COVID-19関連追加(2021921日)BNT162b23回目接種について

【イスラエルにおけるCovid-19に対するBNT162b2ワクチンブースターの防御効果】

Bar-On YM, et al. Protection of BNT162b2 Vaccine Booster against Covid-19 in Israel.

N Engl J Med. Sep 15, 2021. https://doi.org/10.1056/NEJMoa2114255.

Introduction

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2SARS-CoV-2)感染症に対する有効なワクチンを迅速に開発し,全国民に普及させることは,ウイルス感染と疾患負担の両方を軽減するための戦略として非常に有効であることが証明されている.イスラエルでは,全国キャンペーンを早期に開始した結果,完全ワクチン接種(すなわち2回のワクチン接種)が行われた.その結果,コロナウイルス2019感染症(Covid-19)の発生率は,20211月中旬には1日あたり,約900/100万人だったのが,20216月には1日あたり,2/100万人まで低下した1)しかし,新たなVOCs(特にデルタ変異)の出現により,確定した感染および重症疾患において,最近の再燃が生じている2)6月上旬には,PCRアッセイで確認されたCovid-19症例は1日あたり20人未満で,そのうち約半数は海外からの帰国者において診断されていた.この時点で,活動性のある重症症例数は約20人であった8月末には,1日に1万人以上のPCR確定例が検出され,600人を超える重症例が入院した

デルタ変異の伝播率が高い原因としては,デルタ変異の感染性の増強3),ワクチン誘発性免疫の減弱2)4),デルタ変異による免疫逃避の強調5)などの可能性が考えられる.デルタ変異のアウトブレイクに関するイスラエルのデータを解析したところ,大きな程度の免疫の減弱が認められた2)4)

デルタ変異がもたらす課題に対処し,医療システムへの負担を軽減するため,イスラエル当局は,まず2021712日に高リスク集団に,次に2021730日に60歳以上の人に,ブースター接種することを承認した.初期の研究では,BNT162b2のブースター接種によって,2回目の接種後と比較すると,抗体中和レベルが平均して約10倍に増加することが示唆されている6).中和価が増加することで,感染や重症疾患に対する防御効果が高まると考えられているが7),リアルワールドでの有効性という観点からは,そのような効果の大きさはまだ明らかではない.ここでは,イスラエル保健省のデータベースの初期データを用いて,60歳以上で3回目のブースター接種を受けた参加者(ブースター群)と,2回しかワクチンを接種しなかった参加者との間で,確定された感染および重症疾患の割合を評価した.我々はこのデータを用いて,ブースター接種によって確定したSARS-CoV-2感染および重症Covid-19疾患の割合がどの程度減少したかを定量化した.

Methods

STUDY POPULATION:

我々の解析は,202192日に抽出された保健省データベースの医療データに基づいている.その時点で,60歳以上のイスラエル居住者のうち,少なくとも5ヶ月前(すなわち,202131日以前)に完全ワクチン接種を受け(すなわち,BNT162b22回接種),2021730日に生存していた合計1,186,779人を対象とした.性別に関するデータが喪失していた人,20218月に海外にいた人,2021730日以前にPCR陽性のCovid-19の診断を受けた人,2021730日以前にブースター接種を受けた人,2021116日以前に完全ワクチン接種を受けた人は,解析から除外した.合計1,137,804人の参加者が,解析のための含有基準を満たした(Figure 1).

Figure 1: Study Population.

データには,ワクチン接種日(1回目,2回目,3回目); PCR検査に関する情報(サンプリング日と結果); Covid-19による入院日(該当する場合); 年齢,性別,および参加者の統計上の居住地域(国勢調査ブロックに類似)8)による人口グループ(一般ユダヤ人,アラブ人,超正統派ユダヤ人)などの人口統計学的変数; そして臨床状態(軽症または重症)が含まれていた.重症とは,安静時の呼吸数が30/分を超え,室内気下酸素飽和度が94%未満,あるいはP/F比が300未満と定義された9)

STUDY DESIGN:

