人の定量的なSARS-CoV-2スパイク抗体価(酵素結合免疫吸着法で評価し,AUCで表した)を示している.既存の免疫がある参加者の中には,ワクチン接種前の時点で抗体価が検出値以下(AUC1)であった者もいた.幾何平均抗体価と95%信頼区間(多重検定で調整していない)を示した.パネルBは,初回接種後のワクチン関連の副作用の相対的な頻度を示している(230人).局所的な副作用は,既存の免疫がある/ない参加者で同程度の頻度で発生したのに対し,全身症状は既存の免疫がある参加者でより一般的に観察された(more common).棒グラフは各症状の相対的な頻度を示し,グラフ上部の数字は各症状の絶対数を示している(1人の参加者が複数の症状を持つ可能性もある).

https://www.nejm.org/na101/home/literatum/publisher/mms/journals/content/nejm/0/nejm.ahead-of-print/nejmc2101667/20210310/images/img_xlarge/nejmc2101667_f1.jpeg

さらに,我々は230人の参加者(平均年齢39.2[range, 22-70; 60歳以上は8%]; 血清陰性者148[女性70%], 血清陽性者82[女性64%])を対象に,ワクチン初回接種後の局所反応,注射部位関連反応,全身反応の頻度を比較した(Figure 1B).全体的に,両ワクチン(156人がPfizer社製ワクチン,74人がModerna社製ワクチンを接種)には,入院に至る副作用は認めなかったPARIS研究に参加した230人のうち159人(69%)が,初回ワクチン接種後に何らかの副作用があったことを報告した(血清陰性の調査回答者の46%,血清陽性の調査回答者の89%.最も多かったのは,注射部位の局所症状(痛み,腫脹,紅斑)で,接種時の血清陰性/陽性にかかわらず同じ頻度で発生し,接種後数日以内に自然に消失した.既存の免疫があるワクチン接種者は,既存の免疫がないワクチン接種者よりも高い頻度で全身性の副反応(頻度の低い順に,倦怠感,頭痛,悪寒,筋肉痛,発熱,関節痛)が認められたFigure 1B.便宜的なサンプルを使用し,データが入手可能な参加者のみを対象としたため,初回ワクチン接種後および2回目接種後に発生した副作用を含む全データセットを評価できるようになるまでは注意が必要である.

1回のmRNAワクチン接種によって,血清陽性参加者において,迅速な免疫応答が起こり,接種後の抗体価は,2回接種した血清陰性参加者の抗体価と同等かそれ以上であったことが示された.mRNAワクチンを1回接種することで,血清反応陽性者を効果的に防御できるかどうかは,今後の検討が必要である.