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第55回 日本呼吸器学会学術講演会
(2015年4月,東京)

<LAMに対するシロリムス>

シロリムス長期投与の効果

  • 病態:TSC1/TSC2遺伝子変異→コードされているツベリン,ハマルチンの異常→mTOR活性化→LAM細胞の増殖.
  • LAM患者では,非常に個人差があるが,FEV1: 7〜9 ml/月(50〜60 ml/年),FVC: 5 ml/月で低下していく.15年生存率は72%.
  • 気胸発症群の方が,息切れ発症群より予後が良い(Respirology 2007; 12: 523-30).乳び胸・腹水起こす群も,呼吸不全発症群より予後良いPhenotypeの違い??.
  • 経過の個人差.例:若い女性,いくつかの肺の嚢胞,血清VEGFも正常.外科的生検や気管支鏡も同意得られず,経過を見ていくと,LAMだった人もいれば,現時点ではそうでない人もいた.
  • シロリムスの臨床試験:まずCAST試験→MILES試験(シロリムス投与で肺機能低下ではなく,FEV1: +19 ml,FVC: +97 mlの結果)→日本にてMLSTS試験が行われた.
  • MLSTS試験(日本,n=300):これを経て,ラパリムス1mg発売(2014年12月,e-learningが必要).シロリムス1年投与: %FEV1<70%: FEV1 +68 ml vs %FEV1≧70%: +16ml; 2年投与: <70%: +25 ml vs ≧70%: +9 ml→軽症・重症ともに全体ではほとんど変化なし.10%ベースラインに対するFEV1の変化は24か月で15%以上改善: 28%,15%以上増悪: 10%であり,患者によってバラつきがあった.15%以上改善した9人中5人に乳び胸水あるいはその既往があった.一方10%以上悪化群は,いずれも乳び胸水なし,GnRH投与者なし,であった.サブ解析では,乳び胸+/-: 1年間で,+群: FEV1 +211 ml vs -群: 10ml,2年間で,+群: +385 ml vs -群: -22mlであり,GnRH+/-: 1年間で,+群: FEV1: +184 ml vs -群: -41ml,2年間で,+群: +215 ml vs -群: -22mlの結果であった.
  • シロリムスは,肺機能の自然低下を阻止する薬剤であり,改善させるものではない.よって安易な増量に注意が必要.ただし,例外として,乳び胸水あるいはその既往のあるLAM患者においては改善させるかもしれない.GnRH投与群は乳び胸水群と交絡しているかもしれず何ともいえない.

口内炎の予防と治療

  • 口内炎が圧倒的に多い副作用.内服時期によらず常にみられる.ざ瘡様皮膚炎も多く,口内炎との関連性?.
  • アフタ性口内炎が多いと言われたが,少し異なる(周りの盛り上がりが異なる).発症機序は不明.
  • FEV1 slopeとの相関がみられた.また口内炎罹患が高い人のBMIが低下する傾向(栄養状態の低下が関与?)がみられた.
  • 化学療法に関係した口腔粘膜炎は可動部位に,①清潔(あらかじめ口内炎が起こる前から,含嗽液だけでなくブラッシングによる1日3回の口腔ケアによって口腔バイオフィルムを保護する),②保湿(生食水やアズレンなど含嗽液を1日2-3時間毎に6-8回.ただしイソジンなどアルコール含有のものはダメ.),③疼痛コントロール,が大切.

シロリムス(ラパマイシン:®ラパリムス),エベロリムス(ラパログ:®アフィニトール)による薬剤性肺障害の臨床像と対策

  • ILD発症は,シロリムス11%,エベロリムス11.7%以上と言われる.
  • MILESでは,肺臓炎2.2%.MLSTSでは,肺炎4.8%,肺障害3.2%と合わせて10%くらい.38日〜212日と後からでも起こるが,ほとんどはステロイドの反応が良好で,OP様の陰影(これがtypicalかもしれない).
  • エベロリムスも肺障害は20%近くに起こるが死亡率は低い.服用して数ヶ月経ってからでも起こりうる.ニューモシスチス肺炎も起こりうる.
  • ILDの死亡率は低いが,DADの頻度は少ないものの報告がある.
  • 肝炎ウイルスキャリアにおける肝炎ウイルス再活性化にも注意.