我々の研究期間は,2021730日のブースターワクチン接種キャンペーンの開始から始まった.終了日は,確認された感染の場合は2021831日、重症疾患の場合は2021826日とした.この日付の選択は,検査結果の報告の遅れや重症化によるアウトカムデータの欠落の影響を最小限にするために行われた.我々の研究期間は,2021730日のブースターワクチン接種キャンペーンの開始から始まった.終了日は,確認された感染の場合は2021831日、重症疾患の場合は2021826日とした.この日付の選択は,検査結果の報告の遅れや重症化によるアウトカムデータの欠落の影響を最小限にするために行われた.ブースター接種で得られる防御は,接種直後に最大の能力を発揮するのではなく,その後の1週間で蓄積されると考えられていた10)11).同時に,ワクチン接種後の最初の数日間は,ブースターワクチンを接種した集団の実質的な行動変容が考えられる(Fig. S1 in the Supplementary Appendix).そのような潜在的な変化の一つは,ブースター接種が有効になるまで,過剰なリスクに曝露することをさらに避けるようになることである.もう一つの潜在的な変化は,ブースター接種を受けた頃にCovid-19検査の発生率が減少することである(Fig. S2).したがって,ブースターの効果を評価するには,接種から十分な期間が経過してから行うのが好ましい

我々は,ブースター接種してから,観察された確認された感染数に効果があると思われるまでの期間を12日とした.ブースター接種後,中和レベルが上昇するのは数日後であることが研究で示されていることから6),免疫学的な観点から,接種後少なくとも12日間をカットオフ値として選択した6).また,確認された感染(PCR検査での陽性)をアウトカムとした場合,感染日とPCR検査日の間に遅れが生じる.症候性症例の場合,感染は検査の平均56日前に発生すると考えられる(これはCovid-19の潜伏期間と同様である)12)13)したがって,12日間という期間には,ワクチン接種後に抗体ができるまでの7日間と,感染の検出の遅れにおける5日間が含まれた

我々は,ブースター接種者の確認された感染および重症疾患の割合の低下を推定するために,完全ワクチン接種してブースター接種を受けた参加者(ブースター群)と2回しかワクチンを接種しなかった参加者(非ブースター群)のデータを解析した.最初に非ブースター群に入っていた参加者は,ブースター接種後に非ブースター群から外れ,その12日後にブースター群に入ったが,その間に感染が確認されなかったことを条件に,これらの群のメンバーは動的に変化した(Fig. S3).

各群において,感染が確認された割合と重症疾患の割合を,危険にさらされた人日(per person-days at risk)あたりで算出した我々は,ブースター群では,3回目接種してから12日後に危険日(days at risk)が始まり,試験アウトカムの発生時または試験期間の終了時に危険日が終了したと考えた非ブースター群では,危険日は試験期間開始(2021810日)から12日後に開始され,試験アウトカムの発生時,試験期間終了時,またはブースター接種を受けた時に終了したと考えた重症Covid-19が発症した時期は,感染が確認された日とした.打ち切りの問題を最小限にするために,重症疾患の割合は既に確認されていた例,あるいは2021826日以前に感染が確認された症例を基準に算出した.このスケジュールは,重症化したかどうかを判断するための1週間の追跡調査(データを抽出した日まで)を可能にするために採用した.

OVERSIGHT:

本研究は,Sheba Medical Centerの機関審査委員会の承認を得た.著者全員が原稿の執筆と批判的レビューに貢献し,最終版を承認し,出版に向けた原稿の提出を決定した.イスラエル保健省とPfizer社はデータ共有契約を結んでいるが,本研究の最終結果のみを共有した.

STATISTICAL ANALYSIS:

省略.

Results

STUDY POPULATION:

我々は,研究デザインで規定されているように,主要解析では危険にさらされた人日で調整され,参加者が両群に日数を寄与したため,危険にさらされた人日に応じて2群の参加者の特性を比較した(Table 1).このTableは,主要解析に用いられた人日のデータのみをまとめたものである.非ブースター群では,約520万人日(重症疾患の解析では460万人日)が含まれ,確認された感染は4439人,重症疾患は294人であったブースター群では,約1,060万人日(重症疾患の解析では630万人日)が含まれ,確認された感染は934人,重症疾患は29人であった.ブースター群は,非ブースター群と比較して,男性が多く(49% vs 42%),一般的なユダヤ人集団からの参加者が多く(92% vs 81%),70歳以上の参加者が多く(58% vs 46%),20211月にワクチン接種を受けた参加者が多かった(74% vs 38%).率比の推定値は,これらの大幅な群間の差を考慮して調整されている.

