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第1回 総合アレルギー講習会②
(2014年12月20日-21日, 横浜)

<気管支喘息>

  • テオフィリンは抗炎症効果量での使用がおすすめ
  • 3カ月無発作・無症状ならば,ステップダウンOK.

<ACOSの初期治療>

  • 喘息とCOPDの中間の鑑別診断に際して,最初は喘息の治療を開始する
  • 喘息/ACOSが示唆される,あるいはCOPDの不確実性が高い場合,これが確認/否定されるまでは喘息として治療する.治療にはICSを含める喘息の特徴がある場合は,ICSの併用なしにLABA単独療法を行ってはならない
  • COPDが示唆される場合,気管支拡張薬またはICSとの併用療法による適切な治療を開始するべきであるが,ICSを単独使用してはならない

<薬物アレルギー>

  • ①ウイルス感染による薬物アレルギー:伝染性単核球症に併発するアンピシリン疹HIV感染者にみられる薬疹
  • 伝染性単核球症の皮疹を起こす頻度はおおよそ10%だが,アンピシリンを投与すると70-100%に上昇する.アモキシシリン,メチシリン,セフェム系,ミノサイクリンなどでも皮疹が誘発されうる.
  • HIV感染の薬疹:
  • a) CD4陽性T細胞が減少するほど,薬疹や虫刺されアレルギーが増加するという矛盾(免疫の暴走)がある(制御性T細胞(T reg)の機能低下が関与しているのではという説がある).アモキシシリンやサルファ剤では10倍起こりやすい.薬疹以外にも乾せん様湿疹など様々な湿疹を起こす.
    b) HIV治療中の薬疹は,免疫再構築症候群(immune reconstitution syndrome)によるもの?.
    c) 肝臓のグルタチオン欠乏→薬物のアセチル化の遅延→中間代謝物が毒性を発揮.
  • 薬剤性過敏症症候群(Drug-induced hypersensitivity syndrome: DIHS)
  • 限られた薬剤投与後に遅発性紅斑が急速に拡大する.多くは紅皮症に移行する.眼の周りが白く抜けるのが特徴.薬剤を中止しても2週間以上遅延する.38度以上の発熱,肝機能障害,白血球増加,異型リンパ球,好酸球増多,リンパ節腫脹などを伴う.HHV-6再活性化が関与(HHV-6は初感染では,“突発性発疹”を起こす.2歳まで.).しかしサイトメガロウイルスの再活性化が関与することも.カルバマゼピン(テグレトール)ラモトリギン(ラミクタール)を最近経験した.
    その他,抗けいれん薬のフェニトイン(アレビアチン),ゾ二サミド(エクセグラン),フェノバルビタールや,ジアフェニルスルホン(レクチゾール),サラゾスルファピリジン(サラゾピリン),メキシレチン(メキシチール),アロプリノール(ザイロリック),ミノサイクリン(ミノマイシン)など.
  • ケモカインの1つである血清TARCが10万以上になることも→TARCがHHV-6再活性化に関与している可能性.
  • DHISに伴う急性腎障害は,報告ではすべて間質性腎炎.自験例における腎障害も間質性腎炎像を呈しており,尿細管上皮の免疫染色ではHHV-6抗原免疫染色が陽性であった.
  • TARCとは,アトピー性皮膚炎の重症度のマーカーであり,CCR4に結合し,CCR4を有するTh2細胞やT regを誘導する.紅皮症状態ではしばしば高値になる
  • DHISでは,SJS/TEN,MPEと比べて血清TARCが著明に高い
  • TARCはDHISの早期診断のマーカーになるかも(DHISではHHV-6再活性化以前よりTARCが上昇してきている).HHV-6の再活性のトリガーになる?.
  • 2週間たってからHHV-6再活性化が確認されるわけだが,早期にステロイド使ってもこの確認に影響はでるか?→早めにステロイドを投与しないと重症化することが少なくないので,早期に投与したほうがよい
  • DHISではステロイド大量投与(パルス)はよくないステロイドの減量は,再燃があるのでゆっくりと行う

