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第54回 日本呼吸器学会学術講演会シンポジウム
2014年4月

<安定期COPDの治療と展開>

1)LAMA

  • 今回の日本のガイドライン(第4版)でLABAがLAMA.の治療が並んだ(ultraLABAの出現が大きい)
  • ◆LAMA:スピリーバ(チオトロピウム),シーブリ(グリコピロニウム),(ウメクリジニウム),(アクリジニウム).
  • ◆LAMA/LABA配合剤:ウルティブロ(グリコピロニウム+インダカテロール),(ウメクリジニウム+ビランテロール),(チオトロピウム+オロダテロール),(アクリジニウム+ホルモテロール).
  • UPLIFT studyでチオトロピウムは死亡率を有意に低下させ,COPD stageUでpeak FEV1の経年低下量を抑制した.
  • 一時レスピマットは問題になったが,TIOSPIR studyでは,レスピマットvsハンディヘラーでも死亡率が差がなかった.初回増悪までの期間も差がなかった.心血管系イベントも問題なかった
  • GLOW2 studyでは,シーブリとチオトロピウムはほぼ同様.
  • SHINE studyでは,ウルティブロがオンブレス(インダカテロール),シーブリ,スピリーバ単剤よりも明らかに良かった.
  • ウメクリジニウム・ビランテロールのstudyでは,ウメクリジニウム単剤,ビランテロール単剤,placeboよりFEV1増加効果あり⇒年内に国内で使えそう.
  • ATTAIN studyでは,アクリジニウム 200μg,400μg,placeboを比べると,400μgはFEV1増加,TDIスコア上昇,SGRQスコア低下.
  • アクリジニウム400μg vs チオトロピウム18μgではアクリジニウムは1日2回吸入なので今までのLAMAと異なる.チオトロピウムと異なり,2回吸入することによってCOPD明け方も調子が良くなるデータがある.
  • 今後はどの組み合わせがよいか,デバイスの違いなどの検討が必要.まずはmonotherapyをやってから配合剤を考えていくのがよいと思う.
  • レスキューとして,SABAがよいかSAMAがよいかは検討がない.
  • 閉塞型緑内障は禁忌だが,尿閉でた人以外ではBPHでも使用することが少なくない.

2)LABA

  • オンブレス(インダカテロール,1日1回),セレベント(サルメテロール,1日2回),オーキシス(ホルモテロール,1日2回),ホクナリンテープ(貼付剤)(ツロブテロール)の4つが使える.
  • 数々のデータがある:
  • サルメテロール vs placebo⇒FEV1増加.
  • ホルモテロール vs placebo⇒FEV1増加.
  • インダカテロール vs placebo⇒FEV1増加.
  • サルメテロール vs placebo⇒SGRQ低下.
  • ホルモテロール vs placebo⇒QOL改善.
  • インダカテロール vs placebo⇒SGRQ低下.
  • サルメテロール vs placeboで運動耐容能に対する効果(cycle exercise test)で良かった.
  • ホルモテロールでトレッドミル検査でも良かった.
  • サルメテロールはどのCOPD重症度でも増悪改善(TORCH study).
  • インダカテロール150μg vs チオトロピウム18μg(INVIGORATE study)⇒トラフFEV1はチオトロピウムに比べても,インダカテロールは非劣性.しかし,インダカテロールはCOPD急性増悪率に非劣性は示せなかった(インダカテロール0.79回vsチオトロピウム0.61回)(The Lancet Respiratory Medicine 2013; 1: 524-533)
  • FEV1経年変化のLABAの検討はサルメテロールしかないが,placeboはFEV1 -50cc,サルメテロールはFEV1 -42ccと良かった.
  • 生命予後のLABAの検討もサルメテロールしかないが,生命予後は改善しないという結果だった.
  • インダカテロール vs サルメテロール vs placeboの肺機能とQOLの比較(ERJ 2011)では,インダカテロールはサルメテロールよりもトラフFEV1を改善させた.ただしQOLは同等であった.
  • インダカテロール150μg vs 300μg vs チオトロピウム18μgの中等症から重症COPDに対する二重盲検試験(AJRCCM 2010; 182: 155-162):トラフFEV1は非劣性で同等というデータ.SGRQはよりインダカテロールで低下とのことだが
  • ビランテロール:24時間以上の気管支拡張作用,効果の立ち上がりが早い,β2受容体により選択性.
  • オロダテロール:24時間以上の気管支拡張作用,効果は早い(ホルモテロールと同じくらい),β2受容体により選択性.
  • 生命予後改善にはサルメテロールはない,というデータがあるものの,他には一切データがなく,今後の検討課題である.
  • 自験例で,ツロブテロールの身体活動性を検討している(ただし,先行治療あり).“アクチマーカー(1分毎に1MET単位でチェックできる).1SWTや肺機能で検討.3.5METsの運動強度が改善した.⇒身体活動性を改善する可能性がある.
  • LABAは低カリウム血症を起こす可能性もあるので注意する.

