COVID-19関連追加(2021530日)

コルヒチンについてその2COLCORONA試験)

当院HP関連ファイル:

2021520日(コルヒチンについてRECOVERY試験)

COVID-19外来患者に対するコルヒチン(COLCORONA試験): 3相,無作為化,

二重盲検,アダプティブ,プラセボ対照,多施設共同試験】

Tardif JC, et al. Colchicine for community-treated patients with COVID-19 (COLCORONA): a phase 3, randomised, double-blinded, adaptive, placebo-controlled, multicentre trial. Lancet Respiratory Medicine. Published, May 27, 2021.

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Introduction

蓄積されたエビデンスによると,COVID-19患者の一部は過剰な炎症を起こしていることが示唆されている1).この過剰な炎症反応の治療が,合併症のリスクを軽減することために急務であると提唱されている1)2).ステロイドであるデキサメタゾンは,COVID-19入院患者の死亡率を低下させるが,人工呼吸や補助酸素を行った場合に限られる3). オープンラベルのSTOIC試験では,吸入ステロイドのブデソニドが,早期COVID-19患者の緊急医療の必要性を減少させた4).また抗インターロイキン(IL-6受容体抗体トシリズマブは,COVID-19肺炎で入院治療を受けた患者において,人工呼吸に移行する可能性を減少させることが示された5).また,IL-1 受容体拮抗薬アナキンラもCOVID-19の一部の患者に有効である可能性がある6)

COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2と近縁のSARS-CoVは,NLR-family pyrin domain-containing 3 NLRP3)インフラマソームを活性化することが明らかになっている7)COVID-19では,IL-1βおよびIL-6の上昇が臨床転帰の悪化と関連していることから9)10)IL-1βの成熟と分泌に関与するNLRP3インフラマソームを標的とすることで,サイトカイン活性化のリスクがある患者の関連合併症を軽減できる可能性がある.

外来でのCOVID-19合併症の予防には,安全性と忍容性が知られているインフラマソームを標的とした薬剤で,臨床的に利用可能で,経口投与可能で安価な薬剤が理想的である.コルヒチンは,痛風,ウイルス性心膜炎,冠状動脈疾患,家族性地中海熱などの治療に用いられる強力な抗炎症薬である11)12)13)14).それは,インフラマソーム,細胞接着分子,炎症性ケモカインに作用しチューブリン重合の阻害(inhibition of tubulin polymerisation)を介して作用する15)16)17).急性呼吸困難症候群の実験モデルにおいて,コルヒチンは,白血球の活性化および動員を阻害することにより,炎症性肺傷害および呼吸不全を軽減することが示された18).また,COVID-19入院した患者を対象とした観察研究および2つの無作為化比較試験において,コルヒチンの実質的な臨床効果が報告されている19)20)21)22)

我々は,COVID-19の地域治療患者(community-treated patients)を対象とし,入院や死亡などの合併症に対するコルヒチンの効果,および安全性と忍容性を確立するために,COLchicine CORONAvirus SARS-CoV-2COLCORONA)試験を行った.

Methods

本試験は,第3相無作為化二重盲検アダプティブプラセボ対照多施設共同試験である.本試験は,ブラジル,カナダ,ギリシャ,南アフリカ,スペイン,米国で行われ,モントリオール心臓病研究所が主導した.PCR検査または臨床基準によりCOVID-19と診断され,病院で治療を受けていない40歳以上の患者で,少なくとも1つのハイリスク基準を有する患者を対象とした.

ハイリスク基準: 年齢70歳以上,肥満(BMI 30kg/m2以上),糖尿病,コントロールされていない高血圧(収縮期血圧150mmHg以上),呼吸器疾患の既往,心不全の既往,冠動脈疾患の既往,過去48時間以内の38.4℃以上の発熱,来院時の呼吸困難,2系統の血球減少(bicytopenia),汎血球減少症,または好中球数が多くリンパ球数が少ないという組み合わせ.

炎症性腸疾患,慢性下痢,吸収不良,進行性神経筋疾患の既往、推定糸球体濾過量が30mL/min/1.73m2未満,重度の肝疾患,コルヒチンによる治療中,がんに対する化学療法中,コルヒチンに対する過敏症の既往歴がある患者は除外した.

