新型コロナウイルス感染症まとめver3-42021921日)IFN応答について

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2021129日(T型インターフェロン活性傷害について)

新型コロナウイルス感染症まとめver32021331日)

 

I型およびIII型インターフェロン −誘導,シグナル伝達,回避,

およびCOVID-19対策への応用】

Park A, Iwasaki A. Type I and Type III Interferons – Induction, Signaling, Evasion, and Application to Combat COVID-19. REVIEW. Cell Host Microbe. May 27, 2020.

https://doi.org/10.1016/j.chom.2020.05.008.

インターフェロン(IFN)応答は,ウイルスに対する主要な第一防衛ラインを構成している.自然免疫センサーによるウイルス感染の認識は,T型およびVIFN応答を活性化する.IIFNs(ヒトではIFN-αIFN-βIFN-εIFN-κIFN-ω)は,広く発現しているIIFN受容体(IFNAR: IFN receptor)にオートクラインおよびパラクライン様式(autocrine and paracrine manner)に結合する.これにより、何百ものインターフェロン刺激遺伝子(ISGs: interferon-stimulated genesからなる強力な抗ウイルス防御プログラムが活性化され,ウイルスの複製のあらゆる段階を妨害する能力を持つ(Schoggins and Rice, 2011)IIIIFNIFN-λ)は,上皮細胞および特定の骨髄細胞(myeloid cells)に優先的に発現するIIIIFN受容体(IFNLR)に結合する(Kotenko et al., 2019)I型およびIIIIFNが同様のISGシグネチャーを誘導するのに対し,TIFNシグナルはISG発現のより迅速な誘導と減少をもたらす(Lazear et al., 2019)

I型およびIIIIFNは,ウイルス抵抗性の細胞状態を確立すると同時に,ウイルスに対する獲得免疫応答を活性化する(Ivashkiv and Donlin, 2014).したがって,成功したウイルス病原体は,免疫認識から逃がれ,IFNsISGsの機能を抑制するメカニズムを進化させてきた.多くのウイルスタンパク質は,宿主のIFN応答を調節することに特化している.これらのメカニズムは,SARS-CoVMERS-CoVについて広く研究されている(Lim et al., 2016, Nelemans and Kikkert, 2019, Totura and Baric, 2012)IFNシグナルのアウトカムは,ウイルスと宿主の両方の要因が決定する.特にIIFNシグナルは,その全身的な炎症促進効果を通じて,有害なものとなり得る(Ivashkiv and Donlin, 2014)SARSMERSにおいてIFN応答が防御的な効果を持つか,病原的な効果を持つかは,IFNシグナルが誘導される背景に依存しているようだ.

recombinant IFN-αおよびpegylated IFN-βは,多発性硬化症およびウイルス性肝炎を含む様々な疾患の治療に使用されている(Lazear et al., 2019)recombinant IFN-λは,まだどのような適応も承認されていないが,ウイルス性肝炎に対する臨床試験が行われている.既存の抗ウイルス薬をCOVID-19のために再利用することに世界的な関心が寄せられている.この点に関して,合理的な治療戦略を実施し,COVID-19における臨床効果を安全に評価するためには,コロナウイルス感染におけるIFNsbiologyを徹底的に調べる必要がある.この総説では,まずコロナウイルス感染症におけるIFN介在性抗ウイルス応答について,SARS-CoVMERS-CoVの自然認識(innate recognition)と免疫逃避(immune evasion)に焦点を当てて説明する.さらに,SARSMERSにおけるI型およびIIIIFN応答の役割を検討し,COVID-19の治療薬としてIFNsを使用することの期待と課題について推測する.

Innate Recognition of Coronavirus Infection:

自然免疫システムは,病原体関連分子パターン(PAMPs: pathogen-associated molecular patternsを様々なパターン認識受容体(PRRs: pattern recognition receptorsで感知することで,侵入してきた病原体を認識している.ウイルスPAMPsは,ウイルスゲノムのユニークな核酸構造やウイルス複製中間体など,宿主細胞には見られない明確な分子シグネチャーであることが多い(Iwasaki, 2012)RNAウイルスの認識は,主にエンドソームまたは細胞質において,Toll様受容体(TLRs: Toll-like receptorsRIG-I様受容体(RLRs: RIG-I-like receptorsという2つの異なるクラスのPRRsによって行われる(Figure 1.ほとんどの宿主細胞が細胞質RLRsを備えているのに対し,エンドソームTLRsは主に自然免疫細胞に発現している.さらに,OASIFITファミリータンパク質のような特定のISGsも,ウイルスRNAを直接認識してその機能を実行することができる(Schoggins and Rice, 2011)

 

 

Figure 1: Innate Recognition, Interferon Signaling, and Immune Evasion by Coronaviruses.

