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第1回 総合アレルギー講習会①
(2014年12月20日-21日)

<アスピリン喘息AIA>

  • アスピリンアレルギーではなく,COX-1阻害作用を持つNSAIDsにより,強い気道症状を呈する不耐症.NSAIDs服用歴とアスピリン過敏の関連なし.後天的な過敏体質であり,その体質は一生続く.
  • AIAはピリンアレルギーとは異なり,ピリン,非ピリンに関係なく,すべての解熱鎮痛薬で発作が起こる
  • 選択的COX-2阻害薬であるセレコキシブは安全に使用できる.
  • 成人喘息の5-10%.20代-50代女性に多く,遺伝的背景は少ない.思春期前はまれ.10歳以下および60歳以上はほとんどない.
  • 鼻茸を伴う好酸球性副鼻腔炎(嗅覚低下)をほとんどの例で合併する.
  • ステロイド急速静注は禁忌.ビソルボン吸入も注意.
  • NSAIDs誘発症状や合併する好酸球性胃腸症状,好酸球性狭心痛にはエピネフリンが奏功する.
  • 安定期の咳にはクロモリン(インタール,SCG)が有効.
  • 難治性喘息,リモデリング喘息の代表病型
  • アスピリン喘息ではもともとCOX2活性が低下しており,内因性PGE2産生が減少している.そこにCOX-1阻害薬が加わると,さらにPGE2が減少,5-リポキシゲナーゼ(5-LO)への直接抑制が消失し,システイニルロイコトリエンが過剰に産生される可能性が考えられている.
  • 強いCOX-1阻害作用を持つ薬剤は危険:NSAIDs全般(アスピリン少量も含む).貼付剤,塗布剤,点眼薬も禁忌.※しかし,MS温湿布やMS例シップはほぼ安全.
    弱いCOX-1阻害作用を持つ薬剤はやや危険:アセトアミノフェン,1回500mg以上(500mg以上で軽い肺機能低下).
    ③COX-1阻害作用は少ない薬剤はほぼ安全:アセトアミノフェン,1回300mg以下,ソランタールなど塩基性消炎剤,PL顆粒,COX-2阻害薬(ハイペン,モービック),選択的COX-2阻害薬(セレコキシブ:セレコックス).
    ④安全:葛根湯,地竜,ペンタゾシン,モルヒネ
  • COX-2阻害薬にもわずかにCOX-1阻害作用があるので重症例には避ける
  • セレコックスなどCOX-2阻害薬は効果があまり強くないので,時にソセゴンなど併用する.
  • アスピリン喘息におけるNSAIDsの発作誘発率(PGs合成阻害,発作誘発率):
  • Aspirin(強い,100%),Indomethacin(強い,100%),Diclofenac(強い,88%),Ibuprofen(強い,97%),Mefenamic acid(中,63%), Acetaminofen(弱,6%)
  • AIAは思春期以降,特に生殖期の女性に発症しやすい
  • 最近はICSで喘息は安定化しているが,鼻茸は重症化している.好酸球性中耳炎(60%以上),好酸球性胃腸症(30%),狭心痛(15%),皮疹例(40%)が増加.難治性の咳が主体例も増加.CysLTs過剰産生例ほど,多彩な気道外症状,難治性鼻茸,中耳炎症状を呈する.
  • 疑う症状があって,AIA確率:①嗅覚低下→60%以上,②副鼻腔炎の手術既往→60%以上,③NSAIDs誘発歴→80%以上,④ミント,歯磨き,カレーで咳や発作→100%
  • AIAが否定的な臨床像:①強いアトピー体質(アトピー性皮膚炎,多種抗原感作),②小児期からの喘息,③嗅覚正常,④軽症喘息(ただし,約1割は軽症).
  • NSAIDsによる誘発歴が疑われる例から真のNSAIDs過敏喘息を見抜く:
  • ①鼻茸(嗅覚低下)や副鼻腔炎合併・既往,②服用1時間以内,鼻症状,中発作以上のうち2つ以上を満たす,③NSAIDsだけでなく,多種の薬剤やにおいでの息苦しい感じは化学物質過敏症を考える,④NSAIDs貼付薬による誘発は比較的少ないがありうる.貼付薬2枚で内服薬の1/10-1/20の血中濃度.貼付剤による誘発は通常は5時間以上を要する.
  • AIAは通常のアレルギー学的検査はすべて陰性.In vitroの特異的反応は見つかっていない.
  • 狭心痛,腹痛などには,短期間ならば(他の薬が効かないので),エピネフリン少量(0.1mg=0.1ml)を使うとよい
  • ステロイド薬の選択:ベストは内服薬(内服は側鎖がなく安全),次にデカドロン,リンデロン点滴をゆっくり.ただし,1から2時間以上の点滴では,コハク酸型でもほぼ安全(それでも1年に数回は悪化ある).
  • 非AIAよりAIAの方が有効な薬剤:①SCG,インタール:特にAIAの頑固な咳に有効.鼻閉にもやや有効.肺機能上昇の効果,②シオゾール筋肉注射25mg/月,③急性NSAIDs発作にPGE1点滴.
  • 同等:抗ロイコトリエン薬,鼻茸手術,Omalizumab.
  • アスピリン投与後の2-7日間の不応期を利用したアスピリン減感作の3つの適応(ただし施行できる施設は限られる):①NSAIDsが必要な慢性疼痛疾患の合併,②繰り返し手術が必要な鼻症状,③高用量の全身ステロイドの継続や間歇投与が必要な重症喘息.

