COVID-19関連追加(2021520日)コルヒチンについてRECOVERY試験

COVID-19入院患者に対するコルヒチン(RECOVERY: 無作為化比較試験,非盲検,プラットフォーム試験】

RECOVERY Collaborative Group. Colchicine in patients admitted to hospital with COVID-19 (RECOVERY): a randomised, controlled, open-label, platform trial. medRxiv. Posted May 18, 2021. preprint.

https://doi.org/10.1101/2021.05.18.21257267.

Background

COVID-19の治療法として,抗炎症作用を持つコルヒチンが提案されている.

Methods

Study design and participants:

The Randomised Evaluation of COVID-19 therapy (RECOVERY)試験は,COVID-19入院患者を対象に,可能性のある治療法の効果を評価するための医師主導の個別無作為化対照非盲検プラットフォーム試験である.試験デザインの詳細および他の可能性のある治療法(デキサメタゾン,ヒドロキシクロロキン,ロピナビル・リトナビル,アジスロマイシン,トシリズマブ,回復期血漿)の結果については,これまでに発表されている7)9)21)-24)

本試験は,National Institute for Health Research Clinical Research Networkの支援を受けた英国の177病院,インドネシアの2病院、およびネパールの2病院で実施されている(appendix pp3-25).本試験は,試験主催者であるオックスフォード大学のNuffield Department of Population Health(英国,オックスフォード)によってコーディネートされている.本試験は,International Conference on Harmonisation-Good Clinical Practiceガイドラインの原則に従って実施され,英国医薬品・ヘルスケア製品規制庁(MHRA)およびCambridge East Research Ethics CommitteeRef: 20EE0101)の承認を得ている.プロトコル,統計解析計画,その他の情報は,本研究のウェブサイトwww.recoverytrial.netを参照.

臨床的にSARS-CoV-2感染が疑われるか,あるいは検査でSARS-CoV-2感染が確認され,試験に参加した場合に患者が重大なリスクを負う可能性がある病歴がない入院患者が試験の適格となった.小児および妊娠中の女性は適格とならなかった.重度の肝機能障害,著しい血球減少,強力なCYP3A4阻害剤やP-glycoprotein阻害剤の併用,乳糖に対する過敏症などの患者は除外された(詳細はappendix p80).すべての患者から書面によるインフォームド・コンセントを得た.また,患者の体調が悪いあるいは,同意を得られない場合は,法定代理人からも同意を得た.

Randomisation and masking:

ベースラインデータは,ウェブベースの症例報告書を用いて収集され,人口統計,呼吸器サポートレベル,主な併存疾患,特定の患者に対する試験治療の適合性,試験医療機関で使える治療などが記載された(appendix pp32-34).適格かつ同意を得た妊娠していない成人患者を,通常治療群,通常治療群+コルヒチン群,またはその他のRECOVERY治療群のいずれかに1:1の割合で割り付けられた(割り付けは無作為化後までマスクされたウェブベースの単純[層別化されていない]無作為化された)(appendix pp30-31. 一部の患者は,登録時に病院でコルヒチンが入手できない,あるいは管理医師によって絶対的な適応または絶対的な禁忌と判断され,これらの患者は除外された.コルヒチン群に割り付けられた患者は,無作為化後に1mg,さらに12時間後に500mcgを投与され,その後は500mcg12回,経口または経鼻胃管で10日間または退院まで投与された中等度のCYP3A4阻害剤(moderate CYP3A4 inhibitor)の投与を受けている患者,腎機能障害(推定糸球体濾過量< 30ml/min/1.73m2)または推定体重< 70kgの患者では投与回数(dose frequency)を半分にした(appendix p80

本試験はプラットフォーム試験であるため,患者は他の治療群にも同時に無作為化される可能性がある: i) 回復期血漿 vs モノクローナル抗体(REGN CoV2 vs 通常治療,ii) アスピリン vs 通常治療,iii) バリシチニブ vs 通常治療(appendix pp31).また,2021124日まで,本試験では,進行性COVID-19患者(低酸素および高炎症状態の証拠)に対して,トシリズマブ vs 通常治療への無作為化が引き続き認められた.参加者および現地の試験スタッフは,割り付けられた治療についてマスクされなかった.試験運営委員会,治験責任医師,その他の試験関係者は,試験期間中,結果データに対してマスクされた.

Procedures:

参加者が退院した時,死亡した時,または無作為化後28日目のいずれか早い時点で,オンラインフォローアップフォームは完了となった(appendix pp35-41). 割り付けられた試験治療の遵守状況,他のCOVID-19治療の状況,入院期間,呼吸器または腎臓サポートの状況,バイタルステータス(死因を含む)などの情報が記録された.さらに,英国において,バイタルステータス(死亡日と死因),退院,呼吸器サポートまたは腎代替療法を受けたかどうかなどの情報を含む日常的な医療データおよび登録データが得られた.