様々な病原体認識受容体であるTLRs TLR3, TLR4, TLR7, TLR8; 青)やRLRsRIG-I, MDA5; 紫)がコロナウイルスを感知すると,転写因子であるnuclear factor-κB NF-κBinterferon regulatory factor 3および7 IRF3, IRF7がそれぞれ炎症促進性サイトカイン(pro-inflammatory cytokines)やI型およびIII型インターフェロン(IFN)の産生を刺激するIFNは,オートクラインおよびパラクライン様式で分泌され,JAK-STATシグナル伝達経路を介してインターフェロン刺激遺伝子(ISGs)の発現を誘導するI型およびIIIIFNは同様のISGsを誘導するが,TIFNシグナルは,炎症促進性サイトカインやケモカインの発現に加えて,より強力で迅速なISGs応答を活性化する.コロナウイルスがコードする多くのウイルスタンパク質(赤: SARS-CoV, : MERS-CoV, : 複数のヒトコロナウイルス)は,この抗ウイルス応答の様々なステップに拮抗する.

コロナウイルス感染における様々なPRRsの役割は、特定のPRRsやそのシグナル伝達経路が存在しない場合に感染に対する感受性の上昇を明らかにした遺伝学的研究により,ほぼ解明されてきた.コロナウイルスは細胞質で複製するので,その複製中間体や複製されたウイルスゲノムは,細胞質のRNAセンサーであるRIG-IMDA5によって認識されるRIG-IMDA5はともに,マウスコロナウイルス・マウス肝炎ウイルス(MHV: murine coronavirus mouse hepatitis virus)の感染感知に関与しており,これらが存在しない場合,MHVによるIFN誘導が阻害される(Li et al., 2010)SARS-CoV-2もこれらのRLRsによって感知されていると考えられる.RNAセンシングTLRsであるTLR3TLR7TLR8はエンドソーム膜に位置し,二本鎖RNAdsRNA; TLR3)や一本鎖RNAssRNA; TLR7, TLR8)を検出する.特にTLR7は,SARS-CoVMERS-CoVMHVなどのコロナウイルスの感知に重要な役割を果たしており,これらの感染における形質細胞様樹状細胞によるIFN-α産生に必要である(Cervantes-Barragan et al., 2007, Scheuplein et al., 2015)さらに,自然免疫細胞の表面に発現しているTLR4は,RSウイルス融合タンパク質などのウイルス糖タンパク質を認識することができる(Kurt-Jones et al., 2000)TLR4欠損マウスは,SARS-CoVMHVの両方の感染により感受性がある(Khanolkar et al., 2009, Totura et al., 2015)

MyD88TLR4, TLR7, TLR8にとって)とTRIFTLR3, TLR4にとって)というTLRの下流に位置するアダプター蛋白質(adaptor protein)は,コロナウイルス感染を防ぐために必要であり,これは宿主免疫において自然センシング(innate sensingが重要な役割を果たしていることを示しているMyD88欠損マウスにmouse-adapted SARS-CoVを感染させると,ウイルス複製を制御することができず,感染で死んでしまう(succumb to(Sheahan et al., 2008)TRIF欠損マウスもSARS-CoVに非常に感受性が高く,morbidityMyD88欠損マウスと同程度である(Totura et al., 2015)MERS-CoV感染では,MyD88シグナルの欠如により,ウイルスクリアランスが遅れ,肺病理が増加する(Zhao et al., 2014).対照的に,この研究では,RLRセンシングの下流にあるMAVSシグナルの必要性(requirement)は見出されなかった.一致して,別の研究では,Mavs-/-マウスではなく,Tlr7-/-マウスが野生型マウスと比較してIFNの発現が低下することが示されたことから(Channappanavar et al., 2019)TLR7MyD88MERS-CoV感染における自然免疫センシングの主要経路であることを示唆している

自然ウイルス認識は,NF-κΒ介在性炎症促進性サイトカイン(たとえば, IL-1, IL-6, TNF-α)の誘導と,IRF3およびIRF7を介したI型およびIIIIFNIFN-IおよびIFN-III)の誘導の両方につながるシグナル伝達カスケードを引き起こすFigure 1様々な細胞型のトランスクリプトームプロファイリングにより,SARS-CoV-2感染は,IFN-IまたはIFN-IIIが非常に低く,ISG応答も限られている一方で,ケモカインや炎症性サイトカイン遺伝子を誘導することが明らかになった(Blanco-Melo et al., 2020)

