COVID-19関連追加(2021714日)抗体カクテル療法について

Covid-19外来患者におけるREGN-COV2,中和抗体カクテル】

Weinreich DM, et al. REGN-COV2, a Neutralizing Antibody Cocktail, in Outpatients with Covid-19. N Engl J Med. Jan 21, 2021.

https://doi.org/10.1056/NEJMoa2035002.

Introduction

現在進行中の試験では,2種類のSARS-CoV-2中和抗体を含む抗体カクテルであるREGN-COV2を,Covid-19非入院患者を対象に検討している.我々の中心的な仮説は、Covid-19による合併症や死亡はSARS-CoV-2ウイルス負荷(viral burden)に起因するものであり,この負荷を軽減することが臨床上の利益につながるというものである.REGN-COV2は,SARS-CoV-2スパイクタンパクの受容体結合ドメイン(RBD)を標的とし,アンジオテンシン変換酵素2ACE2)受容体を介したヒト細胞へのウイルス侵入を阻止する、2つの非競合中和ヒトIgG1抗体からなるカクテルである15)16).過去にRSウイルスを標的とした単一抗体(single antibody)であるsuptavumabを使用した際に,治療抵抗性の変異ウイルスが出現した経験があるため,我々は積極的に”カクテル”アプローチを採用した17).前臨床試験では,REGN-COV2のカクテルが,単一抗体で見られたこのような変異の急速な出現を防ぐことが確認された15).非ヒト霊長類を用いたin vivo試験では,REGN-COV2が予防的に投与された場合にはウイルス量を減少させ,治療的に投与された場合にはウイルスクリアランスを改善するという,優れた抗ウイルス活性が示されている18)

さらに外来患者では,患者自身の液性免疫応答がさまざまな段階で進行しており,免疫応答がまだ始まっていない患者に外因性の抗体(exogenously provided antibodies)を投与することが最も効果的であるという仮説を立てた.そこで,すべての患者を対象に,SARS-CoV-2に対する既存の抗体の有無を調べ,試験開始時に血清抗体陽性または血清抗体陰性に分類した.

ここで我々は,SARS-CoV-2感染が確認された外来患者を対象とした現在進行中の第1-3相試験のうち,症状のある患者275人を対象とした初期解析の結果を報告する.

Methods

TRIAL DESIGN:

我々は,有症候性Covid-19非入院患者を対象に,operationally seamless(継続的な登録),多施設共同,無作為化,二重盲検,プラセボ対照の第1-3相臨床試験を実施している.今回の中間解析は,第1-2相試験に登録された最初の275人の患者を対象としており,REGN-COV2の安全性と有効性を評価するとともに,外来患者におけるCovid-19の自然史を理解し,その後の解析におけるエンドポイントを精査するために実施された.本試験は,本報告書に記載された最初の275人の患者を超えて募集を継続しており,事前規定した主要および副次エンドポイントの結果は,試験終了時に報告される予定である.なお,本中間解析のデータカットオフは202094日であった.

ここで報告されている試験の第1-2相では,すべての患者が,プラセボ,REGN-COV22.4g(低用量),REGN-COV28.0g(高用量)のいずれかに無作為に割り付けられた(Figure S1).REGN-COV2を構成する2つの抗体,casirivimabREGN10933imdevimabREGN10987は,カクテルにおいてそれぞれ同量である.

試験の第1相では,薬物動態解析が追加されたが,その他は第2相と同様であった.今回の解析対象となった患者は,両フェーズからプールされたものである.

INTERVENTION AND ASSESSMENTS:

ベースライン(1日目)に,REGN-COV2(高用量または低用量)または生理食塩水プラセボを,通常の生理食塩水250ml1時間かけて静脈内投与した.評価のスケジュールはプロトコールに記載されており,プロトコール改訂の概要も記載されている.定量的ウイルス解析,SARS-CoV-2血清抗体検査,および血清中のREGN-COV22つの成分の測定については,Supplementary Appendixに記載されている.

