COVID-19関連追加(2021723日)変異株とワクチンその13(イスラエル[Delta],カタール,フランスのリアルワールドの結果)

当院HP関連ファイル:

2021617-2

202179-2

B.1,617.2Delta)変異株に対するCovid-19ワクチンの有効性(発症阻止効果)】

Bernal JL, et al. Effectiveness of Covid-19 Vaccines against the B.1.617.2 (Delta) Variant. N Engl J Med. July 21, 2021.

https://doi.org/10.1056/NEJMoa2108891.

Introduction

インドでは,20213月下旬以降,Covid-19患者が急増し,20215月上旬には,毎日40万人を超える患者と4000人を超える死亡者が報告されている1).この増加により,医療が逼迫し,酸素の供給が不足している2).サンプルのごく一部しかシーケンスされていないが,SARS-CoV-2B.1.617系統が優勢になっている.B.1.617.2Delta)系統は,202012月にインドで初めて検出され,20214月中旬から国内で最も多く報告される系統となった1)2021519日時点で,この変異株はGISAID(元々はGlobal initiative on sharing avian influenza dataの頭文字を取ったものであるが,最近ではパンデミックを引き起こす恐れのあるウイルス,特にインフルエンザやコロナウイルスの配列データをまとめたサイト)の6大陸43ヶ国で検出された3).英国では,インドからの渡航や地域社会での伝播に関連して,この変異株による患者の急増が見られた4)

英国では当初,高齢者,介護者,医療・社会福祉従事者を対象に優先的に接種が行われ,その後,臨床的リスクグループや若年層にも展開された5).そしてワクチンの供給と提供に制約がある中で,パンデミックの第二波で脆弱集団への1回目接種数を最大化するために,接種間隔を最大12週間まで延長するという政策決定がなされた6)

ワクチンは,臨床試験7)-9)やリアルワールドの証拠に示されているように,症候性疾患の予防に高い効果があることがわかっている10)-14)20211月〜5月の間に見られたのは,英国で初めて確認されたB.1.1.7alpha)変異株が主な系統であった.ワクチン接種によってもたらされるalpha変異株に対する防御レベルは,臨床試験で観察されたものと同様であり,さらに重症疾患に対する防御も示されている10)11)15)-17).ワクチン接種者の血清サンプルを解析した結果,B.1.351beta)変異株は中和が低下することが実験データで示されている18)19).カタールで行われた観察データでは,BNT162b2ワクチン(PfizerBioNTech)を接種した人では,この変異株による症候性疾患に対する有効性はやや低下するものの,重症,重篤,または致死的疾患に対する有効性は高いことが示されている17).さらに,NVX-CoV2373ワクチン(Novavax)試験では,beta変異株に対して51.0%の効果が示されている20).最後に,BNT162b2ワクチンを接種した人の血清サンプルでは,P.1gamma)変異株に対して高い中和レベルが認められており,そしてある研究では,mRNAワクチンを1回接種すると,検査陽性症例に対するワクチン有効性の減少は最小限のみであったことが示されている19)21)22)

delta変異株は,スパイクタンパク質の変異T19R,Δ157-158L452RT478KD614GP681RD950Nを特徴とする1).これらの変異のいくつかは,受容体結合タンパク質の主要な抗原領域(452および478)とN末端ドメインの一部の欠失に向けられた免疫応答に影響を与える可能性がある23)P681RS1-S2開裂部位にあり,この部位に変異がある株は複製が増加し,ウイルス量が増えて伝播が上昇する可能性があると考えられている24).この変異を持つ株の臨床結果に対するCovid-19ワクチンの有効性に関するデータは限られている.本研究では,delta変異株による症候性疾患に対する2種類のCovid-19ワクチン(BNT162b2およびChAdOx1 nCoV-19AstraZeneca))の有効性を推定することを目的とした.

Methods

我々は,診断陰性例コントロールデザイン(test-negative casecontrol design)を用いて,delta変異株が流通し始めた期間における,delta変異株あるいは優勢株(B.1.1.7,またはalpha変異株)による症候性疾患に対するワクチンの有効性(effectiveness)を推定した.変異株は,シーケンスを用いて,スパイク(S)遺伝子の状態に基づいて同定された.イングランドにおけるCovid-19のすべての症候性シーケンス症例データを用いて,患者のワクチン接種状況に応じて,いずれかの変異株を持つ症例の割合を推定した.