自然ウイルス認識は,NF-κΒ介在性炎症促進性サイトカイン(たとえば, IL-1, IL-6, TNF-α)の誘導と,IRF3およびIRF7を介したI型およびIIIIFNIFN-IおよびIFN-III)の誘導の両方につながるシグナル伝達カスケードを引き起こす(Figure 1様々な細胞型のトランスクリプトームプロファイリングにより,SARS-CoV-2感染は,IFN-IまたはIFN-IIIが非常に低く,ISG応答も限られている一方で,ケモカインや炎症性サイトカイン遺伝子を誘導することが明らかになった(Blanco-Melo et al., 2020)IFN応答のウイルス固有の抑制に加えて,宿主の年齢がサイトカインプロファイルを決定する.SARS-CoV感染のマカクモデルでは,高齢のマカクは若いマカクに比べて肺病変が多く,炎症性サイトカインの発現が高かったが,IFN-Isの発現は低かった(Smits et al., 2010).これらの結果は,高齢ヒト単球が,A型インフルエンザウイルス(IAV)感染に応答して,炎症促進性サイトカインをそのまま維持する一方で,IFN-IおよびIFN-IIIの産生に欠陥があることと一致する(Molony et al., 2017).高齢単球(older monocytes)におけるIFN誘導の欠陥は,IFN転写に必要な多くのPRRsの下流にある重要なシグナル分子であるTRAF3のタンパク質分解(proteolytic degradation)によるものであった.これらのことから,加齢における炎症 vs IFN応答の不均衡は,COVID-19の病態に重要な疾患的意味を持つ可能性が示唆された

Modulation of Innate Antiviral Response by Coronavirus:

I型およびIIIIFNは,何百もの抗ウイルスエフェクター,あるいはISGsを誘導し,ウイルス抵抗性の細胞内因性状態(cell-intrinsic state of viral resistance)を獲得する.このような宿主の強力な抗ウイルス戦略にもかかわらず、コロナウイルスは,少なくとも部分的には,IFN応答から逃避そして抑制する様々なウイルスのメカニズムによる,高い病原性を維持している.実際,SARS-CoVMERS-CoV感染に比べて,軽度のHCOV-229E感染では,より強固なIFN-I応答が誘導される(Lim et al., 2016)コロナウイルスは,自然抗ウイルス免疫(innate antiviral immunity)における以下のプロセスのいずれも阻害することができる: (1)自然センシング(2)IFN産生(3)IFNシグナル(4)ISGエフェクター機能Figure 1

第一に,HCoVsPRRsによる自然認識を逃避するためのウイルスタンパク質をエンコードしているSARS-CoVや他のコロナウイルスは,二重膜小胞(double membrane vesicles)の内部で複製を行い,dsRNA複製中間体によるRLR活性化を防いでいる(Stertz et al., 2007)RLRs5′capを使ってウイルスRNAと宿主mRNAを区別する.SARS-CoV非構造タンパク質14nsp14は,guanine-N7-methyltransferase活性を有しており,ウイルスRNA上のこのcap構造を模倣することができる(Chen et al., 2009)SARS-CoVnsp16は,2’-O-methyl-transferase活性でこのキャップをさらに修飾し,ウイルスがMDA5による認識を効率的に逃避できるようにしている(Daffis et al., 2010)nsp16を変異させたSARS-CoVは,MDA5センシングに依存した毒性の低下を示す(Menachery et al., 2014b).また,nsp16を変異させると,MERS-CoVの病原性が減弱し,感染マウスの疾患重症度が低下する(Menachery et al., 2017)このようにnsp16は,SARSMERSにおける自然抗ウイルス応答を変化させるのに重要であるSARS-CoV-2nsp16SARS-CoVnsp1692%のアミノ酸配列相同性を有しており,この逃避戦略が新規ウイルスにも保持されている可能性が高いことが示唆されている(Lokugamage et al., 2020)

第二に,HCOVsIFN-IおよびIFN-III産生を阻害するSARS-CoVの膜(M)タンパク質は,自然センサーやシグナル分子と直接相互作用して,それらをmembrane-associated cytoplasmic compartmentsに封じ込める(Siu et al., 2009)MERS-CoVMタンパク質は,IFN遺伝子の転写因子であるIRF3の核内移行(nuclear translocation)を阻害する(Yang et al., 2013)SARS-CoVのヌクレオカプシド(N)タンパク質もIRF3の機能を阻害する(Kopecky-Bromberg et al., 2007)SARS-CoV nsp3タンパク質は,そのpapain-like proteasePLP)活性に加えて,IRF3のリン酸化と核内移行を阻害する(Devaraj et al., 2007).このステップは,SARS-CoVの付属タンパク質であるORF3bおよび6MERS-CoVの付属タンパク質であるORF4a4b,および5によってさらに阻害される(Lu et al., 2011, Yang et al., 2013)これらのメカニズムは,SARS-CoV-2に感染した細胞におけるIFN-IおよびIFN-III誘導が低いことに総合的に寄与していると考えられる(Blanco-Melo et al., 2020)

第三に,HCOVのウイルスタンパク質はIFNARおよびIFNLRシグナルを阻害するSARS-CoVnsp1は,ISGsの転写因子であるSTAT1のリン酸化を阻害する(Wathelet et al., 2007)SARS-CoVの付属タンパク質であるORF3bおよび6は,ISGsの転写を阻害する(Kopecky-Bromberg et al.2007).具体的には,ORF6STAT1の核への移行を阻害する(Frieman et al., 2007)