 

Covid-19非入院患者を対象とした現在進行中の二重盲検第13相試験では,SARS-CoV-2スパイクタンパクに対する2種類の完全ヒト型中和モノクローナル抗体を検討し,治療抵抗性変異ウイルスの出現リスクを低減するための複合カクテル(REGN-COV2)を使用した.患者は,プラセボ,REGN-COV2 2.4gREGN-COV2 8.0g1:1:1)のいずれかに無作為に割り付けられ,ベースライン時にSARS-CoV-2に対する内因性免疫反応の特徴を調べられた(血清抗体陽性または血清抗体陰性)主要エンドポイントは,ベースライン(1日目)から7日目までのウイルス量の時間加重平均変化量と,29日目までにCovid-19に関連する医療機関への受診が少なくとも1回以上あった患者の割合であった.安全性は,すべての患者で評価された.

Results

BASELINE CHARACTERISTICS:

2020616日〜2020813日の間に無作為化を受けた275人の患者のうち,合計269人がREGN-COV2またはプラセボを投与された.275人の患者のうち,90人が高用量のREGN-COV2を投与され,92人が低用量のREGN-COV2を投与され,93人がプラセボを投与された(Figure 1).

Figure 1: Screening, Randomization, and Treatment.

One patient underwent randomization in error, and Regeneron requested that the patient withdraw from the trial. Four patients in the low-dose REGN-COV2 group withdrew consent: one patient could not participate in the follow-up period, one patient could not have blood drawn and an intravenous line placed, and two patients withdrew consent with no additional information available. Three patients in the high-dose REGN-COV2 group withdrew consent: one patient could not participate in the follow-up period, one patient could not have blood drawn and an intravenous line placed, and one withdrew consent with no additional information available.

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試験に参加した患者の年齢中央値は44.0歳,男性が49%,黒人またはアフリカ系アメリカ人が13%,ヒスパニック系またはラテン系が56%であった(Table 1).無作為化前に報告されたCovid-19関連症状の日数の中央値は3.0だった

Table 1: Demographic and Baseline Medical Characteristics.

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無作為化の時点で,275人のうち30人(11%)が定性RT-PCRによりSARS-CoV-2が陰性と判定され,275人のうち17人(6%)がSARS-CoV-2陽性であったがベースラインのウイルス量データを持っていなかった; それゆえ,無作為化を受けた275人のうち228人(83%)が修正完全解析セット(すなわち,ベースライン時にRT-PCRによりSARS-CoV-2陽性が確認された患者)を構成した.ベースライン時に血清抗体陽性だった患者は123人(45%),血清抗体陰性だった患者は113人(41%),抗体状態が不明だった患者は39人(14%)だった.血清抗体の状態に応じたベースラインの特徴をTable S1に示す.

NATURAL HISTORY:

REGN-COV2の治療効果は,内因性免疫応答とそれがウイルス量や疾患経過に及ぼす影響を理解した上でのみ,適切に解釈することができる.そのため,本試験では,事前規定したエンドポイントに加えて,Covid-19の自然史を調べることに,主要な焦点を置いた.

ベースラインのウイルス量の中央値と平均値は,血清抗体陰性患者ではそれぞれ7.18 log10copies/milliliter6.60 log10copies/milliliterであり,血清抗体陽性患者ではそれぞれ3.49 log10copies/milliliter3.30 log10copies/milliliterであった(Figure S2).また,血清抗体陰性患者のベースラインウイルス量のraw中央値は,血清抗体陽性患者よりも高かった(1.5×107 copies/milliliter vs 3.1×103 copies/milliliter).後ろ向き解析では,中和抗体の存在と中和抗体価もウイルス量と関連しており,中和活性を持たない血清抗体陽性患者のウイルス量は,血清抗体陰性患者と同様の範囲であった(Supplementary Study Results section in the Supplementary Appendix).また,Covid-19症状の悪化により医療機関を受診したプラセボ群の患者6人のうち,血清抗体陽性群は1人のみ(47人のうちわずか1[2%])であったが,血清抗体陰性群は5人(33人のうち5[15%])であった(Table 2).これらの指標から,血清抗体陽性群の患者は,血清抗体陰性群の患者に比べて,ウイルス量が大幅に少なく,医療機関への受診の可能性も低かった

 

 

Table 2: Key Virologic and Clinical End Points.

