COVID-19関連追加(2021618日)MIS-Cの治療について

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202071

2020108日(MIS-A

202164日(MIS-A

Editorialと相反する結果の2編(NEJMより3編).

MIS-Cの免疫療法−IVIG,グルココルチコイド,生物学的製剤】

DeBiasi RL. Immunotherapy for MIS-C — IVIG, Glucocorticoids, and Biologics.

N Engl J Med. June 16, 2021. https://doi.org/10.1056/NEJMe2108276.

20204月にCovid-19の新規かつ重篤な症状としてMultisystem inflammatory disease in childrenMIS-C)が突如出現して以来,米国では約4000例のMIS-C35例の死亡が報告され,国際的にも多くの症例が報告されている1)-4).この疾患の同定、診断、治療のための急な学習曲線(steep learning curve)は,罹患した子供たちの治療という課題に直面した小児科センターの多岐にわたる専門家たちがグローバルに迅速なコミュニケーションをとることで効果を発揮してきた.そのお陰で,診断基準や,疾患進行を抑えるために迅速な免疫調整の必要性について,専門家の間でコンセンサスが得られた.しかし,無作為化比較臨床試験が行われておらず,各施設は速やかにコホートを確立して治療を行わなければならなかったため,特定の免疫調節療法に関するコンセンサスは得られていない.治療法には,静脈内免疫グロブリン(IVIG),グルココルチコイド,生物学的製剤などがあり,施設によってさまざまな組み合わせが行われている5)-9)

今回2つのグループが,大規模な観察試験の初期の結果をこの医学誌に報告した: この結果は,IVIG,グルココルチコイド,またはその両方を用いた免疫調整の有効性に関して,表面的には相反する所見があるように見える.Overcoming Covid consortium10)(米国の58の病院の研究者で構成され,20203月〜10月における518人の患者を報告)は,IVIGとグルココルチコイドを併用した初期MIS-C治療は,IVIG単独治療に比べて心血管機能障害リスクが低く,昇圧薬や補助療法の導入と関連すると判断した.一方,国際的なBest Available Treatment StudyBATSconsortium11)32ヶ国の研究者で構成され,20206月〜20212月における614人の患者を報告)では,IVIG単独,IVIG+グルココルチコイド,グルココルチコイド単独の3つの治療法のいずれについても,人工呼吸,強心薬の投与,死亡というエンドポイント,あるいは臨床的重症度の順序尺度の改善に関するオッズ比に,統計的に有意差は認められなかったIVIG+グルココルチコイド併用療法を受けた患者では,免疫調整療法の拡大リスク(the risk of escalation of immunomodulatory treatment)がIVIG単独療法を受けた患者よりも有意に低く,この結果は米国での研究結果と一致していたしかし,この効果はIVIG単独療法とグルココルチコイド単独療法の比較では認められなかった副次アウトカムである臓器障害や炎症が軽減されるまでの時間に対する効果は,3つの治療法でほぼ同様であったこのように,明らかに異なる結果が出た理由は何だろうか?そして,MIS-Cで重症の子供を治療する臨床家にとって,どのような意味があるのだろうか?

第一に,consortiumは異なる患者集団を対象としている.Overcoming Covid consortiumでは米国の患者のみを対象としていたのに対し,BATS consortiumでは少なくとも米国の大規模施設を含む海外の病院を対象としていたMIS-C患者における免疫応答異常に関連する可能性のある遺伝的背景の違いが,免疫調節の特定のタイプに対する反応の違いにつながった可能性がある.

第二に,これらの研究において,研究者がサーベイランスデータを評価した期間は,2つの重要な点で異なっていた米国の研究では,Covid-19パンデミック初期の小規模な波の中で入院した患者のみを対象としており,変異株が大規模に循環する前のものであったBATSの研究者は,多くの国でCovid-19変異株が出現した前後の症例を検討し,Covid-19循環の第1波,第2波,大規模の第3波の間に発症した患者のデータを解析していたMIS-Cにおける調節不能な高免疫応答は,初感染時の株,異なるまたは不一致の変異株への再曝露,あるいはコミュニティ内でのウイルス循環の長期にわたる反復曝露によって,変化する可能性がある.

