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第16回 東京びまん性肺疾患研究会
(2015年10月17日,東京,砂防会館)

PPFE: pleuroparenchymal fibroelastosisの病理・画像的特徴とその臨床像

A)病理

  • 1)①両側上葉が主体,②慢性の経過,③肺胞内の滲出物の線維化弾性線維が胸膜下で押しつぶされ集簇する(fibroelastosis&collapse),④構造断裂を伴うブレブと肺内嚢胞病変,⑤前面表面にfibroblastic fociが散在している例がある(ffが多いと急性増悪する経過をたどる可能性).
  • 2)PPFEは胸膜側はcollapseし肺胞はつぶれているが,肺内側では肺胞は少しつぶれるくらいで,胞隔が厚くなり肺胞腔内に肉芽があることが多い.
  • 3)UIPは小葉辺縁から病変が始まって肺構造改変をきたし小葉全体へ進展していく.一方,PPFEは肺構造改変がないまま小葉全体に病変が起こりつぶれていく(よってbronchiolizationは少ない).そして先端部に幼若な肉芽が多いものは進行が速くて予後が悪い(fibroblastic foci).

B)画像

  • 1)胸部単純レントゲンでは,強い上葉の縮みを示唆する“肺門の挙上”と“横隔膜の吊り上がり”に注意する.
  • 2)CTで所見がなくても病理学的に下葉の胸膜直下に硬化像がある例が少なくない
  • 3)CTでみる上葉の胸膜肥厚(線維化)は横長が多いが,くさび形(縦長)にみえることもある(小葉間隔壁にfibroelastosisが入り込んでいる,あるいは胸膜線維化が波打っている所見).

C)PPFEの様々な特徴

  • 1)下葉の組織は何がある?
  • 上葉同様のPPFEパターンやUIP,NSIP,mix,unclassifiedと様々
  • 2)上肺野に有意な病変は必須か?
  • どの時期で観察するかで変わってくるが21例の検討では,upper vs upper≒lower = 2:1と意外に下葉に病変がある印象.
  • 3)臨床経過がheterogenic
  • ①中年女性に多い(発症年齢はIPFより若年だが,幅があり後天的な要因が多いか),②数年から10数年の経過が多いが,急速に進行する例や急性増悪もありうる,③タバコは関係ない,④繰り返す感染(NTM症やアスペルギルスとの関連は),⑤繰り返す気胸,⑥家族性もある,⑦炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎など)など自己免疫疾患との関連,⑧やせ型で胸郭扁平(経過で胸郭扁平化が進行,肺移植後に扁平化が改善する例が存在する),⑨ばち指は少ない,⑩fine cracklesが聴取されるのは約50%,⑪KL-6は著明高値ではない例が少なくない(400〜500程度).
  • 4)様々な併存症
  • 慢性感染(NTM,Tbc),放射線治療後,抗癌剤治療後,職歴,自己免疫性疾患,過敏性肺臓炎,家族性,移植(骨髄移植,造血幹細胞移植)など.
  • 5)特徴的な肺機能
  • FVC↓,TLC↓,DLCOは進行すると↓.RV/TLC(残気率)46.4±12.9%↑↑が特徴.努力呼吸で呼吸補助筋が肥大してくる.肺機能の経年変化として,FVCやTLCおよびDLCOはベースより10%を超えて低下してくるが,RV/TLCはあまり経年で低下しない.
    ※なぜ残気率が上昇するのか(仮説)⇒
    • 上肺の線維化による瘢痕収縮が下肺の代償的過膨張を引き起こす?.
    • 扁平胸郭により吸気時に両肺の膨張が不安定になる?.
    • 吸気筋の筋力低下?.
  • 6)生存期間
  • outcomeは7.3年でIPFより少し長いが予後は良くない.ただしheterogenousな集合であり,予後に幅がある.進行するにしたがって,上肺野主体からびまん性分布になるゆるやかな群比較的急速に進行する群がある.造血幹細胞移植骨髄移植(GVHDの肺病変の一つ?,二次性は予後がより悪い可能性)肺移植後などに発症するのは二次性とするが,因果関係不明な併存症も多い.
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