Table 1: Demographic and Clinical Characteristics of the Study Population at Baseline.

 

 

EFFECT OF THE BOOSTER DOSE:

確認された感染および重症の場合のポアソン回帰分析の結果は,それぞれTable S1S2に示し,Table 2にまとめた.確認された感染の割合はブースター群が非ブースター群に比べて11.3倍(95%信頼区間[CI], 10.4-12.3)低かった確認された感染の割合における群間差の絶対値は,10 万人日あたり86.6人であった重症疾患の割合は,ブースター群のほうが非ブースター群よりも19.5倍(95%CI, 12.9-29.5)低かった重症疾患の割合における群間差の絶対値は,10万人日あたり7.5人であった副次解析では,ワクチン接種後少なくとも12日時点での確認された感染の割合は,接種後46日の割合に比べて大幅に低かった(率比, 5.4; 95%CI, 4.8-6.1

Figure 2は,ブースター接種後の日数を共変量として追加したポアソン回帰分析の結果で,非ブースター群と比較して,時間経過とともに確認された感染の割合が低下していることがわかるブースター接種後12日〜25日までの各日において,ブースター群における確認された感染の割合は,非ブースター群に比べて720倍低下しており,この所見は主要結果と同様であった.ワクチン接種直後の確認された感染の割合は,ブースター群が非ブースター群よりも低かったが,これは恐らく前述のようにワクチン接種後の行動変容が原因と考えられる.

Table 2: Primary Outcomes of Confirmed Infection and Severe Illness.

 

 

Figure 2: Reduction in Rate of Confirmed Infection in Booster Group as Compared with Nonbooster Group.

hown is the factor reduction in the rate of confirmed infection among participants who received a third (booster) dose of the BNT162b2 vaccine as compared with those who did not receive a booster dose, according to the number of days after the administration of the booster dose. Because of wide confidence intervals, only days 1 through 25 are shown. The dashed horizontal line represents the level at which the booster dose provided no added protection. The 𝙸 bars represent 95% confidence intervals, which have not been corrected for multiplicity.

SENSITIVITY ANALYSES:

主要解析および副次解析で得られた結果の頑健性を検証するために,いくつかの感度分析を行った.2つの異なる感度分析で算出された率比は,主要解析で算出されたものと同様であった(Supplementary Methods section).Figure S4は,Figure 2に示したのと同様の解析結果を,異なる期間(81日〜4日,85日〜8日,89日〜12日)にブースター接種を受けた参加者に限定して示したものである.この3つの期間において,率比は,同様の値を示す,同じU字型を示している.最後に,一般的なユダヤ人集団に限定して主要解析を行ったところ,確認された感染の率比は10.895%CI, 9.9-11.7),重症疾患の率比は21.795%CI, 14.1-33.6)となり,これに対応する平均率の差の推定値は,10万人日あたりそれぞれ83.4人,8.2人となった.

 

 

Discussion

我々の研究では,60歳以上のイスラエル人大規模集団の参加者を対象に,BNT162b2ワクチンのブースター接種により,確認された感染および重症疾患のいずれの発生率が減少したことを明らかになった.我々の所見は,次のような例で理解することができる.まず,最近の報告で示唆されているように,免疫の低下とデルタ変異の増加の複合効果により,6ヶ月前に接種したワクチンの効果が,未接種者における感受性(susceptibility)に対して約50%に低下したと仮定する2)16)17).次に,今回の結果が示唆するように,ブースター接種によって,そのようなワクチン接種者の感染率が10倍減少したとする.そうすると,ブースター接種者の感受性は,未接種者の感受性に比べて約5%(=50%÷10)に低下し,ブースター接種者のワクチン有効性は約95%となり,アルファ変異に対する当初のワクチン有効性と同様の値となる9)18)