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VIROLOGIC EFFICACY:

事前規定した主要なウイルス学的エンドポイントは,ベースライン時に血清抗体陰性であった修正完全解析セットの患者における,7日目までのウイルス量のベースラインからの時間加重平均変化量(log10スケール)であった.このグループにおけるプラセボとの最小二乗平均差は,低用量REGN-COV2群で−0.52 log10copies/milliliter95%CI,

 1.04-0.00),高用量REGN-COV2群で−0.60 log10copies/milliliter95%CI, 1.12-0.08),そして組み合わせREGN-COV2群(the combined REGN-COV2 group)で−0.56 log10copies/milliliter95%CI, 1.02-0.11)であった(Table 2全体試験集団では,プラセボとの最小二乗平均差は,それぞれ−0.25 log10copies/milliliter95%CI, 0.60-0.10),−0.56 log10copies/mlliliter95%CI, 0.91-0.21),−0.41 log10copies/mlliliter95%CI, 0.71-0.10)であった

さらに,ベースラインのウイルス量(>104 copies/ml, >105 copies/ml, >106 copies/ml, >107 copies/ml)とベースラインの血清抗体の状態に応じて,経時的なウイルス量とウイルス学的アウトカムを事後解析で評価した(Figure 2, Figure S3-S5, Table S2).また,共変量調整後の解析でも,未調整の解析でも,同様の治療効果が認められた(Figure S4).最も治療効果が高かったのは,ウイルス量が最も多い患者であったベースラインのウイルス量が>107 copies/mlliliterの患者を対象としたlog10スケールの解析では,7日目のウイルス量の平均減少量は,REGN-COV2を投与された患者の方がプラセボを投与された患者よりも約2-log大きかったFigure 2ほとんどのウイルス量の減少は,試験3日目(投与後2日)までに明らかになった

Figure 2: SARS-CoV-2 Viral Load over Time.

Shown is the change in mean viral load (in log10 copies per milliliter) from baseline at each visit through day 7 in the overall population (modified full analysis set, which excluded patients who tested negative for severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 [SARS-CoV-2] by qualitative reverse-transcriptase polymerase chain reaction at baseline) and in groups defined according to baseline antibody status and baseline viral load. 𝙸 bars in Panel C indicate the standard error. The least-squares mean difference between the groups in the time-weighted average change in viral load (TWA LS mean) from baseline through day 7, expressed as log10 copies per milliliter, was based on analysis-of-covariance models with treatment group, risk factor, and baseline antibody status as fixed effects and baseline viral load and treatment group–by–baseline viral load as covariates. The lower limit of detection (dashed line) is 714 copies per milliliter (2.85 log10 copies per milliliter).

 

 

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CLINICAL EFFICACY:

事前規定した主要臨床エンドポイントは,1回以上の医療機関受診があった患者の割合であった.プラセボ群では93人のうち6人(6%),組み合わせREGN-COV2群では182人のうち6人(3%)が医療機関を受診し,相対的な差は約49%となった(プラセボ群との絶対的な差は−3%ポイント; 95%CI, 16-9血清抗体陰性群においては,プラセボ群では33人のうち5人(15%),組み合わせREGN-COV2群では80人のうち5人(6%)が医療機関を受診し,その相対的な差は約59%(プラセボ群との絶対的な差は−9%ポイント; 95%CIは−29-11)であった(Table 2.さらに大規模なデータセット19)を用いた記述的解析の結果では,症状が緩和されるまでの時間は,治療法(またはベースラインのウイルス量やベースラインの血清抗体の状態)とは強く関連していないことが示された(未発表データ).

SAFETY:

この中間解析では,REGN-COV2の両用量(2.4gおよび8.0g)ともに,主に低グレードの毒性作用はほとんど認められなかった(Table 3, Table S3).安全性集団の269人の患者において,観察期間中に発生または悪化した重篤な有害事象および特別に関心のある有害事象(グレード2以上の輸液関連反応および過敏性反応を含む)の発生率は,組み合わせREGN-COV2群とプラセボ群で均衡していた.特に注目すべき有害事象は,プラセボ群では93人のうち2人(2%),組み合わせREGN-COV2群では176人のうち2人(1%)に報告された.