Outcomes:

アウトカムは無作為化後28に評価し,さらに6ヶ月時点で解析を行った主要アウトカム全死亡率とした副次アウトカムは,退院までの期間,および無作為化時に侵襲的人工呼吸を行っていなかった患者における侵襲的人工呼吸(ECMOを含む)または死亡とした事前指定した副次的な臨床アウトカム(prespecified subsidiary clinical outcomes)は,非侵襲的呼吸サポート,侵襲的機械式換気の離脱までの期間(28日以内に侵襲的機械式換気を離脱し,28日まで生存したと定義),腎透析または血液濾過,原因別死亡率(cause-specific mortality),出血性イベント,血栓性イベント,主要心源性不整脈とした.重篤な有害事象(adverse reactions)が疑われる情報は,規制要件を満たすために迅速に収集された.

Results

20201127日〜202134日において,RECOVERY試験に登録された患者19,423人のうち11,340人(58%)がコルヒチンに無作為に割り付けられる適合者であった(すなわち,コルヒチンがその時点で院内にて使用可能であり,主治医が患者にコルヒチンの既知の適応がなく,または禁忌がないとの見解を示した; Figure 1).5610人の患者がコルヒチン群に,5730人の患者が通常治療群に無作為に割り付けられた(36人の患者は英国外で無作為に割り付けられた).今回の比較対象となった試験参加者の平均年齢は63.4歳(SD 13.8)で,発症からの時間の中央値は9日(IQR 6-12日)であった(webtable 1).無作為化時点で,10,603人(94%)の患者が副腎皮質ステロイドを投与されていた

コルヒチン群では5510人(98%),通常治療群では5605人(98%)がフォローアップフォームを完了したフォローアップフォームを完了した患者のうち,コルヒチン群の5122人(93%)が少なくとも1回の投与を受けた(Figure 1; webtable 2コルヒチンによる治療期間の中央値は6日(IQR 3-9日)であったCOVID-19の他の治療法は,コルヒチンを割り当てられた患者と通常治療を割り当てられた患者で同様であり,87%がコルチコステロイドを,約1/4がレムデシビルを,1/8がトシリズマブを投与されていたwebtable 2

無作為に割り付けられた患者の> 99%について,主要および副次アウトカムデータが判明している. 主要アウトカムである28日死亡率については,無作為化された2群間で有意な差は認められなかった(コルヒチン群1173[21%] vs 通常治療群1190[21%]; 率比1.01; 95%CI, 0.93-1.10; p= 0.77; Figure 2.また,事前指定したすべてのサブグループで同様の結果が得られた(Figure 3).SARS-CoV-2検査が陽性であった11,009人(97%)に限定した探索的解析でも,結果はほぼ同様であった(率比1.02, 95%CI 0.94-1.10; p= 0.70).

生存退院するまでの期間の中央値は両群とも10日(IQR 5- >28)であり,28日以内に生存退院する確率には有意な差はなかった(70% vs 70%, 率比0.98, 95%CI 0.94-1.03, p= 0.44)(Table 2ベースライン時に侵襲的人工呼吸を行っていなかった患者のうち,事前指定した複合副次アウトカムである侵襲的人工呼吸または死亡に進行した患者数は,両群で同程度であった(25% vs 25%, リスク比1.02, 95%CI 0.96-1.09, p= 0.47.同様の結果は,事前指定したすべてのサブグループの患者で見られた(webfigure 1, webfigure 2).

事前指定した副次的臨床アウトカムである原因別死亡率(webtable 3),人工呼吸,侵襲的機械式人工呼吸の離脱,腎透析または血液濾過の必要性には,有意な差は認められなかった(Table 2.また,新規の心源性不整脈,出血性イベント,血栓性イベントの発生率も両群で同様であった(webtable 4).コルヒチンに関連すると考えられる重篤な有害事象の報告は,重篤な急性腎不全が1例,横紋筋融解が1例の計2例であった.

 

 

Table 1:

Table 2:

 

 

Figure 1:

 

 

Figure 2:

 

 

Figure 3:

 

Discussion

3ヶ国から11,000人を超える患者が参加し,2,000人を超える死亡者を認めたこの大規模無作為化試験において,コルヒチンは,ベースラインで人工呼吸を行っていない患者の死亡率,入院期間,人工呼吸または死亡リスクの減少とは関連していなかった.これらの結果は,年齢,性別,民族,無作為化前の症状の期間,無作為化時の呼吸器サポートレベル,コルチコステロイドの使用など,事前指定したサブグループで一貫していた.

