COVID-19関連追加(202169日)番外編(重症デング熱におけるADE

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2021526

【ヒトにおける重症デング熱の抗体依存性増強】

Katzelnick LC, et al. Antibody-dependent enhancement of severe dengue disease in humans. Science  17 Nov 2017: Vol. 358, Issue 6365, pp. 929-932

https://doi.org/10.1126/science.aan6836.

Abstract

デングウイルス1-4DENV1-4)では,特定の範囲の抗体価が,in vitroにおけるウイルス複製や動物モデルでの重症化を促進することが示されている.しかし,このような重症疾患の抗体依存性増強(ADE: antibody-dependent enhancementがヒトで起こることは,疑われるものの,示されていない.本研究では,ニカラグアの長期にわたる小児コホートを対象に,複数の統計的手法を用いて,重症デング熱リスクが,既往の抗DENV抗体価の”狭い範囲”内で最も高くなることを示した一方,抗体価が高い場合には,あらゆる症状を伴うデング熱から保護されることがわかったこのように,重症デング熱の免疫相関は,症候性疾患に対する防御の相関とは別に評価する必要がある.これらの結果は,デングの病因研究やワクチン開発にも影響を与えており,防御の欠如だけでなく,増強が懸念される.

Main

デングウイルス1-4DENV1-4)は,蚊が媒介するフラビウイルス(flavivirus)で,毎年5000万〜1億人のデング熱(DF: dengue fever)患者と約50万人の入院患者が発生している(1, 2).デング出血熱/デングショック症候群(DHF/DSS: dengue hemorrhagic fever/dengue shock syndrome)は,デング熱の中でも最も重篤な疾患で,血管漏出,出血性合併症,血小板減少,低血圧性ショックを特徴とし,臓器不全や死に至ることもある(3)DHF/DSSの最大の危険因子は,ヘテロタイプのDENV二次感染(一次感染とは異なるDENV型に感染)である(4, 5).年齢,感染-二次感染の間隔,抗体の特性(antibody characteristics),ウイルス因子(viral factors),宿主特異的遺伝(host-specific genetics)が要因となる(4-6)抗体依存性増強(ADE: antibody-dependent enhancement理論では,特定の濃度においてヘテロタイプの抗体(heterotypic antibodies)が結合するが,その後に感染するDENV型のウイルスを中和することはできないと考えられている.これらのウイルス-免疫複合体は,Fcγ受容体によって認識され,標的となる免疫細胞でのウイルスの侵入と複製を促進する.これにより,免疫カスケードが開始され,その結果,血管漏出や重症デング熱が引き起こされる(5, 7)In vitroおよび動物モデルでは,ピークの増強価(peak enhancement titer),すなわちDENV感染を最も効率的に促進する抗体の特定の濃度が観察されている一方,より高濃度の抗体はウイルスを効果的に中和するが,より低濃度の抗体は感染をあまり促進しない(8, 9)

しかし,重症デング熱の最大のリスクとなるピークの増強価を示すヒトでの決定的な証拠はない.最近行われた第3相臨床試験では,若年のデングワクチン接種者は,プラセボ対照者と比較して,接種後1年を超えて経過した時点でデング熱による入院リスクが上昇しており(10)DENV未感染者(DENV-naïve individuals)へのワクチン接種により中和能の乏しい抗DENV抗体(poorly neutralizing anti-DENV antibodies)が誘導され,確証なないものの,重症デング熱のリスクが上昇したのではないかと懸念されている(11).さらに,母体由来の抗体が中和レベルを下回って減衰する612ヶ月齢の乳児にDHF/DSS症例が予想外に多いことから(12-18)DHF/DSSのピークの増強価の概念と一致する.しかし,in vitroでのピークの増強価を乳児や年長児の疾患重症度と関連付ける試みは結論が出ていない(13, 15, 17-19)