DATA SOURCES:

Vaccination Status:

イングランドでCovid-19ワクチンを接種したすべての人に関するデータは,全国予防接種登録簿(National Immunisation Management System)で入手できる.2021516日までに行われたワクチン接種に関するデータ(ワクチン接種日と種類を含む)を,2021517日に抽出した.ワクチン接種状況は,1回目接種後21日以上経過してから2回目接種の前日までに症状を発現した人は”1回目接種の受領(receipt of one dose of vaccine”,2回目接種後14日以上経過してから症状を発現した人は”2回目接種の受領”,1回目接種後21日以上経過してから症状が発現した人(2回目の接種後の期間を含む)は”1回目または2回目接種の受領”に分類した.

STATISTICAL ANALYSIS:

診断陰性例コントロール解析(test-negative casecontrol analysis)では,ロジスティック回帰法を用いて,ワクチン未接種者(対照)と比較して,ワクチン接種者において,PCRで確認された症候性Covid-19症例をもつオッズを推定した.症例は,塩基配列を調べることでdelta変異株と同定されたか,TaqPath PCRアッセイでS遺伝子標的が陽性であった場合に同定された.症例は,シーケンスによりalpha変異株を有するか,TaqPath PCRアッセイでS遺伝子標的が陰性の場合に識別された.

1人の患者が90日以内に複数回陽性反応を示した場合(これは1つの疾患エピソードである可能性がある),最初の陽性反応のみを対象とした.各人について,無作為に選ばれた最大3つの陰性検査結果を含めた.陽性結果が出る前の3週間以内,または陽性結果が出た後にサンプルを採取した陰性検査は,偽陰性の可能性があるため除外した.また,陰性反応が出た後,7日以内に実施された検査も除外した.また,完全に感受性の高い人におけるワクチン有効性を推定するために,解析期間前に陽性反応が出たことのある人も除外した.すべての共変量は,これまでの検査陰性ケースコントロール解析と同様にモデルに含めた(暦週(calendar week)は因子として含め,地域との交互作用(interaction with region)はなしとした).

S遺伝子標的の陽性・陰性の状態については,他の2つのPCR遺伝子標的が陽性となった人のみを対象とした.S遺伝子標的の状態に基づいたdelta変異株への割り当ては,2021412日からの週に限定され,delta変異株のS標的陽性検査の高い特異度4)を狙ったためであった.

1回目のワクチン有効性は,症状発現日が1回目接種から21日以上経過した人を対象に推定した.また2回目のワクチン有効性は,症状発現日が2回目接種から14日以上経過した人を対象に推定した.感染リスクの違いを考慮して,ワクチン未接種者および接種後413日に症状が出た人との比較を行った.ワクチン接種日(0日目)から3日目までの期間は除外されたこれは,以前に説明されているように10),ワクチンに対する反応原性によって検査が増加し,結果にバイアスが生じる可能性があるためである

Results

DATA LINKAGE:

SARS-CoV-2検査データセットにリンクされたすべてのシーケンスサンプルのうち,92.9%がワクチン接種状況のデータにリンクされていた.調査期間中,38,592件のシーケンス検査がリンクされた.16歳以上で,alphaまたはdeltaによる症候性Covid-19を発症し,適切なスケジュールでChAdOx1 nCoV-19またはBNT162b2のいずれかのワクチンを接種した人に限定して解析したところ,19,109件のシーケンス症例が含まれていた(Figure S1 in the Supplementary).alpha変異株は14,837サンプル,delta変異株は4272サンプルで検出された.

DESCRIPTIVE CHARACTERISTICS:

調査集団におけるCovid-19感染者の特徴を変異株別にTable 1に示す.delta変異株との主な違いは,海外渡航歴のある人の割合が高いこと; 直近の週(暦週)に発症した人の割合が高いこと; 北西部,ロンドン,イングランド東部で発症した人の割合が高いこと; Indian or British Indian”,”Pakistani or British Pakistani”,”any other Asian background”の民族グループの割合が高いことなどである.年齢や重複剥奪指標(index of multiple deprivation)の分布にはほとんど差が見られなかった.70歳を超える高齢者ではいずれの変異株もほとんど見られず,介護施設の入居者ではわずか9人(いずれもalpha変異株)であった.

TaqPathアッセイで検査されたサンプルのうち,S遺伝子標的と2つの変異株の間には高い相関関係が見られ,S遺伝子標的陽性例の95.3%delta変異株,S遺伝子標的陰性例の99.6%alpha変異株と判定された(Table S1, S2).ワクチン接種の間隔の分布をFigure S2に示す.

