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第53回 日本呼吸器学会学術講演会
2013年4月

<LCHの病態と最新知見>

  • 肺:反応性,小児:腫瘍性→ただし,結論はでていない.全身性LCHに比べて肺LCHは予後良く,悪性とはいえない反応性クローン性増殖を認める
  • LCHの38%にBRAFV600E変異を認める(メラノーマに認められる変異).
  • 分類(colby. v):
  • 1)single-system disease involving a single site (SS)
    2)single-system disease involving affecty multiple sites (SM)⇒肺はこれ.
    3)multi-system disease involving affecty multiple sites (MM)
  • 肺病変:30歳台がピーク.骨病変:10歳台と30歳台がピーク.

<PLCH>

  • 喫煙との関連(90%が喫煙者).
  • RB-ILDとDIPパターンの病理像がオーバーラップしている.
  • 男性に多い(平均36歳,20歳台が最も多い).
  • 症状は,咳,息切れ,喀痰,胸痛など.画像所見の割には症状が軽い
  • 画像:CP angleは侵されない.ただし,小児は割と下葉が侵される印象.のう胞は融合あるいは奇異なcystである.結節性のPLCH病変はFDG-PETで取り込みあり.
  • BALF:CD1a陽性細胞が5%以上が有用(ただし,特異性が劣る).
  • Respir Med.99:1188.2005:LCHの初期像の報告.
  • 外科的にランゲルハンス細胞がないこともあるが,細気管支周辺などにあるstellate fibrotic scarで診断できることもある.
  • Intern Med.46:1231.2007:肺病変は禁煙で良くなったが,肝病変は良くならなかった例.
  • 治療:
  • ①禁煙⇒②ステロイド⇒③抗癌剤
    高度のLCHは肺移植を考慮.肺高血圧の合併に注意.
  • 肺癌の合併も少なくない(LCHの病変による?,タバコの影響?).
  • IPFやCOPDよりもPLCHは肺高血圧の合併が多い
  • 肺外病変を積極的も全身検索する必要あり.
  • 小児のLCHはMMが多く,肺外病変が多い(しかし,肺病変もあることを忘れずに).SSは死亡なし,予後が良い.
  • 成人MM型の治療方針の模索.

<治験と臨床研究>

  • カルバメネム耐性腸内細菌科(CRE):CRE菌血症は2人に1人は死亡.大きな問題.
  • VAPでアシネトバクターが重要な菌になっている
  • IPM耐性Acinetobacter baumannii.アシネトバクターのうち,タイ,マレーシアは80%以上,中国では50%がこれである.日本は2%くらいだが. 細菌のNEJMで報告されたH7N9ウイルスの死亡3例,二次性細菌感染はAsinetobacter baumanniiだった⇒実はインフルエンザではなく,VAPによる死亡かもしれない.
  • 日本では,CREは1-2%,IPM耐性A.baumanniiは2%以下,多剤耐性緑膿菌も減少傾向.良い意味で日本は“ガラパゴス化”している。