Table 3: Serious Adverse Events and Adverse Events of Special Interest in the Safety Population.

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PHARMACOKINETICS:

REGN-COV2を構成している成分であるcasirivimabimdevimabの平均および個々の濃度時間プロファイルは,用量に比例して増加し,単回静脈内投与の線形薬物動態と一致していた(Figure S6, S729日目の血清中のcasirivimabimdevimabの平均濃度(±SD)は,低用量(1.2g)ではそれぞれ68.0±45.2 mg/L64.9±53.9 mg/L,高用量(4.0g)ではそれぞれ219±69.0 mg/L181±64.9 mg/Lであった(Table S4; 両抗体の平均推定半減期は2537日であったTable S5

 

Discussion

外因的に投与した抗体は,自身の免疫応答がまだ始まっていない患者に最も効果的であるという仮説を検証するために,我々の試験ではまずCovid-19の自然史を特徴づけ,そして外来患者においては,SARS-CoV-2に対する既存の抗体がベースラインでのウイルス量の低下と関連し,将来的に医療機関を受診する可能性が低いことを示したこの結果の理由として考えられるのは,内因性免疫応答が活発な患者(血清抗体陽性)は,免疫応答がまだ始まっていない患者(血清抗体陰性)に比べて,すでに効率的にウイルスを除去しているということである.これらの知見は,SARS-CoV-2に対する固有の抗体とウイルス量との関連性を示した他の研究結果と一致している14)20)Covid-19の自然史を理解することで,外因性抗体カクテルは,自己免疫応答がまだ始まっていない患者(このような患者は,ベースラインのウイルス量が多く,そして追加の治療を求める可能性が高い)に最も効果的であるという我々の前向きな仮説が支持された

我々のデータは,REGN-COV2が、特に内因性免疫応答がまだ開始されていない(すなわち,血清抗体陰性)患者やベースライン時のウイルス量が多い患者において,ウイルス除去を促進したことを示している.組み合わせREGN-COV2群とプラセボ群との間で,医療機関を受診した患者の割合に可能性のある差が認められ(差, 3%ポイント, 95%CI, 16-9),そしてこの効果はまた,ベースライン時に血清抗体陰性であった患者によってほぼ完全にもたらされた(差, 9%ポイント, 95%CI, 29-11

仮説では,試験開始時に免疫応答が活発であった患者では,外因性の抗体カクテルによって免疫応答を改善できる可能性は最小限であったこのような抗体カクテルを投与してもウイルス量は増加しなかったし,それゆえ進行中の抗ウイルス作用を阻害することはないと思われた.この点から,患者の血清抗体の状態にかかわらず,REGN-COV2SARS-CoV-2に対する長期的な免疫に影響を与える可能性を評価することは有用であるかもしれない.

ウイルス量の増加は,入院患者の死亡リスクの増加と相関している22).高力価の回復期血漿は,SARS-CoV-2のウイルス量を低下させ,その結果,Covid-19による死亡リスクを低減させる可能性がある23)24).同様に,我々の試験では,ウイルスの除去はより良い臨床アウトカムと相関していた.REGN-COV2で達成された中和力価は,回復期血漿で達成しうる力価の1000倍を超えており,REGN-COV2はウイルス量に深くかつ迅速に影響を与え,48時間以内にほとんどの減少が見られたこれは,定量可能なウイルス量が107 copies/milliliterを超える最も高い患者においても顕著であった; これらの患者は,合併症の増加や死亡のリスクが最も高いと考えられた今回の結果は,ウイルス量が減少するまでの時間が短ければ,潜在的な感染力を維持できる時間が短くなるという,検証可能な仮説を示唆している.この仮説は,別のREGN-COV2試験で検討されている(ClinicalTrials.gov, NCT04452318).