無作為化リストはマスクされていない生物統計学者がコンピュータで作成し,マスクされた無作為化は集約化され,自動化されたインタラクティブなウェブ応答システムを通じて電子化された.割り付けは非層別化され,1:1の比率でブロック化され,ブロックサイズは6とされた.

Procedures:

すべての患者は,0.5mgのコルヒチンを最初の3日間は12その後は11回を27日間経口投与するか、またはマッチングプラセボを投与された試験薬は登録後4時間以内に患者の自宅に届けられた.試験薬およびマッチングプラセボはPharmascience社(カナダ,モントリオール)から提供されたが,Pharmascience社は本試験のデザインや実施,本原稿の作成やレビューには関与していない.

臨床評価は,無作為化後15日目と30日目に電話で行われ,試験のエンドポイントやその他の有害事象の発生状況が評価された

Endpoints:

有効性の主要エンドポイントは,無作為化後30日間におけるCOVID-19感染症による死亡または入院の複合とした副次エンドポイントは,複合主要エンドポイントの構成要素と,無作為化後30日間における機械式換気の必要性であった.また,肺炎,その他の重篤な有害事象,および非重篤な有害事象も収集した.

試験終了時のバイタルステータスは97.9%の患者で確認できた.

Statistical analysis:

プラセボ群の主要評価項目イベント発生率を7%と仮定すると,コルヒチンによる目標とする25%の相対リスク低減(コルヒチンによる主要エンドポイントイベント発生率5.25%,絶対差1.75%に相当)を検出するためには,約6000人の患者を無作為に割り付け,各治療群に3000人を配置し,検出力80%,有意水準0.05の両側検定を行う必要があると推定された.有効性の中間解析は保守的なO'Brien-Fleming法で行われたため,最終的な有意性への影響は最小限であると考えられ,中間解析のためのサンプルサイズの調整は行われなかった.解析はintention-to-treatの原則に基づいて行われた.主要エンドポイントは,χ2検定を用いて2つの治療群間で比較し,オッズ比(OR)と95.1%CIを示した.副次エンドポイントも同様に解析した.臨床的または疫学的な基準だけでCOVID-19の診断を行うと,その特異性に限界がある可能性があるため,主要エンドポイントの事前指定したサブグループ解析では,PCR検査陽性に基づいて登録された患者を調べた.主要エンドポイントの事前指定されたサブグループ解析は,治療群,サブグループ因子,治療×サブグループ因子の交互作用を含むロジスティック回帰モデルを用いて行われた.サブグループにおける副次エンドポイントの検討は,事後解析(ポストホック解析)として行われた.主要エンドポイントに関する事前指定された感度解析は,試験を完了しなかったイベントフリーの患者において主要イベントを補定させる(imputation: 統計処理中に発見された回答の欠落,無効,または矛盾のあるデータに対し,代替値を決定して割り当てる処理)ことで行われた(すなわち,0日目以前に中止したか,試験終了時に情報が得られなかった).

主要エンドポイントに関する3回の正式な中間有効性解析は,主要エンドポイントのイベントが25%50%75%発生した後に計画された.有効性に関する事前指定された中止規定は,Lan-DeMets法に基づき,O'Brien-Fleming α-spending関数を用いて有意水準を決定した.futility(目的のない,無益な: 無効中止)の評価は,当初の代替案の下での条件付き検出力を計算し,15%と判定した.中間解析の結果は,マスクしていない生物統計学者が作成し,データ安全性監視委員会のメンバーにのみ提供された.試験期間中,統計解析計画書の作成と最終結果の作成を担当した生物統計学者を含む試験チームは,治療割り付けについてはマスクされたままであった.

最初の2つの中間結果を検討した結果,監視委員会は,試験を計画通りに継続することを推奨した.20201211日,運営委員会委員長はデータ安全性監視委員会に対し,治験責任医師が計画された患者の75%を募集し,30日後の追跡調査を完了した時点で試験を終了することを決定したと報告した.この決定は,中央のコールセンターを24時間体制で長期間維持することに関連する物流,人事,予算の問題に加え,パンデミックの連続した波の中で目標の患者数に到達するために必要な追加の時間を確実にモデル化できないことが理由であった.実施された2回の中間解析を考慮して,主要エンドポイントの最終解析では,最終的な統計的有意水準を0.049として算出した.その他の統計的なバイアスの調整は行わなかった.その他の統計的検定はすべて両面検定で,0.05の有意水準で行った.