MethodsResults

我々は,ニカラグアのマナグアで行われた大規模で特徴的な小児コホート研究において,既往の抗DENV結合抗体(DENV-Abs)とデング熱の疾患重症度との関係を直接調査した(20, 21)20048月〜20164月まで,2歳から14歳までの8002人の小児が登録され,6684人の小児が少なくとも1回のDENV-Ab価測定を行い,本研究に参加した(合計41,302サンプル)(Figure S1, Table S1DENV-Ab価は阻害酵素結合免疫吸着法(iELISA: inhibition enzyme-linked immunosorbent assay)で測定し,反復測定の幾何平均値として推定した(品質管理および再現性のデータはFigure S2S3(22)iELISAでは,血清希釈した抗体がDENV特異的ペルオキシダーゼ標識免疫グロブリンGDENV-specific peroxidase-conjugated immunoglobulin G)と競合して,DENV1-4抗原のバランスのとれた混合物に結合する(21)iELISAでは,エンベロープタンパク質のfusion loopprMタンパク質(Table S2)など,in vitroおよびin vivoADEを誘発する交差反応性エピトープに結合する抗体を測定する(8, 9, 23).比較のために,iELISA法の力価は赤血球凝集抑制法(HI: hemagglutination inhibition)の力価よりも2倍希釈で信頼性が高く(Pearson's correlation r= 80),DENV1-4に対する中和抗体の幾何平均抗体価と相関がある{Pearson's r= 0.80 [95%confidence interval (CI): 0.77-0.83]}Figure S4, S5, Table S3).コホートのプロトコルに従って,発熱した子供たちが研究対象の保健センターを訪れ,デング熱の症例定義に合致する者、あるいは分類できない熱性疾患を呈する者は,デング熱の分子および血清学的診断検査を受け,重症デング熱の警告サイン(warning signs)が現れた者は検査対象の病院に紹介された(検査対象のデング熱症例は合計618人)(Table S4(20).重症度は,1997年の世界保健機関(WHO)のDFDHF/DSSの基準を用いて分類した(Table S5(3)

我々ははじめに,性別,流行時期,年齢,および過去の感染回数を調整したCox比例ハザードモデル(25)を用いて,異なるレベルのDENV-Ab価(血清の4倍希釈で分類)を持つ者とDENV未感染者(DENV-naïve)を比較した.DENV-Ab価の範囲におけるDHF/DSSのハザード比推定値は、in vitroで得られた典型的(canonical)なADE曲線に類似していた(Figure 1, 2, Table S6(21)DHF/DSSのハザードは,DENV-Abを持たない(DENV-naïve)小児でも,高い(> 1:1280)小児でも同様であった.しかし,既存のDENV-Ab価が1:211:80の小児では,DHF/DSSのハザードが7.64[95%CI: 3.19-18.28]高かったFigure 1A.これらの効果は,年齢や過去の感染回数で調整しても(Figure S6),また,DENV-Ab価のbinning methodsあるいは個々のiELISAによる抗体価測定値のサンプリングを解析しても(Figure S7-S9),有意に残っていた.12年間の研究期間中,DENV-Ab抗体価が1:211:80の子供は,DHF/DSSの累積ハザードが11.4%であったこれは,DENVに感染したことがあるが、DENV-Ab価が低い(< 1:21)子供のDHF/DSS発症の累積ハザードが6.6%であったのに比べて,約2倍高い値である(Figure 1BDENV未感染者とDENV-ab価が高い(> 1:1280)子供では,累積ハザードはそれぞれ1.6%1.5%であり,抗体価が高くても,DENV-abを持たない場合に比べて,DHF/DSSに対する防御効果は高くないことがわかったPediatric Dengue Cohort Studyでは,DENV-Abの半減期は平均して4.00[95% CI: 3.81-4.20]であり,感染後3年までに推定22%の子供の抗体価が1:211:80であったTable S7).その後に重症デング熱になった子供(children with subsequent severe dengue cases)は,DENV-Ab価は低くなったが,急速に減衰しなかった(Table S8).

Figure 1: Longitudinal analyses of the hazard of severe dengue disease or any dengue case by preexisting DENV-Ab titer for the full pediatric dengue cohort.

Hazard ratios with 95% CIs (A, C, E, and G) and cumulative hazard for an average child (B, D, F, and H) with preexisting DENV-Ab titers binned by fourfold dilution. Cox proportional hazard models were adjusted for sex, epidemic season, age, and number of previous DENV infections. Average child = female, age 5 to 9, 2007–2008 epidemic season, and one previous DENV infection.

 

 

Figure 2: Continuous hazard ratio curves for severe dengue disease or any dengue case by preexisting DENV-Ab titer for the pediatric dengue cohort.

Cox proportional hazard models were fit without (A) or with (B) control for number of previous infections. Models were also adjusted for sex, epidemic season, and age.

