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第65回 日本アレルギー学会学術集会
(2016年6月,東京)

シンポジウム12 膠原病の臓器病変とマネジメント

1)膠原病による腎障害に対する治療

  • 血管炎やループス腎炎による腎障害:まだまだ減っていない.②強皮症腎:PSL大量使わない.ACEiでかなり減少.③シェーグレン症候群による間質性腎炎,など.
  • 今回は①に着目.

<血管炎(GPA,ANCA関連血管炎:AAV)による腎障害>

  • PSL+シクロフォスファミド(CY)あるいはPSL+リツキシマブ(RTX)で治療開始⇒CYをアザチオプリン(AZA)に切り替えて,PSLを減量あるいはRTXを維持し,PSLを減量.
  • ANCA関連血管炎に対するRTXのrandomized trailはRITUXIVAS trialとRAVE trial(AAVの寛解導入においてRTXがCYに劣らず,再燃例においてはCYより優れる.⇒再燃例にはRTXを使用したほうが良い.PSLは5カ月までに中止にしたのがミソ.)
  • AAVに対するRTX維持療法(MAINRITSAN trial):RTXはAZAと比較して,寛解を有意に維持した(しかしこのtrialはPSLは中止になっていないことに注意が必要).

<SLEによる腎障害:ループス腎炎>

  • PSL+AZA or タクロリムス(TAC)or 最近ではミコフェノール酸モフェチル(MMF)が2015年よりループス腎炎に適応になった.
  • MMFは,使用した感覚だとmax 1.5mg/日くらいが限界(移植にはmax 3g/日).副作用として,消化器症状と血球減少があり,1〜2g/日くらいにとどめる例が多い.
  • タンパク尿が多いV型などにはTAC,その他の混合型にはヒドロキシクロロキン(HCQ)がよいかもしれない.SLEに対してアンカードラッグとして国際的に使用されてきたHCQも本邦でも使用可能になった.HCQは活動性の腎炎に対する効果は大きくは期待できないかもしれないが,長期的なPSLによるダメージを軽減できうる.副作用としては,網膜症に注意する.

2)膠原病に伴う皮膚病変

  • SLE:
  • 蝶形紅斑:LEの中でもSLEを考える.必ずしも鼻根部病変があるとは限らない.
    浮腫様紅斑:必ず指も診る.寒くもないのにしもやけ状.
    斑状丘疹型皮疹:軽症の(S)LEに多い.
  • DM:
  • 上眼瞼の浮腫性の紫紅色班(ヘリオトロープ疹):ヘリオトロープの花からきている.
    手指関節伸側の落屑様紅斑(ゴットロン徴候):四肢関節(膝など)伸側にも.
    逆ゴットロン徴候(CADM):鉄棒まめ様紅斑.
    メカニックスハンド(高ARS症候群に最も特徴的.間質性肺炎を効率に合併.悪性腫瘍は少ない):分布が特徴的.第1指橈側,第2・3指尺側側面の角化性局面
  • 汎発性強皮症:初発症状はレイノー症状+手指の爪郭部や爪上皮の点状出血(ダーモスコピーは常に持参).全身性強皮症(SSc)はびまん皮膚硬化型(diffuse cutaneous SSc)と限局皮膚硬化型(limited cSSc)に分かれる.
    ⇒次に自己抗体をチェックする.
  • ①抗セントロメア抗体(抗核抗体は散在斑紋型:discrete speckled pattern)→limited cSSc.
    ②抗Scl-70抗体(抗トポイソメラーゼT抗体),抗RNAポリメラーゼV抗体,抗核抗体(核小体型)→diffuse cSSc.
    ③抗RNP抗体→overlap症候群.

3)血管炎によるニューロパチー

  • なぜ小〜細動脈病変で末梢神経障害が起こるか?⇒①小〜細動脈は末梢神経組織にとってのterminal arteryであり,側副血行路がない.②神経周膜という硬い殻におおわれている血液神経関門があるため,神経束の外側から栄養供給ができず,さらに内部が腫れるとヘルニアが起こり虚血が生じる.
  • 多発単神経炎は,肘より先,膝より先,左右差ある,80%に痛みを訴える.
  • 末梢神経は1日に最大0.8mmしか再生しない血管炎によるニューロパチーは血管炎の予後不良因子に含まれないが,患者に重篤な後遺症を残しうるため,速やかな治療が必要である.ニューロパチーに対するevidenceは乏しいが十分量の免疫抑制剤を行うが,疾患によって異なる.
  • EGPA:PSL単独でもいけることも少なくない.1mg/日,軽症は0.5mg/日.
    MPA:PSL 1mg/日.
    GPA:まずPSL単独は無理.初期治療の段階からCYの併用が推奨.
  • IVIgはEGPAのある程度急性期すぎたものが適応.良くなるものもあるが,overtreatmentになってしまうので注意.プロトコールは未確立.
  • 末梢神経障害以外の臓器障害を示さず,ANCAが陽性にならず,数年〜10年みても10%くらいしか全身性血管炎にならないnon-systemic vasculitic neuropathy(NSVN)は疾患としての確立はまだされていないが,神経内科領域でしばしば遭遇する.
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