最後に,HCOVsISGエフェクター機能を直接抑制することができるIFN誘発性2’,5′-oligoadenylate synthetase (OAS)-ribonuclease L (RNase L)経路は,細胞質でウイルスRNAを分解する.MERS-CoVの付属タンパク質ORF4bは,OASの生成物を分解してRNase Lの活性化を防ぐ2’-5′-phosphodiesterase活性を持つ(Thornbrough et al., 2016)

HCoVによるIFN応答の抑制を克服するには,外因性IFNで十分である可能性がある.SARS-CoVSARS-CoV-2のほとんどのタンパク質は90%を超えるアミノ酸相同性があるが,IFNに拮抗するすべて−nsp3ORF3bORF6は,配列の相同性が相対的に低い(Lokugamage et al., 2020)SARS-CoV-2ORF3bは,未成熟終止コドン(premature termination codonPTC)を含み,その結果,切断されたタンパク質(truncated protein)となる.ORF6bは,SARS-CoVのタンパク質と69%しか相同性がないことに加えて,タンパク質の機能に重要なC末端の2つのアミノ酸が欠損している(Frieman et al., 2007)このことは,IFNsに対するSARS-CoV-2の増強された感受性の説明になるかもしれない(Lokugamage et al., 2020)逆に,SARS-CoV-2の切断されたORF3bは,SARS-CoVのそれよりも効率的にIFNの誘導を抑制し,これがCOVID-19患者で報告されたIFN応答性の低さの一因となっている可能性がある(Konno et al., 2020)

The Role of IFNs during Coronavirus Infections:

臨床研究では,SARS患者では強固なサイトカインおよびケモカイン産生にもかかわらず,IFN応答が欠如していることが報告されている.これは,SARS-CoV感染が有意なIFN-I産生を誘発しないというin vitroの観察結果と一致している(Chen and Subbarao, 2007, Reghunathan et al., 2005)COVID-19患者の血清分析でも同様の傾向が見られる; 炎症促進性サイトカインやケモカインが強く上昇し,I型およびIIIIFNsは検出されなかった(Blanco-Melo et al., 2020).他の研究では,IFN応答が完全に欠如しているのではなく,IFN応答が遅れている可能性が示唆されている.SARS-CoV感染細胞のトランスクリプトームを複数の時点で比較したところ,IFNsの発現は炎症促進性サイトカインの発現よりも遅れていることが明らかになった(Yoshikawa et al., 2010)SARS-CoVおよびMERS-CoV感染におけるIFN-βおよびISGsの誘導は,IAV感染と比較して遅れていた(Menachery et al., 2014a)SARS-CoV感染のマウスモデルでは,IFN-Iはウイルス量のピークから数時間後まで肺で検出できなかった(Channappanavar et al., 2016)

逆説的に,IFNsの上昇は疾患の悪化と相関している.臨床的によく記述されたSARS患者コホートでは,IFN-αISGsの高レベルは,疾患重症度と相関していた(Cameron et al., 2007).重度の低酸素血症を発症した患者では,IFNによって誘発されたケモカインおよびIFNAR1の高レベルが,急性疾患の治癒後も持続していた.同様に,重症MERS患者群では,軽症群よりもIFN-αレベルが頻繁に上昇し,ウイルスRNAコピーと相関していた(Kim et al., 2016).小規模COVID-19患者コホートでは,IFN-αおよびISGsレベルは,疾患重症度だけでなく,ウイルス量とも関連していた(Wei et al., 2020)これらの研究は,重度の感染では高IFNシグネチャーを導くが,ウイルス量を下げられないことを示している

SARSマウスモデルにおけるIFNシグナルの役割は,遺伝的背景によって異なる.軽度のSARSを発症したC57BL/6あるいは129マウスでは,IFNシグナルはウイルスクリアランスを促進することで防御に寄与する(Frieman et al., 2010, Mahlakõiv et al., 2012)Stat1-/-129マウスは,SARS-CoV感染に罹患すると,ウイルス制御が障害され,重症病態に陥る(Frieman et al., 2010)Ifnar1-/-129マウスは,疾患重症度は野生型と同程度であるが,ウイルス制御が障害されている.同様の結果は,C57BL/6背景でも得られた; Stat1-/-マウスはSARS-CoV感染に非常に感受性が高く,Ifnar1-/-マウスはウイルス力価が高い(Mahlakõiv et al., 2012, Mordstein et al., 2010).逆に,致死的SARS-CoV疾患を発症するBALB/cマウスでは,IFN-Iシグナルは,主に肺組織への炎症性単球およびマクロファージ浸潤を促進することにより,有害である(Channappanavar et al.2016).Ifnar1-/-BALB/cマウスは,軽度の症状と100%生存率を示す.この重症SARSモデル(BALB/c)では,IFN-Iの誘導はウイルス複製に比べて遅れている(Channappanavar et al., 2016)これらのマウスでは,ウイルス量がピークに達する前にIFN-Iを投与することで,ウイルス制御が増強され,疾患からの完全な防御がもたらされた一方,ウイルスのピーク後に投与しても,同じ効果は得られなかった(Channappanavar et al., 2016)このことは,ウイルス複製を制限する上での早期IFNsの重要性を示している