 

2009年,WHOはデング患者の臨床管理を改善し,他の合併症を捉えるために,重症デングの分類ガイドラインを改訂した.2009年のガイドラインでは、DHF/DSSのカテゴリーを「警告サインを伴うデング(Dengue+Warning Signs」と「重症デング(Severe Dengue」に置き換えている(Table S5(2).我々は,Dengue+Warning Signs/Severe Dengueにもピークの増強抗体価あるかどうかを評価した.その結果,DENV-Ab価が1:211:80の子供で,最も高いハザード比1.75[95%CI: 1.11-2.74]を認めたFigure 1C, D, Table S9高い抗体価(1:3211:1280,および> 1:1280)の子供では,Dengue+Warning Signs/Severe Dengueのハザード比は,DENV未感染の子供よりも小さく,Dengue+Warning Signs/Severe Dengueに対する防御効果は,抗体価にも依存することが示された.我々はまた,デング熱による入院患者数のハザード比も推定した.同様に,DENV-Ab価が1:211:80で増強のピークが見られ,抗体価が高いほど防御効果が観察された(Figure 1E, F, Table S10; previous infections-only model, P< 0.05, Figure S6

したがって,観察された増強効果の大きさは,重症デング熱の定義が,DHF/DSSの古典的な病態生理学的分類にどれだけ特化しているかに関係していた(26, 27)症例の定義基準をさらに緩和し,あらゆるデング熱症例がある場合のハザードをモデル化したところ,増強効果のピークは観察されなかったDENV感染既往があり,DENV-Ab価が< 1:21または1:211:80の子供は,DENV未感染の子供と同等のデング熱のハザード比を示したFigure 1G, H, table S11しかし,DENV-Ab価が1:320を超えていると防御効果は明らかだった

DHF/DSSの連続したハザード比曲線は,DENV-Ab価が1:34の時に生じた5.95[95%CI: 1.86-19.06]のピークハザード比を中心に対称的に上下した(Figure 2A(28)DENV感染既往でコントロールしても,DENV-Ab価がこのピーク増強価を下回った子供は,ピークの増強価を持つ子供よりもDHF/DSSのハザードが低かった(Figure 2B, Figure S10WHO 2009年ガイドラインの「Dengue+Warning Signs/Severe Dengue」と入院に基づいてモデル化したハザード比曲線も,DHF/DSSクラスに比べて効果の大きさはより小さいものの,1:30でピークに達したここでも,DENV-Ab価が高いほど防御効果が見られた(Figure 2A, B

さらに,既存のDENV-Abレベルが増強効果のピークを説明するかどうかを検証するために,我々は重症の二次デング熱症例と,コホートから無作為に抽出したマッチさせた5人の対照群を比較した.対照群は,性別,年齢,DENV感染既往の有無で症例とマッチしていたが,症例の流行期にデング熱を経験していなかった.条件付ロジスティック回帰法を用いて,重症例の既存のDENV-Abと,> 1:320の抗体価を持つマッチさせた対照群の抗体価を比較した.ここでも,DENV-Ab価が1:211:80のときにピークの増強価が見られ,DENV-Ab価がより低いときとより高いときにはオッズ比の低下が見られたFigure 3A, Figure S11, S12そして,DHF/DSSクラスで最も強い増強効果が見られたFigure 3A-C; Figure 3D-Fにおける抗体価分布)一方,非重症二次症例をマッチさせた対照群と比較した場合,ピークの増強価は観察されなかったFigure 3A-C.また,感染前のDENV-Ab価に基づいて重症デング熱症例と非重症デング熱症例を,ロジスティック回帰を用いて既知の共変量を考慮して直接比較した場合にも,同様のピークの増強価が観察された(Figure 4, Table S12-S14).

 

 

Figure 3: Preexisting DENV-Ab titers in severe or nonsevere secondary dengue cases compared with matched controls drawn randomly from the pediatric dengue cohort.

(A to C) Five controls were matched to each case and were of the same sex and age, had evidence of prior DENV infection, provided a blood sample within 1 to 2 months of the case’s preinfection sample, but did not have a dengue case that year. Conditional logistic regression was used to compare preexisting DENV-Ab titers of severe cases and nonsevere cases each to matched controls, with titers >1:320 as reference. Odds ratios with 95% CIs are shown. (D to F) Distributions of preexisting DENV-Ab titers for severe and nonsevere secondary dengue cases and matched controls (one control for each case). Error bars show one SD, triangles show distribution medians, and brackets indicate significant differences in medians (severe and nonsevere cases compared with Wilcoxon rank sum test, black bracket).

 

 

Figure 4: Odds ratios for severe as compared with nonsevere dengue by preinfection DENV-Ab titer.

(A to C) Logistic regression models were adjusted for sex, epidemic season, infecting DENV type, age, and number of previous DENV infections. DENV-naïve children were used as the reference group. Odds ratios with 95% CIs are shown.