その他の副作用

  • 胃腸障害,皮膚症状,感染症,疼痛,上気道炎,リンパ浮腫,頭痛(神経障害では圧倒的に頭痛が多い),卵巣機能異常(嚢胞,無月経),体重減少,Hbが正常〜やや低下でMCVが小さくなる(赤血球系への影響),WBCが若干低下,血小板が若干上昇.
  • 皮膚炎の時の治療例:①ディフェリンゲル1日1回,②アクアチム1日2回,③ダラシんT1日2回,④ステロイド外用.

<AE-IIPsに対する血液浄化療法(PMX-DHP)>

  • SP-Aは胞隔炎を表すGGOと有意に相関する.AE-IIPsではAEXが起こる前にSP-Aが上昇する.SP-AはAE-IIPsの有用な予後因子である印象(しかし,感染症などでも上昇するので注意).
  • SP-A上症例には,PMX-DHPは効きにくかった.
  • 3-6時間では,P/F ratio↓であったので,自験例では12時間で施行してもらっている.
  • 入院当日あるいは翌日から,12時間を2回一方他の施設では,6時間を2日間
  • 1年間では予後に差がでたものの,3ヶ月では施行群と無施行群で予後に差がでなかった.急性期にはPMXの効果があまりないのか,あるいは3ヶ月延命できた人には予後に影響する効果がでてくるのか??.いずれにしても,治療効果が初期に認められるものは,予後が良い印象である.
  • サイトカインなど2日後のデーター改善が良い例は,3ヶ月後の予後も良い.2日サイトカインなどを吸着して,fibrosing DAD stageにブレーキをかけている?.
  • 有意差はでなかったが,P/F<150は予後が悪い.またintubation例では7/8例が死亡.
  • DADとくにARDSに限ると,50%は1週間以内でもすでに増殖期,そして1〜3週間でも30%が線維化期を病理学的に認めるとの報告あり.とにかく早く治療することが大切
  • たとえばIPFを全例登録し,(いつAEXが起こるかわからないので)あらかじめPMXの同意を取得しておく,といった対策が必要かもしれない.

<咳の病態と治療.Cough Hypersensitivity Syndrome: CHSについて>

  • anatomic diagnostic protocolからCHSへ.
  • 咳の経路として,迷走神経→①カプサイシンなどの刺激: C fiber,②機械的刺激: aδ fiber,の2つが知られている.
  • 慢性咳嗽の原因として,USでは後鼻漏(PNDS),日本ではCVAが多い.
  • GERDによる咳はここ数年で,2%から11.5%まで増加している.また他の原因による慢性咳嗽にGERDの合併は46%でありPPI単独では効果が弱く,消化管蠕動亢進薬の追加が必要であるケースも少なくない.CVA+GERD+α,CVA+副鼻腔気管支症候群+GERD+αなど.
  • では,この+αは何なのか.ここで,“Cough Hypersensitivity Syndrome: CHS”の概念がでてきた.従来原因とされていたものは,あくまで“trigger”であり,CHSが根幹となっている可能性.すなわち,CVAの咳,あるいはGERDの咳とされてきたものは,CHSのphenotypeであるという考え方.
  • 知覚過敏が病態?.Sensory neuropathic cough.1)末梢性の過敏状態,2)中枢性の過敏状態,3)逆流(GERD)
  • 小児で問題となる,心因性咳嗽はCHS??.
  • GERDはCVAなどに合併して,vicious cycle of cough and refluxのサイクルを作る.
  • 非酸性の逆流が大切,という意見がある→CHSの共通病態=非酸性のGERD
  • アミトリプチン,ガバペンチン少量,TRPV1 antagonistなど中枢神経疾患の治療薬が効果があるという報告
  • CHSのペーパー,Lung 2012; 180: 3-9.
  • リリカ(プレガバペン)がrefractory coughに効果があった経験がある.CHSには従来の咳嗽で使用されてきた薬剤は効きにくい意見がある.
  • しかしながら,CHSを慢性咳嗽の普遍的な特徴とするには現時点では問題があるが,CHSの病態を解明し,特異的な非特異的治療を開発することが大切.