<ALK肺癌における治療戦略>

  • EML4-ALK陽性例(肺癌患者の3-4%)では生存率が延長する.
  • 若年者,非/軽喫煙者に多いと言われているが実際はどうなのか.
  • 効果がある人は,内服4日くらいから効いてくる.
  • “扁平上皮癌,低分化癌”とされても・・・
  • ⇒TTF-1(ALK陽性,陰性どちらでも染まりうる),
    p53(ALKのほうが明らかに陽性になる)
    ⇒より小さな成分では腺癌の成分がなくても,EGFR,ALKは否定できない.低分化になると腺癌か扁平上皮癌かよくわからない.ALK腺癌は低分化でp53陽性例が多い
  • ALK肺癌は,年齢,性別,喫煙歴などで有意差なかった.臨床的背景のみで仕分けしてはいけない
  • どのように診断を確立していくか.
  • ①FISH(世界標準だが,感度特異度ともに△)
    ②IHC
    ③PCR
  • FISH/IHC不一致例は存在する
  • IHCの偽陰性14%,FISHの偽陰性5.3%と不一致がかなりあった.
  • IHC−/FISH+は,その逆よりも偽陽性の可能性が高い.
  • IHCが過小評価されていて,FISHが過大評価されていることに注意が必要である.
  • IHCスクリーニング陰性でもALK肺癌を疑う背景ならば,FISHを行う
  • IHC−/FISH+あるいはIHC未/FISH+⇒FISH偽陽性も考える
  • PCRをFISHの代替には用いることはできない(evidence B)
  • PCRは偽陰性が多い
  • FISHはIHCよりも条件のよい組織が必要.
  •  
  • EML4-ALK遺伝子陽性例へのクリゾチニブの投与:
  • Response rate 61%,PFS 9.7monthsであり,2年生存率52-57%EGFR mutation陽性例へのゲフィニチブ投与の効果と同等
  • 脳転移にはザーコリは効きにくいともいわれるが,効く例も存在する(症状がない脳転移にはまずクリゾチニブを試してもよいかも).
  • 副作用
  • ILD
    自験520例で,ILD 20例(4例死亡),放射性肺臓炎のリコール現象3例⇒3.8%(過小評価かもしれない).EGFR mutation陽性例に対するゲフィニチブでもILD 4%(死亡1%)であり,同等の確率でILDが起こりうる.75%は投与14日から1ヵ月以内に起こり,特にはじめの14日以内の致死率は高い.
    肝障害
    AST/ALT 60以上⇒休薬⇒Grade1以下で減量再開.
    AST/ALTとともにbil上昇⇒中止,死亡例もある.
    視覚障害
    特に夜間にライトを見ると二重に見える.昼間は大丈夫.
    ⇒今のところ眼科受診しても器質的異常はないとされる.
    好中球減少
    投与が長期になるとGrade3以上の好中球減少が起こりうる.一時休薬すると元に戻ることが多い.
    QT延長,徐脈
    Rate 50-60台になることも少なくないが,問題になることは少ない.
    消化器症状
    嘔気嘔吐,下痢,味覚障害.ゲフィニチブより多い印象.
    ⇒服用するうちに慣れてくることも多い.
  • p53陽性で扁平上皮癌と診断,でもALK陽性だった例⇒低p53は特異性が低い.低分化でも明らかな扁平上皮癌でなければ,低分化非小細胞腺癌として治療してもよいかもしれない

<小葉・細葉からみた間質性肺炎の画像診断>

  • keyとなる構造:肺静脈,細静脈
  • 肺気腫の小葉細葉辺縁は正常の気腫化がまぬがれた部位である(=ここが間質性肺炎の病変部位である)⇒CTでみられる“亀甲紋”所見.
  • 小葉細葉辺縁は肺静脈が集中する部位である.CTでみられる胸膜下の凹凸は,細葉・亜細葉の病変である(静脈の存在).
  • 小葉間隔壁はすべての小葉にあるわけではない.

<特発性上葉型肺線維症>

  • 痩せ型・扁平,HLA-B27陰性,VCが非常に低い,PaO2は相当進行しないと低下しない,50%弱に気胸(繰り返す例,両側例).両側肺上葉の病変であり,中下肺野は侵さない.両側肺門挙上.胸膜近傍にhoneycombは認めない.
  • 10-20年で亡くなるケースが多い.
  • 病理像では,胸膜近傍に優位な非特異的線維化所見のみ.
  • 鑑別として,肺結核,NTM症,強直性脊椎炎,PLCH,サルコイドーシス,じん肺,リウマチ,IPF.
  • IP(UIPなど)所見の合併例もあり,どのような関連があるかはわかっていない

<EGFR-TKIの展望>

  • 耐性化:
  • 今ところ展望がないので,現行治療の工夫を.TKI再投与とBeyond PDが注目されている.
  • PD後L858Rは依然陽性であり,T790Mが検出されなかった⇒TKI再投与して効果ある例(T790M陽性細胞が少ない腫瘍ならば再投与が効果あるかも.T790M陽性細胞が多ければ,抗癌剤+TKI併用で,T790M陽性・陰性のどちらの細胞も抑えられるかも?).
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