統計解析には,SAS バージョン 9.4 を使用した.主要アウトカムおよび副次エンドポイントの解析に用いた複数の手法間の多重比較を調整するという事前指定された計画はなかった; これらの解析結果は,p値を除いた,点推定値と95%CIで報告された.95%CIsは多重比較の調整を行っていないため,そこから導き出される推論は再現性がない可能性がある.統計解析計画は20201125日に承認された.COLCORONA試験は,ClinicalTrials.govNCT04322682)に登録されており,現在,新規参加者の募集は終了している.

Results

試験登録は2020323日に開始され,20201222日に完了した; 最後の試験受診(last trial visit)は2021119日であった.合計4488人の患者が,コルヒチン(2235人)またはプラセボ(2253人)のいずれかに無作為に割り付けられ,30日間のフォローアップが行われた.2021120日のデータベースロックおよび盲検化解除の時点で,4488人の患者のうち93人(2.1%)を除くすべての患者について,バイタルおよび主要エンドポイントイベントの状況が確認できた(Figure).

 

 

Figure: Trial profile.

Of a sample of 5536 patients screened in Canada, 775 (14%) patients were randomly assigned to treatment, because 2392 (43%) patients did not have at least one high-risk characteristic (which was an inclusion criterion) or met at least one exclusion criterion, and 2369 (43%) patients declined participation. Note that information on screened individuals is only available for those recruited in Canada.

 

 

患者のベースライン特性を紹介する(Table 1, appendix p12).患者は,COVID-19の症状が発現してから平均5.3日(SD 4.4)後に登録された.患者の年齢中央値は54.0歳(IQR 47.0-61.0),53.9%が女性,平均肥満度は30.0kg/m2SD 6.2),19.9%が糖尿病であった.試験薬による平均治療期間は26.2日(SD 9.6であった

Table 1:

 

 

主要エンドポイントイベントは,コルヒチン群では2235人のうち104人(4.7%)に発生し,プラセボ群では2253人のうち131人(5.8%)に発生した(Table 2.主要エンドポイントにはCOVID-19による死亡および入院,副次エンドポイントには機械式換気の必要性が含まれた.事前指定されたエンドポイントではないが,あらゆる原因による入院の割合は,コルヒチン群では2235人のうち110人(4.9%),プラセボ群では2253人のうち138人(6.1%)であった(OR 0.79, 95%CI 0.61-1.03; p= 0.078

Table 2:

 

 

イベントフリーでありながら試験を完了しなかったすべての患者(コルヒチン群32人,プラセボ群49人)に対してイベントを補定した,データ欠落を考慮した主要エンドポイントの事前指定の感度解析では,主要エンドポイントのイベント発生率は,コルヒチン群2235人のうち136人(6.1%),プラセボ群2253人のうち180人(8.0%)であった(OR 0.75, 95%CI, 0.59-0.94; p= 0.013).

PCRCOVID-19が確認された4159人の患者を対象とした事前指定された解析(appendix p13)では,コルヒチン群では2075人のうち96人(4.6%),プラセボ群では2084人のうち126人(6.0%)に主要エンドポイントが示された(Table 3COVID-19が確認された患者では,感染症による入院のOR0.7595%CI 0.57-0.99),死亡のOR0.560.19-1.66)であった.この患者群における副次エンドポイントの結果は,ポストホック解析によるものである.副次エンドポイントである機械式換気の必要性は,コルヒチン群では2075人のうち10人(0.5%)に認められたのに対し,プラセボ群では2084人のうち20人(1.0%)に認められた(Table 3また事前指定されたエンドポイントではないが,あらゆる原因による入院の割合は,コルヒチン群2075人のうち101人(4.9%)に対し,プラセボ群2084人のうち132人(6.3%)であった(OR 0.76, 95%CI 0.58-0.99, p= 0.040

Table 3:

 

 

糖尿病患者においては,コルヒチン群444人のうち27人(6.1%),プラセボ群450人のうち43人(9.6%)に主要エンドポイントが発生した.男性における主要エンドポイント発生率は,コルヒチン群997人のうち58人(5.8%),プラセボ群1070人のうち90人(8.4%),一方女性では,コルヒチン群1238人のうち46人(3.7%),プラセボ群1183人のうち41人(3.5%)であった(Table 4).プラセボ群の主要イベント発生率は,PCRで診断した場合は2084人のうち126人(6.0%),臨床基準で診断した場合は169人のうち5人(3.0%)であった.