MERSでは,IFN-Iシグナルがマウスを疾患や死から防御する.Ifnar1-/-マウスは,MERS-CoV曝露後,野生型マウスと比較して臨床的および病理組織学的に悪いアウトカムになる(Zhao et al., 2014).また.IFNAR1を遮断すると,ウイルス量と死亡率が増加する(Channappanavar et al., 2019).注目すべきことに,MERS-CoV感染時には,ウイルス複製に対するIFN-I応答の誘導に遅延がないことであり,これがSARSMERSにおけるIFNの異なる影響を説明しているのかもしれない.外因性(exogenousIFN-Iの投与による知見は,MERSにおける早期IFN-Iの防御的役割をさらに裏付けるものである.マウスにIFN-βを予防的に投与すると,体重減少や炎症を起こすことなく,ウイルスクリアランスが促進された(Zhao et al., 2014).また,ウイルスのピーク前にIFN-βを早期に投与すると防御効果が得られたが,遅く投与すると炎症が亢進し,致死的肺炎が生じた(Channappanavar et al., 2019)これらの研究を総合すると,応答アウトカムの重要な決定要因として,ウイルス複製に対するIFN-I誘導のタイミングの重要性が強調されており,早期のIFN-I誘導または投与は防御をもたらすFigure 2対照的に,IFN-I応答が遅れると,ウイルスを制御できないだけでなく,炎症や組織傷害を引き起こす可能性があるしたがって,ウイルスによるIFN-I応答の抑制や宿主の高齢化により,特にIFN-Iの発現が遅れる,あるいは低下する場合は,疾患経過の早期段階でIFN-Iを補充することが有効であると考えられる

Figure 2: Protective and Pathogenic Roles of Type I IFNs during Coronavirus Infection.

ウイルスと宿主の両方の要因がIFN応答のタイミングに影響を与える.初期のウイルス量が低い場合(左),IFNsは早期に誘導され,効果的に感染を除去することができる.ウイルス量が多い場合(右)は,ウイルスの逃避メカニズムによりIFN応答が強く抑制され,IFNの誘導が遅れることがある.あるいは,高齢の宿主ではIFNの誘導が損なわれているかもしれない.IFN応答が初期のウイルス複製を制御するのに不十分な場合,遅れたIFNは炎症や肺傷害を引き起こす可能性がある.

コロナウイルスの病原性については,宿主の種の違いを考慮することが重要である.動物モデルは,SARS-CoVMERS-CoVによって引き起こされるヒト疾患の全スペクトルを再現していない.これは,宿主の制限因子やウイルス侵入のための受容体(SARS-CoVではACE2MERS-CoVではDPP4)の発現など,宿主における複数の違いによるものである(Sutton and Subbarao, 2015).ヒトACE2を発現させると,マウスはSARS-CoV感染に寛容(permissive)になるが,ヒトSARS疾患はどのモデルマウスでも正確には再現されない.ヒト以外の霊長類は,程度の差こそあれ,SARS-CoVMERS-CoV感染に寛容であるが,患者に見られる疾患重症度や死亡率を一貫して再現していない(Sutton and Subbarao, 2015).さらに,実験動物とヒトの間では,IFN応答にいくつかの違いがあることが報告されている.マウスやヒト以外の霊長類では,SARS-CoV感染時にIFN応答が一般的に制御不能または遅延するようであるが,臨床研究ではIFN応答の欠如が報告されることが多い(Channappanavar et al., 2016, Reghunathan et al., 2005, Smits et al., 2010).また,ISGレパートリーは,脊椎動物の種によって異なる; ISGsのサブセットが共有されている一方,多くのISGsは種特異的である(Shaw et al., 2017). 特に関連性が高いのは,ACE2がヒトではIFNsによって誘導されるが,マウスではその程度が低いという発見である(Ziegler et al., 2020).これらの違いは,IFN応答および疾患アウトカムを決定する上での宿主特異的因子の重要性を強調するものである.COVID-19患者の疾患進行に伴うIFNsの役割と動態を調査することに,強い研究の焦点が当てられるべきである.