3)ICSおよびICS/LABA

  • ISOLDE study:高用量ICSでQOL経年低下を抑制,ただし,死亡率はplaceboと変化なし.重症COPD(%FEV1<60%)ではQOL改善,増悪抑制.
  • Asthma COPD overlap syndrome(ACOS)についてはGOLDやGINAなどで検討中.
  • 20-30%は喘息合併COPDである.重症例にはIOS用いる.ICSに併用するのはLAMA,LABAどちらでもよい.
  • ★安定COPDに対するICS単剤:
  • ①%FEV1<60%の重症例に,②ICS長期使用してもFEV1経年低下や死亡率は抑制しない,③特に高用量では肺炎リスクに注意,④喘息合併COPDには第一選択
  • COPDに対するICSでは×だが,ICS/LABAは抗炎症効果あり(AJRCCM).
  • COPDに対するICSでは×だが,ICS/LABAで運動耐容能改善(Chest).
  • COPDに対するICSでは×だが,ICS/LABAは一貫して増悪抑制効果がある.
  • TORCH studyのサブ解析ではICS/LABAは経年FEV1減少を抑制し,QOLも改善したが,死亡抑制については統計学的に有意ではなかった.
  • メタアナライシスでは,ICS/LABAで全死亡低下との報告もあるが・・・.
  • トリプルセラピー(ICS/LABA+LAMA)の報告もいくつかあり,肺機能,COPD増悪抑制のデータあり,さらによい可能性がある.
  • ★安定COPDに対するICS/LABA:
  • ①中等症から最重症COPDでは,肺機能,耐容能,QOLは改善し,増悪も抑制.しかし肺炎リスクは上昇.FEV1経年低下も抑制した.
    ②ICS/LABA+LAMAは,肺機能,QOL,増悪改善のデータあるが,今後の検討が大切である
  • 新しいICS/LABAとして,フルティフォーム(フルチカゾン+ホルモテロール)レルベア(フルチカゾン+ビランテロール)など
  • COPDにおけるステロイド抵抗性改善薬:禁煙,スルフォラファン(サプリメント,ブロッコリに入っている),プロタンディム(サプリメント),少量テオフィリン,ノルトリプチリン(三環系抗うつ薬),マクロライド,PI3Kδ阻害薬など.
  • SUMMIT study進行中.ICS/LABA,ICS,LABAで心血管疾患の抑制ができるか?.
  • いずれにしても,ICSおよびICS/LABAは%FEV1<60%のCOPD患者に使う.ただし,喘息合併例にはICSおよびICS/LABAを用いる

4)喀痰調整薬,マクロライド,PDE4阻害薬

<喀痰調整薬>
  • 咳,痰が多いとCOPD増悪しやすい.
  • IL-6やIL-8が高いとCOPD増悪しやすい.
  • 高感度CRP(>3),フィブリノーゲン(>14),白血球(>9000)が多いとCOPD増悪しやすい.
  • ⇒このような例には抗炎症治療がkeyとなる.
  • BRONCUS study(Lancet 2005)でムコフィリンでは有意差は出なかったが,サブ解析でICSが入っていない群では喀痰調整薬は有意に増悪を減らした
  • ムコダイン(カルボシステイン),ムコソルバン(アンブロキソール)は有意差なかったが,しかしサブ解析群ではsympton scoreが高い症例では増悪を抑制した.
<マクロライド>
  • NEJM 2011の報告では,AZM群で増悪減らした(HR 0.73)(増悪多い,あるいはHOT使用など重症COPDで)
  • CAM/EMでも日本のデータで増悪を減らした報告がある.
<PDE4阻害薬>
  • 日本では承認が得られていない.
  • Roflumilast(ロフルミラスト)は500μgでFEV1 50ccくらい改善した.さらにLAMA併用だと80ccくらい改善した.男性,LAMAやICSが投与されている,咳や痰が多い例などではより効果が期待できる.
  • RPL554(PDE3/4阻害薬)の吸入のデータで,FEV1 200ccくらい改善した報告もある.
<その他>
  • スタチンにおける抗炎症効果によるCOPDに対する効果:2年以上服用で,増悪抑制.とくに高感度CRPが3以上例では死亡率も抑制した(OR 0.22).しかし3未満だとOR 0.79だが.
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