Table 4:

 

重篤な有害事象はコルヒチン群で4.9%,プラセボ群で6.3%に発現し(Table 5),肺炎はコルヒチン群で2.9%,プラセボ群で4.1%に発生した肺塞栓症は,コルヒチン群で0.5%,プラセボ群で0.1%に認められた(appendix p14これらの肺塞栓症は,機械式換気の必要性や死亡には至らず,担当医によりすべて試験薬とは無関係と判断され,有効性の主要エンドポイント解析ではCOVID-19による入院として集計された.深部静脈血栓症は報告されなかった.脱水症はコルヒチン群2195人のうち3人(0.1%),プラセボ群2217人のうち6人(0.3%)に認められた.

Table 5:

 

試験薬に関連すると考えられた有害事象の割合は,コルヒチン群で24.2%,プラセボ群で15.5%であったTable 5.プラセボ群では2217人のうち328人(14.8%)であったのに対し,コルヒチン群では2195人のうち524人(23.9%)に少なくとも1つの治療上の胃腸関連の有害事象が発生した下痢は,コルヒチン群2195人のうち300人(13.7%),プラセボ群2217人のうち161人(7.3%)に認められた

 

 

Discussion

COLCORONA試験では,有効性の主要複合エンドポイントである無作為化後30日間のCOVID-19感染による死亡または入院リスクは,コルヒチン投与に無作為に割り付けられた患者がプラセボ投与を受けた患者よりも統計的に有意に低いものではなかった

PCR検査の試薬が不足しており,パンデミックの初期にはこのような検査の使用が制限されていたため,本試験では当初,疫学的なリンクや適合する症状によってCOVID-19疑いの診断が認められた.これらの患者の主要イベント発生率は,PCR検査による確定診断を受けた患者(6%)の半分(3%)であった.

COVID-19と確定診断された患者を考慮すると,主要エンドポイントにおけるコルヒチンの有効性はより顕著であり,統計的にも有意であった我々が観察した相対的リスクの減少は,サンプルサイズの計算で計画されたものと同様であったPCR検査でCOVID-19の診断が確定した患者において,コルヒチンによる治療は,入院,機械式換気の使用,および死亡に対して,一致した効果をもたらした

主要エンドポイントに対するコルヒチンの効果は,様々な臨床的特徴に基づいた患者のサブグループ間で一貫していた.コルヒチンの効果は,糖尿病患者および男性においてより顕著であるように思われたが,結果には統計的に有意な不均一性は認められなかった.これらの特徴を持つ患者ではイベント発生率が高かったため,コルヒチンの効果がよりわかりやすく検出されたのかもしれない.糖尿病は炎症を起こしやすい状態にあるため,非糖尿病患者に比べてCOVID-19合併症のリスクが高いことを説明できるかもしれない.体重,インスリン抵抗性,2型糖尿病の間には関連性があるにもかかわらず,コルヒチンの効果は,BMI30kg/m2より高くても低くても差が認められなかった.SARS-CoV-2に対する免疫応答には性差が存在する.男性は血漿中のIL-18およびIL-8濃度が高く,女性はT細胞の活性化が強い24).これらの違いが,COVID-19におけるコルヒチンへの反応の明らかな違いを,少なくとも部分的には説明しているのかもしれない.なお,レニン・アンジオテンシン系阻害剤を併用しても,コルヒチンに対する臨床反応は変化しないようであった