第三に,大規模なconsortium試験は,希少疾患に対する治療法の効果を評価するための統計的な力を向上させ,より広く一般化できる可能性があるが,標準化された治療法を用いた単一施設での十分に特徴づけられた大規模な前向きコホートに取って代わることはできない12).この2つの試験では,傾向スコア調整などの統計的手法を用いて,治療に影響を及ぼす可能性のある交絡因子や,複数施設での治療のばらつきをコントロールしているが,こうしたモデリング手法では,こうしたばらつきを完全に補うことはできない.特に重要なのは,免疫調節治療を開始するための基準であり,これが有効性の解釈に不可避な違いをもたらす可能性がある

第四に,MIS-C患者において,免疫調節療法を迅速かつ決定的に導入することが救命につながることがますます明らかになっているが,これらの研究のいずれも,最も効果的な単独療法または併用療法についての疑問に明確に答えていない.具体的には,どちらの研究も,グルココルチコイドによる広範な免疫抑制を避け,anakinrainfliximabなどの生物学的製剤を用いた,より標的を絞った滴定可能な治療(titratable treatments)に焦点を当てたアプローチを評価するためのパワーがなかった.この点について,臨床家は,データがないことを有効性がないと解釈するという落とし穴を避けなければならない.生物学的製剤とグルココルチコイド(IVIGを含む,または含まない)を比較したレジメンの安全性と有効性を評価する無作為化比較試験はまだ行われていない.

最後に,これらの研究者グループのいずれも,治療法が長期的な転帰に及ぼす影響,特に冠動脈異常の進行または消失,長期または恒久的な心機能障害,瘢痕形成に対する有効性の比較をまだ評価していないことを理解しておく必要がある.肺の問題,精神衛生,神経発達,そして生活の質に関わる後遺症など、これらの結果やその他の心臓以外のアウトカムに対する体系的かつ包括的な長期追跡調査は,小児集団において非常に必要とされており,まもなく開始されるだろう.一方で,特にCovid-19が国際的に循環し続けている中で,死亡や合併症の短期的な発生率を低下させるためには,センター間の継続的な協力が不可欠であり,また,より若い年齢層でのワクチン接種の効果を評価する必要がある.

 

References

1) Feldstein LR, Rose EB, Horwitz SM, et al. Multisystem inflammatory syndrome in U.S. children and adolescents. N Engl J Med 2020;383:334-346.

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3) Feldstein LR, Tenforde MW, Friedman KG, et al. Characteristics and outcomes of US children and adolescents with multisystem inflammatory syndrome in children (MIS-C) compared with severe acute COVID-19. JAMA 2021;325:1074-1087.

4) Abrams JY, Oster ME, Godfred-Cato SE, et al. Factors linked to severe outcomes in multisystem inflammatory syndrome in children (MIS-C) in the USA: a retrospective surveillance study. Lancet Child Adolesc Health 2021;5:323-331.

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8) Henderson LA, Canna SW, Friedman KG, et al. American College of Rheumatology clinical guidance for multisystem inflammatory syndrome in children associated with SARS-CoV-2 and hyperinflammation in pediatric COVID-19: version 2. Arthritis Rheumatol 2021;73(4):e13-e29.

9) Ouldali N, Toubiana J, Antona D, et al. Association of intravenous immunoglobulins plus methylprednisolone vs immunoglobulins alone with course of fever in multisystem inflammatory syndrome in children. JAMA 2021;325:855-864.

10) Son MBF, Murray N, Friedman K, et al. Multisystem inflammatory syndrome in children — initial therapy and outcomes. N Engl J Med. DOI: 10.1056/NEJMoa2102605.

11) McArdle AJ, Vito O, Patel H, et al. Treatment of multisystem inflammatory syndrome in children. N Engl J Med. DOI: 10.1056/NEJMoa2102968.

12) DeBiasi RL, Harahsheh AS, Srinivasalu H, et al. Multisystem inflammatory syndrome of children: sub-phenotypes, risk factors, biomarkers, cytokine profiles and viral sequencing. J Pediatr (in press).

 

 

 

 

 

 

 

【小児の多系統炎症症候群(MIS-C)−初期治療とアウトカム】

Son MBF, et al. for the Overcoming COVID-19 Investigators. Multisystem Inflammatory Syndrome in Children — Initial Therapy and Outcomes. N Engl J Med. June 16, 2021. https://doi.org/10.1056/NEJMoa2102605.

Abstract

BACKGROUND

小児の多系統炎症症候群(MIS-C)に対する免疫調整治療のリアルワールドにおける有効性を評価することで,治療の指針となる可能性がある.

METHODS

2020315日〜1031日の間に,MIS-Cを発症し,米国の58の病院のうち1つに入院した21歳未満の入院患者のサーベイランスデータを解析した.IVIGとグルココルチコイド併用による初回免疫調整療法(0日目[day 0], MIS-Cに対するこのような治療が行われた最初の日を示す)の有効性を,IVIG単独と比較して,ベースラインのMIS-C重症度と人口統計特性を調整した上で,propensity-score matching and inverse probability weightingを用いて評価した.主要アウトカムは,2日目以降の心血管機能障害(昇圧剤の使用を必要とする左心室機能障害またはショックの複合)とした.副次アウトカムは,主要アウトカムの構成要素1日目以降の補助的治療(adjunctive treatment)(0日目にグルココルチコイドを投与されていない患者におけるグルココルチコイド,生物学的製剤,またはIVIG2回目の投与)の実施2日目以降の発熱の持続または再燃を含んだ.