<好酸球性副鼻腔炎>

  • アスピリン喘息患者の副鼻腔炎,鼻茸の特徴は,多発性鼻茸,再発性・難治性,鼻茸中の好酸球浸潤が著明で,これらを有する副鼻腔炎を好酸球性副鼻腔炎としている.その他の典型例の特徴は,早期から嗅覚障害,粘調性鼻汁,合併気管支喘息は成人発症の非アトピー型が多い(特にアスピリン喘息),マクロライド療法の効果は明らかではない,客観的指標(末梢血好酸球増多,CT所見(後部篩骨洞,嗅裂))などが挙げられる.
  • しかし,好酸球性副鼻腔炎のいまだ統一された定義はない.鼻茸中に好酸球浸潤が見られれば好酸球性副鼻腔炎というわけでもない.ただ,エンドタイプ(真の病態)として,①治療,特に手術治療に抵抗性(鼻茸の易再発,治療不全例),②ステロイド全身投与が有効(局所ステロイドは無効),が考えられる.
  • 好酸球性副鼻腔炎の治療:①手術(ESS),特に中鼻甲介周辺の処理が重要,②術後の維持療法:鼻洗浄,噴霧ステロイド,抗ロイコトリエン薬,セレスタミン頓用,プレドニゾロン頓用,経口ステロイド(30mgより漸減),オマリズマブなど.

<好酸球性中耳炎>

  • 喘息(成人発症,非アトピー型)に高率に合併
  • 副鼻腔炎が合併することも多い.
  • 中年女性に多い
  • 粘調な中耳貯留液で多数の好酸球.
  • 鼓膜の膨隆,または鼓膜穿孔.
  • 感音難聴を伴うことがある.
  • 従来の治療に抵抗し,全身または局所ステロイドが有効(従来型の中耳炎とは異なる疾患であるという認識が大切).