観察された最も一般的な有害事象は,胃腸関連であった下痢は,コルヒチン群で13.7%,プラセボ群で7.3%の患者から報告された.脱水症は,コルヒチン群で3人(0.1%),プラセボ群で6人(0.3%)の患者から報告された.COVID-19の有害な影響は数多くあり,特に肺,心臓,脳に影響を及ぼす可能性がある.COLCORONA試験において,プラセボ群の患者に重篤な有害事象が多発したことは,本疾患の深刻さを反映している.重篤な有害事象が発生した患者数は,コルヒチン群がプラセボ群に比べて少なく,本疾患における全身性炎症の抑制効果を反映していると考えられる肺炎は,コルヒチン群の方がプラセボ群よりも少ない頻度で報告されたこれは,コルヒチンが投与されたCOVID-19確定患者の入院が統計学的に有意に減少したことと一致しているまた,機械式換気を必要とする患者数も有意ではなかったが,減少した.我々の結果は,補助酸素の必要性,入院治療期間,および臨床状態の悪化を示した2つの小規模な臨床試験の結果によって支持されている19)20).コルヒチンは以前,急性呼吸窮迫症候群の実験モデルにおいて,急性肺傷害を軽減することが示されている18).心強いことに,COLCORONAでは細菌性肺炎のリスクが増加したという証拠はなかった.

COLCORONA試験において、肺塞栓症の報告症例数は,コルヒチン群の患者がプラセボ群の患者よりも多かった.この13人の肺塞栓症は,COVID-19による入院として主要複合エンドポイントの解析に含まれた.このような明らかな不均衡にもかかわらず,入院,機械式換気の使用,および死亡数は,コルヒチン群がプラセボ群よりも数値的に少なかった.さらに,これら13人の患者では,肺塞栓症が原因で機械式換気が必要になる,あるいは死亡することはなかった.一方,深部静脈血栓症や心筋梗塞など,報告されている他の血栓症や塞栓症のイベントでは不均衡は見られなかった.10,000人を超える冠動脈疾患患者を約2年間追跡調査した無作為化比較試験のシステマティックレビューおよびメタアナリシスでは,コルヒチン群とプラセボ群の間で肺塞栓症および深部静脈血栓症の発生率に統計的に有意な差は認められなかった25).また,GRECCO試験では,肺塞栓症の診断に用いられる血漿バイオマーカーであるDダイマー濃度が,コルヒチン群は,対照群と比較して有意に低下することが確認されている19).さらに,コルヒチンは,マウスモデルにおいて,大きな血栓負荷に伴うα-defensinの放出を低下させることや,臨床試験において,好中球と血小板の間の凝集を抑制することが示されている26)27)28)このように,コルヒチン療法と血栓塞栓症との因果関係を示唆するような潜在的な生物学的根拠は知られていないCOVID-19では肺塞栓症の発生率が高く,肺炎を伴う患者の最大25%に発生している29)COVID-19で死亡した患者の57%を超えて,剖検時に深部静脈血栓症または肺塞栓の証拠が示されている30)COLCORONA試験では,入院を必要とした患者における肺塞栓症の発生率は,コルヒチン群では101人のうち11人(10.9%),プラセボ群では128人のうち2人(1.6%)であった.証拠を総合すると,プラセボ群における肺塞栓症の発生率の低さは異常であることが示唆される.プラセボ群ではCOVID-19肺炎の浸潤がより一般的に認められ,また重症度も高かったため,症候性患者の肺塞栓症に対する臨床的な疑いが薄れたのかもしれない.

Limitation: この試験は,予定していた患者の75%が登録され,30日の追跡調査が完了した時点で中止された.それにもかかわらず,我々の結果は臨床的に説得力のあるものだと信じている.追跡調査機関は約30日と比較的短かった.持続するCOVID-19症状の進展や,コルヒチンによる長期治療の効果については調査していない.2つの小規模試験の結果では,1021日の治療が有効であることが示されているが19)20)30日未満の短い期間のコルヒチン治療の有益性も完全にはわかっていない.最後に,今回の結果は,COVID-19の診断が証明され,臨床的合併症のリスクがあり,治療開始時に入院していない患者を対象としている.主要エンドポイントイベントを1例予防するためのコルヒチンによる治療必要数は,PCRで証明されたCOVID-19患者では70例(95%CI 36-1842),糖尿病患者では29例(14-not defined),70歳以上の患者では31例(11-not defined),男性では39例(21-259),呼吸器疾患患者では52例(21-not defined),心血管疾患患者では25例(10-not defined)であった.

Conclusions

義務的な診断検査を受けていない患者を含む外来患者において,COVID-19関連の臨床イベントに対するコルヒチンの効果は,統計的に有意ではなかったPCRCOVID-19が確認された患者においては,コルヒチンはプラセボと比較して,死亡または入院の複合発生率を低下させた

 

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