RESULTS

合計518人のMIS-C患者(年齢中央値,8.7歳)が少なくとも1つの免疫調整療法を受けた; 75%が従来健康であり,そして9人が死亡した.propensity-scorematched analysisでは,IVIGとグルココルチコイドを併用した初期治療(103人)は,IVIG単独治療(103人)に比べて,2 日目以降の心血管機能障害のリスクが低かった(17% vs 31%; リスク比 0.56; 95%CI, 0.34-0.94IVIGとグルココルチコイド併用療法を受けた患者では,複合アウトカムの構成要素のリスクも低下した: 左心室機能障害はそれぞれ8%17%に発生し(リスク比 0.46; 95%CI, 0.19-1.15,そして昇圧剤の使用を伴うショックはそれぞれ13%24%に発生した(リスク比 0.54; 95%CI, 0.29-1.00IVIGとグルココルチコイド併用療法を受けた患者は,IVIG単独療法を受けた患者に比べて,補助的治療の使用率が低かったが(34% vs 70%; リスク比 0.49; 95%CI, 0.36-0.65,発熱のリスクには影響がなかった(それぞれ31%40%; リスク比 0.78; 95%CI, 0.53-1.13inverse-probability-weighted analysisでは,propensity-scorematched analysisの結果が確認された.

Figure 1: Patients with MIS-C Treated with Immunomodulatory Therapies in the Overcoming COVID-19 Surveillance Registry.

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Table 1: Patient Characteristics and Clinical Outcomes According to Immunomodulatory Treatments Received at Any Time during Hospitalization.

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Figure 2: Immunomodulatory Treatments Received during Hospitalization and Indicators of Clinical Severity.

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Table 2: Characteristics of 349 Patients Who Received Initial Treatment with IVIG plus Glucocorticoids or IVIG alone, before and after Propensity-Score Matching.

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Figure 3: Associations between Initial Treatment with IVIG plus Glucocorticoids, or with IVIG Alone, and Clinical Outcomes.

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CONCLUSIONS

MIS-Cを発症した小児および青年において,IVIGとグルココルチコイドを併用した初期治療は,IVIG単独治療よりも新規または持続的な心血管機能障害リスクが低かったFunded by the Centers for Disease Control and Prevention

 

 

 

 

 

 

 

【小児の多系統炎症症候群(MIS-C)の治療】

McArdle AJ, et al. for the BATS Consortium. Treatment of Multisystem Inflammatory Syndrome in Children. N Engl J Med. June 16, 2021.

https://doi.org/10.1056/NEJMoa2102968.

Abstract

BACKGROUND

SARS-CoV-2に関連したMIS-C小児に対する治療方針を決定するためのエビデンスが早急に必要である.

METHODS

MIS-Cが疑われる症例について,臨床医がウェブ上のデータベースにアップロードした臨床およびアウトカムデータを用いて,国際的な観察コホート研究を行った.我々は,inverse-probability weighting and generalized linear modelsを用いて,IVIGを基準として,IVIGとグルココルチコイド併用およびグルココルチコイド単独を比較した.

3つの主要治療群は,比較対象とするのに十分な規模であった.IVIG単独療法は,川崎病の治療として認められており,MIS-Cの治療にも広く採用されていることから,基準となる治療法として選択した.したがって,IVIGとグルココルチコイド併用と,グルココルチコイド単独を比較した.

3つの治療のそれぞれの最初の暦日を0日目(day 0)とし,その後の治療はこの開始日を基準にして定義した.一次治療と同じ暦日に追加で投与された免疫調整剤は共一次治療(coprimary treatments)と定義し、それ以降の日に投与された免疫調整剤は二次治療とした.

主要アウトカムは,2日目以降の強心薬サポート,人工呼吸,あるいは死亡の複合; 2日目までの疾患重症度の順序尺度の低下,であった.副次アウトカムは,治療の拡大(treatment escalation),臓器不全と炎症が軽減するまでの時間であった.

RESULTS

20206月〜20212月までの間に,32ヶ国の小児614人の治療経過に関するデータが得られた; 490人がWHOMIS-C基準を満たしていた.MIS-Cが疑われた小児614人のうち,246人がIVIG単独,208人がIVIGとグルココルチコイド併用、99人がグルココルチコイド単独の一次治療を受けた; 22人が生物学的製剤を含む他の治療を併用し,そして39人が免疫調節療法(immunomodulatory therapy)を受けなかった.強心剤や人工呼吸器サポート,あるいは死亡は,IVIG とグルココルチコイド併用療法を受けた56人(IVIG 単独との比較における調整オッズ比 0.77; 95%CI, 0.33-1.82)と,グルココルチコイド単独療法を受けた17人(調整オッズ比 0.54; 95% CI, 0.22-1.33)に認められた疾患重症度の低下に関する調整済みオッズ比は,IVIG単独と比較して,2つのグループで同程度であった(IVIGとグルココルチコイド併用で0.90, グルココルチコイド単独で0.93疾患重症度が低下するまでの期間は,3つのグループで同様だった

Figure 1: Study Enrollment and Treatments after Hospital Admission.