初めてCovid-19症状が現れてから無作為化までの期間は,血清抗体陽性患者と血清抗体陰性患者でほぼ同様であったこの観察結果は,個々の患者において,免疫応答がいつ開始されるかを予測するのに,症状の発現は良い指標ではないことを示唆している同様に,症候学的な他の指標は,内因性または外因性の抗体とは強い相関関係がなかった(未発表データ)

REGN-COV2の安全性は,外因性標的に対する完全ヒト抗体として予想された通りであった.観察期間中に発生または悪化した重篤な有害事象や,輸液関連反応,過敏性反応の発生率は低かった.

各抗体の薬物動態は直線的かつ用量に比例していた.抗薬物抗体(antidrug-antibody)の結果は得られていないが,抗薬物抗体の発現により排泄が変化したと考えられる血清中の濃度時間プロファイルを示した患者はいなかった.95%を超える患者において,29日目の血清中の薬剤濃度は,in vitroおよび前臨床試験のデータに基づいて予測された中和標的濃度を十分に上回っていた.REGN-COV2のこの長い半減期は,治療によって数ヶ月間の長期的な受動免疫が得られることを示唆している.薬物動態データは,REGN-COV2の各投与量で同様であった.

今回の中間解析の重要なlimitationは,抗体の状態に応じた解析が事前に規定されていたにもかかわらず,第一種過誤を抑制するための正式な仮説検定が行われなかったことである; さらにベースラインのウイルス量に応じた解析が事後的に行われたことである.これらの結果は,現在進行中の試験における次の解析で厳密に検証する必要がある.

SARS-CoV-2に対する単独の中和抗体でも,ウイルス量の減少と臨床アウトカムの改善を示す同様の結果が報告されている25).最近では,エボラウイルス感染患者に対して,抗体カクテルを用いたアプローチが生存率を大きく向上させることが示されている26)

我々の解析によると,SARS-CoV-2に対する抗体カクテルは,ウイルスに対する自身の免疫応答の開始が遅れている患者を中心に,ウイルスの除去を促進し,治療成績の向上につながる効果的な抗ウイルス療法にもなり得ると考えられる.これらの効果を確認するためには、本試験の継続的な第3相試験を含む,さらなる研究が必要である.

 

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Supplementary appendix

 

 

 

 

 

 

 

【モノクローナル抗体カクテルREGEN-COV SARS-CoV-2の逃避変異を防ぐ】

Copin R, et al. The monoclonal antibody combination REGEN-COV protects against SARS-CoV-2 mutational escape in preclinical and human studies. Cell. June 5, 2021.

https://doi.org/10.1016/j.cell.2021.06.002.

Highlight

REGEN-COVは,現在のVOC/VOI変異株に対する中和を保持している.

In vitroにおける逃避試験では,動物やヒトにおけるウイルス変異株の出現を予測することができる.

3種類の非競合mAbを組み合わせることで,2種類のmAbを組み合わせた場合と比較して,変異株リスクを低減することができる

ヒトにおけるREGEN-COV治療は,ウイルス変異株の出現を導かない

Summary

SARS-CoV-2に対するモノクローナル抗体は,COVID-19に対する治療法として臨床的に有効である.急速に出現するウイルス変異株は,世界的なパンデミックとの戦いにおける次の大きな問題となっているため,これらの治療法は,循環する変異株をカバーし,治療による耐性の出現を助長しないようにすることが不可欠である.この目的のため,我々はスパイクタンパク質の配列の多様性を調査し,そして2種類の抗体を組み合わせたREGEN-COVで治療を受けたCOVID-19患者から分離したSARS-COV-2において,ウイルス変異株の出現をモニタリングした.また,単独,2種類,3種類の抗体を組み合わせたpreclinical in vitro試験,およびREGEN-COVまたは単独のモノクローナル抗体を用いたハムスターのin vivo試験でも同様の結果が得られた.本研究では,競合しない抗体を組み合わせたREGEN-COVが,現在のすべてのSARS-CoV-2 VOC/VOI変異株に対する防御効果を発揮し,そして新しい変異株の出現や臨床環境下での集団への播種の可能性に対しても防御効果を発揮することを示している

 

 

Graphical abstract