今回の解析では,交絡因子の影響やワクチン接種後の行動変容など,元データに含まれる可能性のあるバイアスに対処することを試みたが,バイアスの原因の一部は十分に測定または修正されていない可能性がある.このようなバイアスには,ケアを求める行動や慎重さに関するブースター接種者と非ブースター接種者の違いや,全国データベースに記録されていない併発疾患の違いなどがある.これらのバイアスの一部は一過性のもので,Figure S1に模式的に示されているように,ブースター接種後の時間経過とともに薄れていく.このことから,ブースター接種前と接種後の適切な期間(例えば12日)後の感染率を比較することで,ワクチン接種の現実の有効性を推定することができると考えられる.この行動モデルを完全に理解するには独自の研究が必要だが,いくつかの兆候から,我々の12日のカットオフが妥当であることがわかった.まず,ワクチン接種当日とその後の数日間は,PCR検査の回数が少なくなる傾向があり,これは検出バイアスの原因となり得る.このような行動変容と一致するのが,Figure 2に示したパターンであり,ワクチン接種後の初日に感染率が大きく低下し,その後の数日間はその低下が弱まり,ブースター用量が有効になると上昇に転じることを示している.

観察された感染率の低下には,交絡および検出バイアスが寄与している可能性がある.そこで,ブースター接種者に注目し,ブースター効果が小さいと予想される期間とブースターが有効になった期間の割合を比較することで,ブースター用量の効果をより低く見積もることができる.我々がそれゆえ,ブースター効果が小さいと予想され,接種後の行動変化が少ない46日間と,ブースター接種を受けてから少なくとも12日後の割合を比較した.この副次解析では,確認された感染の割合は,接種後46日に比べて,ブースター接種後12日時点から,推定5.4倍低くなっていった.このような保守的な解析であっても,割合の低下が確認されたことは,特にデルタ変異のようなVOCsが出現した場合に,免疫低下や免疫逃避の影響を緩和するためにブースター接種が果たす重要な役割を強調するものである.

ブースター接種によって得られる防御を理解することは,公衆衛生政策にとって重要である.2021730日,イスラエルは世界で初めて,60歳以上で5ヶ月以上前にワクチンを接種したすべての人に,Covid-19に対するBNT162b2ワクチンの3回目接種を可能にした.それ以来,イスラエルではこのブースタープログラムを全国民に拡大している.このような政策の結果は,パンデミックを緩和するための戦略を模索している国々の政策立案者にとって重要である.我々の所見は,現在主流のデルタ変異に対してもブースター接種が有効であることを明確に示している.今後の研究では、現在および新たな変異ウイルスに対するブースター接種の長期的な有効性を明らかにしていく予定である.

 

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nejmoa2114255_appendix.pdf

 

 

 

 

 

 

 

BNT162b2ワクチン3回目接種によるSARS-CoV-2の中和】

Falsey AR, et al. SARS-CoV-2 Neutralization with BNT162b2 Vaccine Dose 3. N Engl J Med. Sep 15, 2021. https://doi.org/10.1056/NEJMc2113468.

我々は,BNT162b2Pfizer-BioNTech社)の30μg21日間隔で2回投与するグローバル無作為化プラセボ対照第1-2-3相ピボタル試験を実施した(ClinicalTrials.gov number, NCT04368728.).これらの用量のワクチンは,主に有害事象はlow-gradeであり,2回目の投与から7日〜約2ヶ月後まで,コロナウイルス2019Covid-19)に対して95%の効果(efficacy)が得られた1).投与後4ヶ月〜約6ヶ月の間に効果は84%に低下した2).ワクチン承認後,変異ウイルスが元の株に取って代わり,現在は感染性の高いB.1.617.2(デルタ)変異ウイルスが優勢となっている3).重症疾患,入院,そして死亡に対するワクチンの有効性(effectiveness)は依然として高いものの,免疫の減弱とウイルスの分散(diversification)により,3回目のワクチン接種が必要となる可能性がある.