Type I IFNs as a Therapeutic Strategy in COVID-19:

SARSMERS,そして今回のCOVID-19における治療法としてのrecombinant IFN-αまたはIFN-βの使用は議論の対象となっている(Sallard et al., 2020)IFN-Iは,多数のin vitroおよびin vivo研究に基づき,SARSおよびMERSにおける有望な治療候補として同定された(Stockman et al., 2006).マーモセットでは,MERS-CoV感染動物にIFN-β1bを投与すると,ウイルス量と肺病理が減少した(Chan et al., 2015)MERS-CoV感染マウスモデルでは,IFN-βをロピナビル・リトナビルと併用して投与しても,肺病理を有意に減少させることはできなかったが,肺機能を改善した(Sheahan et al., 2020)MERS-CoV感染マカクにIFN-α2bとリバビリンを投与したところ,ウイルスの制御と臨床アウトカムが改善した(Falzarano et al., 2013)SARS-CoV感染動物実験でも同様の効果が得られた.SARS-CoV感染前にマカクにIFN-αを予防的に投与すると,ウイルス複製と肺傷害が大幅に減少した(Haagmans et al., 2004)

一方,SARSおよびMERS患者を対象とした臨床研究では,決定的な結論は得られていない.少数のSARS患者を対象とした研究では,コルチコステロイドにIFN-αを追加することで,酸素飽和度が改善し,肺の放射線画像所見がより早く消失した(Loutfy et al., 2003)MERS患者では,IFN-αとリバビリンの併用は,診断後14日時点の生存率の改善と関連していたが,28日時点の生存率の改善とは関連していなかった(Omrani et al., 2014)しかし,併用療法を,疾患経過の遅い時期(入院から治療までの期間の中央値が19日)に開始すると有効ではなかった(Al-Tawfiq et al., 2014).別の後ろ向きコホート研究では,IFN-リバビリン併用療法は28日時点の死亡率におけるアウトカムの改善と有意に関連しなかった(Arabi et al., 2017).ヒトの研究における一貫性のない結果は,これまで述べてきたように,後ろ向き研究の患者数が限られていること,併用されている薬剤,そして重要なのは投与タイミングによってある程度説明できるかもしれない.さらに,糖尿病などの併存疾患がIFN応答に影響することも示唆されている(Shalhoub et al., 2015).現在,MERS患者に対するIFN-βとロピナビル・リトナビルの併用の有効性を検証する無作為化臨床試験が進行中である(Arabi et al., 2020)

SARS-CoVおよびMERS-CoVに関する研究から得られた知識はCOVID-19の治療戦略としてIFN-Iが適しているかどうかを判断する上で貴重なものとなるだろう.SARS-CoV-2は,SARS-CoVと比較してIFN-Iに対する感度(sensitivity)が高いことが,2つのin vitro研究ですでに実証されている(Lokugamage et al., 2020, Mantlo et al., 2020).これらの研究では,IFN-αまたはIFN-βによる前治療により,ウイルス力価が劇的に低下した.これらの知見は,IFN-ISARS-CoV-2の予防薬または早期治療の選択肢として有効であることを示唆している.これを検証するためのいくつかの取り組みが進行中である.中国におけるCOVID-19治療ガイドラインでは,リバビリンと併用したIFN-α吸入(vapor inhalation)が行われている(Sallard et al., 2020).この投与経路には,IFN-αを呼吸器に特異的に作用させるという利点がある.COVID-19におけるIFN-I単独療法または併用療法を評価するいくつかの臨床試験が世界各地で登録されている.これらには,IFN-β1a皮下注射とロピナビル・リトナビルとの併用,ロピナビル・リトナビル単独,ヒドロキシクロロキン,またはレムデシビルを比較するDisCoVeRy試験(NCT04315948WHO Solidarityコンソーシアムによる最初の臨床試験)や,英国における単剤としての吸入IFN-β1aの第2相試験(NCT04385095(Sallard et al., 2020)が含まれる.中国・武漢のCOVID-19患者77人を対象とした後ろ向き研究では,IFN-α2b吸入,アルビドール,または両者の併用療法を行ったところ,IFN-α2b療法により,検出可能なウイルスの期間と炎症マーカーであるIL-6およびCRPが有意に減少した(Zhou et al., 2020).また別の研究では,recombinant IFN-α点鼻が,有害事象なしにCOVID-19の発症を予防できる可能性が示された.湖北省で行われたこのケースシリーズでは,28日間毎日IFN-αを投与した医療従事者2944人の発症率はゼロであった(Meng et al., 2020).初期の臨床データは心強いが,最新の研究では,ACE2ISGであり,初代ヒト上気道細胞においてIFN-αによって誘導可能であることが示されている(ACE2 is an ISG, inducible by IFN-α in primary human upper airway cells(Ziegler et al., 2020).現在進行中の臨床研究の追加結果と動物モデルの開発により,COVID-19治療としてのIFN-Iの安全性と有効性について,より示唆に富む答えが得られるだろう.

The Role and Therapeutic Potential of Type III IFNs in Respiratory Infections:

IIIIFNsは,I型と同様に,PRRPAMPsを認識すると誘導され,共通のJAK-STAT経路を介してシグナルを伝達し,同様の抗ウイルス転写プログラムを誘導するT型およびIIIIFN応答は,いくつかの特徴によって,背景に応じた非重複的な機能を獲得している.