<誤嚥性肺炎の予防>

  • 咀嚼時は,嚥下は起こりにくい
  • 延髄外側の脳幹梗塞で嚥下障害の例.PSGを施行したら,チェーンストークス呼吸を認めた.すなわち,呼吸のセントラルパターンジェネレーターと嚥下のセントラルパターンジェネレーターは一致していることを実感した
  • 嚥下開始直後の短時間(50-200ms)吸息活動→咽頭腔の空気を気管内に吸引することによってaerophagiaを防止している.②喉頭が下降しおわる前の呼息→上気道の食物残差を除去する.
  • Swallow non-inspiratory flow (SNIF)とは:嚥下に伴って収縮した咽頭括約筋が弛緩し,鼻咽頭に陰圧がかかる(若年者で顕著に観察され,加齢で減弱する).
  • 脳幹だけでなく,大脳皮質や皮質下領域も嚥下の制御を行っている.よって皮質梗塞などでも嚥下障害が起こるのは実臨床のとおり.
  • 高齢者は,吸息時に誤嚥する頻度が多い.嚥下タイミングの改善を目的とした,“息こらえ嚥下”をリハビリでよく行う. 
  • 健常者における呼吸と嚥下の協調性:吸息から呼息に変った時点で嚥下性無呼吸を呈し,その間に嚥下を行っている.これは声門閉鎖に伴う声門下圧の上昇による誤嚥防止,または嚥下後に呼気から開始することで,喉頭への侵入物や咽頭の残留物を喀出し嚥下後の誤嚥を減少させる気道防御の重要な運動である.
  • 息こらえ嚥下:飲食物を口に入れてから,鼻から大きく息を吸って,しっかり息をこらえて飲食物を飲み込み,口から勢いよく息を吐き出す
  • COPDにおける嚥下機能異常:GERD併存が関与している報告.COPD増悪に影響しているとの報告.
  • CPAPは嚥下反射の潜時と回数を抑制する.
  • CPAPはGERDの頻度と持続時間を減少させる.
  • NPPVはVAPのリスクを減少させる.BiPAP ST modeでは,嚥下後のSNIFが吸息トリガーされてしまう可能性に注意する.
  • 薬物として嚥下反射を起こりやすくするため以下を用いることもある:ACEi,シロスタゾール,アマンタジン,テオフィリン,半夏厚朴湯など.
  • 食物によって嚥下閾値を下げる
  • ①温かいもの(43℃以上):TRPV1 agonist;とうがらしこしょうたまねぎにんにく
    ②冷たいもの(28℃以下):TRPM8 agonist;メンソールはっか

<IPFの治療>

  • CTでinconsistent with UIPでも,病理でdefinite UIPが73%もある報告あり,問題である.

ステロイドについて

  • 現在のガイドライン:
  • Weak no: steroid+AZ+NAC.
    Strong no: steroid単独,steroid+免疫抑制剤.
    Weak recommendation: cotticosteroid with AE-IPF.
  • PANTHER-IPF: triple therapy (steroid+AZ+NAC)→死亡,入院↑のnegative data,そのうち派生してNAC服用単独→FVC減少差を認めないnegative data.Negativeであったが大切な報告.
  • 自分はAE-IPFでステロイドで反応あったら,中止とせず継続するが,収まったらステロイド中止とする海外のDr.もいる.
  • AE-IPFはヘテロな経過である
  • possible IPFでは,ステロイドを使用してもよいというDr.もいる(試験的に3-6ヶ月).
  • unclassfied IPでもfibrosisが強いものはIPFに準じた抗線維化薬を使うかどうか結論は出ていない.

