COVID-19関連追加(2021531-2OxfordAstraZenecaワクチンについてその7ChAdOx1 nCov-19ワクチンにおける

プロセス関連不純物(process-related impurities)】

Krutzke L, et al. LETTER. Process-related impurities in the ChAdOx1 nCov-19 vaccine. Nature portfolio (preprint). Posted 04 May, 2021.

https://doi.org/10.21203/rs.3.rs-477964/v1.

Abstract

静脈洞血栓症は,ChAdOx1 nCov-19 ワクチンによる免疫に関連している.この重篤な有害事象に関する初期のトリガーは明らかになっていない.我々は,ChAdOx1 nCov-19ワクチンを生化学的およびプロテオミクス的手法で解析した.その結果,このワクチンには,アデノウイルスベクターに加えて,ヒトおよび非構造ウイルスタンパク質が相当量含まれていることがわかった.ヒトタンパク質の中では,ヒートショックタンパク質(heat-shock proteins細胞骨格タンパク質(cytoskeletal proteinsが特に多く含まれていたワクチン接種後12日目にしばしば見られる強い臨床反応は,検出されたタンパク質の不純物と関連している可能性が高い(likelyまた,その後の免疫関連有害事象との関連性も考えられる.今回,特定のクラスのタンパク質不純物が同定されたことから,ワクチンの純度を高め,その安全性と有効性を向上させるための努力が推進されるべきである.

 

 

Figure 1. HAdV-C5および3つのChAdOx1 nCoV-19ロットのタンパク質染色

3×109アデノウイルスベクター粒子を,変性および還元条件でポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)により分離した.タンパク質は銀染色で可視化した.既知のHAdV-C5タンパク質はFigureにおいてラベル付けされている.メーカーが製造したChAdOx1 nCoV-193つの異なるワクチンロット(ABV4678ABV5811ABV7764)を解析した. kDa:キロダルトン.

Figure 1

 

 

Figure 2: 3つのChAdOx1 nCov-19ロットにおけるタンパク質の分布

3つのChAdOx1 nCov-19 ロット(ABV4678, ABV5811, ABV7764)のタンパク質組成を,溶液中でのタンパク質消化後に質量分析で解析した.スペクトルデータは,検索エンジンを用いて、ヒトおよびウイルスのデータベースとアライメント(相同性検索)した.それぞれのorganismのタンパク質に関連する強度を合計した.

Figure 2

シグナルの強度比較から,ロットABV5811では,検出されたタンパク質の約2/3がヒト由来,約1/3がウイルス由来であると推定され,他の2つのロットでは,ヒトとウイルスのタンパク質がほぼ同量であった

 

 

Figure 3: ChAdOx1 nCov-19の上位20種のタンパク質の強度分布.ロットABV5811の溶液中でのタンパク質消化後のプロテオミクス解析で観察された,最も豊富なタンパク質の強度を示す.

Figure 3

ビリオンを形成するウイルスタンパク質(ヘクソン,ペントンベース,IIIa,ファイバー,VVIVIIVIIIIXなど)のほかに,成熟したウイルス粒子の一部ではないが,いくつかの非構造的なウイルスタンパク質が高頻度で検出された.human vector production cell lineからは,1000種類以上のヒトタンパク質ペプチドが検出された.また,少数の真の血小板タンパク質のみが検出され,それらは低い存在量であったことに注目したい.検出されたタンパク質は,細胞質,核,小胞体,ゴルジ装置など,さまざまな細胞区画に由来するものであった.銀染色したゲル(Figure 1)から推測されるように,ヒトとウイルスのタンパク質の相対量はロット間で多少異なっていた(Figure 2).