第一に,IFN-λsは,呼吸器,消化器,生殖器,上皮細胞,特定の骨髄細胞タイプに優先的に発現するIFNLRIFNR1/IL10Rβ)に結合する(Kotenko et al., 2019).この発現パターンは,広く発現するIFNARsとは異なり,侵入部位での局所的なウイルス制御を可能にする.第二に,I型およびIIIISGレパートリーは,一般的に重複しているが,IFN-IIIシグナルはISGsのより持続的な発現をもたらす(Lazear et al., 2019).最後に,IFN-Iシグナルのみが,転写因子IRF1の選択的な誘導によって炎症性促進性サイトカイン遺伝子の転写を活性化する(Galani et al., 2017, Forero et al., 2019)Figure 1.抗ウイルス防御におけるIIIIFN応答のユニークな役割を裏付けるように,IFN-λは上皮細胞によるIAV感染の早期に産生される優位なIFNであり,上皮細胞および好中球上のIFNRに作用して,炎症を引き起こすことなくウイルスの複製を制御する(Galani et al., 2017)

いくつかの動物実験では,SARSMERSにおけるIIIIFNsの役割が調査されている.MERS-CoV感染時には、IFN-λsTLR7依存的に産生され,ウイルスの複製動態と相関している(Channappanavar et al., 2019, Scheuplein et al., 2015)SARS-CoV感染マウスのトランスクリプトーム解析では,STAT1依存的に,しかしIFNAR非依存的にISGが誘導されることが明らかになり,IFNLRを介したシグナル伝達によってISGsが誘導される可能性が出てきた(Zornetzer et al., 2010)SARS-CoVIAVを含む多くの呼吸器官感染では,IFN-λシグナルが防御的であるようだ(Mordstein et al., 2010)Ifnlr1-/-マウスは,SARS-CoVの複製を制御することができない.I型およびIIIIFNシグナルの効果は相加的である; Ifnar1-/- Ifnlr1-/-のダブルノックアウトマウスのウイルス量は,シングルノックアウトマウスのそれぞれのウイルス量よりも高い(Mordstein et al., 2010)IFN-IおよびIFN-IIIシグナルの欠如がウイルスクリアランスを強く障害するにもかかわらず,これらのマウスは,SARS-CoVに感染したStat1-/-マウスで観察される重症疾患を発症しないことか,、抗ウイルス防御におけるIIIFNの寄与が指摘されている(Mahlakõiv et al., 2012)

上気道と下気道では,IFN-λの必要性が異なる可能性がある.IFN-αIFN-λの活性がオーバーラップする肺(下気道)とは対照的に,マウスの上気道ではIFN-λのみが重要な防御を提供する(Klinkhammer et al., 2018).呼吸器ウイルスの自然感染を密接に模倣するために,ウイルスを低用量で上気道に特異的に伝播した場合,IFN-λIAVの肺への拡散を防ぐために必要であった.さらに,Ifnlr1-/-マウスは,野生型またはIfnar1-/-マウスに比べて,より多くの感染性ウイルス粒子を排出し,接触したナイーブマウスへのウイルス伝播をより頻繁に引き起こした(Klinkhammer et al., 2018)IFN-αまたはIFN-λのいずれかを予防的に経鼻投与すると,肺でのIAV複製が阻害されたのに対し,IFN-λのみが上気道で長期的な抗ウイルス防御を付与し,ウイルスの接触伝播を制限した(Klinkhammer et al., 2018)

すでに臨床で広く使用されているT型IFNのタイプとは異なり,IIIIFNはまだどのような適応でも承認されていない.しかし,IIIIFNの特徴である,集中的(focused長期的(long-lasting,かつ非炎症性(non-inflammatoryである応答は,COVID-19におけるIFN-λの介入戦略を魅力的なものにしている.重要なことに,IFN-λの投与は,IAV曝露マウスにおいて,評価可能な免疫病理を伴わずに効果的な治療効果を提供することが示されている(Davidson et al., 2016, Galani et al., 2017, Kim et al., 2017)IFN-λは,予防的に投与した場合にはIFN-α同様に防御的であり,IAVと同時に投与した場合にはIFN-βよりも防御的であった(Davidson et al., 2016, Kim et al., 2017)発症後に投与した場合,IFN-λ2は防御的であるのに対し,IFN-α4は炎症促進性サイトカイン分泌と免疫細胞浸潤を促進することで疾患を増悪させた(Davidson et al., 2016)SARS-CoV-2に関する最近の研究では,ヒト腸管上皮細胞のIFNLR1をノックアウトすると,IFNAR1よりもさらに(even more so than IFNAR1)ウイルスの複製を制御する能力が損なわれ,SARS-CoV-2IFN-βまたはIFN-λのいずれかによる前治療(pre-treatment)に感受性を示すことが示されている(Stanifer et al., 2020).新たに開発されたSARS-CoV-2感染のマウスモデルでは,pegylated IFN-λ1の予防的および治療的適用の両方がウイルスの複製を減少させた(Dinnon et al., 2020).したがって,COVID-19におけるIFN-λの臨床使用は有望であり,臨床試験が進行中である(NCT04343976, NCT04331899).最大限の有効性と最小限の毒性を両立させるために,我々は,I型およびIIIIFN応答のいずれの強みを生かした介入戦略を想定している(Figure 3).IIIIFNは,肺だけでなく上気道でのウイルス拡散を制限する持続的な抗ウイルス状態を達成するのに役立つと考えられる.IIFNは,より強力であるが,より炎症を起こしやすいので,ウイルスクリアランスを促進し,全身性炎症を防ぐために,早期段階に限定すべきである