 

Discussion

このように,我々は,抗体価がヒトの重症デング熱の増強を予測することを立証した.この関連性は,DENV誘発性血管漏出という病態生理に基づいて定義されるDHF/DSSで最も強く見られる.対照的に,2009年のWHO基準は,トリアージや症例管理の改善を目的として,DHF/DSSよりも意図的に広く設定されており,血管漏出症候群以外のメカニズムで引き起こされる重症デング熱症例を包含している.

DHF/DSSと重症デング病のリスクの相関関係(DENV-Ab1:21-1:80)は,症候性デングに対する防御の相関関係(DENV-Ab> 1:320)とは異なる.今日まで,デングワクチンメーカーは,検出可能な中和抗体を誘導することのみを要求してきた.しかし,ワクチンによってデング熱が増強される可能性があるという最近の証拠(10)により,この前提が見直されている.ピークの増強抗体価,またはそれに近い抗体価を誘導するワクチンは,ワクチン接種者を,ワクチンを接種しなかった場合よりも重症デングリスクを高める可能性がある(11).さらに,重症デングの免疫相関は,ワクチン試験や自然感染の研究において,あらゆるデング熱に対する防御の相関とは別に推定する必要がある.

我々は,中和試験(29, 30)よりも簡便なiELISA法が,重症化リスクの上昇や症候性疾患に対する防御を検出するツールであり,生物学的に予測可能な血清反応を測定するための有望な代替法であることを示した.さらに,iELISA法は,in vitroおよびin vivoADEに関与する交差反応性エピトープを標的とする抗体を測定する(8, 9, 23)iELISA法では,増強と防御のメカニズム的な相関関係を直接測定することもできるし,原因となる基礎的な免疫決定要素に間接的に関連する抗体を測定することもできる(31).保護および増強のメカニズムを明らかにし,安全で防御的なデングワクチンを開発するための重要な次のステップとして,防御抗体と増強抗体を区別する血清検査法の開発; 感染するDENV型の配列が疾患をどのように修飾するかの決定; およびDENV感染と疾患に対する細胞性免疫,自然免疫,液性免疫の統合的評価が挙げられる(32, 33)

Conclusions

我々は,ヒトにおけるデング熱の増強を検証し,既存の抗DENV抗体レベルが,ヒトにおけるデング熱の二次感染の重症度に直接関連することを示した.また,重症デング熱の免疫相関は,防御の免疫相関とは異なることを示している.これらの結果は,今後のデング熱およびジカ熱ワクチンの臨床試験の設計と評価や,重症デング熱および重症ジカ熱に関連するADEのメカニズムの研究にとって重要である.

 

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30) D. Buddhari, J. Aldstadt, T. P. Endy, A. Srikiatkhachorn, B. Thaisomboonsuk, C. Klungthong, A. Nisalak, B. Khuntirat, R. G. Jarman, S. Fernandez, S. J. Thomas, T. W. Scott, A. L. Rothman, I. K. Yoon, Dengue virus neutralizing antibody levels associated with protection from infection in thai cluster studies. PLOS Negl. Trop. Dis. 8, e3230 (2014). doi:10.1371/journal.pntd.0003230pmid:25329173

31) S. A. Plotkin, P. B. Gilbert, Nomenclature for immune correlates of protection after vaccination. Clin. Infect. Dis. 54, 1615–1617 (2012).

doi:10.1093/cid/cis238pmid:22437237

32) E. Simon-Lorière, V. Duong, A. Tawfik, S. Ung, S. Ly, I. Casadémont, M. Prot, N. Courtejoie, K. Bleakley, P. Buchy, A. Tarantola, P. Dussart, T. Cantaert, A. Sakuntabhai, Increased adaptive immune responses and proper feedback regulation protect against clinical dengue. Sci. Transl. Med. 9, eaal5088 (2017).

doi:10.1126/scitranslmed.aal5088pmid:28855396

33) L. C. Katzelnick, E. Harris, ; Participants in the Summit on Dengue Immune Correlates of Protection, Immune correlates of protection for dengue: State of the art and research agenda. Vaccine 35, 4659–4669 (2017).

doi:10.1016/j.vaccine.2017.07.045pmid:28757058

Supplementary Materials

 

 

 

 

 

 

 

COVID-19関連追加(202169日)

番外編(重症デング疾患におけるADE)614日追記しました

【フロリダにおける重症デング熱症例】

Sharp TM, et al. Fatal Dengue Acquired in Florida. Jun 10, 2021. N Engl J Med 2021; 384: 2257-2259.

https://doi.org/10.1056/NEJMc2023298.