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Table 1: Demographic and Clinical Characteristics of the Patients on Admission.

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Figure 2: Forest Plots for Primary, Secondary, and Subgroup Analyses.

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SECONDARY OUTCOMES:

免疫調整治療の増量・拡大(escalation)は,IVIGとグルココルチコイド併用療法を受けた患者では,IVIG単独療法を受けた患者よりも少なかった(オッズ比, 0.18; 95%CI, 0.10-0.33).グルココルチコイド単独療法を受けた患者とIVIG単独療法を受けた患者において,比較は決定的ではなかった(オッズ比, 1.31; 95%CI, 0.64-2.68)(Table S5; Table S1には,グループごとの治療拡大に関する追加の詳細が記されている).2日目までに他の治療に拡大した患者と初期治療を継続した患者の間では,血液マーカー,強心剤サポート,人工呼吸において,明確な群間差は見られなかった(Figure S5, S6B).

左心室機能障害は,2日目から心エコー検査を受けた538人のうち12%に報告され,治療群間で大きな差はなかった.治療開始後2日目以降の直近の心エコーで冠動脈瘤が認められたのは,データが得られた326人の患者の6%であった.検出された冠動脈瘤の数が少なかったため,治療群間の統計的な比較はできなかったが,データが得られた患者では,冠動脈瘤の発生率は,一次治療の一環としてIVIGを投与された患者よりも,IVIGを投与されなかった患者で高いことはなかった(Table S6).死亡が報告されたのは,IVIG 単独療法を受けた238人のうち3例(1%),IVIG とグルココルチコイド併用療法を受けた192人のうち5人(3%),グルココルチコイド単独療法を受けた91人のうち4例(4%)であった; 死亡に関する状況が報告されなかった患者は32人であった(Table S5).

疾患重症度が改善するまでの時間を順序尺度で解析したところ,IVIG単独との比較の平均ハザード比は,IVIGとグルココルチコイド併用で0.8995%CI, 0.67-1.19),グルココルチコイド単独で1.0395%CI, 0.72-1.46)であった(Figure S9, Table S5C).

グルココルチコイド+αを投与した411人のうち16人(4%)と,IVIG+αを投与した408例中9例(2%)で薬剤性合併症が臨床医から報告された.グルココルチコイド関連合併症は,主に高血圧と高血糖であった(Table S7).

EFFECT OF IMMUNOMODULATION ON BLOOD MARKERS:

CRP,トロポニン,フェリチンレベルの変化は,3つのグループで同様の時間的減少を示した(Figure 3B).減少率には若干のばらつきがあり,3日目までに治療法を変更しなかった患者で最も顕著であったが(Figure 3C),CRPレベルは,免疫調整剤を投与された患者の方が,投与されなかった患者よりも急速に低下した(Figure 3A).

本研究において我々は,川崎病の小児が含まれていることが治療効果に影響しているかどうかを調べるため,川崎病と診断された可能性のある小児とそうでない小児に分けて,血液マーカーの変化を調べた.川崎病は一般的に6歳未満の小児に多く見られ,MIS-Cは一般的により年長児に報告されていることから,AHAの川崎病基準を満たした患者と,6歳未満の全患者(川崎病様の疾患と言える)を,残りのMIS-C患者と比較した.IVIG単独投与を受けた小児では,smoothed curvesでは,AHAの川崎病基準を満たした6歳未満の小児のCRPレベルの低下率は,残りの小児の低下率と同様であった.しかし,グルココルチコイドとIVIGを併用した群とIVIGを併用しなかった群では,AHAの川崎病の基準を満たしていない,または6歳を超える小児の方が,CRPレベルの低下が早かった(Figure S10).

Figure 3: Changes in Levels of C-Reactive Protein, Troponin, and Ferritin, According to Type of Treatment and Timing.

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CONCLUSIONS

データが増えるにつれて有意な違いが出てくる可能性はあるが,我々は,IVIG単独,IVIGとグルココルチコイド併用,グルココルチコイド単独のいずれの一次治療を行っても,MIS-Cからの回復に違いがあるという証拠は見つけることが出来なかったFunded by the European Unions Horizon 2020 Program and others; BATS ISRCTN number, ISRCTN69546370