Figure 3: Therapeutic Aims with Type I and Type III IFNs during the Progression of COVID-19.

(A) recombinant IFNs,特にIIIIFNsIFN-λ)を予防的に鼻腔内投与または吸入することで上気道でのウイルスの複製を制限し,肺へのウイルスの拡散と伝播を抑えることができる.

(B) 初期制御が失敗し,ウイルスが肺に到達した場合,宿主は,より強力なタイプのIFNIFN-αIFN-β)を含む追加のIFNの恩恵を受けることができる.この早期段階では自然IFN応答が不足している可能性があることを考えると,外因性IFNsexogenous IFNs)は感染を制御し,ウイルスの播種を防ぐのに役立つかもしれない.

(C) 疾患の後期段階では,炎症や組織傷害を増悪させないように,IFNsを慎重に使用しなければならないIFN-λは,全身性の反応を引き起こすことなく,局所的な抗ウイルス防御を活性化し続ける可能性がある

 

 

Concluding Remarks:

COVID-19における抗ウイルス療法としてIFNを介した自然免疫応答を利用するために,我々は治療法の設計と実施に意味を持ついくつかの研究課題を強調する.現在のIFN-I療法を有害事象なしに効果的にするにはどうしたらよいか?SARS-CoV-2感染時のIFN-Iシグナルの自然経過を定義する必要がある.軽症COVID-19患者と重症COVID-19患者におけるIFN-I分泌の異なる動態を,ウイルス複製の動態と相対的に理解することができれば,window of therapeutic opportunityを同定することができるかもしれない.既存の膨大な研究成果(ここではその一部を紹介)によれば,ウイルスがピークに達する前の早期投与や予防的治療により,顕著な病理変化を伴わずに最大限の防御が得られる可能性がある.我々は,IFN-I療法の実行可能性を確立すると同時に,その汎用性を高めるために,いくつかの取り組みを提案する.第一に,これまでに報告されているIFNsの予防効果は,無作為化臨床試験によって検証されるべきである.医療従事者をはじめ,SARS-CoV-2感染リスクがある人を対象に,介入方法を検証すべきである.第二に,感染の早期段階でIFNを投与するためには,発症前に曝露された人を迅速に特定するための検査や接触者追跡を含む強固な公衆衛生対策を確立する必要がある.さらに,IFN-I関連炎症を制限または逆転させることができる細胞標的を研究することは,IFN-Iの治療への応用の可能性を考える上で重要である.考えられるメカニズムとしては,IFN-Iシグナルの下流にある炎症性遺伝子を抑制することや,IFN応答のネガティブフィードバックを促進することなどが挙げられる.最後に,IFN-I誘導の遅延または減少につながる宿主因子を特定することで,IFN-I治療が特に有益な患者群,またはIFN-I治療を控えるべき患者群を指定することができる.宿主の年齢に加えて,遺伝子多型もIFNの結果に影響を与える可能性がある.例えば,IL28B遺伝子(IFN-λ3をエンコードする)付近の一塩基多型(SNP: single nucleotide polymorphism)は,pegylated IFN-αによるC型肝炎治療への反応性向上と関連している(Ge et al., 2009).自然抗ウイルス応答を増強することで,効果のある治療戦略をどのようにして広げることができるだろうか?1つの可能性は,合成PRRアゴニストを使用してIFN応答の誘導を増加させることである.注目すべきは,RLRsおよびTLR3を活性化することができる二本鎖RNAであるpoly(I:C)が,SARS-CoV感染の2つの異なるマウスモデルにおいて防御を提供することである(Kumaki et al., 2017, Zhao et al., 2012).このレビューでは,COVID-19の予防と治療の両方の手段として,もう一つの有望なターゲットであるIIIIFNsについて説明した.SARS-CoV-2感染におけるI型およびIIIIFN応答の時空間的に異なる役割を明確にすることは,一方を優先的に使用するか,あるいは2つの応答を相乗的に使用するタイミングを教えてくれるだろう.IFN応答は複雑な宿主防御戦略であり,その生物学的特性を正確に理解することで,安全で効果的な抗ウイルス治療に結びつけることができる.