Pirfenidoneについて

  • 抗線維化のみならず,抗炎症作用もある(多面的作用).
  • 軽症から中等症のFVC declineを抑える
  • 副作用として,消化器症状27.9%日光過敏症14.4%.重症のIPFだとしても,副作用の比率は同様.
  • 消化器症状は,服用して3〜6ヶ月を超えると減ってくる
  • FVC低下の抑制は1年くらいでは評価できない.3年くらいで評価する.あるいは治療前のFVC低下の評価ができているれば,内服後と比較することがでいるので有用.73%は良くなっており,7割くらいのIPFにはメリットがあると思っている
  • ASCEND study(NEJM 2014; 370: 2083-92):13−52週での解析.pirfenidone群では,placebo群と比較して,%FVCの10%以上絶対的に低下した患者,あるいは死亡した患者の割合が,47.9%相対的に減少した.また,FVC が低下しなかった患者は,132.5%相対的に増加した(P<0.001).pirfenidoneによって,6MWDの減少が抑制され(P=0.04),無増悪生存期間が改善した(P<0.001).呼吸困難スコア(P=0.16)や,全死因死亡率(P=0.10)および特発性肺線維症による死亡率(P=0.23)には,群間で有意差は認められなかった.しかし,先行する2 つの第3相試験の結果を組み込んだプール解析では,全死因死亡(P=0.01)と特発性肺線維症による死亡(P=0.006)について,pirfenidoneのほうが良好であることを示す有意差が群間に認められた
  • →これを踏まえて,昨年FDAがpirfenidoneを認可した.
  • 課題:
  • ①early treatment:%FVC 70%以上でもSpO2低下している群に対するpirfenidoneはFVC低下を抑制したとの報告.
    ②AE-IPF:ケースレポートだが,pirfenidone単独で1ヶ月でGGO減少,KL-6低下.
    ③IPF+肺癌:手術前にpirfenidone内服して,手術施行でAE-IPFなかったというretrospectiveなデータ.現在前向き試験進行中.

Nintedanibについて

  • Impulsis 1,2.Pirfenidoneとほぼ同様だが,FVC低下を抑制.
  • AMIのリスク?.循環器疾患の人には注意.
  • pirfenidone併用で,nintedanibの血中濃度が低下する可能性を示唆する報告あり,pirfenidone併用は今後の課題.
  • mortality 30%,AE-IPF 36%まで低下.

Impulsis試験(Nintedanib)のアジア人subset解析について

  • overall同様にFVC低下も半減する
  • AE-IPF(ただし,CT scanで判定していないものも含む)はvs placeboで,overall 7%,アジア人 4.6%と少ない傾向にあったが,有意ではない.しかしoverall:nintedanib 4.9% vs placebo 7.6%,日本人:nintedanib 3.9% vs placebo 12%であり,日本人には適格性が高いのでは
  • SGRQ変化も同様.
  • 副作用もほぼ同様.しかし,アジア人は少し感染症が多かった.また多いのは下痢.日本人では重篤な下痢はなかった.

<ARDSにおけるEITの肺保護換気戦略>

  • 予後改善するものとして,①低容量換気,②急性早期(48時間以内)の筋弛緩薬,③腹臥位換気と3つあるが,死亡率30%くらいまでの低下が限界.なぜか?(従来の検査における換気不均一の検出の限界).
  • そこでElectrical Impedance Tomography(EIT):体幹に電極をつけてCTなどではわからない換気の不均衡を検出する.
  • いかに換気を均一化してVALIを回避するかが重要

<日常診療における膠原病肺>

RAの間質性肺炎

  • 間質性肺炎合併例は増加傾向.RAは16.4yrsでIncidence of ILD 7.7%,non-RAは19.3yrsで0.9%(Arthritis Rheum 2010; 62: 1583-91).
  • 間質性肺炎合併例は予後不良,Risk of death:HR 2.86(Arthritis Rheum 2010; 62: 1583-91).急性増悪しやすい
  • 肺病変先行型が,10-17%存在
  • 他の膠原病に比較して,UIP/P気道病変が多い.

PM/DMの間質性肺炎

  • 間質性肺炎合併例は予後不良.
  • 自己抗体:
  • (1) Anti-aminoacyl-tRNA synthease (ARS) antibody
    Jo-1,KJ,PL-7,PL-12,KS,OJの6種類に加えて,ZO,HAの現在8種類.PL-12(33%),KS(77%),OJ(63%)はILD先行が多い抗体(PLOS ONE 8: e60442. 2014).
    (2) Anti-clinically amyopathic DM (CADM)-140/melanoma-differentiation-associated gene 5 (MDA5) antibody
    抗MDA5抗体価,IL-18,フェリチンは治療反応性と相関(Rheumatology 2012; 51: 1563-70).Palmar papule(逆ゴットロン,手掌側の落屑伴う丘疹)があると急速進行する可能性(J Rheumatol 2005; 32: 1719-26).
    ※三森先生の膠原病ノートには:
    CTでごく微細な間質性陰影でも,①ADM,②抗JO-1あるいはARSが陰性,③抗CADM-140抗体陽性,④血清フェリチン上昇(単調増加は危険),⑤間質性陰影と不釣合いなKL-6上昇(単調増加は危険),⑥ステロイド+タクロリムス治療中の新しいGGO出現,のうち1項目でもあれば,DADの危険を想定し,IVCY 500mg div(2週毎)をステロイド+タクロリムスに加える,とある.