 

 

Table 1: Characteristics of Persons with Covid-19 in the United Kingdom, According to Variant.

VACCINE EFFECTIVENESS ESTIMATES:

診断陰性例コントロール解析の結果をTable 2Figure 1に示す.いずれかのワクチンを接種した人のデータをプールした”任意のワクチン”解析では,alpha変異株の人における1回目接種の有効性に比べて(48.7%; 95%CI, 25.2-35.7),delta変異株の人における1回目接種後の有効性は顕著に低かった(30.7%; 95%CI, 25.2-35.71回目接種の結果は,どちらのワクチンも同様で,alpha変異株と比較したdelta変異株に対するワクチン有効性の絶対差は,BNT162b2ワクチンでは11.9%ChAdOx1 nCoV-19ワクチンでは18.7%であった

ワクチン有効性の差は,2回目接種を受けた人の方がはるかに小さかった”任意のワクチン”解析では,ワクチン有効性はalpha変異株で87.5%95%CI, 85.1-89.5),delta変異株で79.6%95%CI, 76.7-82.1)であったBNT162b2ワクチンでは,2回目接種以降で,alpha変異株で93.7%95%CI, 91.6-95.3),delta変異株で88.0%95%CI, 85.3-90.1)と,変異株間の有効性の差がわずかに見られたChAdOx1 nCoV-19ワクチンの2回目接種の有効性は,BNT162b2ワクチンよりも低かった; しかし,ChAdOx1 nCoV-19ワクチンでは,alpha変異株とdelta変異株における有効性の差は小さかった(それぞれ74.5%[95%CI, 68.4-79.4], 67.0%[95%CI, 61.3-71.8]

Table S3は,1回目接種後の期間を21日〜55日までと56日以上に層別したもので,BNT162b2ワクチンではalpha変異株に対して,ChAdOx1 nCoV-19ワクチンではdelta変異株に対して効果(efficacy)が低下している可能性を示しているSection S1Table S4S6には,副次解析の結果が示されている.

 

 

Table 2: Vaccine Effectiveness against the Alpha Variant or S Target–Negative Status and the Delta Variant or S Target–Positive Status, According to Dose and Vaccine Type.

https://www.nejm.org/na101/home/literatum/publisher/mms/journals/content/nejm/0/nejm.ahead-of-print/nejmoa2108891/20210720/images/img_xlarge/nejmoa2108891_t2.jpeg

Figure 1: Vaccine Effectiveness against the Alpha and Delta Variants, According to Dose and Vaccine Type.

https://www.nejm.org/na101/home/literatum/publisher/mms/journals/content/nejm/0/nejm.ahead-of-print/nejmoa2108891/20210720/images/img_xlarge/nejmoa2108891_f1.jpeg

 

 

Discussion

我々は,alpha変異株に比べて,delta変異株の症候性疾患に対する1回目ワクチン接種の有効性における絶対差は約1219%ポイントであることがわかったしかし.2回目接種後のワクチン有効性の差は小さかった.これは,BNT162b2およびChAdOx1 nCoV-19ワクチンのどちらにも当てはまった.診断陰性例コントロール解析では,delta変異株による症候性疾患に対する推定ワクチン有効性は,BNT162b2ワクチンの1回目接種で約36%ChAdOx1 nCoV-19ワクチンの1回目接種で約30%であったが,BNT162b2ワクチンの2回目接種で約88%ChAdOx1 nCoV-19ワクチンの2回目接種で約67%であった

どちらのワクチンでも明確な効果が認められ,2回の接種で高い有効性が得られた.ChAdOx1 nCoV-19ワクチンの2回接種の方が,BNT162b2ワクチンの2回接種よりも,どちらの変異株に対するワクチン有効性は小さかったが,これは報告されている臨床試験の結果と一致している7)8).この2つのワクチンの違いについては,Section S2で詳しく述べている.入院や死亡を含む重篤疾患に対するワクチン有効性を推定するには,症例数や追跡期間が現状では不十分である.