呼吸器サポートを必要とするCOVID-19患者におけるdexamethasoneの有用性は,この患者群における炎症の重要性を示しており,コルヒチンはその抗炎症作用に基づいてCOVID-19の治療法として提案された25).この大規模かつ強力な試験においてコルヒチンの有効性を示すエビデンスが得られなかったことから,コルヒチンの抗炎症作用は,死亡リスクの有意な低下をもたらすには不十分であるか,あるいは中等度から重症COVID-19において関連する炎症経路に影響を与えていないと考えられる.本試験では,大多数の患者がコルチコステロイドを併用していたが,コルチコステロイドを併用していない患者において,コルヒチンが有益であるという証拠は認めなかった.

この試験の強みは,無作為化されていること,サンプルサイズが大きいこと,適格性の基準が広いこと,国際試験であること,99%を超える患者が主要アウトカムまでフォローアップされていることなどである.しかし,炎症や免疫応答に関する検査マーカーに関する詳細な情報は収集されておらず,放射線学および生理学的な結果に関する情報も収集されなかった.この無作為化試験はオープンラベル(すなわち,参加者や病院のスタッフが治療法を知っている)であるが,アウトカムは明確であり,定期的な健康記録との関連付けによりバイアスなく確認された.

COVID-19入院患者におけるコルヒチンの有効性を評価した無作為化比較試験は他に3件ある18)-20).検査でSARS-CoV-2感染が確認され,コンピュータ断層撮影で肺病変が認められた患者100人を対象に,ヒドロキシクロロキン+コルヒチンあるいはヒドロキシクロロキン+プラセボのいずれかに無作為に割り付けた試験では,入院期間が2日短くなったことが報告されている18).また2番目の試験では,コルヒチンを投与した入院患者36人は,ヒドロキシクロロキン,アジスロマイシン,メチルプレドニゾロンを含む通常治療を行った入院患者36人と比較して、入院期間および酸素療法の期間が短縮されたことが報告された19)3番目の試験,GRECCO-19試験では,コルヒチンを無作為に割り付けた患者55人は,通常治療(コルチコステロイドを含まない)を無作為に割り付けた患者50人と比較して,臨床増悪率が低いことが報告された20).先行する3つの試験を合わせた患者数は285人で,追跡期間中に7人が死亡した.対照的に,RECOVERY試験は,11,000人を超える参加者と2,000人を超える死亡者を含んでおり,控えめな(modest)治療効果を検出するための優れた統計検出力を有していた; いずれも観察されなかった.

RECOVERY試験は,COVID-19入院患者のみを対象とした試験であるため,他の患者群におけるコルヒチンの安全性および有効性に関する証拠は得られていないCOVID-19が検査で確認された,あるいは臨床的に疑われる非入院患者4488人を対象としたCOLCORONA試験では,無作為化後30日以内に死亡または入院という複合エンドポイントを達成した患者数は,コルヒチン群がプラセボ群よりも少なかった.しかし,この試験は,物流上の理由から,予定していたサンプル数が完全に登録される前に中止され,この結果は統計的に有意ではなかった(オッズ比, 0.79; 95%CI 0.61-1.03; p= 0.0826)このように,入院を必要としない患者のCOVID-19治療におけるコルヒチンの役割は不明確なままである.そのような状況でのさらなる試験が進行中である(PRINCIPLE COVID-19 treatments trial27)

Conclusions

この大規模無作為化試験は,COVID-19入院成人患者に対するコルヒチンの使用を支持しない.

 

 

References

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19) Lopes MI, Bonjorno LP, Giannini MC, et al. Beneficial effects of colchicine for moderate to severe COVID-19: a randomised, double-blinded, placebo-controlled clinical trial. RMD Open 2021; 7(1).

20) Deftereos SG, Giannopoulos G, Vrachatis DA, et al. Effect of Colchicine vs  Standard Care on Cardiac and Inflammatory Biomarkers and Clinical Outcomes in  Patients Hospitalized With Coronavirus Disease 2019: The GRECCO-19 Randomized  Clinical Trial. JAMA Netw Open 2020; 3(6): e2013136.

21) RECOVERY Collaborative Group, Horby P, Mafham M, et al. Effect of  Hydroxychloroquine in Hospitalized Patients with Covid-19. N Engl J Med 2020; 383(21): 2030-40.

22) RECOVERY Collaborative Group, Horby PW, Mafham M, et al. Lopinavir474 ritonavir in patients admitted to hospital with COVID-19 (RECOVERY): a randomised, controlled, open-label, platform trial. Lancet 2020; 396(10259): 1345-52.

23) RECOVERY Collaborative Group. Azithromycin in patients admitted to hospital with COVID-19 (RECOVERY): a randomised, controlled, open-label, platform trial. Lancet 2021; 397(10274): 605-12.