<血管性浮腫(Quinke浮腫)>

  • 皮膚,粘膜が突然腫れあがり,2−3日で元に戻る
  • かゆみは伴わない
  • 顔面に好発する
  • 症状出現には数日〜数ヶ月の間隔がある.
  • 気道が閉塞すると窒息の可能性.
  • ①特発性,②外来物質起因性(通常の蕁麻疹と同様の機序のもの,ACE阻害薬によるもの),③遺伝性血管性浮腫(補体成分C1インヒビター:C1INHの低下による)
  • ③<遺伝性血管性浮腫:Hereditary angioedema: HAE>:
  • 5万人に1人.家族歴があるが,孤発型HAEもHAE全体の25%くらいに認める.10−20歳代が多いが,あらゆる年齢で発症する.C1INHが欠如しているため,ブラジキニンが産生され浮腫をきたす.T型(HAEの85%,常染色体優性遺伝),U型(HAEの15%,常染色体優性遺伝,C1インヒビター蛋白量は正常〜上昇),V型(稀,エストロゲン依存性でほとんど女性に発症,一部に凝固第XII因子変異).
  • 症状:1)皮下浮腫,粘膜下浮腫(かゆみなし,あらゆる部位),2)消化器症状(腹痛,嘔吐,吐き気,下痢),3)喉頭浮腫(3歳以下は稀.致死率30%)
  • 感染,外傷,抜歯,ストレスなどが誘因となって症状が出現するが,天寿を全うできることは多い.
  • スクリーニングはC1インヒビター活性(保険適応)が低値.C4はほとんどすべての症例で基準値以下となるので目安になる.
  • さらに病型を検討する場合は,C1インヒビター定量(非保険適応).低値はT型,正常はU型.
  • 家族歴がなければ,後天性血管性浮腫(Aquired angioedema: AAE)が鑑別.C1q(保険適応外)が低値となれば後天性とされるが,遺伝性でも低値のことも.確定診断は遺伝子解析.
  • 発作時治療はC1インヒビター補充療法(ベリナート),トラネキサム酸(15mg/kg,4時間毎).
  • 長期予防にトラネキサム酸(30-50mg/kg/日,2-3回に分けて),ダナゾール.
  • ※参考:遺伝性血管浮腫(HAE)ガイドライン改訂2014年版.

<口腔アレルギー症候群>

  • OAS(広義):①食物による経消化管感作(重症),②PFAS(狭義のOAS).
  • OAS(狭義):感作相;シラカンバ花粉アレルゲン(Bet v1)⇔誘発相(口腔のかゆみや刺激感);モモアレルゲン(Pru p1).
  • 花粉吸入感作→交差反応→果物や野菜(PFAS;OAS狭義),ラテックス接触→交差反応→トロピカルフルーツ(バナナ,キウイ,アボカド)(ラテックスフルーツ症候群:LFS)はクラス2食物アレルギーである.
  • カバノキのBet v1をはじめとしたBet v1関連タンパクはMajor allergen,カバノキのBet v2,カモガヤのPhl p12,ブタクサのAmb a8,ヨモギのArt v4などプロフィリンはMinor allergenである.Bet v1関連タンパクとバラ科果物との交差反応によって生じるPFASが多い.プロフィリンは広範な分布を示すものの,花粉アレルギーにおいてはMinor allergenであるため,OASへの影響はBet v1タンパクより小さい.
  • Bet v1関連タンパク→感作,交差反応→バラ科果物だけでなく,豆乳やモヤシ,またヨモギ花粉→感作,交差反応→セリ科スパイスにも注意.豆乳はアナフィラキシーに至ることもある.
  • 花粉飛散は,スギ>ブタクサ>カモガヤ>ハンノキ>,,,.しかし,OASはハンノキで一番多い.ハンノキ感作19.6%,そのうち11.5%がOAS.ハンノキアレルギーの8人に1人がOAS
  • プリック・プリックテストは,食品にプリック針を刺し,すぐに前腕内側皮膚に針を刺して,15分後に膨疹を計測して判定する方法である.現在,入手可能なバイファケイテッドプリック針は滅菌されていないが,アルコール綿で拭くなどの対応で使用する.
  • 花粉感作されて,数年経ってからOASが発症することが多い.
  • ジャムや缶詰などの加工品であれば,抗原性が低下して摂取できることも多い.加工品に評価には,プリック・プリックテストを用いる.
  • 幼児期の口腔症状を呈した場合は,アトピー性皮膚炎の既往,動物性植物によるアレルギー(エビ,カニなど)を合併し,広義の口腔アレルギー症候群であることが多い.
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