より広範なB.1.617変異株カテゴリーの中和データを報告したインドの研究では,Covid-19感染者やBBV152ワクチン(Covaxin)接種者の回復期血清サンプルがB.1.617系統の変異株を中和できることが示唆されている30)BNT162b2ワクチンのalphaおよびbeta変異株に対する有効性に関するカタールでの最近の調査結果と比較すると17),我々の調査結果は,フルコースのワクチン接種後のdelta変異株に対する有効性は,これら2つの中間にあることを示唆している.これまでに報告されているalpha変異株に対するワクチン有効性の推定値との比較については,Section S2で述べる.

英国では,大規模な検査と全ゲノムシーケンスが行われており,また,全国的な予防接種登録で接種状況が記録されているため,英国でdelta変異株が初めて出現してから数週間以内にワクチン有効性を解析することができた.本研究では,2つの異なる解析手法を用いたが,ほぼ同様の結果が得られた.また,対照解析(alpha変異株を使用)の結果は,これまでに報告されているものと一致している.1回目接種後最初の2週間以内に発症した症例の結果も類似しており(Table S4),ワクチン接種の可能性と変異株への曝露の可能性の両方に関連する測定できない交絡因子を除外するのに役立つ.診断陰性例コントロールデザインを用いることで,ワクチン接種者と未接種者の間の健康を求める行動(health-seeking behavior)の違いをコントロールするのに役立った.

Limitation: 本研究にはいくつかの限界がある.本研究で得られた知見は観察的なものであり,慎重に解釈されるべきである.PCR検査の感度や特異度が低いと,症例と対照が誤って分類される可能性があり,その場合,ワクチン有効性の推定値は弱くなる.また,新興の変異株では,感染初期に多くの症例が検出され,その結果,ウイルス量が高くなり,感度や特異度が高くなる可能性があることから,delta変異株よりもalpha変異株に影響があると予想されるが,PCR検査の感度や特異性が低いと,ある変異株が他の変異株よりも影響を受ける可能性がある.我々は,人種,民族,地域,多重剥奪指数をコントロールしたが,delta変異株への曝露が多いか少ないかにかかわらず,人口集団間のワクチン接種率の違いが副次解析に影響を与えたかもしれないが,診断陰性例コントロールデザインには影響しないはずである.また,各ワクチンを接種した集団にも違いがある可能性がある.例えば,若年層では医療従事者がBNT162b2ワクチンを接種している可能性が高く,臨床リスク群はChAdOx1 nCoV-19ワクチンを接種している可能性が高いと考えられる11).さらに,この解析では,診断陰性例コントロールデザインに残存する交絡が,ワクチン有効性の2つの推定値に同等の影響を与えるか,少なくとも2つの変異株に対するあるワクチンの有効性の比較の調整オッズ比にバイアスを与えないという仮定にも依存していた; つまり,シーケンス精度は変異株に依存せず,症候性のある人が検査を受ける傾向は変異株によって異なることはないと考えられる.

全体として,delta変異株では,2回目接種後の症候性疾患に対するワクチン有効性が高いことがわかったこれらの推定値は,alpha変異株に対するワクチン有効性の推定値よりもわずかに低かった1回目接種後に有効性が低下するという結果は,delta変異株が流通している状況下で,脆弱集団における2回目のワクチン接種を最大化する努力を支持するものである

 

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Supplementary appendix

 

 

 

 

 

 

【カタールにおけるB.1.1.7およびB.1.351変異株と重症COVID-19に対するmRNA-1273ワクチンの有効性】

Chemaitelly, H., Yassine, H.M., Benslimane, F.M. et al. mRNA-1273 COVID-19 vaccine effectiveness against the B.1.1.7 and B.1.351 variants and severe COVID-19 disease in Qatar. Nat Med (2021).

https://doi.org/10.1038/s41591-021-01446-y.

Abstract

SARS-CoV-2のパンデミックは,引き続き世界的な健康問題となっている.mRNA-1273Moderna)ワクチンは,無作為化臨床試験において,「野生型」の感染による症候性COVID-19の予防に94.1%の効果(efficacy)があることが報告されている.ここで我々は,主に労働年齢の成人で構成されるカタールにおいて、懸念されるSARS-CoV-2の亜種、特にB.1.1.7alpha)およびB.1.351beta)に対する本ワクチンのリアルワールドにおける有効性を,マッチド診断陰性例コントロール試験デザインを用いて評価した.その結果,ワクチン有効性は,1回目接種後2週間は無視できる程度であったが,2回目接種直前の34週間目に急速に増加したB.1.1.7感染に対する有効性は,1回目接種後14日以上で2回目接種前には88.1%95%CI: 83.7-91.5%),2回目接種後14日以上では100%95%CI91.8-100.0%)であった.また,B.1.351感染に対する有効性は,1回目接種後では61.3%95%CI: 56.5-65.5%),2回目接種後では96.4%95%CI: 91.9-98.7%)であった.任意のSARS-CoV-2感染症(主にB.1.1.7およびB.1.351)に起因するCOVID-19の重症,重篤,または致死的疾患に対する有効性は,1回目接種後では81.6%95%CI: 71.0-88.8%),2回目接種後では95.7%95%CI: 73.4-99.9%)であった.mRNA-1273ワクチンは,B.1.1.7およびB.1.351感染に対して,症候性・無症候性を問わず,またCOVID-19による入院や死亡に対して,単回接種でも高い有効性を示すことが明らかになった.