それゆえ我々は,現在進行中のピボタル試験の第1相試験において,米国内の1855歳の参加者11人と6585歳の参加者12人に,投与2回目から7.98.8ヶ月後にBNT162b23回目の投与(30μg)を行った(additional details of the trial are provided in Table S1 and text within the Supplementary Appendix, as well as in the trial protocol, both of which are available with the full text of this letter at NEJM.org).投与3回目の局所反応および全身性イベントは,軽度から中等度のものが多く,投与2回目のものと同様であった(Fig. S1, S2).投与3回後の1ヶ月間に報告されたunsolicited adverse eventsはなかった.

野生型(USA-WA1/2020)の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2SARS-CoV-2)および組換えベータ変異株(beta variant strain)(野生型の遺伝子背景にベータ変異スパイク遺伝子を導入したもの)に対する50%血清中和力価を,既報のように測定した4)血清検体は,1回目投与前,2回目投与の7日後および1ヶ月後,3回目投与前,そして3回目投与7日後および1ヶ月後に採取した(Figure 1A.これらのデータから,4つの重要な結論が得られた; @2回目投与7日後から3回目投与前までの約8ヶ月間に,第1相試験参加者のSARS-CoV-2中和幾何平均力価(GMTs: geometric mean titers)が,第2-3相ピボタル試験参加者のワクチン効果の低下よりもはるかに急速に低下していた2)A3回目投与から1ヶ月後までに,野生型ウイルスに対する中和GMTsは,2回目投与から1ヶ月後のGMTs>5倍(1855歳),>7倍(6585歳)に増加したBベータ変異ウイルスに対する中和GMTsは,投与3回目以降,野生型ウイルスに対するGMTsよりも増加し,投与2回目の>15倍(若年成人),>20倍(高齢者)となり,野生型ウイルスとベータ変異ウイルスの中和のギャップが縮まったC中和GMTsは,2回目投与の7日後から1ヶ月後までは減少したが,3回目投与の7日後から1ヶ月後までは増加した3回目投与後のより広い中和の範囲(すなわち,変異株に対する中和)とより高いGMTsという同様のパターンは,野生型の遺伝子背景にデルタ変異スパイクタンパクを持つ組換えウイルスに対する中和GMTsの測定でも見られた: 3回目投与後の1ヶ月の中和GMTs(野生型に対するデルタ変異)の幾何平均比は,若年成人で0.85,高齢者で0.92であったFigure 1B

Figure 1: Neutralizing Responses after Two and Three Doses of BNT162b2.

The 50% neutralization titers against a wild-type target strain (USA-WA1/2020) and against B.1.351 (beta) lineage and B.1.617.2 (delta) lineage target strains are shown for both age groups. Geometric mean titers from severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) plaque-reduction neutralization testing are shown for serum specimens obtained at the time points shown on the x axes from participants in the dose 3 immunogenicity population (11 participants in the 18-to-55-year age group and 12 participants in the 65-to-85-year age group). 𝙸 bars indicate 95% confidence intervals. Neutralization titers against wild-type virus were determined twice (once together with titers against each variant), and each titer against wild-type virus is reported separately with the corresponding variant titer. Differences among the determinations of the neutralization titer against wild-type virus represent experimental variation on repeat testing. Values above the error bars are geometric mean titers. Data points shown on the bar graph represent individual 50% neutralization titers. Individual titers for all participants are shown for all time points except for before dose 1, when all values were below the lower limit of quantitation (LLOQ) of 20; results below the LLOQ were set to 0.5 times the LLOQ. Geometric mean ratios (GMRs) of the titers against the variants and wild-type virus are shown below the graph. In Panel A, the geometric mean fold rises (GMFRs) in titers against the wild-type strain from before dose 3 to 1 month after dose 3 were 25.7 (95% confidence interval [CI], 12.4 to 53.3) for younger adults and 49.4 (95% CI, 29.2 to 83.3) for older adults. The corresponding GMFRs against the beta variant were 38.7 (95% CI, 19.8 to 75.5) and 78.3 (95% CI, 40.7 to 150.6), respectively.

 

 

プレパンデミックのインフルエンザワクチンを初回接種後にブースターとして投与した場合,中和の大きさと範囲が拡大し,液性応答の動態が改善することが確認されている5)BNT162b2の安全性と免疫原性は,2回接種から79ヶ月後に投与された3回目接種により,防御が延長し範囲がさらに高まることを示唆している.

 

 

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