Sscの間質性肺炎

  • NSIP/Pが多く,70-80%.
  • シクロフォスファミドの有効性が報告されているが,治療中止後の効果は限定的.
  • 以前は腎病変であったが,肺線維症が予後を決定するケースが増加.

UTCDによる肺病変,LD-CTD,AIF-ILDについて

  • IIPsからの膠原病発症率(NSIP)は?:
  • INSIP→59.7m→Autoimmune disease 52%(とりわけCTD 11%)(ERJ 2011; 38: 384-91).
    INSIP→53m→CTD 10%(ERJ 2009; 33: 68-76).
    INSIP→8.5m→CTD 21%,特に6例中4例はPM/DM(Rheumatol Int 2006; 26: 551-5).
    INSIP→CTD 9.7%(全例PM/DM).
    短期間だと,PM/DMに移行する例が多い
  • IIPsからの膠原病発症率(UIP)は?:
  • IPF 111例→6.4±4.9yrs→CTD 10例(9%).長期間だとRA,MPAが多い
  • RashHand ulcerMorning stiffnessProximal muscle weaknessがあればCTD-ILDになる可能性(Chest 2011; 140: 1292-9).
  • 抗Scl-70抗SSB抗RNP抗CCP抗体が陽性ならば,CTD-ILDになる可能性(Chest 2011; 140: 1292-9).
  • IPFとされていて,CTD-ILDになる可能性→女性(HR 3.333),lymphid aggregates with germinal centers(HR 3.367)(PLOS ONE 9: e94775. 2014).
  • UIP/PをもつIIPs,膠原病肺では病理学的にgerminal centerが重要(Chest 2009; 136: 23-30).
  • IPFならば,まずpirfenidoneやnintedanibが選択となると思うので,CTD-ILDとの鑑別は大切.ではCTD-ILDのUIP/Pはどうするか.特に肺病変先行型は?→CTDとわかれば,膠原病肺に準じて.わからなければまずはIPFと治療して,CTD的な様相を呈してきたら,膠原病肺に準じた治療にシフトする?.しかし結論は出ていない.

<COPDの治療>

  • 1) フェノタイプ:臨床的に観察される特徴のよって分類,2) エンドタイプ:病態生理学的なメカニズムによって分類,3) ジェノタイプ:遺伝子型によって分類.
  • 気管支拡張に関与する受容体:
  • β2受容体M3受容体
    分布末梢がより多い中枢がより多い
    加齢に伴う数減少不変
    COPDにおける数減少不変
    ダウンレギュレーション
    (耐性)
    あり
    (β2刺激薬投与で)
    なし
    (抗コリン薬投与で)
  • ムスカリン受容体とβ2受容体は互いに影響しあう(クロストーク).
  • 肺過膨張は生命予後と関連する.IC/TLC>25%群の方が予後が良い(Casanova C, et al. AJRCCM 2005).
  • ムスカリン受容体は中枢に多いので,ある程度の粒子径は必要.
  • ムスカリン受容体発現は,区域気管>亜区域気管支に多く,肺実質にはほとんどない.アドレナリン受容体は,肺実質>>亜区域気管支>区域気管.

LAMA

  • LAMA単剤でFEV1は0.1Lくらい上昇する.手術前に行って手術可能になったりする.
  • アクリジニウム(®エクリラ400μgジェヌエア30,1日2回),グリコピロニウム(®シーブリ,1日1回),チオトロピウム(®スピリーバ,1日1回).
  • メタアナライシスで6ヶ月治療のサブ解析ではCOPD増悪の予防効果が最も高かったのがアクリジニウム(低かったのはグリコピロニウム)(Oba et al. Ther Adv Respir Dis 2015).
  • kinetic selectivity M3/M2: チオトロピウム 4.3 vs グリコピロニウム 10.7であり,グリコピロニウムはM3( vs M2)選択性が高い(Sykes DA, et al. J Pharmacol Exp 2012).