Figure 1: Effectiveness of the mRNA-1273 vaccine.

a–c, Effectiveness of the mRNA-1273 vaccine against B.1.1.7 infections (a), B.1.351 infections (b) and severe, critical or fatal COVID-19 disease (c) after the first and second doses. Analyses were performed on independent samples of n=25,034 PCR-positive cases and n=25,034 PCR-negative controls examined between 1February and 10May 2021 for B.1.1.7, n=52,442 PCR-positive cases and n=52,442 PCR-negative controls examined between 8March and 10May 2021 for B.1.351, n=4,497 PCR-positive cases that progressed to severe, critical or fatal disease and n=4,497 PCR-negative controls examined between 1February and 10May 2021. Data are presented as effectiveness point estimates, with error bars indicating the corresponding 95% CIs.

 

 

figure1

 

 

【オリジナル,B.1.1.7B.1.351/P.1 SARS-CoV-2系統が,COVID-19 mRNAワクチン2回接種のワクチン有効性に与える影響: フランスにおける全国規模の症例対照研究の結果】

Charmet T, et al. Impact of original, B.1.1.7, and B.1.351/P.1 SARS-CoV-2 lineages on vaccine effectiveness of two doses of COVID-19 mRNA vaccines: Results from a nationwide case-control study in France. Lancet Regional Health Europe. July 13, 2021.

https://doi.org/10.1016/j.lanepe.2021.100171.

Abstract

Background

我々は,フランスで流通しているオリジナルウイルスと他の系統のCOVID-19に対するmRNA COVID-19ワクチン2回接種の有効性を評価することを目的とした.

Methods

この全国規模の症例対照研究(case-control study)では,症例とは,2021214日〜53日の間に症状を発現した成人SARS-CoV-2感染者である.対照者は,年齢,性別,地域,人口密度,暦週で症例と一致する全国代表パネルの成人未感染者とした.参加者は,最近の活動に関連した曝露とワクチン接種の履歴に関するオンラインアンケートに回答した.感染ウイルスに関する情報は,B.1.1.7またはB.1.351/P.1変異株のスクリーニングRT-PCRに基づいていた.

今回の解析では,2回のワクチン接種を受けたと回答したすべての参加者が,2回のmRNAワクチンを接種したものとみなした.しかし,入手可能な情報に基づいて,参加者がBNT162b2 mRNAModerna mRNA-1273のどちらを受けたかを区別することはできなかった.

Results

解析対象となったのは,オリジナルSARS-CoV-2ウイルスに感染した成人7288人,B.1.1.7系統の感染者31313人,B.1.351/P1系統の感染者2550人,および対照者3644人である.多変量解析の結果,2回目のmRNAワクチン接種から7日後のワクチン有効性(95%CIs)は,オリジナルウイルス,B.1.1.7系統,B.1.351/P.1系統のCOVID-19に対して,それぞれ88%81-92),86%81-90),77%63-86)と推定された.ウイルス学的に確認されたSARS-CoV-2感染の最近の既往(26ヶ月)では,オリジナルウイルス,B.1.1.7系統,B.1.351/P.1系統のCOVID-19に対して,それぞれ83%76-88),88%85-91),83%71-90)の防御効果があることがわかった.また,より長期(> 6ヶ月)の感染では,オリジナルウイルス,B.1.1.7系統,B.1.351/P.1系統のCOVID-19に対して,それぞれ76%54-87),84%75-90),74%41-89)の防御効果が認められた

Interpretation

リアルワールドでは,オリジナルウイルス,B.1.1.7系統,B.1.351/P.1系統のCOVID-19に対して,2回のmRNAワクチン接種の有効性が証明された