<薬物アレルギーへの対応>

  • 医薬品は多い.定期的に皮膚テストを行うことにより,RASTは長期間陽性になる.→すなわち皮膚テストですら影響を受ける.
  • キノロン系は皮膚反応が有用なことがある.
  • NSAIDSで,蕁麻疹が増悪することがある.皮膚テストではNSAIDSの確定は困難である.
  • アレルギー反応の原因薬剤の代表は抗生剤とくにβラクタム系(アナフィラキシー),スルホナミド(皮膚炎),非アレルギー性反応の代表は,X線造影剤(ショック),アスピリン(喘息発作),局所麻酔薬(失神)など.
  • 局所麻酔薬,リドカインによる過敏反応は歯科で多い.2.5-10%がなんらかの異常反応を経験するが,実際のアレルギー反応は極めて低率(局所麻酔薬の異常反応のうち1%以下)といわれる.リドカインによるアナフィラキシー反応の発生頻度は100万〜150万人に1人と推定される.とくに検査を受けずに“局所麻酔薬アレルギー”とされてしまい,大多数の偽陽性患者においては,以降の診療に多大な影響がでる.念のため安全確認を行うのならば,局所麻酔薬原液のプリックテスト,100倍希釈液を用いた皮内テスト(皮内テストでもアナフィラキシーはありうるが).アミド型(リドカイン)→エステル型(プロカイン)→アミド型(メピバカイン,ブピバカイン,など)とアミド型・エステル型の間には交互作用がないので,交互に選んで行う.
  • 造影剤過敏は,高浸透圧製剤で0.22-0.04%,低浸透圧製剤で0.04-0.004%とされる.確実に造影剤過敏を予知する方法はなく,テストアンプルによる副作用予知についても信頼性は否定されている.
  • 造影剤副作用発現の危険因子:①アトピー体質,②気管支喘息(重篤な副作用を6-10倍増加),③過去の造影剤副作用歴,④β遮断薬(β1およびβ2)服用(副作用は3倍に増加.内服者ではアドレナリンの効果が十分に得られない.)
  • 造影剤ハイリスク患者への予防案:
  • ①13時間前,predonisone 1mg/kg,→②7時間前,predonisone 1mg/kg,→③1時間前,predonisone 1mg/kg,diphenhydramine 1mg/kg,cimetidine 4mg/kg(または他のH2 blocer).
  • ペニシリンによる皮膚反応陰性では,重篤なアナフィラキシーは起こらないとされる
  • 現在βラクタム系抗菌薬の注射製剤に関して,投与開始前に即時型皮膚反応検査はルーチンでは行われていないが,①以前にアレルギー反応を起こし,類似薬を投与する場合,②即時型アレルギー反応の診断および原因特定検査,の場合は検査が勧められる.

<Stevens-Johnson症候群と中毒性皮膚壊死症>

  • SJS:重症粘膜障害を伴う多形滲出性紅斑で,表皮剥離が著しくないもの.アポトーシスが多ければSJS.
  • TEN:壊死性の表皮障害(表皮全層の壊死)による広範な表皮剥離.表皮下のスリット上の水泡.
  • 眼:眼瞼全体の浮腫,涙眼,充血,角膜輪部のびらん.後遺症としてドライアイが少なくない.ひどければ,睫毛が抜けたり,視力障害.
  • 死亡率:TEN 19%,SJS 3%.
  • 50歳代がピークであり,小児は少ない.
  • 抗菌薬が多く,抗てんかん薬や消炎鎮痛薬でも起こる.
  • 被疑薬開始から皮疹出現までの期間は原因薬によって異なる抗菌薬や感冒薬,NSAIDSは3-10日と早めに起こる抗てんかん薬,アロプリノールや循環器疾患治療薬では,2-3週間以内と遅めに起こる
  • 治療:ステロイドは20-30mgといった中途半端な量はダメ.大量(パルス)を使う発症早期に開始し,急激にステロイドを減量してはダメ(前量に戻しても進行は止まらない)
  • ただ軽症ではプレドニン0.5-1.0mg/kg/日も.重症例には血漿交換,パルス,IVIG 400mg/kg/日,5日間.
  • 皮疹が軽度でも高度の眼病変が見られる場合には,発症早期からステロイドパルス.眼病変には眼局所への抗菌薬とステロイド薬投与を行う.
  • TENにおける血漿交換療法は早期施行(3日以内)が理想PE(単純血漿交換療法)のほうがエビデンスはないものの除去効率から,DEEP(二重膜ろ過療法)より有効である可能性がある.
  • IVIG大量療法:献血グロベニンIのみ保険適応.ステロイド効果不十分な重症例に.ステロイドパルスを3日行っても改善見込めないものは早めに投与.その場合でもステロイド中止はダメ,必ず併用で血漿交換の直前は行わない.副作用として,腎障害や粘液性亢進による塞栓.
  • アロプリノールによるSJS/TENは人種にかかわらず,HLA-B*58:01の頻度が高い.よって例えば父親がアロプリノールで薬疹があった患者には投与しないほうが無難
  • 台湾における研究で,HLA-B*15:02を保有しない患者にのみカルバマゼピンを投与したところSJS/TENは発症しなかったデータがある
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