LABA

  • 脂溶性:
  • β2刺激薬(SABA,
    LABA
    サルブタモール
    (®サルタノール)
    フェノテロール
    (®べロテック)
    ホルモテロール
    (®オーキシス)
    1日2回
    サルメテロール
    (®セレベント)
    1日2回
    オクタノール/水
    分配係数
    0.0160.742.663
  • LAMAの固有活性(弛緩率):
  • ホルモテロール(0.95)>インダカテロール(®オンブレス)1日1回(0.86)>ビランテロール(0.7)>サルメテロール(0.41)>ツロブテロール(not determined).
  • ヒトβ2受容体(気管支)のβ1受容体(心臓)に対する選択性:
  • 1) β1/β2(EC50の比):サルメテロール 3000>ビランテロール 2400>>>ホルモテロール 150>インダカテロール 16.
    2) β3/β2(EC50の比):サルメテロール 2100>ビランテロール 1000>>>ホルモテロール 59>インダカテロール 20.

LAMA/LABA

  • 合剤だとFEV1は,さらに+0.1Lで,0.2L増加する
  • グリコピロニウム/インダカテロール(®ウルティブロ,1日1回),ウメクリジニウム/ビランテロール(®アノーロエリプタ,1日1回).

LABA/ICS

  • サルメテロール/フルチカゾン(®アドエア),ブデソニド/ホルメテロール(®シムビコート)

  • COPD増悪回数と生命予後は関連する.増悪が3回/年以上は死亡リスク4.3倍(Soler-Cataluna JJ et al. Thorax 2005).
  • FSC 250/50(アドエア)は増悪予防の証明がされたが,TORCHでICSのよる肺炎発生の報告.吸入ステロイド群で肺炎発生が多く報告された.しかし,どのくらいの期間使用すると問題なのか不明な点も.
  • AZMによるCOPD増悪予防の報告(Albert RK et al. NEJM 2011).
  • LAMA(チオトロピウム)による慢性気道炎症に有効(in vitro)→炎症の強い人にチオトロピウムは良いかもしれない.チオトロピウムの喀痰抑制作用(in vivo)(Arai N, et al. ERJ 2010).
  • ホルモテロールはCOPD進行に関与するPI3-kinaseを阻害し,COPDの進行抑制が期待(Rossios C. Brit J Pharmacol 2012など).
  • CAMのin vivoにおける線維化予防および気腫化予防の報告(Nakanishi Y et al. AJRCCM 2009).
  • ホルメテロールの喀痰制御,線維化予防,気腫化予防の可能性(in vitro)(一ノ瀬正和.COPDのすべて2008).
  • 長く使われてきたチオトロピウムやホルモテロールは気管支拡張作用以外の効果があるかもしれない