24) RECOVERY Collaborative Group, Horby PW, Estcourt L, et al. Convalescent plasma in patients admitted to hospital with COVID-19 (RECOVERY): a randomised, controlled, open-label, platform trial. medRxiv 2021: 2021.03.09.21252736.

25) Deftereos SG, Siasos G, Giannopoulos G, et al. The Greek study in the effects of colchicine in Covid-19 complications prevention (GRECCO-19 study): Rationale and study design. Hellenic J Cardiol 2020; 61(1): 42-5.

26) Tardif J-C, Bouabdallaoui N, L’Allier PL, et al. Efficacy of Colchicine in Non Hospitalized Patients with COVID-19. medRxiv 2021: 2021.01.26.21250494.

27) University of Oxford. PRINCIPLE COVID-19 treatments trial widens to under 50s and adds colchicine. 2021.

https://www.principletrial.org/news/principle-covid-19-treatments-trial-widens-to-under-50s-adds-colchicine

 (accessed 11 March 2021).

 

 

 

 

 

 

 

COVID-19関連追加(2021520日)に1019日追記しました

【コルヒチンのRECOVERY試験が正式にアクセプト】

RECOVERY Collaborative Group. Colchicine in patients admitted to hospital with COVID-19 (RECOVERY): a randomised, controlled, open-label, platform trial. Lancet Respiratory Medicine. Oct 18, 2021.

https://www.thelancet.com/journals/lanres/article/PIIS2213-2600(21)00435-5/fulltext.

Background

コルヒチンは,その抗炎症作用に基づき,COVID-19の治療として提案されている.我々は,COVID-19入院患者を対象に,コルヒチンの有効性と安全性を評価することを目的とした.

Methods

英国の177病院,インドネシアの2病院,およびネパールの2病院で実施されたstreamlinedrandomisedcontrolledopen-label trialでは,COVID-19入院患者を対象に,いくつかの可能性のある治療を通常治療と比較した.臨床的にSARS-CoV-2感染が疑われるか,検査で感染が確認された入院患者において,主治医の見解で,試験に参加することで患者が大きなリスクを負う可能性のある病歴がない場合,適格となった.適格かつ同意を得た成人患者は,通常標準治療のみを受ける群(通常治療群)と,通常標準治療とコルヒチンを併用する群(コルヒチン群)のいずれかに,allocation concealmentを用いたウェブベースの単純無作為化(非層別化)により,1:1で無作為に割り付けられた.参加者は,無作為化後にコルヒチン1mg投与,その12時間後に500μgを投与し,その後は500μg12回,合計10日間または退院まで経口または経鼻胃管で投与された.中等度のCYP3A4阻害剤(例: ジルチアゼム)の投与を受けている患者,推定糸球体濾過量が30mL/min/1.73m2未満の患者,推定体重が70kg未満の患者は投与回数(dose frequency)を半分にした.主要アウトカムは28日死亡率,副次アウトカムは退院までの時間28日以内に退院した患者の割合、無作為化時に侵襲的機械式換気を行っていなかった患者では,侵襲的機械式換気または死亡という複合エンドポイントであった.すべての解析はintention-to-treatによる.本試験は,ISRCTN50189673)およびClinicalTrials.govNCT04381936)に登録されている.

Findings

20201127日〜202134日の間に,RECOVERY試験に登録された19,423人の患者のうち,11,340人(58%)がコルヒチン投与の対象となり,5610人(49%)の患者がコルヒチン群に,5730人(51%)の患者が通常治療群に無作為に割り付けられた.全体として,28日以内に死亡したのは,コルヒチン群では1173人(21%),通常治療群では1190人(21%)であった(rate ratio 1.01 [95%CI 0.93 to 1.10]; p= 0·77.事前規定したすべてのサブグループの患者において,一貫した結果が得られた.生存退院するまでの時間の中央値(10[IQR 5 to >28])は両群で同様であり,28日以内に生存退院した患者の割合にも有意な差はなかった(コルヒチン群3901[70%], 通常治療群4032[70%]; rate ratio 0.98 [95%CI 0.94 to 1·03]; p= 0·44ベースライン時に侵襲的機械式換気を行っていない患者における侵襲的機械式換気または死亡という複合エンドポイントを満たす割合に有意な差はなかった(コルヒチン群1344[25%], 通常治療群1343[25%]; risk ratio 1.02 [95%CI 0·96 to 1·09]; p= 0·47

Figure 2: Effect of allocation to colchicine on 28-day mortality.

 

 

Figure 3: Effect of allocation to colchicine on 28-day mortality by baseline characteristics.

Ethnicity, days since onset, and use of corticosteroids subgroups exclude those with missing data, but these patients are included in the overall summary.

 

Interpretation

COVID-19入院成人患者において、コルヒチンは28日死亡率,入院期間,侵襲的機械式換気への移行や死亡リスクの減少とは関連しなかった