COVID-19関連追加(2021101-2

デルタ変異のウイルス量について(ワクチン接種有無および症状有無)

★当院HP関連ファイル:

202185-2[3]の文献)

 

SARS-CoV-2デルタ変異に感染したワクチン接種群と未接種群,

および無症候性群と症候性群の間では,ウイルス量に有意差を認めない】

Acharya CB, et al. No Significant Difference in Viral Load Between Vaccinated and Unvaccinated, Asymptomatic and Symptomatic Groups Infected with SARS-CoV-2 Delta Variant. medRxiv. Posted Sep 29, 2021. Preprint.

https://doi.org/10.1101/2021.09.28.21264262.

Abstract

SARS-CoV-2デルタ変異に感染したワクチン接種群と未接種群,および無症候性群と症候性群の間では,Ct値に有意な差は認めなかった高いウイルス量レベルを有する無症候性ワクチンブレイクスルー症例がかなりの割合で存在することを考えると,マスク着用や検査を含む介入を,COVID-19伝播が高まっているすべての環境で考慮すべきである.

Results

HYT500サンプルとUeS369サンプル,合計869サンプルが解析対象となった. HYTからの解析対象サンプルはすべて採取時は無症候性であり,そして陽性サンプルの75%はワクチン未接種者からのものであった(N= 375).UeSの陽性サンプルは,症候性(N= 237),無症候性(N= 132)の両方から採取された.UeSのサンプル(完全ワクチン接種171, 未接種198人)におけるワクチンブレイクスルーの頻度は,HYTのサンプルよりも高く,採取された集団の種類の違いを反映していた.両集団で検出された変異ウイルスは,デルタ変異ウイルスが最も多かった(Supplementary Table 1).

ワクチン接種者サンプルのCt値の平均(UeS: 23.1; HYT: 25.5)と未接種者サンプルの平均(UeS: 23.4, HYT: 25.4)では,統計的に有意な差はなかった.ワクチン接種群,未接種群ともに,個人差が大きくUeSHYTのデータではCt値が<15から>30であった(Fig.1A, 1B).同様に,無症候性者サンプルのCt値の平均(UeS: 24.3; HYT: 25.4)と症候性者サンプルの平均(UeS: 22.7)では,全体でもワクチン接種有無による層別でも,統計的に有意な差は見られなかったFig.1Bまた,年齢,性別,ワクチンの種類によっても同様のCt値が認められた(Supplemental Figure 1

すべての群において,Ct値が低く,ウイルス量が多いことを示す者が存在した69人の完全ワクチン者がCt20未満であった; このうち24人は,検査時は無症候性であった

 

 

Figure 1: SARS-CoV-2 cycle threshold values in asymptomatic, symptomatic, vaccinated,  and unvaccinated individuals in California. SARS-CoV-2 reverse transcription-polymerase  chain reaction cycle threshold values for specimens from patients by vaccine status from Healthy Yolo Together (City of Davis and Yolo County, California) (Panel A) and from specimens by  vaccine and symptom status from Unidos en Salud (Mission District, San Francisco, California)  (Panel B). Box plots show first quartile, median, and third quartiles in shaded region; diamonds  indicate outliers beyond 1.5 times the interquartile range; p-values were calculated with two-sided t-tests

 

 

Discussion

・今回の調査では、無症候性の完全ワクチン接種者のかなりの割合でCt値が低く,ウイルス量が多いと考えられる.低いCt値は,高レベルのウイルス量,培養陽性,そして伝播の増加と示すことから[11]今回、完全ワクチン接種の無症候性者におけるCt値が低かったことは,いずれの症状に先行したブレイクスルー感染から伝播が生じる可能性と一致する興味深いことに,シンガポールではワクチン接種者の方が未接種者よりもウイルス量が急速に減少しており,ワクチン接種者の方が感染性を維持する期間が短いことが示唆されている[3]

20%を超えるワクチン接種を受けた陽性者ではCt値が低く(20未満),そのうち3分の1は,検査時は無症候性であった.このようなワクチンエスケープの免疫学的状態および感染性について,さらなる研究が必要であることが明らかになった.もし,このような集団が大量の活性ウイルスを保有しているとすれば,無症候性のワクチン接種者は,ワクチン接種者の割合が増えるにつれて,進行中のパンデミックにますます寄与することになるかもしれない.

・また,まだワクチン接種の対象となっていない12歳未満の一部の小児のCt値も低かった.12歳未満の小児109人のうち20人(18.3%)がCt20未満であり,そのうち14人は,検査時は無症候性であったCt値が低いということは,小児のウイルス量が多く,感染性がある可能性が高いことを示している.このことから,デルタ変異ウイルスが流行している環境では,感染を早期に発見し,伝播の連鎖を断ち切るために,学童を対象とした定期的な迅速検査の重要性が強調される.

 

Reference

3) Chia PY, Ong SWX, Chiew CJ, et al. Virological and serological kinetics of SARS-CoV-2  Delta variant vaccine-breakthrough infections: a multi-center cohort study. Pre-print 2021. https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.07.28.21261295v

11) Jefferson T, Spencer EA, Brassey J, Heneghan C. Viral cultures for COVID-19 infectious  potential assessment – a systematic review. Clin Infect Dis 2020; ciaa1764. https://doi.org/10.1093/cid/ciaa1764

 

Supplementary Materials