<気管支喘息の治療>

  • 非喫煙者喘息における吸入ステロイド+チオトロピウムの効果(NEJM 2010; 363: 1715):チオトロピウム+ICSは,サルメテロール+ICSに非劣性>ICS倍量.
  • ATS 2014でICS+LABA治療中で症状が持続する重症持続型喘息に対して,チオトロピウムをadd-onするのは有効との報告.
  • M3受容体刺激:杯細胞からの分泌亢進,粘液下腺のムスカリン受容体を刺激,粘液糖タンパク分泌亢進,など.
  • M3受容体刺激は気道リモデリングを引き起こす.その効果はアレルギー性気道炎症を介するものではない.(Am J Respir Cell Mol Biol 2014; 50: 690-8)
  • →ヒトでどうなのか課題.
  • 炎症抑制は吸入ステロイド,抗IgE抗体◎,ロイコトリエン拮抗薬○,リモデリング抑制は吸入ステロイド○,気道分泌抑制はLABA,抗コリン薬◎,,吸入ステロイド○.
  • 重症喘息のフェノタイプ(Haldar, AJRCCM 2008; 178: 218):
  • 1) Early onset atopic(40%):比較的早期の発症,アトピー型,好酸球性炎症が強い,呼吸機能低下,可逆性および日内変動が大きい.
    2) Inflammation predominant(36%):好酸球性炎症.発症遅い,男性に多い,症状が軽いが気道炎症が強い.
    3) Obese non-eosinophilic(12%):発症遅い,肥満女性,気道炎症弱いが症状強い.
    4) Early symptom predominant(12%):若年発症,気道炎症弱いが症状強い.
  • 有名なTh2優位型と非Th2型によるフェノタイプ分類(Nature Medicine 2012; 18: 716)のsmooth-muscle mediated, pauncigranulocyticは,気管支鏡を用いたサーモセラピーがよいかも.
  • オマリズマブ(抗IgE抗体:マウス抗ヒトIgEモノクローナル抗体を遺伝子組み換え技術にて95%ヒト化したIgG抗体.IgEのFc領域に存在するCε3ドメインに結合することで効果を発現)は,FeNO高く末梢好酸球が多く血清ぺリオスチン濃度が高い例ほど増悪抑制効果があった(Hanania NA, AJRCCM 2013; 187: 804).
  • Th2優位(ペリオスチンが高い),好酸球気道炎症(好酸球が高い)によるフェノタイプ群別→ICS/LABAコントロール不良例のテーラーメード治療の可能性.
  • ペリオスチンおよび好酸球が高い(35%):IL-13抗体および1L-5抗体.ぺリオスチン高い(20%):IL-13抗体.好酸球性炎症強い(15%):IL-5抗体.どちらも低い:抗コリン薬(30%).

<SASのCPAP療法>

  • full face maskは死腔が大きいので,必ずしもうまくいくとは限らない.
  • CPAP装置の基本特性:CPAPは呼吸に合わせて“swing”する.例えば,CPAP 10cmH2Oでも,吸気時は8cmに減少し,呼気時は10.5cmに増加する.すなわち,IPAP<CPAP<EPAPである.
  • CPAP指導管理(1998〜):薬事法上,不具合が起きた場合生命に影響を及ぼす高度管理機器として規定されている.トラブルシューティングとしてDOPEの概念.すなわち,D(気道偏位),O(気道閉塞),P(気胸,圧外傷),E(機器故障).
  • 混合型無呼吸優位OSASではCPAPアドヒアランスが悪い(Chest 2011; 140: 54-61):混合型無呼吸優位なOSASのフェノタイプは,覚醒時安静呼吸が不規則,ループゲインが高い群,CPAP不耐.よってOSASという診断名と重症度指標のAHIだけで治療を選択すると失敗することがある.
  • CPAPでAHIが改善しても,寝つきが悪い,熟睡感がない,などの睡眠症状が出現する場合は,喫煙の影響があるかもしれない.

<感染症>

  • 肺炎球菌尿中抗原
  • 感度70-80%,特異度94-99%で肺炎球菌のほとんどの血清型を検出するが,感度が低い.他の微生物と交差反応性なし.しかし,Streptococcus mitisによる偽陽性あり.鼻咽腔に肺炎球菌が常在している乳幼児などでも偽陽性を考慮.肺炎球菌ワクチン接種5日以内は影響を受ける.肺炎球菌感染後,数週にわたり陽性が持続(退院後1ヵ月でも70%が陽性持続).感度がよりよい,喀痰抗原診断(C-polysaccharideを特異的に認識するポリクローナル抗体を用いたイムノクロマトグラフィー法)に期待
  • 肺炎球菌の80-90%はマクロライド耐性.
  • レジオネラ菌尿中抗原
  • 感度,特異度ともに極めて高い検査.レジオネラ・ニューモフィラT型には感度が高いが,他の血清型やニューモフィラ以外のレジオネラには感度が低い.
  • マイコプラズマの迅速診断
  • IgMも初期には高くならない.よってリボソームタンパク質L7/L12を用いたイムノクロマト法が有用(リボテスト®マイコプラズマ).これは旭化成の抗体技術により特異的な検出を実現し,従来の抗体検査よりも早期に検出可能であり,咽頭拭い液を使うことで15分で判定できる.マクロライド耐性株も増えており,きちんと診断することが大切.
  • LAMP法(Loop-Mediated Isothermal Amplification)
  • 遺伝子増幅法の一種.Tbcに.MACはわからないが,1時間で結果がわかる.将来的にはマイコプラズマのLAMP法も.
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