熱帯地方において一般的な,蚊が媒介するウイルス性急性熱性疾患であるデング熱の世界的な負担は,悪化の一途をたどっている1)2).約5%の患者は,血漿漏出(plasma leakage),ショック,出血などの重症デング熱に進行するが,急性胆嚢炎(acute cholecystitis)を呈することもある1)3)

2019年には,重症デング熱14例(3.4%)を含む合計413例のデング熱がフロリダ州に輸入されたと考えられ,その結果,マイアミ地域を中心に18例の市中感染例が発生した(Figs. S1 and S2 in the Supplementary Appendix).旅行関連症例のほとんどは、最近キューバに旅行したことを報告しており、デングウイルス(DENV)血清型 2serotype 2)(DENV-2)に感染していた.

20198月,マイアミに住む30代女性が,7日間にわたる発熱,側腹部痛,低血圧を呈した(Figure 1).彼女は5週間前にホンジュラスから帰国したと報告した.画像診断では急性胆嚢炎が確認され(Figure S3),腹腔鏡下胆嚢摘出術が行われた.出血と多臓器不全が進行し,患者は死亡した.入院4日目,10日目,25日目に採取された検体の血清検査では,抗DENV IgM酵素結合免疫吸着法(ELISA)によりセロコンバージョンが認められた同じ検体を用いた死後の分子学的検査では,DENV-2が検出されたが,ウイルスRNAレベルは時間とともに減少していた(Figure S4.系統解析の結果,最近キューバから帰国した旅行者から検出されたウイルスと最も近い関係にあることが判明し(Figure S5),キューバから輸入された後にマイアミ地域で循環して感染したことが強く示唆された.

 

 

Figure 1: Timeline and Laboratory Values for a Patient with Dengue and Acute Cholecystitis, Florida, 2019.

https://www.nejm.org/na101/home/literatum/publisher/mms/journals/content/nejm/2021/nejm_2021.384.issue-23/nejmc2023298/20210607/images/img_xlarge/nejmc2023298_f1.jpeg

 

デング熱が熱帯地域以外にも拡大し続ける中で,米国におけるDENVの輸入や現地での感染伝播がより頻繁に起こることが予想される2).その証拠に,2019年の間にフロリダ州で検出されたデング熱患者のほとんどはキューバから輸入されたものであり,今回報告された市中感染例には初めての死亡例が含まれていた.同様に,帰国した旅行者からジカウイルス(DENVと同じ種の蚊によって媒介される)が検出されたことで,2017年の間にキューバで報告されていないアウトブレイクが確認された4)

この患者の病状をタイムリーに診断するには,米国ではまだFDAが許可していない,デング熱の迅速診断テストがないことが問題となった.もし迅速な検査が行われていれば、手術は避けられたかもしれない3)発症から10日を超えて経過した後にDENV RNAが検出されたのは,血液がんや幹細胞移植を受けた患者に限られることが知られており,3週間間隔で採取された血清サンプルからDENV RNAが検出されたのは予想外であった; しかし,胆嚢摘出術後に死亡した別のデング熱患者では,発症から11日後でもウイルスRNAが検出された5)

綿密な臨床モニタリングや点滴の管理など患者ケアを適切に管理することで,デング熱による症例死亡率を低下させることができる1).この感染症についての知識は,臨床治療を変える可能性があるため,臨床医は,急性熱性疾患と関連する疫学的曝露を有する患者に対して,デング熱を疑い,分子学的検査を指示すべきである.

 

References

1) Wilder-Smith A, Ooi EE, Horstick O, Wills B. Dengue. Lancet 2019;393:350-363.

2) Messina JP, Brady OJ, Golding N, et al. The current and future global distribution and population at risk of dengue. Nat Microbiol 2019;4:1508-1515.

3) Bhatty S, Shaikh NA, Fatima M, Sumbhuani AK. Acute acalculous cholecystitis in dengue fever. J Pak Med Assoc 2009;59:519-521.

4) Grubaugh ND, Saraf S, Gangavarapu K, et al. Travel surveillance and genomics uncover a hidden Zika outbreak during the waning epidemic. Cell 2019;178(5):1057-1071.e11.

5) Schmidt-Chanasit J, Tenner-Racz K, Poppert D, et al. Fatal dengue hemorrhagic fever imported into Germany. Infection 2012;40:441-443.